結論から言うと、「集客用・会社紹介用のホームページを作りたい」という目的だけでは、IT導入補助金(現:デジタル化・AI導入補助金)の補助対象にはなりません。 この制度の対象は、事前に登録された「業務プロセスを持つソフトウェア(ITツール)」であり、単なるコーポレートサイトや集客サイトの制作費は、補助対象経費として想定されていないからです。一方で、予約管理やEC、顧客管理といった業務機能を伴うシステムであれば、対象になり得ます。つまり「ホームページかどうか」ではなく、**「業務プロセスを持つ登録ITツールに該当するか」**で判断されます。
本記事は、ホームページやWebシステムの制作に補助金を使いたい経営者・個人事業主・販促担当の方に向けて、どの補助金が何に使えるのかを、公式の公募要領に基づいて整理します。「補助金が使えるらしい」という営業トークを鵜呑みにして発注し、後で対象外だった・割高なツールを買わされた、という失敗を避けるための判断軸をお伝えします。補助金制度全体の地図は中小企業の補助金完全ガイド、IT導入補助金の申請実務はIT導入補助金 活用ガイドもあわせてご覧ください。
注記:補助金の制度・要件・金額は年度や公募回で変わります。本記事は2026年7月時点で公開されている公式情報に基づきます。申請前には必ず、記事末尾の公式一次ソースで最新の公募要領をご確認ください。
目次
- まず結論:目的別の「使える補助金」早見表
- 制度名が変わった:IT導入補助金→デジタル化・AI導入補助金
- IT導入補助金の対象は「業務プロセスを持つ登録ITツール」
- ホームページが対象になる条件・ならないケース
- ホームページ制作なら持続化補助金の「ウェブサイト関連費」
- 補助金ありきで発注して失敗する4パターン
- 鉄則:交付決定「前」に発注すると対象外になる
- 補助金でHP・システムを作る前のチェックリスト
- よくある質問(FAQ)
- 補助金の使えるか診断・発注前整理
- 参考(公式一次ソース)
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まず結論:目的別の「使える補助金」早見表
「ホームページを作りたい」といっても、目的によって使うべき補助金は変わります。まず全体像を押さえてください。
横にスクロールして確認できます
| やりたいこと | 主に検討する補助金 | 補足 |
|---|---|---|
| 会社紹介・集客用のホームページ制作 | 小規模事業者持続化補助金(ウェブサイト関連費) | 上限あり・単独申請不可。後述 |
| 予約・EC・顧客管理など業務機能を持つシステム | デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 登録ITツールに該当する場合 |
| 業務効率化のためのソフト導入 | デジタル化・AI導入補助金 | 制度の本来の対象 |
| 単なるサイトのデザイン刷新のみ | 補助金は使いにくい | 販路開拓の取組と一体でないと難しい |
ポイントは、「ホームページ」という言葉で一括りにせず、それが持つ機能で判断することです。同じ「サイトを作りたい」でも、業務を回す機能があるかどうかで、使える制度も自己負担額もまったく変わります。ここを取り違えると、申請の準備をしてから対象外と分かったり、本来もっと有利な別制度を見逃したりします。以下、なぜそうなるのかを制度ごとに説明します。
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SUBSIDY ELIGIBILITY
補助金を使う前に、業務要件と対象経費を整理しませんか?
制度要件、対象経費、既存業務、データ連携、採択後の実装体制を確認し、申請前に詰まりやすい論点を整理します。
制度名が変わった:IT導入補助金→デジタル化・AI導入補助金
まず前提として、多くの人が「IT導入補助金」と呼んでいる制度は、正式名称が**「中小企業デジタル化・AI導入支援事業(デジタル化・AI導入補助金)」**に変わっています。公式サイトでも「旧IT導入補助金」と併記されています。検索で「it導入補助金 ホームページ作成」と調べる人が多いのは旧名が浸透しているためですが、制度の中身と対象は最新の公募要領で確認する必要があります。
名前が変わっただけでなく、AI導入の支援が前面に出るなど中身も更新されています。「昔、知人がホームページに使えたと聞いた」という情報は、当時の別制度・別枠の話である可能性が高く、そのまま今の判断に使うと外します。
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IT導入補助金の対象は「業務プロセスを持つ登録ITツール」
デジタル化・AI導入補助金(通常枠)の公式情報によると、補助の対象は次のように整理されます。
- 必須要件:1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請すること(汎用プロセスのみは不可)
- 補助対象経費の例:ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ、導入コンサルティング・導入設定・保守サポート
- 補助率:1/2以内〜2/3以内(要件により変動)
- 補助額の目安:1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下
重要なのは、対象が**「事前に事務局へ登録されたITツール」に限られるという点です。ITツールとITベンダーがあらかじめ登録されていて、その中から選ぶ仕組みになっています。したがって、自社が自由に選んだ制作会社に「集客用ホームページ」を作ってもらう費用は、この枠組みに乗りません。「業務プロセスを持つソフトウェアか」「登録されたITツールか」**——この2点が、対象か否かの分かれ目です。
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ホームページが対象になる条件・ならないケース
「ホームページ」と呼ばれるものの中でも、機能によって扱いが分かれます。
横にスクロールして確認できます
| 作りたいもの | IT導入補助金での扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 会社紹介・コーポレートサイト | 対象になりにくい | 業務プロセスを持つソフトではない |
| 集客・ブランディング用のLP | 対象になりにくい | 同上。販促目的の制作費 |
| 予約管理システム付きサイト | 対象になり得る | 予約という業務プロセスを持つ |
| ECサイト(受注・決済・在庫連携) | 対象になり得る | 受注管理等の業務プロセスを持つ |
| 顧客管理・会員管理を伴うサイト | 対象になり得る | 顧客管理という業務プロセスを持つ |
つまり、「見せるための静的なサイト」は対象外に近く、「業務を回す機能を持つシステム」は対象になり得るという線引きです。ただし「対象になり得る」ものでも、その具体的なツールが事前登録されているかを必ず公式のITツール検索で確認する必要があります。登録されていなければ、機能があっても対象にはなりません。EC・会員機能の費用相場は会員サイト開発費用の相場もあわせて検討してください。
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ホームページ制作なら持続化補助金の「ウェブサイト関連費」
では「業務機能のない、集客・会社紹介のホームページを作りたい」場合はどうするか。代表的な選択肢が小規模事業者持続化補助金です。これは販路開拓の取組を支援する制度で、その一環としてウェブサイト関連費が認められています。ただし、次の重要な制限があります(公式ガイドブックより)。
- 上限:ウェブサイト関連費は、補助金総額の**1/4(最大50万円)**を上限とする
- 単独申請不可:ウェブサイト関連費のみによる申請はできない。他の販路開拓の取組と組み合わせる必要がある
この2点は見落とされがちで、「持続化補助金でホームページ代が全額出る」という誤解のもとになります。実際は、補助金全体の1/4までしかウェブサイト費に充てられず、しかもウェブサイトだけを目的にした申請は認められません。たとえば補助金総額が100万円なら、ウェブサイト関連費に充てられるのは最大25万円まで、という考え方になります(最大50万円が天井)。
補助率や上限額、対象者(小規模事業者)の定義は公募回ごとに更新されるため、金額の詳細は記事末尾の公式ガイドブックで確認してください。ホームページ制作そのものの進め方はホームページ制作の依頼ガイド、リニューアルの費用感はホームページリニューアルの費用相場で整理しています。
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補助金ありきで発注して失敗する4パターン
補助金は強力ですが、「補助金が使えるから」を出発点にすると、次のような失敗が起きます。GXOが発注相談でよく見るパターンです。
- 対象要件を満たさないのに進めてしまう:業務プロセスを持たない集客サイトをIT導入補助金で、と考え、申請段階で対象外と判明。準備が無駄になる。
- 登録ツール縛りで割高・過剰なものを買わされる:補助対象にするために、本来不要な機能まで含む登録ツールを選び、補助を受けても総支出が増える。
- 補助金が主目的化し、業務に合わないものを作る:「補助が出る構成」に寄せた結果、自社の業務フローに合わないシステムになり、結局使われない。
- 公募スケジュールに振り回される:締切に合わせて要件を固めきらずに申請・発注し、仕様が甘いまま開発が進んで作り直しになる。
共通する教訓は、「作るべきもの」を先に決め、補助金は後から当てはめるという順番です。補助金の有無で作るものを変えるのは、多くの場合、本末転倒になります。
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鉄則:交付決定「前」に発注すると対象外になる
補助金でホームページやシステムを作るとき、要件と並んで必ず知っておくべき鉄則があります。それは、多くの補助金で**「交付決定を受ける前に発注・契約・支払いをした経費は、補助の対象にならない」**という点です。
「補助金が使えるなら、早く進めたい」と考えて、申請中や交付決定前に制作会社と契約してしまうと、そのシステムは補助対象から外れることがあります。良い提案を受けて前のめりに発注し、後から「交付決定前の契約なので対象外です」と言われる——これは補助金絡みで最も多い、そして最も痛い失敗のひとつです。
正しい順番は、おおむね次のようになります。
- 作るものの要件を固める(補助金ありきにしない)
- 対象になる補助金・枠を確認し、必要書類・見積もりを準備する
- 申請する
- 交付決定を待つ
- 交付決定後に契約・発注・支払いを行う
- 実績報告を提出し、補助金の交付を受ける
この流れを崩すと、補助金が受けられなくなるだけでなく、スケジュールも二重に狂います。**「交付決定までは正式発注しない」**を鉄則として、制作会社にもこの前提を共有しておくことが重要です。ただし、対象経費の起点や例外の扱いは制度・公募回で異なるため、必ず各公募要領で確認してください。
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補助金でHP・システムを作る前のチェックリスト
- 作りたいのは集客用サイトか、業務機能を持つシステムか、目的を言語化してある
- その機能が**「業務プロセスを持つソフト」に当たるか**を確認した
- IT導入補助金を狙うなら、使いたいツールが事前登録されているかを公式で確認した
- 集客HPなら、**持続化補助金のウェブサイト関連費(1/4・最大50万円・単独不可)**の制限を理解している
- 補助金ありきでなく、作るべきものを先に決めている
- 補助を受けても、総支出とROIで発注判断ができている
- 交付決定を受ける前に契約・発注・支払いをしないことを制作会社と共有した
- 最新の公募要領・締切を公式一次ソースで確認した
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よくある質問(FAQ)
Q. IT導入補助金でホームページ制作費は出ますか? A. 集客・会社紹介目的の静的なホームページの制作費は、原則として対象になりません。対象は業務プロセスを持つ登録ITツールです。予約・EC・顧客管理など業務機能を持つシステムなら対象になり得ますが、そのツールが事前登録されているかを公式で確認する必要があります。
Q. 持続化補助金ならホームページ代が全部出ますか? A. いいえ。ウェブサイト関連費は補助金総額の1/4(最大50万円)が上限で、ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。他の販路開拓の取組と組み合わせる必要があります。
Q. 「補助金で無料でサイトが作れる」と営業されました。 A. 補助金は経費の一部を後から補助する仕組みで、全額無料になるものではありません。また対象要件を満たさない場合は補助されません。「無料」を強調する提案は、要件と自己負担を必ず確認してください。
Q. どの補助金が自社に合うか分かりません。 A. 目的(集客サイトか業務システムか)と、機能・予算・スケジュールを整理すれば絞り込めます。制度は改称・更新が続いているため、最新の公募要領での確認が前提です。判断に迷う場合は第三者に整理してもらうのが安全です。
Q. 国の補助金以外に、ホームページに使える制度はありますか? A. 市区町村や都道府県が独自に、ホームページ制作・デジタル化を支援する補助金・助成金を用意している場合があります。国の制度より対象が広かったり、逆に条件が細かかったりと自治体ごとに大きく異なるため、自社の所在地の自治体・商工会議所の最新情報を確認してください。国の補助金と自治体の補助金は、原則として同じ経費に重複して受けられない点にも注意が必要です。
Q. 補助金の締切に間に合わせるべきですか? A. 締切ありきで仕様を固めきらずに発注すると、作り直しのリスクが高まります。補助金は手段であり、作るものの要件を固めることを優先してください。また、交付決定前に発注すると対象外になるため、締切に追われて先に契約してしまわないよう注意してください。
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補助金の使えるか診断・発注前整理
ホームページやシステムに補助金を使えるかは、「ホームページかどうか」ではなく**「業務プロセスを持つか」「登録ツールか」「目的が販路開拓か」**で決まります。そして最も避けたいのは、補助金ありきで発注し、対象外だった・割高だった・業務に合わなかった、という失敗です。
GXOは、特定の開発や補助金申請を売り込む前に、「作るべきものは何か」「その目的にどの補助金が合うか」の整理からご一緒します。
- 自社のやりたいことにどの補助金が使えるか整理したい → 補助金の活用可否・発注前診断
- 補助金の全体像から把握したい → 中小企業の補助金完全ガイド
- 業務システム・Webシステムの開発を相談したい → システム開発・DXの相談
- まず自社のDX・IT体制の現在地を診断したい → DX成熟度診断
「補助金が使えるか」より先に「何を作るべきか」を決める。その整理を、申請・発注の前にご一緒します。
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参考(公式一次ソース)
- デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)公式サイト:https://it-shien.smrj.go.jp/
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠):https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf
- 小規模事業者持続化補助金(中小企業庁):https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/jizoku/
- 小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠> 公募要領・ガイドブック(事務局):https://r6.jizokukahojokin.info/
※金額・補助率・対象要件・締切は公募回ごとに変わります。申請前に必ず上記公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。 [//]: # (strict-audit-extension-20260717)
GXO式「ホームページ・補助対象」100点判定表
GXO独自分析の前提条件は、「Webで動くか」ではなく、制度目的・登録ITツール・業務プロセス・経費・契約日を順に確認することだ。導入後の権限・ログ・API連携も対象ツールと役務へ分ける。
横にスクロールして確認できます
| 判定軸 | 配点 | 満点の証拠 |
|---|---|---|
| 投資目的 | 20 | 会社紹介・集客か、予約・受発注・会計等の業務改善かを分離 |
| ツール要件 | 20 | 申請する登録ITツール名、カテゴリー、業務プロセス |
| 経費 | 20 | ソフト、オプション、役務、対象外制作を見積で分離 |
| 手続き | 20 | GビズID、支援事業者、申請、交付決定、契約・支払の時系列 |
| 投資効果 | 20 | 補助なしの3年TCO、工数、売上、継続利用責任者 |
80点以上は公式ツール検索と支援事業者確認へ進む。60〜79点は要件整理、59点以下は補助金前提の発注を見送る。会社紹介サイトだけ、登録外ツール、交付決定前の発注・契約・支払、採択されないと資金不足、効果指標なしは強制停止条件である。
ベンダーへの確認質問票テンプレート
制度名 / 枠 / 公募回 / 締切:
登録ITツール名 / 登録番号 / 業務プロセス:
対象経費___万円 / 対象外経費___万円 / 月額___万円:
交付決定前に禁止される行為:発注 / 契約 / 支払 / 利用開始
不採択時:実行 / 縮小 / 中止、自己資金___万円
証憑:見積 / 契約 / 納品 / 請求 / 振込 / 利用実績
登録ソフト120万円、導入設定30万円、対象外のサイト制作150万円、運用月5万円なら3年総費用は480万円である。対象候補150万円だけに補助率1/2を仮置きしても、75万円が自動的に交付されるわけではない。このGXO計算例は、補助見込を値引きせず費用比較するためのものだ。
一次資料と根拠と検証方法
版番号: GXO-IT-SUBSIDY-WEB-20260717-v1.0。確認日: 2026年7月17日。検証可能性の証拠は公募要領、登録ツール画面、見積、申請、交付決定、契約・振込・納品記録である。公募回・締切・補助率・対象経費・登録状況の変更を更新条件にする。公式制度の事実とGXOの見解である配点・費用例を分離し、補助対象・採択・交付額を保証しない。単なる会社サイトはこの制度に向かない。予約・EC・顧客管理が絡む会社は第三者への相談が向くため、補助金システム開発の失敗回避診断で契約前に確認できる。






