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Pardot 改め Account Engagement EOL ロードマップ 2026

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Pardot 改め Account Engagement EOL ロードマップ 2026

「Pardot を導入してから 5 年経つが、Salesforce のロードマップで何が起きているのか分からない」――中堅 B2B のマーケ責任者からよく聞かれる相談だ。 2022 年の Pardot から Account Engagement へのリブランド以降、Salesforce の B2B マーケティング戦略は Marketing Cloud Growth / Advanced Edition の登場で再編が進んでいる。一方で、Account Engagement の一部機能が将来的に維持されるのか、Marketing Cloud Growth に統合されるのかを正確に把握できていない中堅企業が多い。

本記事では、Pardot から Account Engagement への変遷、現時点で公表されている段階的機能変更の方向性、移行候補としての Marketing Cloud Growth / HubSpot / SATORI の比較、データ移行リスク、そして 2026-2028 年の中期計画に組み込むべきマイルストーンを整理する。

なお、本記事は 2026 年 5 月時点で公開されている Salesforce 公式ドキュメント・Trailhead 記事・公式 Roadmap(Salesforce 公式 IdeaExchange / Release Notes)等の公知情報に基づく。最新の正確な機能廃止スケジュールは Salesforce 公式 Help / Release Notes を必ず確認のこと。


目次

  1. Pardot から Account Engagement へのリブランド経緯
  2. Marketing Cloud Growth / Advanced Edition の位置づけ
  3. Account Engagement の現行エディションと機能廃止の方向性
  4. 中堅企業の移行候補 3 つ
  5. データ移行リスクと並走運用の設計
  6. 契約更新と移行のタイミング設計
  7. 2026-2028 年の中期計画マイルストーン
  8. よくある質問(FAQ)
  9. 関連記事

Pardot から Account Engagement へのリブランド経緯

Pardot は 2007 年に米国アトランタで創業された B2B 向け MA で、2012 年に ExactTarget が買収、2013 年に Salesforce が ExactTarget を買収したことで Salesforce 傘下となった(出典:Salesforce 公式プレスリリース「Salesforce.com Signs Definitive Agreement to Acquire ExactTarget」2013 年 6 月)。

その後 Salesforce は 2022 年 4 月、Pardot ブランドを「Marketing Cloud Account Engagement」に正式改称した(出典:Salesforce 公式 Help「Welcome to the New Name for Pardot」2022 年)。Pardot という名称は Salesforce ドキュメント内では一部残存しているものの、新規顧客向けの公式名称は Account Engagement に統一されている。

リブランドの背景

Salesforce の Marketing Cloud は元々 B2C 向けの ExactTarget をベースとしており、B2B 向けの Pardot とは技術スタック・データモデル・課金体系が分離していた。2022 年のリブランドは、両プラットフォームを「Marketing Cloud」傘下に統合し、将来的な機能融合の前段階という位置づけだ。

ただし、Account Engagement は依然として Pardot 由来の独自データモデル(Prospect / Account / Opportunity)を維持しており、Marketing Cloud Engagement(旧 Marketing Cloud)の Subscriber / Data Extension モデルとは技術的に分離されたままである。

中堅 B2B での導入実績

Salesforce CRM とのネイティブ連携、ABM 機能、Engagement Studio による視覚的ワークフロー設計などを背景に、中堅 B2B では Account Engagement Plus / Advanced エディションが標準的に採用されてきた。導入企業数は国内でも数千社規模に達するとされる(業界アナリストレポートおよび Salesforce 公式パートナー実績ベース)。


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Marketing Cloud Growth / Advanced Edition の位置づけ

2024 年、Salesforce は Marketing Cloud Growth Edition と Marketing Cloud Advanced Edition を発表した(出典:Salesforce 公式プレスリリース「Salesforce Launches Marketing Cloud Growth Edition」2024 年)。これは中堅 / SMB 向けの新しいマーケティングプラットフォームで、Salesforce Data Cloud をベースとし、生成 AI 機能(Einstein Generative AI)を標準搭載する。

Growth Edition の特徴

  • Salesforce Data Cloud ベース:従来の Account Engagement / Marketing Cloud Engagement とは異なる、新しいデータレイヤー上で動作。
  • Einstein 生成 AI 標準搭載:メール本文の自動生成、件名最適化、セグメント自動推論。
  • B2B / B2C ハイブリッド:従来 B2B = Account Engagement、B2C = Marketing Cloud Engagement の分離を超えて、同一プラットフォームで両方をカバーする思想。
  • 価格帯:中堅 / SMB を意識した価格設計(公式詳細価格は Salesforce 営業窓口経由)。

Account Engagement との関係

Salesforce の現時点(2026 年 5 月)の公式メッセージでは、Account Engagement と Marketing Cloud Growth Edition は 当面並行提供される とされている。Account Engagement の即時 EOL 予告は公表されていないが、Salesforce の長期戦略として Marketing Cloud Growth / Data Cloud への集約方向は明確だ。

中堅企業としては、Account Engagement の段階的な機能更新の停滞、新機能の Growth Edition 側への優先実装が起こり得ることを前提に、3-5 年スパンの移行計画を組むのが安全と考えられる。


Account Engagement の現行エディションと機能廃止の方向性

Account Engagement は Growth / Plus / Advanced / Premium の 4 エディション制で提供されている(出典:Salesforce 公式 Pricing 2026 年版)。

エディション主な機能中堅企業の適性
Growth基本的な Email / Form / Landing Page / 自動化SMB-中堅入門
PlusEngagement Studio / B2B Marketing Analytics / API中堅標準
AdvancedEinstein スコアリング / B2B Marketing Analytics Plus / Custom Object中堅 ABM 本格運用
PremiumDedicated IP / Premier Success Plan / Sandbox大企業 / 規制業界

公表されている機能変更の例

Salesforce は Release Notes で各リリースごとに機能の追加・変更・廃止を公表している。Account Engagement に関しては以下のような動きが過去に観察されている(Salesforce 公式 Release Notes / Knowledge Article 経由)。

  • Pardot Classic の段階的廃止:Lightning 移行に伴い、Classic 版の一部機能はサポート終了済み。
  • 旧 API バージョンの廃止サイクル:Salesforce は API のバージョン廃止を年次で実施しており、Account Engagement API も同サイクルに含まれる。
  • 新機能の Growth Edition 優先実装:2024-2025 年の新機能(生成 AI 関連)は Marketing Cloud Growth に優先実装される傾向。

具体的な機能廃止スケジュールは Salesforce 公式 Release Notes を必ず確認のこと。本記事は方向性の整理を目的としており、特定機能の EOL 日付は公式情報の参照を推奨する。


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中堅企業の移行候補 3 つ

Account Engagement の長期維持に不安がある中堅企業の移行先候補は、以下の 3 つが現実的だ。

候補 1: Marketing Cloud Growth Edition への乗換

メリット:Salesforce CRM / Data Cloud と最も密に統合される。生成 AI 機能を標準搭載。Salesforce 内での運用スキルが活かせる。

デメリット:プラットフォームが新しいため、機能成熟度が Account Engagement に追いつくまで時間が必要。Engagement Studio で組み込んだ複雑なワークフローを Growth Edition でそのまま再現できない場合がある。

費用感:中堅で年額 500-1,500 万円規模(Salesforce 営業窓口経由で個別見積もり)。

候補 2: HubSpot Marketing Hub Enterprise

メリット:CRM / Sales Hub / Service Hub との統合 UX が成熟。Salesforce との双方向連携も標準コネクタで対応。Operations Hub で複雑なワークフローも実装可能。国内パートナーが豊富。

デメリット:Salesforce の標準オブジェクト(Lead / Opportunity / Account / Contact)とのマッピング設計に注意。リード件数による Marketing Contacts 課金の理解が必要。

費用感:中堅で年額 600-1,500 万円規模。

詳細は姉妹記事「Marketo Engage 高騰対策と移行先比較 2026」と「HubSpot × Salesforce 連携 実装ガイド 2026」を併読のこと。

候補 3: SATORI

メリット:国内サポートの手厚さ、日本企業向けの UX、価格の手頃さ(中堅で年額 200-600 万円)。

デメリット:Salesforce CRM との連携は標準対応しているが、Account Engagement と同等の Salesforce ネイティブ統合(Engagement History の Salesforce レコード上での表示など)は提供されない。グローバル展開や ABM の高度機能は専門 MA に劣る。

費用感:中堅で年額 200-600 万円規模(出典:SATORI 公式 Pricing 2026 年版)。

比較サマリー

候補Salesforce 統合度機能成熟度費用移行リスク
Marketing Cloud Growth◎(ネイティブ)△(成熟度発展中)
HubSpot Marketing Hub○(コネクタ)
SATORI○(コネクタ)

データ移行リスクと並走運用の設計

Account Engagement から他 MA への移行で発生する典型的なリスクを整理する。

リスク 1: Engagement Studio ワークフローの再構築

Account Engagement の Engagement Studio は、ドラッグ&ドロップでマルチステップのナーチャリングフローを設計できる強力なツールだ。HubSpot Workflows、SATORI シナリオ、Marketing Cloud Growth Journey に移行する際、視覚的なフロー定義は再構築となる。複雑度の高いフロー 10-30 種を移行する場合、コンサル工数が 200-500 時間規模で発生する。

リスク 2: Prospect オブジェクトの移行

Account Engagement の Prospect オブジェクトは、Salesforce Lead / Contact と紐付いた独自のデータモデルだ。HubSpot に移行する場合、Prospect ↔ HubSpot Contact の項目マッピング、活動履歴の移行、スコアの再計算ルール定義が必要となる。

リスク 3: B2B Marketing Analytics の代替

Account Engagement Advanced 以上で利用できる B2B Marketing Analytics(CRM Analytics ベースのレポーティング)は、Salesforce 環境固有の機能だ。HubSpot / SATORI 移行後は、Tableau / Looker Studio / Power BI などの BI ツールでレポーティング基盤を再構築するアプローチが現実的。

リスク 4: Einstein スコアリング履歴

Account Engagement Advanced の Einstein Lead Scoring / Behavior Scoring は、過去のリード行動データから予測モデルを構築する仕組みだ。移行先の MA でゼロから再学習が必要となり、予測精度が安定するまで 3-6 ヶ月の観測期間を見込むのが安全。

リスク 5: フォームのトラッキングと URL 引き継ぎ

Account Engagement Forms / Landing Pages は go.example.com / pi.pardot.com 系のトラッキングドメインを利用している。移行先で同等のトラッキングを実現する際、DNS 切替・SSL 証明書再取得・既存被リンクの 301 リダイレクト設計が必要だ。

並走運用の設計

完全切替前に新 MA を 2-3 ヶ月並走稼働させ、Account Engagement と新 MA の双方でリードフローを観測する設計が標準的だ。並走中はライセンス費が二重発生するため、Salesforce との契約更新タイミングを起点に逆算するのが費用面で最適化されやすい。


契約更新と移行のタイミング設計

Salesforce との Account Engagement 契約は通常 1-3 年単位の年契約だ。移行プロジェクトのタイミング設計では、以下を考慮する。

契約更新の 12 ヶ月前から始める準備

  • M-12: 棚卸し開始、移行候補の机上検討開始
  • M-9: 移行候補の PoC(2-4 週間)
  • M-6: 移行ベンダー選定、契約交渉
  • M-3: 環境構築・初期データ移行
  • M-1: 並走運用開始
  • M0: 契約満了・新 MA 完全切替

Salesforce 営業との交渉

契約更新前の 6-9 ヶ月前から Salesforce 営業に「移行検討中」のシグナルを共有することで、価格交渉の選択肢が広がる場合がある。Marketing Cloud Growth への移行を選択肢に含める場合は、Salesforce 内での製品変更扱いになるため、別の契約条件が提示されることがある。


2026-2028 年の中期計画マイルストーン

中堅 B2B の MA 中期計画として、以下のマイルストーンを推奨する。

2026 年(短期)

  • 現行 Account Engagement の利用機能棚卸し
  • 移行候補 3 つの机上比較
  • Salesforce 公式 Release Notes / Trailhead を四半期ごとに確認
  • 内製マーケエンジニアの育成開始

2027 年(中期)

  • Marketing Cloud Growth / HubSpot / SATORI のうち 1-2 候補で PoC
  • Salesforce 営業と次期契約条件の交渉
  • 移行ベンダー選定開始

2028 年(中長期)

  • 移行プロジェクト本格着手
  • 並走運用 2-3 ヶ月
  • Account Engagement 解約・新 MA 完全運用

このスケジュールはあくまで一般的な目安であり、企業ごとの事業優先度・契約タイミング・Salesforce 公式ロードマップの更新により調整が必要となる。


よくある質問(FAQ)

Q1: Account Engagement は近い将来に EOL となりますか?

2026 年 5 月時点で、Salesforce 公式から Account Engagement の EOL 予告は公表されていません。ただし、新機能の Marketing Cloud Growth 優先実装、Data Cloud への集約方向などを踏まえ、3-5 年スパンでの移行計画を準備することを推奨します。

Q2: Marketing Cloud Growth に移行すれば Salesforce 標準機能だけで完結しますか?

Marketing Cloud Growth は Salesforce Data Cloud を前提としており、Data Cloud のデータ統合・セグメント設計が必要です。Account Engagement のシンプルな B2B MA としての位置づけと比較すると、運用設計の複雑度が増すケースがあります。

Q3: HubSpot 移行時、Salesforce CRM はそのまま維持できますか?

はい、HubSpot Marketing Hub と Salesforce CRM の双方向連携は標準コネクタで対応可能です。詳細は姉妹記事「HubSpot × Salesforce 連携 実装ガイド 2026」を併読してください。

Q4: SATORI に移行する場合、Salesforce 連携の制約は何ですか?

SATORI は Salesforce との標準連携機能を提供していますが、Account Engagement のような Salesforce レコード上での Engagement History 表示や、Campaign Influence の自動計算などのネイティブ統合は再現されません。Salesforce 内での営業可視化を重視する場合、HubSpot のほうが移行影響が小さいケースがあります。

Q5: 移行プロジェクトで最も失敗しやすい工程はどこですか?

Engagement Studio で組み込んだ複雑なナーチャリングフローの再設計です。Account Engagement の Engagement Studio はビジュアル設計の強みがあり、HubSpot Workflows や Marketing Cloud Growth Journey に 1 対 1 で写像できないことが多いため、要件定義段階で「日本語仕様書」レベルでロジックを再整理するアプローチが重要です。


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