生産性改善📖 5分で読了

作業実績データ活用方法|人時生産性を改善につなげる4ステップデータを「取るだけ」で終わらせない、分析→改善の実践手順

作業実績データ活用方法|人時生産性を改善につなげる4ステップ

作業実績データの活用方法を解説。人時生産性の算出から、個人別・工程別・時系列の分析、改善につなげるPDCAの回し方まで。物流倉庫の現場責任者向けに、データを「取るだけ」で終わらせない実践ステップを紹介。

結論:実績データは「取って終わり」ではもったいない

作業実績データの活用方法は、大きく4つあります。

  1. 生産性の算出:作業量÷稼働時間で人時生産性を数値化

  2. 個人別の分析:スタッフごとの生産性差を把握し、教育・配置に活用

  3. 工程別の分析:ボトルネック工程を特定し、優先的に改善

  4. 時系列の分析:生産性推移を追い、改善施策の効果を検証

これらの分析結果をもとにPDCAサイクルを回すことで、物流倉庫の生産性は着実に向上します。


この記事でわかること

  • 作業実績データから「人時生産性」を算出する具体的な方法

  • 個人別・工程別・時系列の3つの分析視点とボトルネック特定のコツ

  • 分析結果を改善アクションにつなげるPDCAの回し方


はじめに:実績データ、眠っていませんか?

「毎日の作業実績は記録しているけれど、振り返る時間がない」
「データはあるが、どう分析すればいいかわからない」
「Excelに溜まった数字を見ても、次に何をすべきか見えてこない」

物流倉庫の現場責任者であれば、こうした悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

実績データは、蓄積するだけでは価値を生みません。分析し、課題を特定し、改善アクションにつなげてこそ、現場の生産性向上に貢献します。

この記事では、作業実績データを「取るだけ」で終わらせず、具体的な改善につなげるための4つの活用方法と、実践的な分析手順を解説します。


活用①:生産性の算出

人時生産性とは

人時生産性とは、「1人が1時間あたりにどれだけの作業をこなせるか」を示す指標です。

計算式
人時生産性 = 作業量 ÷ 総稼働時間

たとえば、1日で5,000件のピッキングを、延べ50時間(10人×5時間)で完了した場合、人時生産性は「100件/人時」となります。

なぜ人時生産性が重要か

人時生産性を算出することで、以下のことが可能になります。

  • 現場の生産効率を客観的な数値で把握できる

  • 日別・週別の推移を比較し、異常値を早期発見できる

  • 他拠点やベンチマークとの比較が可能になる

  • 人員配置や採用計画の根拠データとして活用できる

算出時の注意点

作業量のカウント方法を統一することが重要です。たとえば「ピッキング1件」の定義が、1行(SKU)単位なのか、1オーダー単位なのかで、数値は大きく変わります。現場で定義を明確にし、継続的に同じ基準で計測しましょう。


活用②:個人別の分析

目的

スタッフごとの生産性を把握し、教育や配置の見直しに活かすことが目的です。

分析のポイント

同じ作業を担当しているスタッフ間で、人時生産性にどの程度の差があるかを確認します。たとえば、ピッキング作業において、Aさんが120件/人時、Bさんが80件/人時であれば、1.5倍の差があることになります。

差がある場合の対応

  • 生産性が高いスタッフ:作業手順やコツをヒアリングし、ノウハウを標準化する

  • 生産性が低いスタッフ:作業動線や手順を観察し、改善点をフィードバックする。熟練者とのペア作業やOJTを検討する

  • 配置の見直し:適性に応じて、得意な工程への再配置を検討する

注意点

個人別の生産性を「評価」ではなく「改善の材料」として活用することが大切です。数値だけで優劣をつけると、スタッフのモチベーション低下につながりかねません。「なぜ差があるのか」を一緒に考え、全体のレベルアップを目指す姿勢が重要です。


活用③:工程別の分析

目的

物流倉庫の作業は、入荷、検品、格納、ピッキング、梱包、出荷など複数の工程で構成されています。工程別に生産性を分析することで、ボトルネックとなっている工程を特定できます。

ボトルネックの見つけ方

各工程の人時生産性を算出し、比較します。たとえば以下のような結果が出たとします。

  • 入荷:200件/人時

  • 検品:150件/人時

  • ピッキング:100件/人時

  • 梱包:180件/人時

  • 出荷:250件/人時

この場合、ピッキング工程が最も生産性が低く、ボトルネックである可能性が高いといえます。

ボトルネック解消のアプローチ

  • レイアウトの見直し:動線を短縮できないか検討する

  • 機器・設備の導入:ハンディターミナルやデジタルピッキングシステムの活用を検討する

  • 人員配置の調整:ボトルネック工程に人員を厚く配置する

  • 作業手順の標準化:ベテランの手順を言語化し、全員に展開する


活用④:時系列の分析

目的

生産性の推移を時系列で追うことで、改善施策の効果を検証できます。

分析の手順

  1. 週次または月次で人時生産性を集計する

  2. グラフ化して推移を可視化する

  3. 改善施策を実施した時点をマークする

  4. 施策前後の数値を比較し、効果を判定する

改善事例:ピッキング工程の動線見直しで20%向上

ある物流倉庫では、ピッキング工程の人時生産性が85件/人時で伸び悩んでいました。時系列データを分析したところ、特定の商品カテゴリで移動距離が長くなっていることが判明。ロケーションを出荷頻度順に再配置したところ、3週間後には102件/人時まで向上し、約20%の改善を達成しました。

このように、時系列で数値を追うことで「どの施策が効いたか」を客観的に判断できます。

効果検証のポイント

改善施策を実施した直後だけでなく、1週間、1ヶ月と継続的に数値を追うことが重要です。一時的な改善で終わっていないか、定着しているかを確認しましょう。

また、季節変動や繁忙期の影響を考慮することも大切です。前年同月との比較など、適切な比較対象を設定してください。

現クラなら、時系列分析がもっと簡単に

現クラ(現ちゃん)を活用すれば、作業実績データの集計からグラフ化までを自動で行えます。改善施策ごとにタグを付けて管理できるため、「どの施策がいつ、どれだけ効果を出したか」を一目で把握可能。Excelでの手作業による集計から解放され、分析と改善に集中できる環境が整います。


実績データを改善につなげる5つのステップ

ここまで紹介した4つの活用方法を、実際の改善活動に落とし込む手順を整理します。

ステップ1:データを見える化する

Excelやダッシュボードツールを活用し、生産性データをグラフや表で可視化します。数値の羅列ではなく、一目で傾向がわかる形式にすることがポイントです。

ステップ2:ボトルネックを特定する

工程別・個人別の分析結果から、優先的に改善すべきポイントを絞り込みます。すべてを一度に改善しようとせず、インパクトの大きい課題に集中しましょう。

ステップ3:改善策を立案・実行する

ボトルネックに対する具体的な改善策を検討し、実行します。現場のスタッフを巻き込み、納得感のある形で進めることが定着のカギです。

ステップ4:効果を測定する

施策実行後、生産性がどう変化したかを数値で確認します。改善効果が出ていれば継続し、出ていなければ別のアプローチを検討します。

ステップ5:サイクルを繰り返す

改善は一度で完了するものではありません。PDCAサイクルを継続的に回し、少しずつ生産性を高めていくことが重要です。


まとめ

作業実績データは、蓄積するだけでは価値を生みません。生産性の算出、個人別・工程別・時系列の分析を行い、具体的な改善アクションにつなげることで、はじめて現場の生産性向上に貢献します。

まずは、今ある実績データを使って「人時生産性」を算出するところから始めてみてはいかがでしょうか。数値が見えると、次に何をすべきかが明確になります。


次のアクション

  1. 今日できること:直近1週間の作業実績から、1つの工程の人時生産性を算出してみる

  2. 今週できること:工程別・個人別に生産性を比較し、ボトルネックを1つ特定する

  3. 来月までに:特定したボトルネックに対する改善策を実行し、効果を測定する


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