GXO
RAG・AI検索

AI SBOMから考えるAI開発・発注チェック|モデル・データ・ライブラリを見える化する

7分で読める

QUICK CHECK

本文を読みながら、自社で進めるべきか、相談前に何を整理するかを確認できます。

自社の場合を相談する
AI SBOMから考えるAI開発・発注チェック|モデル・データ・ライブラリを見える化する

AI開発やRAG開発の発注では、画面や機能だけを見てもリスクを判断できない。どのモデルを使うのか、どのデータを参照するのか、どのライブラリや外部APIに依存するのか、プロンプトや評価データは誰が管理するのか。これらが曖昧なまま進むと、運用開始後に費用、セキュリティ、保守責任が見えなくなる。

そこで使える考え方が AI SBOM である。

SBOMは本来、Software Bill of Materials、つまりソフトウェア部品表を意味する。AI開発ではこの考え方を拡張し、AIシステムを構成するモデル、データ、プロンプト、外部サービス、OSS、評価基盤まで棚卸しする必要がある。

AI開発で「部品」が見えないと何が起きるか

AI開発は、従来の業務システムよりも外部依存が多い。

構成要素見えない場合のリスク
LLMOpenAI、Anthropic、Google、Azure OpenAIなど料金変更、利用規約、データ送信範囲が不明
Embedding埋め込みモデルRAGの検索品質や再構築費が読めない
Vector DBpgvector、Pinecone、Weaviateなどロックイン、月額費用、権限管理が不明
OSSLangChain、LlamaIndex、各種SDK脆弱性、保守停止、ライセンスリスク
データFAQ、議事録、契約書、マニュアル個人情報、機密情報、古い情報の混入
プロンプトsystem prompt、ツール定義属人化、変更履歴不明、品質劣化
評価データ正解データ、NG例、テスト質問本番品質を測れない

見積書に「AIチャットボット一式」「RAG構築一式」としか書かれていない場合、これらの責任分界が曖昧になる。

OUTCOME BLUEPRINT

AI/DX投資の前に、成果KPIと発注条件を整理しませんか?

補助金、SaaS選定、開発見積、PoCの前に、業務要件・費用レンジ・RFP・合格条件を成果起点で整理します。

Outcome Blueprintを見る

AI SBOMで発注前に確認する7項目

1. 使うモデルと切替条件

モデル名だけでなく、なぜそのモデルを使うのか、将来どう切り替えるのかを確認する。API料金、応答速度、データ保持条件、国内リージョン対応、法人契約の有無も見ておきたい。

2. 学習・参照データの範囲

RAGでは「どの文書を入れるか」が品質を決める。社内マニュアル、FAQ、契約書、議事録、過去問い合わせなどを対象にする場合、情報の鮮度、所有部門、閲覧権限、削除ルールを整理する必要がある。

3. OSSとライブラリの棚卸し

AI開発ではOSSの利用が多い。LangChain、LlamaIndex、Transformers、各種ベクトルDBクライアントなど、利用ライブラリとバージョンを一覧化し、脆弱性対応の責任を決める。

4. 外部APIとデータ送信範囲

AIシステムは、LLM APIだけでなく、OCR、翻訳、検索、メール、CRM、ストレージなど複数APIに接続することがある。どのデータが外部に送られるのか、ログに残るのか、保存期間はどうなるのかを確認する。

5. プロンプトと設定の変更管理

プロンプトはAIシステムの仕様書に近い。誰が変更できるか、変更履歴を残すか、変更後に評価を通すかを決める必要がある。

6. 評価データと品質基準

「精度が高い」という表現だけでは発注判断できない。業務ごとのテスト質問、正解例、NG回答、拒否すべき回答を用意し、定期的に評価する仕組みが必要だ。

7. 運用費と保守責任

AI開発は作って終わりではない。API費用、ベクトルDB費用、ログ保存費用、評価運用、データ更新、プロンプト改善、脆弱性対応まで月額費用に入る。

RAG発注で特に見落としやすいポイント

RAG開発では、ドキュメント投入と検索精度ばかりに目が行きがちだ。しかし実務では次の項目が重要になる。

  • 文書ごとの閲覧権限を維持できるか
  • 古い文書や廃止規程を除外できるか
  • 回答に参照元を出せるか
  • 回答できない質問を拒否できるか
  • ベクトルDBの再構築手順があるか
  • 検索ログから改善できるか
  • 個人情報や機密情報をマスキングできるか

AI SBOMの考え方を使うと、こうした構成要素を発注前に見える化できる。

FREE DOWNLOAD

AI/RAG導入後のKPIと改善運用、先に設計しませんか?

PoCで終わらせず、利用率・精度・削減工数・改善バックログまでOutcomeOpsで回す設計を確認できます。

発注時にRFPへ入れるべき表現

AI開発やRAG開発を外注する場合、RFPには次のような項目を入れておくとよい。

  • 利用するモデル、外部API、OSS、データベースを一覧で提示すること
  • 利用OSSのライセンスと脆弱性対応方針を提示すること
  • モデル変更時の影響範囲と切替手順を提示すること
  • プロンプト、評価データ、設定ファイルの管理方法を提示すること
  • 本番運用時のログ、監視、月次改善の範囲を提示すること
  • データ送信先、保存期間、削除方法を提示すること

この粒度まで書けると、ベンダー比較で「安いが中身が見えない提案」を避けやすくなる。

関連記事

AI開発・RAG開発の発注前に、構成要素を見える化しませんか

GXOでは、AI SBOMの考え方を使い、モデル、データ、OSS、外部API、評価データ、運用費まで発注前に整理します。RAG開発やAIチャットボットのRFP作成前にご相談ください。

AI開発・RAG発注前相談をする

※ 初回相談では、現状のデータ・利用予定ツール・発注前の不安点を整理します。

ISSUE HUB

社内情報を探しやすくしたいの全体像を見る

関連する中カテゴリ・小カテゴリ・記事を横断し、課題の整理、優先順位、解決策をまとめて確認できます。

課題別ハブを見る

CATEGORY CLUSTER

同じ課題で読む

この記事の親カテゴリと近い小カテゴリをたどると、課題の全体像から具体的な解決策まで順に確認できます。

関連 HUB

この記事は以下の業種・悩み hub にも掲載されています。同じテーマの実務ナレッジと支援サービスをまとめてご覧いただけます。

お気軽にご相談ください

AI・DXに関するご質問やお見積もりなど

無料相談する

CONTACT

まずは 無料相談 から始めませんか。

サービスについてのご相談・ご質問などお気軽にお問い合わせください。
※ 営業電話はしません | オンライン対応可 | 相談だけでもOK