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属人化の見つけ方|「あの人がいないと回らない」は危険信号属人化の危険信号を見逃さない!現場で使える発見方法とチェックリスト

属人化の見つけ方|「あの人がいないと回らない」は危険信号

「あの人がいないと回らない」は属人化の危険信号。物流現場で見逃しがちな属人化の兆候と、今日から使えるチェックリストで早期発見する方法を解説します。

「〇〇さんがいないと仕事が回らない」

こんな状況に心当たりはありませんか。属人化とは、特定の人しか業務を遂行できない状態のこと。危険信号を見つけるには、日常業務に潜む「依存のサイン」を見逃さないことが重要です。

この記事では、物流現場における属人化の見つけ方と、早期発見のためのチェックリストを紹介します。


属人化はなぜ見つけにくいのか

属人化が厄介なのは、普段は問題なく業務が回っているように見えることです。むしろ、特定のベテランスタッフがいることで、現場はスムーズに動いているように感じます。

しかし、それは「その人がいる前提」で成り立っている状態です。その人が休んだとき、退職したとき、異動したとき、初めて「実は回らない」という事実が判明します。

属人化を早期に発見するには、日常業務の中に潜む「危険信号」を見逃さないことが重要です。


属人化を放置するとどうなるか

属人化の見つけ方を解説する前に、放置した場合のリスクを確認しておきましょう。

ある物流センターでは、入出荷管理を15年担当していたベテランスタッフが急病で長期休職することになりました。引き継ぎ資料はほとんどなく、取引先ごとの細かいルールや、システムの裏技的な操作方法は、すべてその人の頭の中にしかありませんでした。

結果として、出荷遅延が3日間続き、取引先からのクレーム対応に追われました。残りのスタッフは毎日2〜3時間の残業を強いられ、急遽派遣スタッフを増員したことで、月間の人件費が通常の1.5倍に膨らんだそうです。

このように、属人化を放置すると「突然の業務停止」「残業の増加」「採用・教育コストの増大」といった形で、現場に大きな負担がかかります。


属人化の5つの危険信号

属人化の見つけ方として、まずは以下の5つの危険信号をチェックしてみてください。1つでも当てはまれば、属人化が進行している可能性があります。

サイン①:「〇〇さんに聞かないと分からない」が口癖になっている

特定の人に質問が集中している状態は、属人化の最も分かりやすいサインです。

「この荷物の置き場所、〇〇さんに聞いて」「イレギュラー対応は〇〇さんしか分からない」という会話が日常的に交わされていませんか。

こうした状況は、その人の頭の中にしかない情報やノウハウがあることを示しています。本人は善意で対応していますが、結果として「その人がいないと判断できない」という状態を作り出しています。

サイン②:マニュアルがない、または古いまま放置されている

作業手順がマニュアル化されていない、あるいはマニュアルはあっても実態と合っていない状態は危険です。

マニュアルがなければ、新しいスタッフは「先輩の背中を見て覚える」しかありません。これは教える側の負担が大きいだけでなく、人によって教え方が異なり、品質のばらつきにもつながります。

また、マニュアルがあっても3年前、5年前に作ったきりで更新されていなければ、「マニュアルより〇〇さんに聞いた方が早い」という状態になります。

サイン③:新人教育が特定の人に依存している

「新人の教育係はいつも〇〇さん」という状態も、属人化の一種です。

教え方が上手い人に任せたくなる気持ちは分かります。しかし、教育が特定の人に集中すると、その人の業務負担が増えるだけでなく、「教え方のノウハウ」も属人化してしまいます。

その人が異動や退職をした場合、「誰がどうやって教えればいいか分からない」という事態に陥ります。

サイン④:その人が休むと業務が滞る

これは最も深刻な属人化のサインです。

「〇〇さんが休みだから、この作業は明日に回そう」「〇〇さんがいないから、今日は出荷が遅れるかも」という状況が発生していませんか。

特定の人の出勤状況によって業務の進捗が左右されるのは、組織として健全ではありません。体調不良や家庭の事情など、人が休む理由はさまざまです。誰かが休んでも業務が回る体制を作っておく必要があります。

サイン⑤:引き継ぎに膨大な時間がかかる

異動や退職の際、引き継ぎに1か月以上かかる業務はありませんか。

「〇〇さんの後任を見つけるのが大変」「引き継ぎが終わらないから退職を延期してもらった」という話を聞くことがあります。これは、その業務が高度に属人化していることの証拠です。

本来、業務の引き継ぎは1〜2週間で完了できる状態が理想です。それ以上かかる場合は、ドキュメント化されていない暗黙知が多いか、業務プロセス自体が複雑すぎる可能性があります。


属人化チェックリスト

危険信号に加えて、より詳細な属人化チェックリストで現場の状況を確認してみてください。物流現場でよくある属人化ポイントを網羅しています。

基本チェック

  • □ 特定の人しか分からない作業がある

  • □ マニュアルがない、または3年以上更新されていない

  • □ その人が休むと困る作業がある

  • □ 引き継ぎに2週間以上かかる業務がある

  • □ 「あの人に聞いて」が1日に3回以上発生する

部門別チェック

入出荷部門

  • □ 特定の人しか操作できないシステムや機器がある

  • □ イレギュラー対応の判断基準が共有されていない

  • □ 取引先ごとの細かいルールが口頭でしか伝わっていない

在庫管理部門

  • □ 棚卸しの手順が特定の人の頭の中にしかない

  • □ 在庫差異の調査方法がマニュアル化されていない

  • □ ロケーション変更の履歴が残っていない

人員管理部門

  • □ シフト作成が特定の人しかできない

  • □ 派遣会社との連絡窓口が1人に集中している

  • □ スタッフのスキルや適性が把握できていない

チェック結果の目安

0〜2個:属人化リスクは低め。現状維持しつつ、定期的に確認を

3〜5個:属人化の兆候あり。優先度の高いものから対策を → 関連記事「属人化を解消する3つのステップ」もご覧ください

6個以上:属人化が進行中。早急な対策が必要 → 専門家への相談をおすすめします


属人化を発見したら、次にやるべきこと

チェックリストで属人化の兆候が見つかったら、以下のステップで対策を進めましょう。

ステップ1:属人化している業務を洗い出す

まずは「誰が」「どの業務を」属人的に担っているかを明確にします。チェックリストで該当した項目を具体化し、担当者と業務内容をリスト化しましょう。

ステップ2:優先順位をつける

すべての属人化を一度に解消するのは現実的ではありません。「業務停止リスクが高いもの」「担当者の退職・異動が近いもの」から優先的に取り組みます。

ステップ3:ドキュメント化と教育を進める

業務手順のマニュアル化と、複数人への教育を並行して進めます。担当者の負担を考慮しながら、段階的に進めることが重要です。


属人化に関するよくある質問

Q. 何人規模から属人化を意識すべき?

A. 規模に関係なく、「特定の人がいないと回らない業務」が1つでもあれば対策が必要です。むしろ少人数の現場ほど、1人の離脱が与える影響は大きくなります。

Q. ベテランに頼るのは悪いこと?

A. ベテランの経験や判断力に頼ること自体は問題ありません。問題なのは、その知識やノウハウが「その人の頭の中だけ」にある状態です。共有・言語化できていれば、ベテランの力を活かしながらリスクを減らせます。

Q. 属人化解消にはどれくらい時間がかかる?

A. 業務の複雑さによりますが、1つの業務につき1〜3か月が目安です。一度にすべてを解消しようとせず、優先度の高いものから段階的に進めることをおすすめします。


まとめ

属人化は、日常業務がスムーズに回っているときこそ見えにくいものです。しかし、「あの人がいないと回らない」という状態は、組織にとって大きなリスクを抱えていることを意味します。

今回紹介した5つの危険信号とチェックリストを活用して、あなたの現場の属人化度合いを確認してみてください。早期発見と計画的な対策が、安定した現場運営につながります。


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