GXO
AI・DX

製品非依存のAIエージェント管理台帳テンプレート|所有者・接続先・実行権限・停止条件の定義

9分で読める

QUICK CHECK

本文を読みながら、自社で進めるべきか、相談前に何を整理するかを確認できます。

自社の場合を相談する
COLUMN

この記事は、情シス担当者やDX推進担当者が「どのAI製品を使っていても当てはまる台帳の骨格」を手元に作るためのテンプレートガイドです。特定プラットフォームの機能説明ではなく、項目の意味・記入基準・審査への組み込み方に絞って解説します。

Microsoft Agent 365のようなガバナンス基盤が提供するエージェントレジストリは、Microsoftエコシステム内を自動収集します。しかし多くの企業では、Copilot以外にChatGPT Enterprise、Claude、RAGボット、RPA、ローコードエージェントが混在しています。Agent 365の姉妹記事「Microsoft Agent 365 GAから考えるAIエージェント管理台帳の作り方」では製品軸の解説を扱っていますので、本記事では製品を問わず適用できる台帳の設計要素に集中します。


台帳テンプレート:全項目定義と記入基準

項目定義記入例省略できない条件
エージェント名業務機能で識別できる名前。ツール名だけは不可営業提案書ドラフトAI(v2)常に必須
所有部署業務責任を持つ部署。情シスは管理者だが所有者ではない営業部常に必須
責任者名変更・停止・問い合わせの一次窓口営業企画マネージャー 鈴木〇〇常に必須
利用目的自動化・支援する業務を1〜2文で提案書の下書き作成と競合比較表の生成常に必須
利用者範囲使える人の範囲(個人/部署/全社/顧客接点)営業部のみ常に必須
接続先参照・操作するシステム名SharePoint(提案書ライブラリ)、営業SFA常に必須
参照データ接続先の中でAIが見てよいデータ種別過去提案書、製品資料(いずれも承認済みのもの)常に必須
禁止操作エージェントに絶対させてはいけない操作顧客への自動送信、個人情報の外部転送常に必須
実行権限読取・生成・下書き・送信・更新・削除の区分下書き作成のみ(送信・更新・削除は人間承認後)常に必須
ログ設定入力・出力・参照元・承認の記録先と保存期間Purviewへ全操作ログ、12か月保存常に必須
停止条件誤情報・機密混入・異常利用で誰が止めるか情シス担当者が即時停止、再開は責任者承認常に必須
最終レビュー日次の棚卸し予定日四半期ごと(例:2026年9月末)常に必須
稼働環境クラウドサービス名またはオンプレ、モデル名Microsoft Copilot Studio / GPT-4o推奨
月額費用概算ライセンス費・API呼び出し費の合計約〇万円/月(見積中)高リスクは必須

MANUFACTURING DX

Excel限界から受発注システムへ、同規模の概算は?

中小製造業の概算費用・導入期間・役割分担マトリクスをその場で確認。要件整理テンプレも無料提供します。

製造業DXの概算を見る

審査フロー:台帳を「通過証」として使う

台帳は「存在を記録する台帳」に止めると形骸化します。新規エージェントの公開前審査に組み込むことで実効性が出ます。

公開範囲審査の厳しさ確認者
個人利用のみ利用ルール確認(禁止操作の認識)本人のみ
部署内公開所有者・接続先・ログ・停止条件の記入確認責任者 + 情シス
全社公開セキュリティ・法務・費用・運用責任の確認情シス + 法務 or 経営
顧客接点(外部送信含む)人間承認フロー・誤回答時対応・停止手順・外部委託先との責任分界情シス + 法務 + CTO or 経営

顧客接点エージェントは、プロンプト注入攻撃による誤回答が社外へ出るリスクがあります。台帳の「禁止操作」欄に「プロンプト注入による情報持ち出しへの対策ありを確認」を審査条件として追加します。


棚卸しで見る赤信号チェックリスト

四半期ごとの棚卸し時、次のいずれかに該当するエージェントは即時見直し対象です。

  • 所有者が空欄または退職者になっている
  • 接続先が「不明」または棚卸し対象外のシステム
  • 個人アカウントで稼働している(会社IDで管理されていない)
  • ログが残らない設定のまま稼働している
  • 全社公開またはレビューなしに部署公開になっている
  • 90日以上誰も使っていない(廃止候補)

この6条件を満たさないエージェントは、LLMセキュリティreadiness診断で確認できる「入力データの管理体制」問題と直結します。


FREE DOWNLOAD

AI導入チェックリスト(PoC 失敗要因 10項目)

情シス部門が PoC 前に押さえるべき失敗要因を10項目に整理した無料チェックリスト。

台帳を育てる運用ルール4本

台帳の最大の敵は「作って終わり」です。次の4つのルールを最初から決めます。

  1. 新規作成時の登録必須化:エージェントを部署公開・全社公開する前に台帳番号を取得するフローを設ける。
  2. 接続先追加時の再審査:一度承認したエージェントでも、接続先を増やした時点で再審査する。
  3. 四半期棚卸しの実施者を固定する:情シス担当者1名とDX推進担当者1名を棚卸し実施者として年初に決める。
  4. 廃止基準を事前に定義する:「90日未使用」「責任者退職後30日以内に後継者未定」を廃止トリガーとして台帳に明記する。

GXOの支援

GXOでは、台帳のテンプレート設計だけでなく、既存の社内AI利用状況の棚卸しと台帳への初期登録も支援します。初回相談では、現在稼働しているAIツール・エージェントの種類、接続しているSaaSと社内システム、部門ごとの利用状況を確認し、リスクの高い順に台帳整備の優先順位を付けます。AIエージェントの導入支援と合わせて、台帳運用が定着するまでの並走支援も行います。


よくある質問

Q1. ExcelやGoogleスプレッドシートで作って問題ありませんか

最初はどちらでも問題ありません。重要なのはツールではなく、「作成時・変更時・廃止時に更新される運用」を最初から決めることです。専用ツールへの移行は、エージェント数が50本を超えたタイミングで検討するのが現実的です。

Q2. 部署が勝手に作ったエージェントはどう扱いますか

禁止だけでは隠れます。「登録期間(例:1か月)を設け、期間中に申告したものは遡及なし」という恩赦期間を設けることで、シャドーAIの自発的な申告を促せます。期間後は棚卸しで検出し、高リスクから順に是正します。

Q3. すべてのシステムプロンプトも台帳に登録すべきですか

高リスク業務(顧客接点・金額・外部送信)では、システムプロンプトの本文またはバージョン管理番号を台帳に紐づけます。低リスク業務では「禁止操作」と「接続先」の記録で足ります。プロンプト全文を台帳に貼ると更新が重くなるため、バージョン管理リポジトリへのリンクを使うと運用しやすくなります。


参考情報

AIエージェント台帳の設計と初期登録を支援します

GXOでは、既存AI利用の棚卸しから台帳の項目定義・審査フロー設計・運用ルール文書化まで、情シスと業務部門が共同で維持できる形で整備します。

AIエージェント台帳の整備を相談する

関連 HUB

この記事は以下の業種・悩み hub にも掲載されています。同じテーマの実務ナレッジと支援サービスをまとめてご覧いただけます。

お気軽にご相談ください

AI・DXに関するご質問やお見積もりなど

無料相談する

CONTACT

まずは 無料相談 から始めませんか。

サービスについてのご相談・ご質問などお気軽にお問い合わせください。
※ 営業電話はしません | オンライン対応可 | 相談だけでもOK