生産性改善📖 7分で読了

倉庫の作業実績管理とは?記録方法と活用のポイント誰が何をどれだけ作業したかを記録・把握し、現場改善につなげる方法を解説

倉庫の作業実績管理とは?記録方法と活用のポイント

倉庫の作業実績管理とは何か、WMS連携・ハンディターミナル・日報の3つの記録方法と、生産性分析・人件費按分への活用法を解説。現場改善の第一歩となる実績管理の仕組みづくりを支援します。

「今日、誰が何件ピッキングした?」

この質問に、すぐ答えられるでしょうか。現クラが支援してきた180社以上の倉庫でも、作業実績が取れていない現場ほど改善が進みにくい傾向があります。実績データがなければ、生産性の改善も人員配置の最適化も、根拠のない勘頼みになってしまいます。

結論から言えば、作業実績管理は「記録の仕組み化」と「データの活用」がセットで初めて機能します。

  • 記録方法:WMS連携、ハンディターミナル、作業日報の3つから現場に合った方法を選ぶ

  • 活用目的:生産性測定、人件費按分、教育対象の特定、インセンティブ設計に展開できる

  • 改善効果:データに基づく判断で、作業効率20〜30%向上も現実的に狙える

この記事では、作業実績管理の基本から、記録方法の選び方、具体的な活用シーンまでを解説します。


作業実績管理とは

作業実績管理とは、「誰が」「何を」「どれだけ」作業したかを記録し、把握することです。物流倉庫においては、ピッキング件数、検品数、梱包数、入荷処理数など、工程ごとの作業量を作業者単位で可視化することを指します。

多くの現場では、「なんとなく忙しかった」「今日は人が足りなかった気がする」といった感覚的な振り返りにとどまっています。しかし、実績データがなければ、どの工程がボトルネックなのか、誰に追加の教育が必要なのか、適正な人員配置は何人なのかを判断する根拠がありません。

作業実績管理は、現場の「見える化」の第一歩であり、改善活動を数値で検証するための基盤です。


作業実績で分かること

作業実績を記録・集計することで、以下のような情報が把握できるようになります。

まず、個人別の作業量です。同じ工程でも、作業者によって処理件数に差があることは珍しくありません。データを取ることで、誰が安定して高い生産性を発揮しているのか、誰に追加のトレーニングが必要なのかが明確になります。

次に、工程別の作業量です。ピッキング、検品、梱包、出荷といった工程ごとの処理件数を把握することで、ボトルネックとなっている工程を特定できます。特定の工程だけ処理が滞っている場合、人員の再配置や作業手順の見直しが必要かもしれません。

さらに、時間あたりの処理件数、いわゆる生産性指標も算出できます。1時間あたり何件処理できているかを把握することで、目標設定や改善効果の測定が可能になります。ある物流センターでは、実績データの可視化と目標設定を行った結果、ピッキング作業の生産性が1人あたり20%向上したという事例もあります。

実績管理を始める前と後では、現場の見え方が大きく変わります。以前は「なんとなく午後は作業が遅くなる」という感覚しかなかった現場が、データを取り始めてからは「午前中のピッキングは1人あたり80件、午後は60件に落ちる」という具体的な傾向が見えるようになりました。この数値があったからこそ、午後の人員補強という具体的な打ち手につながったのです。


作業実績の記録方法

作業実績の記録方法は、大きく3つに分かれます。現場の設備環境やシステム導入状況に応じて、最適な方法を選択してください。

方法①:WMSとの連携

WMS(倉庫管理システム)を導入している現場では、システムのログから作業実績を取得する方法が最も効率的です。作業者がログインして作業を行えば、誰がいつ何件処理したかが自動的に記録されます。

この方法のメリットは、記録の手間がかからず、リアルタイムでデータが蓄積される点です。ただし、WMSの導入には初期コストがかかるため、すでにWMSを運用している現場向けの方法といえます。

方法②:ハンディターミナル

ハンディターミナルを使用している現場では、端末の操作ログから作業者と作業内容を紐づけることができます。バーコードをスキャンするたびに、誰が何を処理したかが記録されるため、比較的精度の高いデータが取得できます。

注意点として、端末の貸し借りが発生すると、データの正確性が損なわれます。作業者ごとに端末を固定するか、作業開始時にログイン操作を徹底するなどの運用ルールが必要です。

方法③:作業日報

システム導入が難しい現場では、紙やデジタルの日報で作業内容を記録する方法があります。作業者自身が、何時から何時まで、どの工程で何件処理したかを報告します。

日報方式は導入コストが低い反面、記録の手間がかかり、記入漏れや誤記のリスクがあります。Excelやスプレッドシートを活用したデジタル日報にすることで、集計の手間を軽減できます。

記録方法の比較

記録方法

向いている現場

注意点

WMS連携

すでにWMSを導入済みの現場

初期コストが高い、システム変更が必要な場合あり

ハンディターミナル

バーコード管理を行っている現場

端末の貸し借りで精度が落ちる

作業日報

システム投資が難しい現場、小規模拠点

記入漏れ・誤記のリスク、集計の手間

現場の規模や予算に応じて、まずは始めやすい方法から導入し、段階的にシステム化を進めるアプローチも有効です。


作業実績の活用シーン

記録した作業実績は、以下のような場面で活用できます。

生産性の測定・分析

作業実績データがあれば、個人別・工程別・時間帯別の生産性を数値で把握できます。改善施策を実施した前後で比較することで、施策の効果を客観的に検証できます。ある物流センターでは、実績データをもとにピッキングルートを見直した結果、1件あたりの作業時間が15%短縮されました。

人件費の按分

複数の荷主の業務を請け負っている場合、作業実績データは人件費按分の根拠になります。どの荷主の業務に何時間かかったかを記録しておくことで、適正な請求や収益管理が可能になります。

教育対象者の特定

生産性が低い作業者を特定し、重点的にトレーニングを行うことで、全体の底上げが図れます。感覚ではなくデータに基づいて教育対象を決めることで、効果的な人材育成が可能になります。

インセンティブ設計

作業実績に応じた評価制度やインセンティブ設計にも活用できます。頑張りが数値で見えるようになることで、作業者のモチベーション向上にもつながります。

残業削減・人員配置の最適化

作業実績データは、残業削減や人員配置の最適化にも直結します。時間帯別の作業量が見えれば、繁忙時間帯に人員を厚くし、閑散時間帯を減らすといったシフト調整が可能になります。実際に、実績データをもとにシフトを見直した現場では、月平均の残業時間が15時間から8時間に削減された事例もあります。


作業実績管理のセルフチェックリスト

自社の作業実績管理の状況を確認してみましょう。

  • 作業者ごとの1日の処理件数を把握できているか

  • 工程別の作業量を日次で集計できているか

  • 生産性(時間あたり処理件数)を定期的に測定しているか

  • 実績データを改善活動や人員配置に活用しているか

  • 記録の仕組みが属人化せず、継続できる体制になっているか

3つ以上「いいえ」がある場合、まずは記録の仕組みづくりから始めることをおすすめします。


まとめ

作業実績は、現場改善の基盤となるデータです。「誰が」「何を」「どれだけ」作業したかを記録する仕組みを作ることで、生産性の可視化、人件費の適正管理、教育対象の特定、インセンティブ設計といった幅広い改善活動に展開できます。

まずは現場の状況に合った記録方法を選び、継続できる仕組みを整えることから始めましょう。データが蓄積されれば、改善の打ち手が見えてきます。

セルフチェックリストで1つでも「いいえ」があった方は、まずは記録の仕組みづくりから相談してみてください。


作業実績管理にお悩みの方へ

現クラでは、180社以上の支援実績をもとに、作業実績の記録・分析を通じた現場改善の基盤づくりを支援しています。Excelでの管理に限界を感じている方、データを活用した改善活動を始めたい方は、まずはお気軽にご相談ください。

15分で現場の悩みを相談する(無料)

この記事についてもっと詳しく知りたい方へ

GXOでは、生産性改善に関する詳しい資料を無料で提供しています。導入事例や成功事例、具体的な導入手順を詳しく解説しています。