GXO
ゼロトラスト

AI端末時代に情シスが先に決めるMDM・ID・ログ設計|Project Solaraが示す管理モデルの変化

10分で読める

QUICK CHECK

本文を読みながら、自社で進めるべきか、相談前に何を整理するかを確認できます。

自社の場合を相談する
COLUMN

この記事は、情シス責任者・IT管理者が「AI利用が広がる前に、端末管理とID設計をどこまで先に整えるか」の判断基準を得ることを目的としています。AIエージェントが使うポリシーの中身や回帰テストは、姉妹記事の AIエージェントのポリシー評価と回帰テスト で扱っています。


Project Solara:エージェントがアプリを置き換える端末の登場

2026年6月2日のMicrosoft Build 2026で、Microsoftはエージェントファースト設計の新プラットフォーム「Project Solara」を発表しました(Tom's Hardware、GeekWire他、2026年6月2〜3日報道)。

Project Solaraの主な特徴は次のとおりです。

要素内容
OS基盤MDEP(Microsoft Device Ecosystem Platform):Android OSP基盤
デバイス管理Microsoft Intune・Entra ID・Defender for Endpoint と標準統合
エージェント動作ローカルNPUとAzureを動的に使い分け
参照デザインウェアラブルバッジ+卓上コンパニオンの2種
限定プレビューAccuWeather・Best Buy・CVS Health・Target等と試験中
一般提供予定早くても2027年中頃(報道ベース)

重要なのは、Solaraのような専用端末が市場に出る前でも、既存のPC上でCopilot・ブラウザAI・画面操作AIがすでに端末管理の対象になっていることです。Solaraが採用したIntune+Entra IDの統合モデルは、現在の端末管理の延長線上にあります。今の管理体制を点検しておくことが、新端末導入時のコストを下げます。


AI ASSESSMENT

PoC の前に「そもそも使えるか」を30分で見極めませんか?

情シス部門の稟議書作成をサポートする無料の30分壁打ち。ROI 試算シート・失敗要因チェックリストをその場で共有します。

30分壁打ちを予約

AIが端末管理を変える3つの構造変化

変化1:AIが「画面上の情報」を扱う

ファイルアクセスだけでなく、画面認識・操作支援型のAIは画面上に表示されている情報を読み取ります。人間には見えていいがAIには渡したくない情報(例:他の顧客案件名、人事情報)が同じ画面に混在する状況が生まれます。スクリーンリーダー制限やウィンドウ分離のポリシーが必要になります。

変化2:端末ローカルに生成物が蓄積する

議事録要約・顧客メール文案・コード片・契約書ドラフトなどの生成物が端末ローカルに残る場合、紛失・盗難時の影響が従来より大きくなります。生成物の保存先を管理フォルダに制限するDLPポリシーが必要です。

変化3:個人AIアカウントと会社利用の混在

会社端末で個人のChatGPT・Claude・Copilotアカウントを使うと、ログも契約上の保護もデータ所在も分断されます。顧客情報を個人アカウント経由でAIに入力した場合、DPAの範囲外になり、インシデント発生時に契約相手への説明が困難になります。


情シスが先に決める6項目

項目決めること設定例
MDM登録基準AI利用を許可する端末の条件Intune登録済み+OS最新版のみ
ID統制AI利用に使うアカウントの指定会社EntraID+MFA必須、個人アカウント禁止
承認済みAIサービス利用可能なAIアプリ・サービスの一覧Copilot・承認済みSaaSのみ、未承認ブラウザ拡張禁止
生成物保存先生成したファイルの保存場所管理下OneDrive・SharePointのみ(ローカルデスクトップ禁止)
ログ保存範囲何を記録し何か月保存するかAIアプリ利用履歴・ファイルアクセスログを12か月保存
停止・ワイプ手順紛失・退職・侵害時の対応Intuneリモートワイプ・アカウント無効化の手順と担当者

FREE DOWNLOAD

AI導入チェックリスト(PoC 失敗要因 10項目)

情シス部門が PoC 前に押さえるべき失敗要因を10項目に整理した無料チェックリスト。

AI利用管理ポリシーのテンプレート構造

情シスがAIポリシーを作るとき、「AI利用ルール」として単独で作ると端末管理・ID管理と分断されます。既存のエンドポイント管理ポリシーに次の節を追加する形が整合性を保ちやすいです。

3.X条 AI機能・AIサービスの利用
  3.X.1 対象:会社が承認したAIサービスに限る(一覧は別表)
  3.X.2 端末:MDM登録済みの会社管理端末のみ
  3.X.3 アカウント:会社ID(EntraID)を使用。個人AIアカウントで会社情報を扱うことを禁じる
  3.X.4 禁止入力:個人情報・機密情報・未公開情報(別表参照)
  3.X.5 生成物保存:管理下クラウドストレージのみ。端末ローカル保存は原則禁止
  3.X.6 ログ:利用履歴とファイルアクセスを12か月保存。監査時に提出できること
  3.X.7 例外:業務上必要な場合は情シスの事前承認を取得する

MDM・ID・ログを整えるための優先順序

フェーズ1(今すぐ):現状把握

  • 会社端末のうちMDM未登録の台数を確認する
  • 退職者アカウントの無効化状況を確認する
  • 承認されていないAIサービスの利用状況をSWG・Proxyログで確認する

フェーズ2(30日以内):最低限の統制を入れる

  • MDM未登録端末からの社内リソースアクセスを条件付きアクセスで制限する
  • 個人AIアカウントでの業務情報入力を禁止するポリシーを周知する
  • AIアプリのカテゴリをCASBで可視化する

フェーズ3(90日以内):AI特有のログ設計を追加する

  • Copilot・承認済みAIサービスの利用ログを統合ログに収集する
  • 生成物保存先のDLPポリシーを設定する
  • AI利用に関するインシデント対応手順(誰に連絡し、どこを止めるか)を文書化する

LLMセキュリティreadiness診断では、AI利用ルールと端末・ID管理の整備状況を合わせて確認できます。ゼロトラストSASE生成AIセキュリティはそれぞれ単独ではなく、同じID基盤の上に整合させて設計することを推奨します。


GXOはどう支援するか

GXOでは、現在のMDM・ID管理状況の棚卸しから、AI利用ポリシーの策定、Intune・Entra IDの設定レビュー、CASB・DLPを使ったAIサービス可視化まで支援します。初回相談では、会社端末の台数・MDM導入状況・現行IDプロバイダー・AI利用の実態を確認し、優先度の高い統制から順に整備する計画を提案します。ゼロトラスト設計の実務チェック情シスのAI readiness診断と合わせてご相談ください。


よくある質問

Q1. Project Solaraのような専用AI端末が来るのはまだ先ではないですか

専用端末の一般提供は早くても2027年以降の見込みです(報道ベース)。ただし、既存PC上のCopilot・ブラウザAI・画面操作AIはすでに端末管理の対象です。今すぐ整備することで新端末導入時の追加コストを下げられます。

Q2. BYODでもAIを使わせることはできますか

MDM・DLP・会社ID統制の3点が揃えば技術的には可能です。ただし、顧客情報や機密情報を扱う業務では、会社管理端末に限定するポリシーが法務・コンプライアンス上のリスクを管理しやすくなります。

Q3. 最低限ログに残すべき情報は何ですか

「誰が・どの端末から・どのAIサービスを使い・どのファイルにアクセスしたか」の4点が最低ラインです。インシデント発生時に48〜72時間以内に調査できる保存設計を目安にしてください。


参考情報

AI利用に備えたMDM・ID・ログ設計を相談しませんか

GXOでは、端末管理の現状棚卸し、AI利用ポリシーの策定、Intune・Entra ID設定レビュー、CASB・DLPを使ったAIサービス可視化を、段階的な優先順で支援します。

AI端末・ID管理の設計を相談する

ISSUE HUB

セキュリティリスクを減らしたいの全体像を見る

関連する中カテゴリ・小カテゴリ・記事を横断し、課題の整理、優先順位、解決策をまとめて確認できます。

課題別ハブを見る

CATEGORY CLUSTER

同じ課題で読む

この記事の親カテゴリと近い小カテゴリをたどると、課題の全体像から具体的な解決策まで順に確認できます。

関連 HUB

この記事は以下の業種・悩み hub にも掲載されています。同じテーマの実務ナレッジと支援サービスをまとめてご覧いただけます。

お気軽にご相談ください

AI・DXに関するご質問やお見積もりなど

無料相談する

CONTACT

まずは 無料相談 から始めませんか。

サービスについてのご相談・ご質問などお気軽にお問い合わせください。
※ 営業電話はしません | オンライン対応可 | 相談だけでもOK