デジタル化・AI導入補助金2026の全体像——旧IT導入補助金からの変更点
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツールやAIサービスを導入する際の費用を補助する制度です。2025年まで「IT導入補助金」として実施されていた制度が、2026年度から名称と一部要件を変更して継続されています。補助額は1者あたり最大450万円、補助率は最大4/5です。本記事のポイントは次の3つです。
名称変更の背景には「AI活用による省力化・人手不足解消」を重点支援する国の方針転換がある
全5枠(通常枠・インボイス枠インボイス対応類型・インボイス枠電子取引類型・セキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化AI導入枠)が設けられている
過去にIT導入補助金の交付決定を受けた事業者が2回目以降の申請を行う場合、賃上げ等の新たな申請要件が追加されている
中小企業庁は2026年3月に公募要領を公開し、同年3月30日から交付申請の受付を開始しました。申請にはIT導入支援事業者との連携が必須であり、事務局に登録された対象ITツールのみが補助対象となる点は従来と同様です。経済産業省の令和7年度補正予算案では本事業に3,400億円が計上されており、中小企業のデジタル化推進に対する国の投資規模の大きさがうかがえます。
IT導入補助金からの3つの主要な変更点

旧IT導入補助金から「デジタル化・AI導入補助金」への変更で、特に注意すべきポイントは3つです。
1つ目は名称変更の意味です。単なる名前の変更ではなく、AI機能を有するITツールの導入が審査で優遇される方向に制度が進化しています。生成AIツール、AIチャットボット、AI-OCRなど、AI機能を搭載したサービスの導入が採択において高く評価される傾向にあります。
2つ目は、2回目以降の申請に対する新たな要件の追加です。IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者が再度申請する場合、交付申請時点の翌事業年度以降3年間の事業計画を策定し、1人当たり給与支給総額の年率平均1.5%以上の増加などの要件を達成する必要があります。要件未達や効果報告未提出の場合は補助金の全部または一部を返還する義務が生じるため、計画策定時には十分な注意が必要です。
3つ目は、AI機能を有するツールの定義が明確化された点です。事務局の審査において「AI機能あり」と認定されたツールは、通常枠の審査で加点対象となります。導入を検討しているツールがAI機能の認定を受けているかどうかを、IT導入支援事業者に確認しておきましょう。
全5枠の補助額・補助率を比較
デジタル化・AI導入補助金2026では、5つの申請枠が設けられています。それぞれの特徴と補助額を整理します。
通常枠は、業務効率化やDX推進に資するITツール全般の導入を支援する枠組みです。所定の業務プロセスを1種類以上有するソフトウェアを申請することが要件で、プロセス数に応じて補助額が変動します。業務プロセスが1〜3つの場合は5万円〜150万円未満、4つ以上の場合は150万円〜450万円が補助上限です。補助率は原則1/2以内ですが、最低賃金近傍の事業者は2/3以内に引き上げられます。さらにソフトウェア導入費用50万円以下の部分については、小規模事業者で4/5以内、その他事業者で3/4以内の高い補助率が適用されます。
インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトの導入を支援する枠組みです。通常枠では対象外のPC・タブレット・レジ・券売機などのハードウェアも補助対象となる点が大きな特徴です。ただし、ハードウェアのみの申請はできません。
インボイス枠(電子取引類型)は、発注者がインボイス対応の受発注ソフトを導入し、取引先の中小企業等に供与する場合を対象とした枠組みです。大企業も申請可能ですが、利用実績は少ない状況です。
セキュリティ対策推進枠は、IPAが公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたサービスの導入を支援する枠組みです。サイバー攻撃のリスクが高まる中、中小企業のセキュリティ対策を後押しする目的で設けられています。
複数者連携デジタル化・AI導入枠は、複数の中小企業が連携してITツールやAIサービスを導入する場合の支援枠です。サプライチェーン全体でのデジタル化を推進する取り組みが対象となります。
申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
通常枠 | 最大450万円 | 1/2〜4/5 | 業務効率化・DX推進のITツール全般 |
インボイス枠(インボイス対応類型) | ソフト350万円+ハードウェア | 1/2〜4/5 | 会計・受発注・決済ソフト+PC・レジ等 |
インボイス枠(電子取引類型) | 350万円 | 2/3 | 発注者→受注者への電子取引システム供与 |
セキュリティ対策推進枠 | 100万円 | 1/2 | サイバーセキュリティお助け隊サービス |
複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 3,000万円 | 2/3 | 複数企業連携でのデジタル化・AI導入 |
申請スケジュールと手続きの流れ
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2026年度のデジタル化・AI導入補助金は、約1か月に1回のペースで公募締切が設定されています。2026年3月30日に交付申請の受付が開始され、第4次締切分までのスケジュールが公表されています。最新のスケジュールはデジタル化・AI導入補助金事務局のWebサイトで随時更新されるため、申請を検討している企業は定期的に確認してください。
申請手続きの基本的な流れは次のとおりです。まず「みらデジ経営チェック」を実施します(通常枠では必須要件、その他の枠では加点項目)。次にIT導入支援事業者とマッチングし、導入するITツールを選定します。その後、GビズIDを取得したうえで、IT導入支援事業者と共同で交付申請を行います。審査を経て交付決定を受けた後に、ITツールの発注・契約・導入を進め、事業実績報告を提出して補助金が交付される流れです。
重要な注意点として、交付決定前にITツールの契約や発注を行った場合は補助対象外となります。「先に契約してから申請する」ことはできないため、必ず交付決定を受けてから発注してください。
GXOはIT導入支援事業者として登録されており、補助金を活用したITツール導入のご相談を承っています。ツール選定から申請書類の作成、導入後の活用支援まで一括でサポートいたします。
申請を成功させるための準備ポイント
デジタル化・AI導入補助金の採択率を高めるために、事前に準備しておくべきポイントを整理します。
最も重要なのは、自社の業務課題を具体的に言語化することです。「なんとなくデジタル化したい」ではなく、「受注管理が手作業で月間20時間の工数がかかっている」「紙の請求書発行に毎月3営業日を費やしている」など、数値を伴う課題設定が審査での説得力を高めます。
次に、導入するITツールが事務局の審査を受けた登録済みツールであることを確認してください。登録されていないツールは補助対象外です。IT導入支援事業者に相談すれば、自社の課題に合った登録済みツールの中から最適なものを提案してもらえます。
過去にIT導入補助金の交付決定を受けた事業者は、前回導入したソフトウェアのプロセスと今回のプロセスが完全一致する場合は不採択となるため、プロセスの重複がないことを事前に確認してください。また、過去の賃金引上げ計画の達成状況も審査に影響するため、未達の場合は減点対象となる点に留意が必要です。
実際に不採択となりやすいパターンとして、「交付決定前にITツールを契約してしまった」「導入目的が漠然としており数値目標が設定されていない」「前回と同一プロセスのソフトウェアを申請した」の3つが挙げられます。特に交付決定前の契約は取り消しが効かないため、「ツールの検討を進めているうちに営業担当に急かされて契約してしまった」というケースには十分注意してください。
まとめ——デジタル化・AI導入補助金2026の要点

デジタル化・AI導入補助金2026の要点を整理すると、次の5点です。
旧IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更され、AI活用が審査で優遇される方向に進化
全5枠(通常枠・インボイス枠2類型・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠)が設けられ、補助額は最大450万円・補助率は最大4/5
2回目以降の申請には賃上げ等の新たな要件が追加され、未達の場合は返還義務が発生
申請にはIT導入支援事業者との連携が必須で、登録済みITツールのみが補助対象
交付決定前の契約は補助対象外となるため、早めの準備と計画的なスケジュール管理が不可欠
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よくある質問(FAQ)
Q. ホームページ制作は補助対象になりますか?
ECサイト制作を含め、ホームページ制作は補助対象外です。補助対象となるのは、事務局に登録されたソフトウェアやクラウドサービスなどのITツールに限られます。
Q. 個人事業主でも申請できますか?
はい、個人事業主も申請可能です。必要書類は法人と異なるため、事前にデジタル化・AI導入補助金事務局のWebサイトで確認してください。GビズIDの取得も必要です。
Q. 過去にIT導入補助金を受けたことがありますが、再度申請できますか?
申請は可能ですが、2回目以降の申請には賃上げ等の新たな要件が追加されています。また、前回と同一プロセスのソフトウェアを申請した場合は減点または不採択の対象となるため、IT導入支援事業者に相談のうえ、プロセスの重複がないことを確認してから申請してください。
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