監査で困らない記録管理の方法
監査対応の記録管理で重要なのは、記録の一元管理、法定保存期間の遵守、すぐに取り出せる状態の維持です。 この3つができていれば、突然の監査でも慌てる必要はありません。
「労基署の監査が入ることになりました」
慌てて記録を探す。
あるはずのデータが見つからない。
フォーマットがバラバラで、説明に時間がかかる。
監査は、事前準備がすべてです。
監査で確認される主な項目

労働基準監督署の監査では、主に以下の項目が確認されます。
労働時間関連
出勤簿、タイムカード
残業時間の記録
36協定の締結状況
有給休暇の取得状況
特に残業時間の記録は、実態と記録の乖離がないか厳しくチェックされます。
安全衛生関連
安全教育の実施記録
資格証明書(フォークリフトなど)
健康診断の実施記録
労災の発生・対応記録
物流倉庫では、フォークリフトの資格証明書や安全教育の記録が重点的に確認されます。
雇用関連
雇用契約書
労働条件通知書
就業規則
派遣スタッフや契約社員を多く抱える現場では、雇用形態ごとの書類管理が煩雑になりがちです。
記録管理のポイント

ポイント①:記録を一元管理する
記録があちこちに散らばっていると、探すのに時間がかかります。
よくある失敗例として、紙の出勤簿は事務所、資格証明書は各現場、安全教育記録は別のファイルサーバーに保管されているケースがあります。このような状態では、監査官から「○○の記録を見せてください」と言われたときに対応が遅れます。
一元管理できる仕組みを作りましょう。具体的には、クラウドシステムや共有フォルダで、誰でもアクセスできる場所に記録を集約することが有効です。
ポイント②:保存期間を守る
記録には、法定の保存期間があります。
記録 | 保存期間 |
|---|---|
労働時間の記録 | 3年(5年への延長予定) |
賃金台帳 | 3年 |
雇用契約書 | 3年 |
安全教育記録 | 3年 |
健康診断記録 | 5年 |
期間を過ぎたら廃棄しても良いですが、期間内は確実に保管しましょう。
なお、労働時間の記録については、2020年の法改正により保存期間が5年に延長されています(当面は経過措置として3年)。将来的な延長に備え、5年保存を前提としておくと安心です。
ポイント③:すぐに取り出せる状態にする
監査官から「○○の記録を見せてください」と言われた時、すぐに出せますか。
整理されていれば、スムーズに対応できます。
整理のコツは、年度別・種類別にフォルダを分け、ファイル名に日付を入れることです。例えば「2024年度_安全教育実施記録_0415.pdf」のように命名すれば、検索も容易になります。
ポイント④:電子データでも保管する
紙の記録は、紛失や劣化のリスクがあります。
電子データでも保管しておくと安心です。
(電子化の場合、一定の要件を満たす必要があります)
電子帳簿保存法の要件として、タイムスタンプの付与や検索機能の確保などが求められます。単純にスキャンして保存するだけでは不十分な場合があるため、注意が必要です。
監査対応チェックリスト
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監査前に確認しておきましょう。
項目 | 確認 |
|---|---|
出勤簿・タイムカードは揃っているか | □ |
残業時間の記録はあるか | □ |
36協定は締結・届出されているか | □ |
有給休暇の取得記録はあるか | □ |
安全教育の実施記録はあるか | □ |
資格証明書は確認できるか | □ |
健康診断の記録はあるか | □ |
雇用契約書は保管されているか | □ |
よくある指摘事項
監査で指摘されやすいポイントを把握しておきましょう。
労働時間の記録と実態の乖離
タイムカードの打刻時間と、実際の作業開始・終了時間にズレがあると指摘されます。始業前の朝礼や、終業後の片付け時間も労働時間に含まれるため、注意が必要です。
36協定の届出漏れ・更新忘れ
36協定は毎年届出が必要です。更新時期を忘れていると、協定なしで残業させていたことになり、是正勧告の対象となります。
資格証明書の期限切れ
フォークリフトの運転資格自体に有効期限はありませんが、特別教育の記録や技能講習修了証の保管ができていないと、資格を証明できません。
安全教育の記録不備
「教育を実施した」という事実だけでなく、実施日、内容、受講者名、講師名を記録しておく必要があります。
日頃からの備え
監査は、いつ来るか分かりません。
日頃から記録を整理し、いつでも対応できる状態にしておくことが大切です。
「監査が来てから準備」では、間に合いません。
定期的に記録の棚卸しを行い、不足している書類がないか確認する習慣をつけましょう。月に1回、15分程度の確認で十分です。
まとめ:日頃の記録が、監査対応の鍵
監査対応は、日頃の記録管理がすべてです。
記録を一元管理する。
保存期間を守る。
すぐに取り出せる状態にする。
これができていれば、監査も恐れることはありません。
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