品質管理📖 7分で読了

品質データを取って、改善に活かす方法

品質データを取って、改善に活かす方法

「誤出荷率0.01%」この数字は、良いのか悪いのか。改善しているのか、悪化しているのか。品質データを取っていても、活用できていなければ意味がありません...

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品質データを取って、改善に活かす方法

品質データを改善に活かすには、①取るべきデータを定め、②推移・原因を分析し、③対策→効果検証のサイクルを回すことが重要です。本記事では、物流倉庫で取るべき品質データの種類と記録方法、そして具体的な活用方法を解説します。


「誤出荷率0.01%」

この数字は、良いのか悪いのか。
改善しているのか、悪化しているのか。

品質データを取っていても、活用できていなければ意味がありません。

本記事を読めば、どんなデータを取り、どう分析し、どう改善につなげるかが分かります。


取るべき品質データ

品質管理の基本となるデータは、大きく4種類あります。それぞれの記録方法とポイントを解説します。

データ①:誤出荷件数・率

最も基本的な品質指標です。

計算式

誤出荷件数 ÷ 出荷件数 × 100 = 誤出荷率(%)

記録のポイント

誤出荷が発覚したら、以下の項目を記録します。

  • 発生日時

  • 出荷伝票番号

  • 誤出荷の内容(商品違い/数量違い/宛先違い など)

  • 発覚経路(荷主からの連絡/配送業者からの連絡/社内検品 など)

  • 担当者(ピッキング担当/出荷検品担当)

  • 推定原因

日次で件数を集計し、月次で誤出荷率を算出するのが一般的です。出荷件数が日によって大きく変動する場合は、件数だけでなく率で追うことが重要です。

目安となる数値

物流倉庫における誤出荷率の目安は、一般的に0.01〜0.05%程度とされています。ただし、取り扱う商品の特性(SKU数、類似商品の多さ)によって難易度は異なります。自社の過去データと比較して改善傾向にあるかを見ることが大切です。


データ②:クレーム件数・内容

荷主やエンドユーザーからのクレームを記録します。

記録のポイント

件数だけでなく、内容を分類して記録することが重要です。

分類

内容例

商品関連

商品違い、数量違い、商品破損

梱包関連

梱包不備、緩衝材不足、外装汚損

納期関連

遅延、届かない

その他

伝票不備、同梱物漏れ

クレームを受けたら、発生日、内容、対応内容、再発防止策をセットで記録します。対応して終わりではなく、データとして蓄積することで傾向が見えてきます。


データ③:返品件数・理由

返品の件数と理由を記録します。

記録のポイント

返品には「倉庫起因」と「倉庫以外の原因」があります。

分類

理由例

倉庫起因

誤出荷、破損、数量不足

倉庫以外

顧客都合、受取拒否、届け先不在

この分類を明確にしておかないと、品質改善の対象が曖昧になります。返品理由を正確に把握し、倉庫起因の返品だけを品質指標として追いましょう。


データ④:作業別のミス件数

どの作業工程でミスが発生しやすいか、記録します。

記録のポイント

以下のような工程別にミスを分類します。

  • 入荷作業:入荷検品の見落とし、ロケーション登録ミス

  • 保管作業:棚入れミス、先入れ先出し違反

  • ピッキング:商品取り違え、数量間違い

  • 出荷検品:検品見落とし、伝票照合ミス

  • 梱包:梱包ミス、同梱物漏れ

工程別に記録することで、どこに改善の余地があるかが明確になります。


品質データの活用方法

データを取ったら、次は活用です。5つの活用方法を紹介します。

活用①:推移を見る

品質データを時系列で見ましょう。

「先月より誤出荷率が下がった」
「最近、クレームが増えている」

推移を見ることで、変化に気づけます。

具体的な見方

月次の誤出荷率を折れ線グラフにすると、傾向が一目で分かります。

  • 右肩下がり → 改善傾向。施策が効いている

  • 横ばい → 現状維持。新たな施策が必要

  • 右肩上がり → 悪化傾向。原因の特定が急務

季節変動(繁忙期はミスが増えやすい)も考慮しながら、長期トレンドを把握しましょう。


活用②:原因別に分析する

誤出荷を原因別に分析します。

原因

件数

割合

商品取り違え

5件

50%

数量間違い

3件

30%

宛先間違い

2件

20%

「商品取り違えが半分を占める」と分かれば、対策の優先順位が決まります。

分析のコツ

パレート分析(80:20の法則)を意識しましょう。多くの場合、少数の原因が大半のミスを引き起こしています。上位2〜3の原因に集中して対策を打つのが効率的です。


活用③:作業者別に分析する

特定の作業者にミスが集中していないか、確認します。

集中している場合、その人への教育やフォローが必要です。

ただし、犯人探しにならないよう注意。
プロセス改善が目的であることを忘れずに。

分析時の注意点

作業者別に分析する際は、作業量も考慮します。作業量が多い人はミス件数も多くなりがちです。「ミス件数 ÷ 作業件数」でミス率を算出し、公平に評価しましょう。

また、ミスが多い作業者を責めるのではなく、「なぜミスが起きやすいのか」を一緒に考える姿勢が大切です。作業環境や手順に問題があるかもしれません。


活用④:時間帯・曜日別に分析する

「午後にミスが多い」
「月曜日に誤出荷が多い」

傾向が分かれば、その時間帯・曜日の体制を見直せます。

よくあるパターン

  • 午後(特に15時以降):疲労によるミス増加

  • 月曜日:週明けの立ち上がりでミス発生

  • 繁忙期:作業量増加による品質低下

傾向が見えたら、休憩の取り方、人員配置、ダブルチェック体制などを見直しましょう。


活用⑤:目標を設定する

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品質目標を設定し、達成状況を追いましょう。

「誤出荷率を0.01%以下に」
「クレームゼロを目指す」

目標があれば、現場の意識も高まります。

目標設定のポイント

  • 現状の数値を把握した上で、達成可能かつ挑戦的な目標を設定

  • 月次・四半期・年次など、期間を区切って進捗を確認

  • 目標達成時のインセンティブ(表彰、報奨など)も検討


よくある失敗パターン

品質データを取り始めても、うまく活用できないケースがあります。よくある失敗パターンを紹介します。

失敗①:データを取るだけで終わる

「記録はしているけど、見返していない」

これでは意味がありません。最低でも月に1回は振り返りの時間を設け、データを分析しましょう。

失敗②:犯人探しになってしまう

「誰がミスしたか」ばかりに注目すると、現場の雰囲気が悪くなります。

ミスを報告しづらい空気ができると、データの精度も下がります。「人」ではなく「プロセス」に目を向けることが大切です。

失敗③:目標が曖昧

「品質を向上させる」だけでは、何をどこまでやればいいか分かりません。

「誤出荷率を現状の0.05%から、3ヶ月後に0.03%以下にする」のように、数値と期限を明確にしましょう。

失敗④:改善策を打たない

データを分析して原因が分かっても、対策を打たなければ改善しません。

「商品取り違えが多い」と分かったら、ロケーション表示の改善、類似商品の配置変更など、具体的なアクションにつなげましょう。


品質データの共有

共有①:現場への共有

品質データを、現場に共有しましょう。

「今月の誤出荷は5件でした」
「目標達成まであと2件減らす必要があります」

数字を見せることで、意識が高まります。

共有のコツ

  • 朝礼や週次ミーティングで定期的に共有

  • グラフや表で視覚的に分かりやすく

  • 改善した場合は、しっかり称える


共有②:荷主への報告

品質データを、荷主に報告しましょう。

信頼関係を築き、問題があれば一緒に対策を考えられます。

報告のポイント

  • 月次レポートとして定期報告

  • 問題発生時は、原因と対策をセットで報告

  • 改善傾向にある場合は、その取り組みも共有


まとめ:データを「改善」につなげる

品質データは、取るだけでは意味がありません。

  1. 取る:誤出荷、クレーム、返品、作業別ミスを記録

  2. 見る:推移、原因別、作業者別、時間帯別に分析

  3. 打つ:優先度の高い課題から対策を実施

  4. 検証する:対策の効果をデータで確認

このサイクルを回して、品質を改善していきましょう。


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