ローカルLLMの価値は「社外に送らない」ことだけではない。どのデータを、誰が、どの権限で、どのログを残して使うかを自社で制御できる点にある。 旧版にあった特定モデル名、GPU費用、投資判断期間、性能優劣の一般化は、ライセンスや構成で変わるため整理し直した。
生成AIのリスク管理では、NIST AI RMFのように、AIを組織のリスク管理に組み込む考え方が有用である。ローカルLLMも例外ではない。外部送信を避けても、社内の権限を越えて文書を読める、古い契約書を根拠に回答する、ログが残らない、といった問題は起きる。
まず分類するデータ
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| データ | 推奨する扱い |
|---|---|
| 公開情報 | クラウドAPIでも検討しやすい |
| 社内一般文書 | 利用規程とログを前提にクラウド/専有環境を比較 |
| 契約書・図面・顧客情報 | RAG、権限、監査ログを必須にする |
| 個人情報・機微情報 | 外部送信可否、委託、保存、削除を法務・情シスで確認 |
| 取引先から預かった情報 | 契約上の外部委託・再委託・クラウド利用条件を確認 |
ローカル化の判断は、技術より契約とデータ分類が先である。社内規程で「入力してよい情報」を決めずにモデルだけ置くと、現場は結局使えない。
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対象業務、データ、権限、ログ、運用責任を確認し、PoC前に失敗要因と本番化条件を整理します。
クラウドAPIとローカルLLMの使い分け
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| 観点 | クラウドAPI | ローカルLLM・専有環境 |
|---|---|---|
| 立ち上げ | 早い | 設計・構築が必要 |
| 性能 | 最新モデルを使いやすい | モデル選定と評価が必要 |
| データ統制 | 契約・設定で制御 | 自社設計で閉域化しやすい |
| 運用 | ベンダー依存が小さい | 自社または委託先の運用が必要 |
| 適用例 | 一般文書作成、調査、要約 | 契約書検索、設計文書RAG、社内FAQ |
多くの企業では、全社一律にローカル化するより、機密度の高い業務だけローカルまたは専有環境にし、一般業務はクラウドAPIを使うハイブリッド設計が現実的である。
PoCで検証すること
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| 検証項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 回答品質 | 自社文書で根拠付き回答ができるか |
| 権限 | 見てはいけない文書を参照しないか |
| ログ | 入力、検索、回答、参照文書を追えるか |
| 更新 | 文書改定が検索結果に反映されるか |
| 運用 | モデル更新、脆弱性対応、障害時対応を誰が担うか |
| コスト | GPU、クラウド、保守、人員を個別見積で比較する |
モデルのベンチマーク点数だけで採用を決めてはいけない。契約書検索、問い合わせ回答、設計レビューなど、自社の実データと実タスクで比較する必要がある。
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相談前に整理するポイント
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| 相談テーマ | 初月に作るもの | 継続支援 |
|---|---|---|
| データ分類 | 機密度表、利用可否、権限方針 | AI利用規程、教育、レビュー |
| RAG PoC | 対象文書、検索設計、評価表 | 精度改善、文書更新、運用監視 |
| 専有環境設計 | クラウド/オンプレ比較、接続図 | 構築、保守、セキュリティ対応 |
| 生成AI運用 | ログ、評価、禁止用途、問い合わせ窓口 | 月次改善、FDE伴走、部門展開 |
ローカルLLMは、GPUを買う大型案件だけではない。最初はデータ分類、RAG PoC、利用規程、評価基盤を月額で進め、必要性が見えた段階で専有環境やオンプレ構成へ進む方が無駄が少ない。
相談前に用意すると早い資料
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| 資料 | 見るポイント |
|---|---|
| データ分類表 | 外部送信禁止、社内限定、公開可能の区分 |
| 契約・取引先要件 | クラウド利用、再委託、国外移転の制約 |
| 文書保管場所 | ファイルサーバー、SaaS、DMS、SharePoint等 |
| 利用したい業務 | 契約書検索、設計レビュー、FAQ、問い合わせ回答 |
| 現在のAI利用ルール | 禁止事項、ログ、承認、教育の有無 |
投資効果は、GPU費用の比較だけでは見えない。契約確認の待ち時間、設計文書検索、ヘルプデスク回答、提案書作成、障害復旧時の調査など、専門人材の時間をどこで短縮できるかを測る必要がある。復旧系の相談では、ローカルRAGで過去の障害記録、構成図、手順書を検索できるようにすると、初動調査と再発防止に接続しやすい。
FAQ
Q. ローカルLLMなら個人情報を自由に扱えますか?
A. いいえ。外部送信を避けられても、目的、権限、保存、削除、ログ、委託先管理は必要です。社内で閉じることと、適切に扱えることは別問題です。GXOではデータ分類と利用ルールを先に作り、PoC対象を絞ります。
GXOに相談すべきタイミング
- 契約書、図面、顧客情報を生成AIで使いたいが、外部送信が不安で止まっている
- クラウドAPIの利用ルールが未整備で、部門ごとに判断が違う
- RAGを試したが、根拠表示、権限、ログが弱い
- ローカルLLM、専有クラウド、クラウドAPIの比較表を作りたい
- FDEや小チームで、PoCから本番運用まで伴走してほしい
社内データを外に出さない生成AIを、現実的な構成で始めたい方へ
GXOは、データ分類、RAG PoC、権限・ログ設計、専有環境/オンプレ比較、FDE伴走、本番運用まで支援します。
公式情報・確認日
- NIST AI Risk Management Framework(確認日: 2026年7月1日): https://www.nist.gov/itl/ai-risk-management-framework
- NIST AI RMF 1.0(確認日: 2026年7月1日): https://doi.org/10.6028/NIST.AI.100-1
- NIST Generative AI Profile(確認日: 2026年7月1日): https://doi.org/10.6028/NIST.AI.600-1







