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【2026年6月施行】診療報酬の算定要件が変わった医療機関がいま着手すべきシステム接続・改修の段取り

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結論:算定要件が「取得」から「接続・連携」へ変わった

令和8年度診療報酬改定は2026年6月1日に施行された。最大の変化は、外来の医療DX関連加算の設計思想が「オンライン資格確認で患者情報を取得しているか」から「電子カルテ情報共有サービスに接続し、診療情報を連携できる体制か」へ移ったことだ。厚生労働省の改定資料は明確に「医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算を廃止し、マイナ保険証の利用、電子処方箋、電子カルテ共有サービス、サイバーセキュリティ対策等に係る新たな評価を新設する」と記している(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 7.外来医療の機能分化・強化等」)。

つまり、これまで加算を算定していた医療機関でも、6月以降は廃止された旧加算に代わり、新加算の施設基準を改めて届け出る必要がある。新加算(初診時)は3段階で、最上位の点数(加算1=15点)を取るには電子カルテ情報共有サービス等への接続が必須になる一方、下位区分(加算3=4点、再診時2点)は接続インターフェースまでは求められない(後述)。事務長・情シスにとっては「点数表の読み替え」ではなく「どの点数を狙い、そのために何を改修するか」を判断するプロジェクトとして捉え直すべき改定だ。

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旧加算から新加算への対応

新設された主な評価は以下のとおり(点数はすべて同改定資料より)。

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区分旧(〜2026年5月)新(2026年6月〜)点数
外来・体制評価医療DX推進体制整備加算/医療情報取得加算電子的診療情報連携体制整備加算(初診時1/2/3)15点/9点/4点
外来・再診同上電子的診療情報連携体制整備加算(再診時)2点
入院(診療録管理体制加算を見直し)電子的診療情報連携体制整備加算(入院時1/2)160点/80点
歯科医療DX推進体制整備加算(歯科)電子的歯科診療情報連携体制整備加算(初診時1/2)9点/4点
調剤医療DX推進体制整備加算(調剤)電子的調剤情報連携体制整備加算8点
救急(該当なし)救急時医療情報取得加算(新設)50点(救急外来の意識障害患者・月1回)

旧加算は名称変更ではなく「廃止」である点に注意したい。旧基準を届け出ていた事実だけでは新加算は算定できず、6月1日以降に算定するには新たな届出が前提となる(各地方厚生局の令和8年度改定 施設基準 届出案内)。

施設基準の核心:電子カルテの「接続インターフェース」

新加算(初診時)は加算1・2・3の3段階で、満たすべき施設基準の数が点数に対応する(同改定資料の施設基準より要約)。共通の土台(加算1〜3すべてが満たす項目)は、オンライン請求・診療報酬明細書の無償交付・オンライン資格確認体制・取得した診療情報を診察室等で閲覧できる体制・マイナ保険証利用率30%以上・健康相談に応じる体制・明細書発行やDX推進体制のウェブ掲示など計7項目だ。ここまでは電子カルテの接続要件を含まない。つまり加算3(4点)はこの7項目で算定できる。

差がつくのは上位区分だ。加算1(15点)は、上記7項目に加えて次をすべて満たす必要がある。(8) 電子処方箋を発行する体制等、(9) 保有する電子カルテが「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」準拠・電子処方箋管理サービスとの接続インターフェース・電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースをすべて備えること(または厚生労働省が認証する電子カルテ製品であること)、(10) 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスで取得した診療情報を活用する体制、もしくは地域の複数医療機関で検査結果・画像情報等を共有・閲覧できるネットワーク(参加保険医療機関10以上などの要件)の活用。加算2(9点)は、7項目に加えてこの(8)〜(10)のいずれか一つを満たせばよい。

ポイントは、上位点数の要件の主語が「電子カルテそのもの」であることだ。問診や受付の運用変更では満たせず、ベンダーの製品バージョン・接続モジュール・セキュリティ設定にまで踏み込んだ確認が要る。自院の製品が認証対象か、接続インターフェースが実装済みかを、まずベンダーへ書面で照会することが起点になる。

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同時に動く「共通算定モジュール」

6月にはもう一つの動きが重なる。診療報酬改定DXの一環として整備が進んできた共通算定モジュールが、令和8年6月から運用を開始した(厚生労働省「医療DX」)。これは各ベンダー共通で使える算定ロジックを提供し、改定ごとに繰り返してきたレセプト/算定システムの個別改修負担を軽減する仕組みで、運用は社会保険診療報酬支払基金が主体となる。短期的には自院ベンダーの対応スケジュール確認が中心だが、中期的には算定システムの保守費・改修リードタイムの構造が変わる前提で調達計画を見直す価値がある。

接続・改修の段取りチェックリスト

  • 自院の電子カルテが「厚労省認証製品」か、または電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスへの接続インターフェースを備えるかをベンダーに書面照会する
  • 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」準拠状況(アクセス管理・ログ・バックアップ・サイバー対策)を棚卸しする
  • 電子カルテ情報共有サービスへの接続・テスト連携の所要期間とベンダー作業費を見積もる
  • レセプト/算定システムの改定対応と共通算定モジュール対応の適用時期を確認する
  • 新加算の施設基準を読み込み、地方厚生局への届出様式・期限を確認して再届出する
  • 旧加算の算定停止と新加算の算定開始の切替日(6月1日)を電子カルテのマスタ設定に反映する
  • 接続に伴うネットワーク・端末のセキュリティ設定変更を情報システム部門と分担する

誰が読むべきか

経営層・事務長は「加算が維持できるか=収益影響」と「改修投資の妥当性」を、情シス・システム担当は「接続要件と作業範囲」を、医療系SIerは「複数施設の同時改修と移行設計」を、それぞれ自院・顧客の状況に当てはめて読むとよい。とりわけ、電子カルテのリプレース時期が近い医療機関は、今回の接続要件を次期更改の必須仕様として要件定義に織り込むべきだ。

実務判断のポイント

この記事は、経営者、情シス、業務責任者、発注担当向けです。要件定義、RFP作成、見積比較、レガシー刷新、業務システム再構築を自社で進めるか、外部の専門家と整理するかを判断する材料として使えます。

GXOが重視するのは、話題性の高さよりも「自社の業務、データ、権限、予算、運用責任にどう影響するか」です。【2026年6月施行】診療報酬の算定要件が変わった医療機関がいま着手すべきシステム接続・改修の段取りに関する検討では、担当者だけで判断を閉じず、経営、現場、情シス、外部パートナーの役割を早い段階で分けることが重要です。

放置した場合と整備した場合の違い

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観点放置した場合整備した場合
業務影響属人的な判断が増え、対応の優先順位がぶれやすい影響範囲、期限、責任者を決めて進められる
投資判断ツール導入や外注費だけが先行し、効果測定が曖昧になる売上、工数削減、リスク低減の指標にひも付けられる
現場運用例外処理や承認フローが残り、定着しにくい権限、ログ、教育、改善サイクルまで設計できる
経営報告問題が発生してから説明資料を作ることになる月次で状況、課題、次の打ち手を説明できる

導入・改善前のチェックリスト

  • 対象業務、対象部門、対象データを明文化しているか
  • 現在の課題を、売上機会、原価、工数、リスクのいずれかに分解しているか
  • 既存システム、SaaS、Excel、手作業の依存関係を棚卸ししているか
  • 例外処理、承認、差し戻し、監査証跡まで確認しているか
  • 社内で判断できる範囲と外部支援が必要な範囲を分けているか
  • 初期費用だけでなく、保守、運用、教育、改善費用を見積もっているか
  • 成功指標を、問い合わせ数、商談数、削減時間、停止リスクなどで定義しているか
  • 実装後の責任者、更新頻度、レビュー会議の持ち方を決めているか
  • セキュリティ、法務、個人情報、契約条件の確認ポイントを洗い出しているか
  • 既存の問い合わせ、商談、障害、運用ログから優先順位を決めているか
  • 経営判断に必要な資料を1枚で説明できる状態にしているか
  • 次の90日で検証する範囲と、やらない範囲を明確にしているか

GXOの見解

システム開発の成否は開発会社選びの前に、業務要件、既存データ、運用責任、段階移行をどこまで整理できるかで決まる。

GXOは見積比較だけでなく、発注前の論点整理とRFP設計が手戻りと追加費用を減らすと見る。

自社だけで整理が難しい場合、GXOは業務整理、要件定義、RFP、開発、保守、レガシー刷新まで接続できる。最初から大規模な発注を前提にせず、現状整理や診断から必要な範囲を確認できます。

実行までの進め方

  1. 現在の業務、データ、ツール、担当者を棚卸しする
  2. 売上拡大、工数削減、リスク低減のどれに効くテーマかを決める
  3. 初期対応、90日以内の改善、半年以上の投資を分ける
  4. 必要な社内体制、外部支援、予算、セキュリティ確認を整理する
  5. 小さく検証し、効果測定後に本番化や横展開を判断する

90日で進める実装ロードマップ

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期間やること成果物判断ポイント
1〜2週目現状業務、利用ツール、データ、担当者、外部委託先を棚卸しする業務一覧、システム一覧、課題一覧本当に解くべき課題が、流行テーマではなく業務上の損失にひも付いているか
3〜4週目優先度、リスク、費用対効果、社内体制を整理する優先順位表、概算費用、リスク表すぐ着手する範囲と、後回しにする範囲を分けられているか
5〜8週目小さな検証、要件定義、ベンダー比較、社内説明資料を作るPoC計画、RFP、稟議資料検証結果を本番投資の判断に使える形で記録しているか
9〜12週目本番化、運用ルール、教育、月次レビューを設計する運用手順、KPI、改善バックログ導入後の責任者と改善サイクルが決まっているか

部門別に確認すべき論点

経営層は、【2026年6月施行】診療報酬の算定要件が変わった医療機関がいま着手すべきシステム接続・改修の段取りが売上、粗利、採用、顧客維持、リスク低減のどれに効くのかを確認する必要があります。単なる効率化として扱うと、投資判断が後回しになり、現場任せの小さな改善で止まりやすくなります。

DX責任者や情シスは、既存システムとの接続、認証、権限、ログ、保守体制、外部ベンダーとの責任分界を確認します。ここを曖昧にすると、導入直後は動いても、問い合わせ増加、障害対応、改修費用で現場負荷が増えます。

業務部門は、例外処理、承認、差し戻し、手作業で補っている判断を洗い出します。表面上の手順だけを自動化しても、例外が多い業務では成果が出にくいため、現場の暗黙知を要件に変換することが重要です。

管理部門は、契約、個人情報、補助金、会計処理、監査証跡、社内規程との整合性を確認します。特に制度、法務、セキュリティ、価格が絡むテーマでは、公開情報と社内ルールの両方を確認してから進めるべきです。

KPIと効果測定の設計

効果測定では、導入の有無だけでなく、対応時間、差し戻し率、業務処理件数、障害件数、監査指摘、顧客満足度などを分けて確認します。着手前に成功条件を決め、検証後に継続投資するか判断できる形へ落とし込みます。

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KPI見る理由測定例
対応時間現場負荷と原価に直結するため1件あたり処理時間、月間削減時間
差し戻し率要件やデータ品質の問題が見えるため申請、見積、問い合わせの再作業率
業務成果投資目的に沿った改善が出ているかを見るため売上機会、処理件数、対応時間、品質指標
運用定着率導入後に使われ続けているかを見るため月次利用、更新頻度、レビュー実施率
リスク低減障害、漏えい、監査指摘を減らすため未対応脆弱性、権限不備、復旧時間

相談前に用意すると判断が早くなる資料

  • 現在の業務フロー、担当者、月間件数、処理時間
  • 利用中のSaaS、基幹システム、Excel、外部委託先の一覧
  • 直近のトラブル、問い合わせ、手戻り、障害、監査指摘の記録
  • 投資できる予算感、希望時期、社内の承認者
  • 個人情報、機密情報、外部送信、契約条件に関する制約
  • 既に検討したツール、ベンダー、見積、PoC結果
  • 成功時に増やしたい売上、減らしたい工数、避けたい損失

GXOが支援する場合の進め方

GXOが支援する場合は、最初に記事テーマをそのまま提案にせず、現場の制約と経営上の目的に分解します。要件定義、RFP作成、見積比較、レガシー刷新、業務システム再構築の相談を入口に、要件定義、RFP、ベンダー比較、実装、運用改善まで接続できるかを確認します。

短期的には、課題整理、現状棚卸し、優先順位付け、概算費用、実行計画をまとめます。中期的には、PoCや小規模実装を通じて、データ品質、権限、運用負荷、費用対効果を検証します。長期的には、月次レビュー、改善バックログ、追加開発、セキュリティ確認を継続し、投資を一度きりで終わらせない状態を作ります。

重要なのは、記事を読んだ直後に「問い合わせるかどうか」ではなく、「自社では何を確認すべきか」「どの段階から外部支援を入れるべきか」が明確になることです。そのため、GXOでは相談前の論点整理から支援し、必要に応じて診断、要件定義、実装、保守まで段階的に進めます。

よくある質問

Q. 旧加算を届け出ていれば自動で新加算に移行する? いいえ。旧加算は廃止され、新加算の算定には改めて施設基準の届出が必要だ。

Q. オンライン資格確認だけでは算定できない? 区分による。最下位の加算3(4点)や再診時(2点)はオンライン資格確認等の共通7項目で算定できるが、上位の加算1(15点)・加算2(9点)を狙うなら電子カルテ情報共有サービス等への接続・連携体制が前提になる。点数を一段引き上げるほど電子カルテ側の接続要件が重くなるのが今回の本質だ。

Q. 自院の電子カルテが対応しているか分からない 製品の認証状況と接続インターフェース実装は外形からは判断しにくい。ベンダーへの書面照会と、必要に応じた第三者によるシステム評価が確実だ。

GXOに相談するタイミング

「ベンダー回答が要領を得ない」「複数システム(電子カルテ・レセ・部門システム)の改修範囲が切り分けられない」「電子カルテ更改と接続要件をまとめて設計したい」——この段階が相談の好機だ。GXOは医療DXの推進支援を軸に、接続要件を満たすためのシステム開発・改修、診療情報を安全に活用するデータ基盤の整備、老朽化した院内システムのレガシー刷新まで一気通貫で支援する。要件の整理や見積もりの当たりを付けたい段階でも構わない。まずはお問い合わせから、自院の改修範囲と段取りを一緒に棚卸ししてほしい。

GXOが支援できる範囲

GXOは診療報酬の算定可否の最終判断、施設基準届出の代理、厚生局対応の代行、電子カルテベンダー公式サポートは行いません。支援できるのは、電子カルテ/レセ/部門システムの改修範囲整理、ベンダー照会項目の作成、接続要件の要件定義、医療DXロードマップ、データ基盤とセキュリティ設計です。算定・届出判断は厚労省/地方厚生局の公式情報と専門家確認を前提にします。

改修範囲を切り分ける場合は、医療DXDX・システム開発データ基盤レガシー刷新が入口です。お問い合わせから利用中システムと届出状況を共有してください。

出典

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