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title: "【2026年6月施行】診療報酬の算定要件が変わった医療機関がいま着手すべきシステム接続・改修の段取り" slug: "medical-dx-reimbursement-2026-june-system-20260629" description: "令和8年度診療報酬改定で旧「医療DX推進体制整備加算」「医療情報取得加算」が廃止され、電子カルテ情報共有サービス接続を前提とする電子的診療情報連携体制整備加算が新設。共通算定モジュールも6月運用開始。経営・事務長・情シス向けに、接続とレセ/算定システム改修の段取りを原典ベースで整理する。" lead_summary: "令和8年度改定は2026年6月1日施行。新加算は3段階で、上位の点数ほど「情報を取得する体制」に加えて「電子カルテ情報共有サービスに接続して連携する体制」が前提になる。本記事は旧加算→新加算の対応表、システム接続・改修のチェックリスト、つまずきやすい論点を厚労省原典に基づいて示す。" date: "2026-06-29" updatedAt: "2026-06-29" category: "業界DX" tags: ["GXOトレンド", "医療DX", "診療報酬改定", "電子カルテ", "システム改修"] author: "GXO株式会社"

結論:算定要件が「取得」から「接続・連携」へ変わった

令和8年度診療報酬改定は2026年6月1日に施行された。最大の変化は、外来の医療DX関連加算の設計思想が「オンライン資格確認で患者情報を取得しているか」から「電子カルテ情報共有サービスに接続し、診療情報を連携できる体制か」へ移ったことだ。厚生労働省の改定資料は明確に「医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算を廃止し、マイナ保険証の利用、電子処方箋、電子カルテ共有サービス、サイバーセキュリティ対策等に係る新たな評価を新設する」と記している(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 7.外来医療の機能分化・強化等」)。

つまり、これまで加算を算定していた医療機関でも、6月以降は廃止された旧加算に代わり、新加算の施設基準を改めて届け出る必要がある。新加算(初診時)は3段階で、最上位の点数(加算1=15点)を取るには電子カルテ情報共有サービス等への接続が必須になる一方、下位区分(加算3=4点、再診時2点)は接続インターフェースまでは求められない(後述)。事務長・情シスにとっては「点数表の読み替え」ではなく「どの点数を狙い、そのために何を改修するか」を判断するプロジェクトとして捉え直すべき改定だ。

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旧加算から新加算への対応

新設された主な評価は以下のとおり(点数はすべて同改定資料より)。

区分旧(〜2026年5月)新(2026年6月〜)点数
外来・体制評価医療DX推進体制整備加算/医療情報取得加算電子的診療情報連携体制整備加算(初診時1/2/3)15点/9点/4点
外来・再診同上電子的診療情報連携体制整備加算(再診時)2点
入院(診療録管理体制加算を見直し)電子的診療情報連携体制整備加算(入院時1/2)160点/80点
歯科医療DX推進体制整備加算(歯科)電子的歯科診療情報連携体制整備加算(初診時1/2)9点/4点
調剤医療DX推進体制整備加算(調剤)電子的調剤情報連携体制整備加算8点
救急(該当なし)救急時医療情報取得加算(新設)50点(救急外来の意識障害患者・月1回)

旧加算は名称変更ではなく「廃止」である点に注意したい。旧基準を届け出ていた事実だけでは新加算は算定できず、6月1日以降に算定するには新たな届出が前提となる(各地方厚生局の令和8年度改定 施設基準 届出案内)。

施設基準の核心:電子カルテの「接続インターフェース」

新加算(初診時)は加算1・2・3の3段階で、満たすべき施設基準の数が点数に対応する(同改定資料の施設基準より要約)。共通の土台(加算1〜3すべてが満たす項目)は、オンライン請求・診療報酬明細書の無償交付・オンライン資格確認体制・取得した診療情報を診察室等で閲覧できる体制・マイナ保険証利用率30%以上・健康相談に応じる体制・明細書発行やDX推進体制のウェブ掲示など計7項目だ。ここまでは電子カルテの接続要件を含まない。つまり加算3(4点)はこの7項目で算定できる。

差がつくのは上位区分だ。加算1(15点)は、上記7項目に加えて次をすべて満たす必要がある。(8) 電子処方箋を発行する体制等、(9) 保有する電子カルテが「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」準拠・電子処方箋管理サービスとの接続インターフェース・電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースをすべて備えること(または厚生労働省が認証する電子カルテ製品であること)、(10) 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスで取得した診療情報を活用する体制、もしくは地域の複数医療機関で検査結果・画像情報等を共有・閲覧できるネットワーク(参加保険医療機関10以上などの要件)の活用。加算2(9点)は、7項目に加えてこの(8)〜(10)のいずれか一つを満たせばよい。

ポイントは、上位点数の要件の主語が「電子カルテそのもの」であることだ。問診や受付の運用変更では満たせず、ベンダーの製品バージョン・接続モジュール・セキュリティ設定にまで踏み込んだ確認が要る。自院の製品が認証対象か、接続インターフェースが実装済みかを、まずベンダーへ書面で照会することが起点になる。

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同時に動く「共通算定モジュール」

6月にはもう一つの動きが重なる。診療報酬改定DXの一環として整備が進んできた共通算定モジュールが、令和8年6月から運用を開始した(厚生労働省「医療DX」)。これは各ベンダー共通で使える算定ロジックを提供し、改定ごとに繰り返してきたレセプト/算定システムの個別改修負担を軽減する仕組みで、運用は社会保険診療報酬支払基金が主体となる。短期的には自院ベンダーの対応スケジュール確認が中心だが、中期的には算定システムの保守費・改修リードタイムの構造が変わる前提で調達計画を見直す価値がある。

接続・改修の段取りチェックリスト

  • 自院の電子カルテが「厚労省認証製品」か、または電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスへの接続インターフェースを備えるかをベンダーに書面照会する
  • 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」準拠状況(アクセス管理・ログ・バックアップ・サイバー対策)を棚卸しする
  • 電子カルテ情報共有サービスへの接続・テスト連携の所要期間とベンダー作業費を見積もる
  • レセプト/算定システムの改定対応と共通算定モジュール対応の適用時期を確認する
  • 新加算の施設基準を読み込み、地方厚生局への届出様式・期限を確認して再届出する
  • 旧加算の算定停止と新加算の算定開始の切替日(6月1日)を電子カルテのマスタ設定に反映する
  • 接続に伴うネットワーク・端末のセキュリティ設定変更を情報システム部門と分担する

誰が読むべきか

経営層・事務長は「加算が維持できるか=収益影響」と「改修投資の妥当性」を、情シス・システム担当は「接続要件と作業範囲」を、医療系SIerは「複数施設の同時改修と移行設計」を、それぞれ自院・顧客の状況に当てはめて読むとよい。とりわけ、電子カルテのリプレース時期が近い医療機関は、今回の接続要件を次期更改の必須仕様として要件定義に織り込むべきだ。

よくある質問

Q. 旧加算を届け出ていれば自動で新加算に移行する? いいえ。旧加算は廃止され、新加算の算定には改めて施設基準の届出が必要だ。

Q. オンライン資格確認だけでは算定できない? 区分による。最下位の加算3(4点)や再診時(2点)はオンライン資格確認等の共通7項目で算定できるが、上位の加算1(15点)・加算2(9点)を狙うなら電子カルテ情報共有サービス等への接続・連携体制が前提になる。点数を一段引き上げるほど電子カルテ側の接続要件が重くなるのが今回の本質だ。

Q. 自院の電子カルテが対応しているか分からない 製品の認証状況と接続インターフェース実装は外形からは判断しにくい。ベンダーへの書面照会と、必要に応じた第三者によるシステム評価が確実だ。

GXOに相談するタイミング

「ベンダー回答が要領を得ない」「複数システム(電子カルテ・レセ・部門システム)の改修範囲が切り分けられない」「電子カルテ更改と接続要件をまとめて設計したい」——この段階が相談の好機だ。GXOは医療DXの推進支援を軸に、接続要件を満たすためのシステム開発・改修、診療情報を安全に活用するデータ基盤の整備、老朽化した院内システムのレガシー刷新まで一気通貫で支援する。要件の整理や見積もりの当たりを付けたい段階でも構わない。まずはお問い合わせから、自院の改修範囲と段取りを一緒に棚卸ししてほしい。

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