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title: "IPAデジタルスキル標準ver.2.0でデータマネジメント類型が新設|自社に足りないDX人材を棚卸しする" description: "IPAが公表したデジタルスキル標準ver.2.0で、データマネジメント類型(データスチュワード/エンジニア/アーキテクト)が新設され、AIガバナンスが追加された。公式分類で自社に足りない職種を棚卸しし、内製で採れない領域を外部委託で埋める判断材料を整理する。" keyword: "デジタルスキル標準 ver.2.0 IPA データマネジメント AIガバナンス 人材" slug: "ipa-digital-skill-standard-2-0-data-ai-governance-20260625" date: "2026-06-25" updatedAt: "2026-06-25" category: "AI・DX" tags: ["デジタルスキル標準","人材育成","データマネジメント","AIガバナンス","内製化"] author: "GXO株式会社" lead_summary: "公式分類が更新された今こそ、自社に足りないDX職種を棚卸しし、内製で採れない領域を見極める好機である。"

IPAデジタルスキル標準ver.2.0でデータマネジメント類型が新設|自社に足りないDX人材を棚卸しする

結論:人材計画は「足りない人を探す」より「足りない職種を公式分類で特定する」が先である

2026年4月16日、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)と経済産業省が「デジタルスキル標準ver.2.0(DSS ver.2.0)」を公表した。最大の変更は、データマネジメント類型の新設と、AI実装・運用およびAIガバナンスというスキルの追加である。

人事、人材育成責任者、情シス部長、DX推進リーダーがこの更新から受け取るべきメッセージは、新しい研修を増やすことではない。自社のDX人材を国の公式分類で棚卸しし、「どの職種が欠けているか」「その欠落は採用・育成で埋まるのか、外部委託で埋めるべきか」を切り分けることである。

DX人材が「量」の面で不足していると回答した日本企業は85.1%にのぼる(IPA「DX動向2025」)。この数字は近年ほぼ横ばいで、採用と研修だけでは構造的に埋まっていない。だからこそ、まず欠けている職種を正確に名指しすることが起点になる。とりわけ新設されたデータ系の職種が空席なら、データ基盤の設計・構築を外部の知見で立ち上げる選択肢が現実的になる。

押さえるべき1点:ver.2.0は「データを扱う職種」と「AIを統制する職種」を公式に切り出した。自社の組織図に当てはめれば、空席が見える。

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デジタルスキル標準ver.2.0で何が変わったのか

DSSは、DXを推進する人材像を国として整理した標準である。今回のver.2.0で、DX推進スキル標準(DSS-P)は次の6類型に再編された。

人材類型位置づけver.2.0での主な変更
ビジネスアーキテクト事業・業務の変革を構想する3ロールを再定義(後述)
デザイナー顧客体験・サービスを設計するグラフィックデザイナーを廃止、コミュニケーションデザイナーを新設
データサイエンティストデータから価値・予測を生むAI実装・運用、AIガバナンスを追加
データマネジメントデータを整備し利活用を支える新設
ソフトウェアエンジニアシステムを開発・実装する継続
サイバーセキュリティシステム・データを守る継続

ポイントは2つである。これまで明確な居場所がなかった「データ基盤を整える人」がデータマネジメント類型として独立したこと、そしてAIの統制を担うAIガバナンスがスキルとして公式に位置づけられたことである。

新設されたデータマネジメント類型の3ロール

データマネジメント類型には、次の3ロールが定義された。AI活用が前提になるほど、これらの職種が欠けていると「データはあるが使えない」状態が続く。

ロールIPAが示す役割欠けると起きること
データスチュワード事業ドメイン知識に基づき、データの品質・信頼性・安全性を確保する運用を担うデータの意味・正しさを誰も保証できず、分析やAIの出力が信用されない
データエンジニア異なる収集元のデータを一貫性・整合性を持たせて統合し、利活用できる形に整備・提供する部門ごとにデータが分断され、横断分析やAIの学習データが作れない
データアーキテクト組織・事業全体のデータ構造と流れを俯瞰し、ライフサイクル全般を見据えたデータアーキテクチャを設計・継続的に見直す場当たりのデータ連携が積み上がり、刷新時に全体像を描ける人がいない

これらは「データサイエンティスト(分析する人)」とは別の職種である。多くの企業は分析人材を採ろうとするが、実際にボトルネックになるのは、その手前のデータを整える3ロールであることが多い。

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ビジネスアーキテクト類型とAIガバナンスの追加も押さえる

ビジネスアーキテクト類型は、従来の3ロールを刷新し、「ビジネスアーキテクト」「ビジネスアナリスト」「プロダクトマネージャー」に再定義された。事業構想・要件分析・プロダクト推進という役割分担が明確になっている。

さらに、データサイエンティスト類型にはAI実装・運用AIガバナンスが追加された。AIガバナンスは、AIを「導入する」だけでなく、誰がどのデータでどう使い、誤りや偏りをどう監督するかを統制する役割である。生成AIやAIエージェントを本番運用する企業で、ここが空席だと、便利さの裏でリスクが統制されないまま広がる。情シスだけの話ではなく、人事・法務・事業部門が関わる横断テーマである点も押さえておきたい。

「自社に足りない職種」を公式分類で棚卸しする

ここからが実務である。ver.2.0の6類型を自社の組織に当てはめ、各職種が「いる/いない/兼務で限界」のどれかを確認する。

実際にやってみると、多くの中堅企業で共通のパターンが浮かぶ。ビジネスアーキテクト系は役員やキーマンに属人化し、データスチュワード・データアーキテクトは不在で各部門が自己流で管理、データエンジニアは情シスが片手間で対応している。そしてAIガバナンスは役割そのものが定義されていない。つまり、データマネジメントの3ロールとAIガバナンスが空席になっているのである。分析人材より手前の、地味だが決定的な職種が欠けている。

内製で採れない領域は「外部委託で埋める」判断をする

棚卸しで空席が見えたら、次は埋め方を決める。すべてを採用・育成で埋める必要はない。職種ごとに、内製すべきか外部委託すべきかは異なる。

職種推奨アプローチ
ビジネスアーキテクト系事業理解が要るため育成中心。要件定義は外部伴走で補完
データスチュワード社内で任命し、運用ルールづくりを外部支援
データエンジニア採用難。データ基盤の構築は外部委託、運用を段階移管
データアーキテクト採用市場が薄い。設計フェーズを外部委託し社内に知見を残す
データサイエンティスト当面は外部活用、内製は中長期で
AIガバナンス体制・ルール設計を外部支援、運用は内製
ソフトウェアエンジニア受託開発+伴走で内製比率を段階的に上げる

判断の軸はシンプルである。事業理解が成否を分ける職種は内製寄り、市場で採用しにくく構築型の職種は外部委託寄り。特にデータ基盤の設計・構築AI活用の現状診断・実現可能性の見極めは、社内にゼロから人を採るより、外部の知見で立ち上げてから運用を移管する方が現実的なケースが多い。

採用・育成だけにこだわると、85.1%が直面する「採れない・育たない」の壁に正面からぶつかる。空席を外部委託で先に埋め、走りながら内製比率を上げる方が、DXの停滞を避けられる。

人材計画の棚卸しチェックリスト

確認項目状態次のアクション
6類型を自社の組織図に当てはめたか各ロールの担当者名を書き出す
データマネジメント3ロールの空席を確認したかスチュワード/エンジニア/アーキテクトを個別に判定
AIガバナンスの担当・責任を定義したかAI利用範囲とルールの起案者を決める
各空席を内製/外部委託に振り分けたか事業理解の要否と採用難易度で判定
外部委託後の知見の社内残しを設計したかドキュメント・運用移管の条件を契約に入れる

このチェックリストを埋めずに研修予算だけを増やすと、欠けている職種は埋まらないまま研修だけが進む。まず空席を特定し、埋め方を決める順番が重要である。職種の空席が組織全体のDX推進力にどう効いているかを定量的に把握したいなら、DX成熟度診断で現在地を測ってから人材計画に落とすとよい。

よくある質問(FAQ)

Q. デジタルスキル標準ver.2.0は強制ですか。 A. 強制ではなく、国が示す人材育成の参照枠組みである。ただし、職種の共通言語として使えるため、自社の人材計画・採用要件・育成計画の土台にすると、社内外の認識合わせがしやすくなる。

Q. データマネジメント類型とデータサイエンティストは何が違いますか。 A. データサイエンティストは「データから価値・予測を生む(分析する)」役割、データマネジメントは「データを整備し、品質・統合・構造を支える」役割である。分析の前提を整えるのがデータマネジメントで、ver.2.0で独立した類型になった。

Q. うちは中堅企業で専任を置けません。それでも棚卸しする意味はありますか。 A. ある。専任を置けないからこそ、どの職種が欠けているかを明確にし、外部委託で埋めるべき領域を見極める必要がある。棚卸しは採用のためだけでなく、委託判断のためにも使う。

Q. AIガバナンスは情シスが兼務すればよいですか。 A. 技術面は情シスが担えるが、AIガバナンスは利用範囲・責任分担・データの扱いを決める横断テーマである。事業部門・法務・人事も関わる前提で、責任者を明確にすることが先決である。

この記事を読むべき人

  • 人事・人材育成責任者で、DX人材の採用要件や育成計画を見直したい人
  • 情シス部長で、データ基盤やAI活用の体制づくりを任されている人
  • DX推進リーダーで、分析人材を採ろうとして「その手前」で詰まっている人
  • 内製化を進めたいが、どこまで自社で抱え、どこを外部に出すか迷っている人

いつGXOに相談すべきか

  • データマネジメントの3ロールが空席で、データ基盤の構築が進まない
  • 分析人材を採ろうとしているが、データ整備が先だと気づいた
  • AIを導入したいが、AIガバナンス(統制・ルール)の立ち上げ方が分からない
  • 内製で採れない職種を、外部委託でどう埋めるか判断材料がほしい

GXOは、受託AI開発、データ基盤の設計・構築、AI活用の現状診断、そして伴走実装(FDE+)を組み合わせ、空席の職種を外部で立ち上げてから社内へ運用を移管する段階的な進め方を支援する。採用・育成だけでは埋まらない領域を、走りながら内製化につなげる。

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参考資料

本記事は2026年6月25日時点の公開情報をもとに作成。各人材類型・ロールの定義および育成・評価の運用は、IPA・経済産業省の公式資料と自社の人材戦略を確認すること。

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