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BIPROGYメインフレーム販売・保守終了へ|国産撤退マップと移行判断2026

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目次

結論:BIPROGYも撤退へ——「期限未設定」こそ最大のリスク

日経クロステックは2026年7月3日、BIPROGYが国内で提供してきた米Unisys製メインフレームの販売・保守を終了する方針だと報じた。 報道によると終了期限は現時点で定められていないが、BIPROGYはすでに利用中の顧客へ方針を伝え、移行やモダナイズの検討を顧客と始めているという。富士通(販売終息2030年度)、日立(VOS3販売終了2027年11月)に続く動きであり、この方針が実行されれば、国内でメインフレームの販売・保守を続ける主要ベンダーは日本IBMとNECの2社に絞られる。

影響を受けるのは、Unisys系メインフレーム(BIPROGYが「Unisys ClearPath Server Series」として提供してきた製品群)で勘定系の周辺システムや基幹業務を動かしてきたユーザー企業(金融・自治体・流通・製造など、ClearPathの主要な導入領域とされる分野)だ。次に確認すべきことは3つ。①自社・グループ内にUnisys系ホストと、そこにつながる連携・帳票資産があるか、②保守契約の期限と終了通知の条項、③BIPROGYから正式な終了通知・移行提案を受けているか——である。

「期限が決まっていないから急がなくてよい」は逆だ。 期限が未設定ということは、移行計画の基準日をユーザー自身が持てず、いずれベンダー側の都合で確定する日付に自社の投資計画を合わせざるを得なくなるということを意味する。期限が切られる前に、棚卸しと移行方式の試算を自社側で済ませておくことが、交渉力と選択肢を保つ唯一の方法である。

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何が報じられたか——報道ベースの事実整理

まず、本件は本記事執筆時点でBIPROGYの公式ニュースリリースを確認できておらず、日経クロステックの取材に基づく報道である点を明確にしておく(出典:日経クロステック「BIPROGYがメインフレームの販売・保守を終了へ、国内継続は日本IBMとNECの2社に」、2026年7月3日閲覧)。報道された内容は以下のとおりだ。

  • BIPROGYは、国内で提供してきた米Unisys製メインフレームの販売・保守を終了する方針。
  • 終了期限は現時点で定めていない。
  • 理由は「顧客のAI活用やDX推進に向けて、オープン系システムへの移行を促すため」(BIPROGYの説明として報道)。
  • すでにメインフレーム利用中の顧客に方針を伝え、既存システムからの移行やモダナイズの検討を顧客と始めている。
  • 開発元の米Unisys自体は、メインフレームの販売・保守を継続する。
  • この結果、国内でメインフレームの販売・保守を継続する主要ベンダーは日本IBMとNECの2社になる。

期限・対象製品の範囲・既存保守契約の扱いなど、実務判断に直結する詳細は報道に含まれていない。断定できるのは「方針が顧客に伝達され、移行の検討が始まっている」ところまでであり、自社への適用条件は必ずBIPROGYの担当営業・保守窓口への直接確認で裏取りすべきだ。公式リリースが出た時点で本記事も追記更新する。

国産メインフレーム撤退マップ(2026年7月3日時点)

富士通・日立の期限は各社公式発表で確定している。BIPROGYの行だけが報道ベース・期限未設定である点に注意して読んでほしい。

ベンダー対象販売終了保守終了根拠
富士通メインフレーム(GS21)2030年度に終息2035年度公式発表(2022年2月14日)
富士通UNIXサーバ2029年度に終息2034年度公式発表(2022年2月14日)
日立VOS3システム(AP10000)2027年11月2034年12月公式発表(2026年5月29日)
BIPROGY米Unisys製メインフレーム未設定(終了方針)未設定(終了方針)報道(2026年7月3日・公式リリース未確認)
日本IBM / NEC各社メインフレーム継続継続報道内の整理
米Unisys(開発元)ClearPath継続継続報道内の整理

この表が示す構図はシンプルだ。2022年の富士通、2026年5月の日立、そして今回のBIPROGYと、約4年の間に国産勢の撤退方針が3件出揃い、確定済みの保守終了期限は2034年12月〜2035年度に集中している。 富士通の発表の経緯と移行論点は富士通メインフレーム2030年度撤退とCOBOL移行の進め方で、日立の発表は日立VOS3販売終了と2034年12月保守終了への逆算で詳しく整理している。

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独自分析:「期限未設定」は猶予ではなく計画不能リスクである

今回の報道で最も注意すべきは、富士通・日立と違い日付がないことだ。一見すると「まだ時間がある」ように読めるが、公表済みの各社期限と突き合わせると、むしろ次の3つのリスクとして解釈すべきである。

第一に、逆算計画が立てられない。 日立ユーザーは「2034年12月」から、富士通ユーザーは「2035年度」から、並行稼働・移行開発・要件定義の所要期間を引き算して意思決定期限を日付にできる。BIPROGYユーザーにはその基準日がない。基準日がないまま社内稟議に乗せると「期限が出てから考える」という先送りが正当化されやすく、これが一番危険だ。

第二に、期限の決定権がベンダー側にある。 終了方針は既に顧客へ伝達済みと報じられている以上、いずれ具体的な日付が設定される可能性が高い。その日付が自社の投資サイクルや基幹刷新の中期計画と整合する保証はどこにもない。期限が公表されてから動く企業は、ベンダーが引いた線に自社の予算編成を合わせる側に回る。

第三に、移行リソースの争奪戦がすでに始まっている。 撤退マップのとおり、富士通系・日立系ユーザーの移行需要は2027年〜2035年の同じ時間帯に集中する。メインフレーム移行を担えるSIerとCOBOL・アセンブラ人材の供給は限られており、BIPROGYユーザーが後から同じ窓に入るほど、単価・納期・パートナー選択肢の条件は悪化していくと考えるのが自然だ(この点は各社公表期限の重なりから導かれる構造的な推論であり、個別の需給統計に基づくものではない)。

つまり「期限未設定」の正しい読み方は、**「ベンダーが日付を決める前に、ユーザーが自分の日付を決められる最後の期間」**である。

主導権を握る2点セット:資産棚卸しと5〜7年ROI試算

期限が来てから慌てないために、ユーザー側で先に握っておくべきものは2つある。

1つ目は資産棚卸しだ。 COBOL・アセンブラのソース資産、JCL(ジョブ制御)、帳票、画面、外部連携(全銀手順・EDI・共同センター接続)、そして「ソースが残っていない・仕様を知る人がいない」ブラックボックス領域を台帳化する。棚卸しの精度が、後述する方式選定と見積もりの精度をそのまま決める。近年はこの解析工程自体をAIで大幅に短縮した事例が出ており、同日公開のカクヤスが450人月見積もりの基幹システムをAIで解読した事例が参考になる。自社資産にAI解析が適用可能かどうかの見極めはAI導入可否アセスメントの守備範囲だ。

2つ目は移行方式ごとのROI試算である。 主要な選択肢は次の3方式だ。

方式概要向くケース留意点
リホストアプリ資産をほぼそのままオープン基盤へ移す業務ロジックを変えたくない、期限優先ホスト時代の構造・技術的負債が残る
リライト言語・フレームワークを変換して移植するCOBOL人材の枯渇に手を打ちたい変換後の保守性・テスト網羅が成否を分ける
リビルド業務を見直してゼロから再構築する業務改革・データ活用まで狙う期間・投資が最大。要件定義力が問われる

一般論として、初期投資はリホスト<リライト<リビルドの順に大きくなり、逆に移行後のランニング(人材確保・保守性・拡張性)の改善幅はリビルド側が大きい。だからこそ初期費用の比較ではなく、5〜7年の総保有コストで比べる必要がある。具体的には「現行維持費(ハード保守・OS/ミドル保守・要員費・障害対応)×年数」と「移行投資+移行後ランニング×年数」を並べ、さらに期限未設定リスク——保守条件が将来変わった場合の緊急移行コスト——を現行維持側に載せて評価する。生成AIで移行の工数が劇的に下がるという期待には過大評価の指摘もあるため、試算の置き方はGartnerが指摘するメインフレーム移行失敗と生成AI過大評価も併せて確認してほしい。

なお、期限未設定リスクを試算に載せる実務的な方法は難しくない。たとえば「3年後に保守終了が5年猶予で公表される」「保守料が段階的に引き上げられる」といったシナリオを2〜3本置き、各シナリオで現行維持案の総コストがどう変わるかを幅で示せばよい。ポイントは精緻な予測ではなく、「期限が出た瞬間に現行維持案の前提が崩れる」ことを経営が数字の幅として見られる状態にしておくことだ。稟議の場で「撤退はまだ先の話では」という反論が出たときに、この幅の資料があるかどうかで議論の質が変わる。

この2点セット——棚卸し台帳とROI比較表——を持って初めて、ベンダーから期限や移行提案が提示されたときに「受け入れる/条件交渉する/別パートナーで進める」を自社の判断として選べるようになる。方式選定から移行実行までの全体像はレガシーシステム刷新(モダナイゼーション支援)で解説している。

撤退報道を受けて90日でやることチェックリスト

ClearPathユーザーはもちろん、富士通・日立系や「ベンダー撤退リスク」を抱えるすべてのレガシーユーザーに共通で使える初動リストとして整理した。

  • 自社・グループ内のUnisys系/メインフレーム資産の有無を確認する(本体だけでなく子会社・共同利用センター経由の利用を含める)
  • BIPROGYからの正式通知の有無と内容を確認する(報道と自社への通知内容が一致するか、書面で残す)
  • 保守契約書の終了関連条項を読む(終了通知の予告期間、保守料改定条項、スペア部品・技術者確保の保証範囲)
  • 資産棚卸しに着手する(ソース有無・ステップ数・JCL・帳票・画面・外部連携・有識者の年齢構成まで台帳化)
  • 外部連携先を一覧化する(全銀手順・EDI・共同センター。相手側の刷新計画が自社改修を強制するタイミングを把握)
  • 移行方式3案の粗いROI比較を作る(5〜7年の総保有コスト。精緻でなくてよいので土俵を先に作る)
  • 経営に「自社の意思決定期限」を日付で報告する(ベンダー期限が未設定でも、要員・予算・並行稼働から逆算した自社期限を置く)

7項目のうち最初の3つは今週中に終えられる。後半4つが90日仕事であり、ここに外部の手を入れるかどうかで速度が変わる。

よくある質問

Q1. 保守終了期限が未設定なら、当面は使い続けても問題ないのでは?

A. 契約上は保守が続く限り使い続けられる。ただし報道によれば終了「方針」は既に顧客へ伝達されており、いずれ日付が設定される可能性を前提に置くべきだ。大規模基幹の移行は棚卸し・方式選定・開発・並行稼働で数年単位を要するため、「期限が出てから着手」では選択肢が狭まる。少なくとも棚卸しとROI試算だけは先行させたい。

Q2. 開発元の米Unisysは継続するのだから、直接契約すれば済むのでは?

A. 報道では米Unisysが販売・保守を継続するとされているが、国内でのサポート体制・言語・SLA・既存カスタマイズ資産の引き継ぎがこれまでと同等になるかは現時点で不明だ。「継続の受け皿がある」ことと「自社がその受け皿へ実務的に移れる」ことは別問題であり、移行先候補の一つとして条件を確認する対象と考えるのが妥当である。

Q3. リホストとリライトでは費用がどれくらい違うのか?

A. 資産規模・ブラックボックス率・外部連携の複雑さで大きく変わるため、一律の倍率は示せない。構造として、リホストは改修範囲を最小化するぶん初期費用と期間を抑えやすく、リライト・リビルドは初期投資が大きい代わりに移行後の人材確保・保守性で効いてくる。だからこそ初期費用の相見積もりではなく、5〜7年の総保有コストと撤退リスクを含めた比較表で判断すべきだ。

Q4. 自社はメインフレームを使っていない。この報道は無関係か?

A. 取引先・親会社・地域金融機関・共同センターがUnisys系で動いていれば、その移行に伴う連携仕様変更(EDI・ファイル連携・帳票)が数年内に自社へ波及し得る。また「ベンダーが撤退したら詰む」構図はメインフレームに限らず、サポート切れOSや保守要員が一人しかいない自社システムにも当てはまる。自社版の撤退リスク台帳を作るきっかけにするのが実務的な読み方だ。

移行の初手を第三者と組みたい企業へ

「BIPROGYから方針は聞いたが、社内に移行計画を作れる人がいない」「COBOL資産・帳票・JCLの棚卸しから始めたいが、進め方の型がない」「ベンダー提案を受ける前に、段階移行と並行稼働の計画を第三者と作って交渉の土俵を持ちたい」——この段階の相談こそ、GXOが最も価値を出せる局面です。

GXOは特定ベンダーに依存しない立場で、資産棚卸し・移行方式の比較試算・段階移行ロードマップの策定から実装まで伴走します。社内に推進役が足りない場合は、プロ人材による伴走実装(FDE+)でプロジェクト推進体制ごと補うことも可能です。ベンダーが期限を決める前に、自社の日付と比較表を持ちたい方は、レガシー刷新の無料相談からお声がけください。棚卸しの初回壁打ちだけでも歓迎です。

出典

一次(公式発表)と二次(報道)を区別して記載する。

  • 【二次・報道】日経クロステック「BIPROGYがメインフレームの販売・保守を終了へ、国内継続は日本IBMとNECの2社に」(2026年7月3日公開、2026年7月3日閲覧):https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/03293/ ——BIPROGYの終了方針・期限未設定・米Unisys継続・国内継続2社の記述はすべて本報道に基づく。BIPROGY公式ニュースリリースは執筆時点で未確認。
  • 【一次】富士通株式会社「メインフレーム/UNIXサーバの今後の方針」(2022年2月14日、2026年7月3日閲覧):https://info.archives.global.fujitsu/jp/news/2022/02/14-1.html ——メインフレーム販売終息2030年度・保守終了2035年度、UNIXサーバ販売終息2029年度・保守終了2034年度。
  • 【一次】日立製作所「AIを徹底活用し、お客さまの基幹システムのモダナイゼーションを加速」(2026年5月29日、2026年7月3日閲覧):https://digital-highlights.hitachi.co.jp/_ct/17842325 ——「VOS3システムの販売を2027年11月、保守を2034年12月に終了します」。
  • 【参考】BIPROGY株式会社「Unisys ClearPath Server Series」製品ページ(2026年7月3日閲覧):https://www.biprogy.com/solution/service/clearpath.html ——BIPROGYが提供するUnisys製メインフレームの製品ラインの参照。

本記事のBIPROGYに関する記述は2026年7月3日時点の報道ベースであり、公式発表により内容が更新される可能性がある。自社契約への適用条件は必ずBIPROGYの窓口で確認のうえ、本記事は公式リリース公表後に追記更新する。

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