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title: "2026年度診療報酬改定で新設「電子的診療情報連携体制整備加算」を取りこぼさない医療DX改修ガイド" description: "2026年度診療報酬改定で医療情報取得加算・医療DX推進体制整備加算が廃止統合され、電子的診療情報連携体制整備加算が新設。加算1=15点・2=9点・3=4点の区分別要件、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービス・マイナ保険証利用率への対応、システム改修の優先順位を事務長・院長・医療情報担当向けに整理する。" keyword: "電子的診療情報連携体制整備加算 2026 診療報酬改定 医療DX 電子処方箋" slug: "medical-fee-2026-electronic-clinical-info-addition-20260625" date: "2026-06-25" updatedAt: "2026-06-25" category: "業界別DX" tags: ["医療DX","診療報酬","電子カルテ","電子処方箋","医療"] author: "GXO株式会社" lead_summary: "医療DX加算が体制整備から利用実績へ転換。電子的診療情報連携体制整備加算の区分別要件とシステム改修の優先順位を整理する。"

2026年度診療報酬改定で新設「電子的診療情報連携体制整備加算」を取りこぼさない医療DX改修ガイド

結論:医療DX加算は「体制を整えた」では取れなくなり、「日々使っている実績」で点数が決まる

2026年度(令和8年度)診療報酬改定で、これまでの「医療情報取得加算」と「医療DX推進体制整備加算」が廃止され、新設の「電子的診療情報連携体制整備加算」へ統合・再編された。

最大の論点は1つである。評価軸が「システムを導入したか(体制整備)」から「電子処方箋・電子カルテ情報共有サービス・マイナ保険証を実際に日々使っているか(利用実績)」へ移ったことだ。オンライン資格確認を入れただけ、電子カルテを置いただけでは、上位区分は算定できない。

初診時の点数は3区分に分かれる。

区分初診時の点数おおまかな立ち位置
加算115点電子処方箋+電子カルテ情報共有サービスを実際に活用
加算29点電子処方箋または電子カルテ情報共有サービスのいずれかに対応
加算34点オンライン資格確認等の基本的な医療DX体制

(再診時は区分にかかわらず月1回2点が算定可能、という整理が公開資料で示されている。点数・要件は厚生労働省の告示・通知・疑義解釈で必ず確認すること。)

押さえるべき1点:差は「15点と4点」ではなく、「電子処方箋と電子カルテ情報共有サービスを本番運用に乗せられているか」という改修・運用の差である。1点でも算定区分を上げるには、システム改修と日々の運用変更を逆算する必要がある。

医療機関のシステム刷新・電子カルテ連携の相談先を先に確認したい方は、医療DXの開発・改修相談を参照してほしい。自院の医療DXがどこまで進んでいるかを先に俯瞰したい場合は、DX・IT成熟度診断で現在地を把握できる。

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なぜ「廃止・統合」が事務長と医療情報担当に効くのか

これまでの医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算は、オンライン資格確認の導入やマイナ保険証を使える環境整備という、いわば「インフラを整えたこと」を評価する性格が強かった。

2026年度改定は、その整備フェーズが一巡したという前提に立ち、整えたインフラを実際に使って医療情報を連携しているかを評価する方向へ舵を切った。

観点改定前(旧加算)改定後(電子的診療情報連携体制整備加算)
評価の中心体制・環境の整備電子処方箋・情報共有の利用実績
マイナ保険証利用できる環境があるか利用率という「実績の数字」
電子処方箋導入の有無が中心発行・登録の運用が要件に組み込まれる
情報共有電子カルテ情報共有サービス参加が上位要件
取りこぼしリスク比較的小さい運用が回らないと上位区分を失う

つまり事務長・院長にとっては「算定できていたはずの加算が、運用次第で下位区分に落ちる」リスクが生まれる。医療情報担当にとっては「システムを入れて終わり」ではなく、運用と数字を維持する改修・設定が継続業務になるということだ。

加算区分ごとの要件と、必要なシステム改修の中身

公開されている資料・疑義解釈をもとに、区分ごとの要件と、そこで必要になるシステム側の改修・設定を整理する。具体的な施設基準の文言は厚生労働省の告示・通知・疑義解釈を一次情報として確認してほしい。

全区分に共通してのしかかる基本要件

共通要件内容改修・運用で見る点
オンライン資格確認体制の確保受付・レセコン連携が安定稼働しているか
レセプトオンライン請求電子情報処理組織での請求請求フローが電子化されているか
明細書無償発行患者への発行自動発行設定・運用
マイナ保険証利用率一定率以上(基準率は告示・疑義解釈で示されるため要確認)受付フロー・声かけ・案内導線の設計
情報公表Webサイト等での掲示院内掲示・サイト記載の整備

特にハードルが高いと指摘されているのがマイナ保険証利用率である。これはシステムを入れれば自動で満たせる数字ではなく、受付の声かけ、案内表示、患者導線の設計という「現場の運用」に依存する。利用率の算定根拠となる期間(算定月の数か月前のレセプト件数ベース等)は疑義解釈で示されているため、現場は「いつの数字で判定されるか」を必ず確認しておく。

加算1(初診15点・最上位)で求められること

要件カテゴリ内容システム改修の中身
電子処方箋発行体制・運用(院外は発行や処方情報登録、院内は調剤情報登録など)電子処方箋管理サービス連携、HPKIカード運用、レセコン・電子カルテ連携
電子カルテ情報共有サービス国等のサービスへの参加・活用共有サービスへの接続・登録、3文書6情報等の出力対応
共通基本要件上記5項目を満たすマイナ保険証利用率の維持運用

加算1は「電子処方箋」と「電子カルテ情報共有サービス」の両方を実際に運用していることが核になる。ここが最も改修ボリュームが大きく、電子カルテベンダーの対応バージョン、接続設定、HPKI、運用フローまで含めたプロジェクト型の対応になりやすい。

加算2(初診9点)で求められること

要件カテゴリ内容
いずれか対応電子処方箋の発行体制、または電子カルテ情報共有サービス等のいずれかに対応
共通基本要件全区分共通の基本要件を満たす

加算2は「両方」ではなく「いずれか」でよい。すでに電子処方箋を運用している、あるいは情報共有サービスに参加している医療機関は、もう一方を整えれば加算1への引き上げが視野に入る。

加算3(初診4点)で求められること

要件カテゴリ内容
基本体制オンライン資格確認等の基本的な医療DX体制・情報公表
共通基本要件全区分共通の基本要件を満たす

加算3は追加要件が比較的軽く、まずここを確実に取りに行く区分と位置づけられる。逆に言えば、共通の基本要件(特にマイナ保険証利用率)を落とすと、加算3すら算定できない事態が起こりうる。

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算定取りこぼしを防ぐシステム改修の優先順位

限られた予算と人手で動く以上、すべてを同時には進められない。「落とすと一番痛いもの」から逆算して優先順位をつける。

優先度取り組み理由主担当
1共通基本要件の死守(オン資・請求・明細書・マイナ利用率・情報公表)これを落とすと全区分が算定不可になる事務長・受付
2マイナ保険証利用率の運用設計と可視化システムでなく現場運用の数字。継続監視が必要事務長・医療情報担当
3電子処方箋の発行・登録運用の安定化加算2・加算1への引き上げの分岐点医療情報担当・ベンダー
4電子カルテ情報共有サービスへの参加・活用加算1の必須要件。改修ボリュームが大きい院長・情報担当・ベンダー
5算定区分の判定・モニタリングの仕組み化区分の維持・取りこぼし検知事務長・経理

ここで見落とされがちなのが優先度5の**「自院がいま何点を算定できる状態か」を継続的に把握する仕組み**だ。利用率は月ごとに動く。電子処方箋や情報共有の運用が止まれば区分は下がる。にもかかわらず、多くの医療機関は「届出を出した時点の区分」のまま放置し、要件を満たせていない月の算定リスクや、逆に上位区分を取れるのに取れていない機会損失を見逃す。

ここはレセコンや電子カルテの稼働データ、オンライン資格確認の利用ログを集約して可視化する領域であり、診療データ基盤・BI構築の発想が活きる。利用率・電子処方箋発行件数・情報共有の登録状況をダッシュボード化すれば、区分の取りこぼしを月次で検知できる。

電子カルテや基幹システムが古く、電子処方箋連携・情報共有サービス接続の改修が難しい場合は、連携基盤やAPI整備を含めた医療システムの開発・改修として段階的に進める選択肢がある。

院内チェックリスト:どこまで対応できているか

事務長・院長・医療情報担当で、まず以下を埋めると現在地が見える。

  • オンライン資格確認・レセプトオンライン請求・明細書無償発行は安定稼働しているか
  • 直近のマイナ保険証利用率は何%か。算定の判定対象期間はいつの数字か把握しているか
  • 利用率を上げる受付運用(案内・声かけ・掲示)の責任者と導線が決まっているか
  • 電子処方箋を実際に発行・登録できているか。院外・院内それぞれの運用は回っているか
  • 電子カルテ情報共有サービスに参加し、3文書6情報等を出力・共有できているか
  • 自院がいま算定すべき区分(加算1/2/3)はどれか、根拠とともに説明できるか
  • 区分が下がる兆候(利用率低下・運用停止)を月次で検知できる仕組みがあるか
  • 使用中の電子カルテ・レセコンは今回の要件に対応したバージョン・設定になっているか
  • ベンダーの対応スケジュールと、追加費用の有無を確認したか
  • 届出様式・経過措置の有無を厚生労働省・地方厚生局の最新資料で確認したか

埋まらない項目が多いほど、加算1を狙う前に共通基本要件と運用の地固めが先になる。院内で配布・確認に使えるチェックリスト類はお役立ち資料ダウンロードからも入手できる。

よくある質問(FAQ)

Q. オンライン資格確認と電子カルテはもう入っている。それで加算1は取れるか。 A. それだけでは不足する可能性が高い。加算1は電子処方箋の発行・登録運用と、電子カルテ情報共有サービスへの参加・活用が核になる。「導入済み」ではなく「日々使っている実績」が問われる点が改定前との最大の違いである。

Q. マイナ保険証利用率はシステムを入れれば自動で満たせるか。 A. 満たせない。利用率は受付での案内・声かけ・掲示といった現場運用に大きく依存する。判定の対象となる期間も決まっているため、運用設計と数字のモニタリングをセットで進める必要がある。

Q. 旧加算(医療情報取得加算・医療DX推進体制整備加算)の届出はそのまま使えるか。 A. これらは廃止・統合されている。新加算の施設基準・届出が必要になるため、地方厚生局の様式と経過措置を一次情報で確認すること。

Q. 古い電子カルテで電子処方箋や情報共有サービスに対応できない。どうするか。 A. ベンダーの対応バージョン・スケジュールを確認したうえで、対応不可なら連携基盤やAPI整備、必要に応じてシステム更改を含めて検討する。まず加算3・加算2を確実に取りつつ、加算1への移行を計画的に進めるのが現実的である。

Q. 点数や要件はこの記事のとおりで確定か。 A. 本記事は公開資料・疑義解釈に基づく整理であり、点数・施設基準・届出・経過措置は厚生労働省の告示・通知・疑義解釈(その1〜その6等)が一次情報である。算定可否の最終判断は必ず公式資料と地方厚生局で確認してほしい。

この記事を読むべき人

  • 病院・診療所の事務長:算定区分の取りこぼし・機会損失を防ぎ、収益に直結させたい
  • 院長:医療DX投資をどこから回収するか、加算と改修コストを天秤にかけたい
  • 医療情報担当:電子処方箋・情報共有サービスの改修と運用維持の段取りを組みたい
  • 経理・医事:区分維持のモニタリングと届出管理を仕組み化したい

いつGXOに相談すべきか

  • 電子カルテ・レセコンが古く、電子処方箋連携や電子カルテ情報共有サービスへの接続改修が難しい
  • マイナ保険証利用率・電子処方箋発行件数・情報共有の状況を可視化し、区分の取りこぼしを月次で検知したい
  • 加算1を狙うために、システム改修と運用変更の優先順位・費用・スケジュールを逆算したい
  • 複数システムが分断されており、医療情報連携の基盤づくりから相談したい

GXOは、医療機関のシステム開発・改修、電子カルテや基幹システムの連携、診療データの可視化基盤づくりを組み合わせ、診療報酬の算定要件を「運用が回り続ける形」で支援する。 → 医療DXの相談はこちら

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参考資料

  • 厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会資料「医療DX推進体制整備加算等の要件の見直しについて」 https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001521280.pdf
  • 厚生労働省保険局医療課「医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて」 https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001277499.pdf
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」関連通知・疑義解釈資料(その1〜その6)(各地方厚生局・厚生労働省サイトで公表)
  • GemMed「電子的診療情報連携体制整備加算における電子処方箋・電子カルテ等要件の詳細など示す―疑義解釈4」 https://gemmed.ghc-j.com/?p=74104

本記事は2026年6月25日時点の公開情報・疑義解釈をもとに作成。点数・施設基準・届出・経過措置・マイナ保険証利用率の算定方法は、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈および地方厚生局の様式を一次情報として必ず確認すること。

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