属人化解消📖 1分で読了

情シス業務の棚卸しテンプレート|優先度と工数の可視化法情シス業務を棚卸しして優先度付けと工数可視化を行う方法をテンプレート付きで解説

情シス業務の棚卸しテンプレート|優先度と工数の可視化法

情シス業務を棚卸しして優先度付けと工数可視化を行うための方法とテンプレートを解説。業務の洗い出し方、3軸での優先度判定、工数の算出方法、棚卸しシートの項目設計まで、ひとり情シスでも実践できる手順をお伝えします。

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情シス業務の「見えない化」が経営リスクを生んでいる

「情シスが日常的にどんな業務をしているか、経営層がほとんど把握していない」——これは多くの中小・中堅企業に共通する課題です。情シスの業務は、社内ヘルプデスク対応からネットワーク管理、セキュリティ対策、ベンダー調整、IT資産管理まで多岐にわたりますが、その全体像と各業務にかかる工数が可視化されていないケースが大半です。業務が見えなければ、適切な人員配置も、外注すべき業務の判断も、優先度に基づいた業務改善もできません。

本記事では、情シス業務を棚卸しして「何に」「どれだけの時間を」使っているかを可視化し、優先度を付けるための方法をテンプレート付きで解説します。特にひとり情シスや少人数の情報システム部門を抱える企業にとって、業務の棚卸しは属人化を解消し、経営層との建設的な対話を始めるための第一歩です。

なぜ業務棚卸しが必要なのか――3つの効果

情シス業務の棚卸しには、3つの重要な効果があります。

第一の効果は「業務の全体像の把握」です。情シス担当者自身でさえ、自分が年間を通じてどれだけの種類の業務をこなしているかを正確に認識できていないことがあります。特に、年に数回しか発生しない業務(ドメイン更新、SSL証明書の更新、年次のセキュリティ監査対応、年末調整システムの設定変更など)は記憶から抜け落ちやすく、棚卸しを行わなければ見落とされてしまいます。業務一覧を作成することで、「自分(またはチーム)がこれだけの業務を担っている」という事実を客観的に示すことができます。

第二の効果は「工数の可視化による経営層との対話」です。「情シスは何をしているかわからない」と言われがちな背景には、業務内容と工数が見える形で報告されていないという問題があります。棚卸しによって各業務の月間・年間工数を数値で示せるようになれば、人員増強やアウトソーシングの提案を「感覚」ではなく「データ」に基づいて行えます。これは、経営層の理解と予算確保を得るための最も強力な武器です。

第三の効果は「優先度に基づいた業務改善」です。すべての業務を同じ力加減でこなしていては、リソースが足りなくなるのは当然です。棚卸しを通じて業務に優先度を付けることで、「やらなくてよい業務」「自動化できる業務」「外注すべき業務」が明確になります。限られたリソースを最もインパクトのある業務に集中させるための意思決定が可能になるのです。

業務棚卸しの進め方――4つのステップ

業務棚卸しは、以下の4つのステップで進めます。

ステップ1は「業務の洗い出し」です。まず、情シスが担当しているすべての業務を書き出します。書き出す際は、「大分類」「中分類」「小分類」の3階層で整理すると、漏れなく体系的にまとめられます。大分類の例としては、「インフラ管理」「ヘルプデスク」「セキュリティ」「IT資産管理」「ベンダー管理」「DX推進・企画」などが挙げられます。たとえば「インフラ管理」の中分類には「サーバー管理」「ネットワーク管理」「クラウドサービス管理」があり、「サーバー管理」の小分類には「バックアップ確認(日次)」「OS・ミドルウェアのアップデート(月次)」「障害対応(随時)」といった具体的な作業が入ります。ここで重要なのは、最初から完璧を目指さないことです。まず2時間で思いつく限り書き出し、その後1〜2週間かけて実際の業務を行いながら追記・修正していく方法が、最も現実的です。

ステップ2は「工数の記録と算出」です。洗い出した各業務に対して、1回あたりの所要時間と発生頻度を記録します。これにより、月間工数と年間工数を算出できます。たとえば「PCキッティング」が1回あたり2時間、月に平均5回発生するなら、月間工数は10時間、年間工数は120時間です。工数の記録は、最初は概算で構いません。1〜2か月間、実際の業務時間を簡単に記録する(タイムトラッキングツールや簡易なメモで十分です)ことで、より正確な数値に近づけることができます。

ステップ3は「優先度の判定」です。洗い出した業務に対して、3つの軸で優先度を判定します。1つ目の軸は「事業への影響度」です。その業務が停止した場合、事業運営にどの程度の影響があるかを評価します。ネットワーク障害対応やセキュリティインシデント対応は影響度が高く、社内FAQの更新などは相対的に低くなります。2つ目の軸は「緊急度」です。即座に対応が必要な業務か、スケジュールに余裕を持って対応できる業務かを判断します。3つ目の軸は「属人化リスク」です。その業務を現在の担当者しか実行できない場合、担当者の不在によって業務が完全に停止するリスクがあります。この3つの軸を「高・中・低」の3段階で評価し、総合的に優先度を「A(最優先)」「B(重要)」「C(通常)」の3ランクに分類します。

ステップ4は「改善方針の決定」です。優先度の判定結果に基づいて、各業務の改善方針を決定します。改善方針は「維持(現状のまま継続)」「手順化(マニュアルを作成して属人化を解消)」「自動化(RPAやスクリプトで作業を自動化)」「外注(アウトソーシングに移管)」「廃止(業務そのものをやめる)」の5つの選択肢から選びます。すべての業務に改善を加える必要はありません。まずは「工数が大きく、かつ属人化リスクが高い業務」から着手することで、限られたリソースで最大の効果を得ることができます。

業務棚卸しシートの項目設計

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業務棚卸しシートに設けるべき項目を紹介します。この項目設計に沿ってスプレッドシートやExcelで作成すれば、そのまま実務で使えるテンプレートになります。

シートの横軸(列)に設定する項目は、「業務ID(管理番号)」「大分類」「中分類」「小分類(具体的な作業名)」「業務の概要(何をするか)」「頻度(日次/週次/月次/四半期/年次/随時)」「1回あたりの所要時間(分)」「月間発生回数」「月間工数(時間)」「年間工数(時間)」「事業影響度(高/中/低)」「緊急度(高/中/低)」「属人化リスク(高/中/低)」「総合優先度(A/B/C)」「改善方針(維持/手順化/自動化/外注/廃止)」「関連システム・ツール」「備考」の17項目です。

月間工数は「1回あたりの所要時間 × 月間発生回数 ÷ 60」、年間工数は「月間工数 × 12」で自動計算される数式を入れておくと、入力の手間が省けます。

シートの縦軸(行)には、ステップ1で洗い出した業務を大分類ごとにまとめて記入します。大分類ごとに小計行を設けて工数を集計すると、「どのカテゴリに最も工数がかかっているか」が一目でわかります。

情シスの主要な業務大分類の目安として、「ITインフラ管理(サーバー、ネットワーク、クラウド)」「ヘルプデスク・社内サポート」「セキュリティ管理」「IT資産管理(PC、ライセンス、モバイル端末)」「ベンダー・外部委託先管理」「アカウント管理(入退社対応含む)」「DX推進・IT企画」「その他(庶務的IT対応、会議室AV機器管理など)」の8つを想定しておくと、漏れが少なくなります。

棚卸し結果の活用法――経営層への報告と改善提案

棚卸しシートが完成したら、結果を経営層に報告し、改善提案につなげます。報告時のポイントは「数字で語ること」です。

たとえば、「情シスの年間業務工数は約2,400時間(=1人分のフルタイム相当)です。そのうちヘルプデスク対応が約800時間(33%)を占めており、本来注力すべきセキュリティ対策やDX推進に充てられる時間は年間200時間(8%)にとどまっています。ヘルプデスク業務の一部を外注することで、月間40時間をDX推進に振り向けることが可能です」——このように、工数データを根拠にした提案は、経営層にとって判断しやすい材料になります。

さらに、属人化リスクが「高」に分類された業務の数を示し、「担当者が不在になった場合に停止するリスクのある業務が○件あります」と伝えることで、人員強化やアウトソーシングの必要性を具体的に訴求できます。

まとめ

情シス業務の棚卸しは、属人化の解消、経営層との建設的な対話、そして業務改善の起点となる極めて重要な取り組みです。本記事で紹介した4ステップ(洗い出し→工数算出→優先度判定→改善方針決定)と17項目の棚卸しシート設計を参考に、ぜひ自社の情シス業務の可視化に着手してください。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは2時間で業務を書き出すことから始めましょう。

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