結論:実績データは「取って終わり」ではもったいない
作業実績データの活用方法は、大きく4つあります。
生産性の算出:作業量÷稼働時間で人時生産性を数値化
個人別の分析:スタッフごとの生産性差を把握し、教育・配置に活用
工程別の分析:ボトルネック工程を特定し、優先的に改善
時系列の分析:生産性推移を追い、改善施策の効果を検証
これらの分析結果をもとにPDCAサイクルを回すことで、物流倉庫の生産性は着実に向上します。
この記事でわかること
作業実績データから「人時生産性」を算出する具体的な方法
個人別・工程別・時系列の3つの分析視点とボトルネック特定のコツ
分析結果を改善アクションにつなげるPDCAの回し方
はじめに:実績データ、眠っていませんか?
「毎日の作業実績は記録しているけれど、振り返る時間がない」
「データはあるが、どう分析すればいいかわからない」
「Excelに溜まった数字を見ても、次に何をすべきか見えてこない」
物流倉庫の現場責任者であれば、こうした悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
実績データは、蓄積するだけでは価値を生みません。分析し、課題を特定し、改善アクションにつなげてこそ、現場の生産性向上に貢献します。
この記事では、作業実績データを「取るだけ」で終わらせず、具体的な改善につなげるための4つの活用方法と、実践的な分析手順を解説します。
活用①:生産性の算出

人時生産性とは
人時生産性とは、「1人が1時間あたりにどれだけの作業をこなせるか」を示す指標です。
計算式
人時生産性 = 作業量 ÷ 総稼働時間
たとえば、1日で5,000件のピッキングを、延べ50時間(10人×5時間)で完了した場合、人時生産性は「100件/人時」となります。
なぜ人時生産性が重要か
人時生産性を算出することで、以下のことが可能になります。
現場の生産効率を客観的な数値で把握できる
日別・週別の推移を比較し、異常値を早期発見できる
他拠点やベンチマークとの比較が可能になる
人員配置や採用計画の根拠データとして活用できる
算出時の注意点
作業量のカウント方法を統一することが重要です。たとえば「ピッキング1件」の定義が、1行(SKU)単位なのか、1オーダー単位なのかで、数値は大きく変わります。現場で定義を明確にし、継続的に同じ基準で計測しましょう。
活用②:個人別の分析
目的
スタッフごとの生産性を把握し、教育や配置の見直しに活かすことが目的です。
分析のポイント
同じ作業を担当しているスタッフ間で、人時生産性にどの程度の差があるかを確認します。たとえば、ピッキング作業において、Aさんが120件/人時、Bさんが80件/人時であれば、1.5倍の差があることになります。
差がある場合の対応
生産性が高いスタッフ:作業手順やコツをヒアリングし、ノウハウを標準化する
生産性が低いスタッフ:作業動線や手順を観察し、改善点をフィードバックする。熟練者とのペア作業やOJTを検討する
配置の見直し:適性に応じて、得意な工程への再配置を検討する
注意点
個人別の生産性を「評価」ではなく「改善の材料」として活用することが大切です。数値だけで優劣をつけると、スタッフのモチベーション低下につながりかねません。「なぜ差があるのか」を一緒に考え、全体のレベルアップを目指す姿勢が重要です。
活用③:工程別の分析

目的
物流倉庫の作業は、入荷、検品、格納、ピッキング、梱包、出荷など複数の工程で構成されています。工程別に生産性を分析することで、ボトルネックとなっている工程を特定できます。
ボトルネックの見つけ方
各工程の人時生産性を算出し、比較します。たとえば以下のような結果が出たとします。
入荷:200件/人時
検品:150件/人時
ピッキング:100件/人時
梱包:180件/人時
出荷:250件/人時
この場合、ピッキング工程が最も生産性が低く、ボトルネックである可能性が高いといえます。
ボトルネック解消のアプローチ
レイアウトの見直し:動線を短縮できないか検討する
機器・設備の導入:ハンディターミナルやデジタルピッキングシステムの活用を検討する
人員配置の調整:ボトルネック工程に人員を厚く配置する
作業手順の標準化:ベテランの手順を言語化し、全員に展開する
活用④:時系列の分析
目的
生産性の推移を時系列で追うことで、改善施策の効果を検証できます。
分析の手順
週次または月次で人時生産性を集計する
グラフ化して推移を可視化する
改善施策を実施した時点をマークする
施策前後の数値を比較し、効果を判定する
改善事例:ピッキング工程の動線見直しで20%向上
ある物流倉庫では、ピッキング工程の人時生産性が85件/人時で伸び悩んでいました。時系列データを分析したところ、特定の商品カテゴリで移動距離が長くなっていることが判明。ロケーションを出荷頻度順に再配置したところ、3週間後には102件/人時まで向上し、約20%の改善を達成しました。
このように、時系列で数値を追うことで「どの施策が効いたか」を客観的に判断できます。
効果検証のポイント
改善施策を実施した直後だけでなく、1週間、1ヶ月と継続的に数値を追うことが重要です。一時的な改善で終わっていないか、定着しているかを確認しましょう。
また、季節変動や繁忙期の影響を考慮することも大切です。前年同月との比較など、適切な比較対象を設定してください。
現クラなら、時系列分析がもっと簡単に
現クラ(現ちゃん)を活用すれば、作業実績データの集計からグラフ化までを自動で行えます。改善施策ごとにタグを付けて管理できるため、「どの施策がいつ、どれだけ効果を出したか」を一目で把握可能。Excelでの手作業による集計から解放され、分析と改善に集中できる環境が整います。
実績データを改善につなげる5つのステップ
ここまで紹介した4つの活用方法を、実際の改善活動に落とし込む手順を整理します。
ステップ1:データを見える化する
Excelやダッシュボードツールを活用し、生産性データをグラフや表で可視化します。数値の羅列ではなく、一目で傾向がわかる形式にすることがポイントです。
ステップ2:ボトルネックを特定する
工程別・個人別の分析結果から、優先的に改善すべきポイントを絞り込みます。すべてを一度に改善しようとせず、インパクトの大きい課題に集中しましょう。
ステップ3:改善策を立案・実行する
ボトルネックに対する具体的な改善策を検討し、実行します。現場のスタッフを巻き込み、納得感のある形で進めることが定着のカギです。
ステップ4:効果を測定する
施策実行後、生産性がどう変化したかを数値で確認します。改善効果が出ていれば継続し、出ていなければ別のアプローチを検討します。
ステップ5:サイクルを繰り返す
改善は一度で完了するものではありません。PDCAサイクルを継続的に回し、少しずつ生産性を高めていくことが重要です。
まとめ
作業実績データは、蓄積するだけでは価値を生みません。生産性の算出、個人別・工程別・時系列の分析を行い、具体的な改善アクションにつなげることで、はじめて現場の生産性向上に貢献します。
まずは、今ある実績データを使って「人時生産性」を算出するところから始めてみてはいかがでしょうか。数値が見えると、次に何をすべきかが明確になります。
次のアクション
今日できること:直近1週間の作業実績から、1つの工程の人時生産性を算出してみる
今週できること:工程別・個人別に生産性を比較し、ボトルネックを1つ特定する
来月までに:特定したボトルネックに対する改善策を実行し、効果を測定する
関連記事
実績データの活用にお悩みの方へ
現クラ(現ちゃん)では、作業実績の記録から分析、レポート作成までをクラウド上で一元管理できます。
Excelでは「データの転記」「関数の修正」「グラフの更新」に時間を取られがちですが、現クラなら入力したデータがリアルタイムで集計・可視化されるため、分析と改善に集中できます。
データにもとづいた改善活動を、もっと手軽に始めてみませんか?
この記事についてもっと詳しく知りたい方へ
GXOでは、生産性改善に関する詳しい資料を無料で提供しています。導入事例や成功事例、具体的な導入手順を詳しく解説しています。




