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初めてのオフショア開発|パイロットプロジェクトの設計法小規模から始めるための案件選定・評価方法をテンプレート付きで解説

初めてのオフショア開発|パイロットプロジェクトの設計法

オフショア開発を小規模から始めるためのパイロットプロジェクトの設計方法と評価基準を解説。案件選定の5条件、進め方の4ステップ、パイロット評価シートのテンプレート付きで、初めてのオフショアを成功に導きます。

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オフショア開発は「小さく始める」が成功の鉄則

オフショア開発に興味はあるものの、「いきなり大規模な案件を任せるのは不安」「失敗したときのリスクが怖い」と感じている企業は少なくありません。そうした不安を解消する最善の方法が、パイロットプロジェクトです。パイロットプロジェクトとは、本格導入に先立って小規模な案件でオフショア開発を試行し、パートナーの実力やコミュニケーションの質を見極める取り組みを指します。

本記事では、初めてオフショア開発に取り組む企業に向けて、パイロットプロジェクトの設計方法、案件の選び方、進め方のステップ、そして評価方法をテンプレート付きで解説します。「オフショア開発を検討しているが、最初の一歩が踏み出せない」という方は、ぜひ参考にしてください。

なぜパイロットプロジェクトが必要なのか

オフショア開発のパートナー選びでは、提案書や実績リストだけではわからない要素が数多くあります。たとえば、ブリッジSEの実際のコミュニケーション力、エンジニアの技術水準、仕様の解釈精度、レスポンスの速さ、問題発生時の対応姿勢などは、実際に一緒に仕事をしてみなければ判断できません。

いきなり基幹システムの刷新や大規模アプリ開発をオフショアに委託した場合、万が一パートナーとの相性が合わなかったとき、損失は数千万円規模に膨らむ可能性があります。一方、パイロットプロジェクトであれば、限られた予算と期間の中でパートナーの実力を検証し、本格導入の判断材料を得ることができます。いわば、パイロットプロジェクトは「高額な買い物をする前の試用期間」です。

パイロットプロジェクトには、リスクの最小化以外にも重要な目的があります。ひとつは「自社のオフショア対応力を測ること」です。オフショア開発では、発注者側にも仕様書の精度、コミュニケーションの頻度、レビューの体制など、国内開発とは異なるスキルが求められます。パイロットを通じて、自社がどこまで対応でき、どこに課題があるかを把握することは、本格導入時の体制構築に直結します。

もうひとつは「社内の合意形成」です。オフショア開発に対して社内に懐疑的な声がある場合、パイロットの成果をデータで示すことが、経営層や関係部門の理解を得るための最も説得力のある方法です。

パイロット案件の選び方――5つの条件

パイロットプロジェクトの成否は、案件の選び方で大きく左右されます。以下の5つの条件を満たす案件を選ぶことが重要です。

第一の条件は「開発規模が小さいこと」です。理想的な規模は、エンジニア2〜5名で1〜3か月程度で完了する案件です。規模が大きすぎると検証ではなく本番プロジェクトと化してしまい、失敗時のリスクが高まります。小規模だからこそ、品質やコミュニケーションの一つひとつを丁寧に観察できます。

第二の条件は「仕様が明確であること」です。パイロットでは、パートナーの「開発力」と「コミュニケーション力」を見極めることが目的です。仕様が曖昧な案件を選ぶと、品質問題が仕様の不備に起因するのかパートナーの実力不足に起因するのか判別できなくなります。要件定義書や画面設計書がすでに存在する案件を選ぶのが理想的です。

第三の条件は「本番環境への影響が小さいこと」です。万が一パイロットが失敗した場合でも、事業の根幹に影響を与えない案件を選んでください。社内ツールの開発、既存システムの小規模な機能追加、テスト自動化の導入など、失敗しても代替手段がある案件が適しています。

第四の条件は「評価基準を設定しやすいこと」です。成果物の品質、納期の遵守率、コミュニケーションの円滑さなどを客観的に評価できる案件を選ぶことが重要です。評価できなければ、パイロットの意味がなくなってしまいます。

第五の条件は「自社に評価できる担当者がいること」です。パイロットの成果物をレビューし、技術的な品質を判断できる人材が社内にいることが前提となります。判断できる人材がいない場合は、第三者のレビューアーを立てることも検討してください。

パイロットプロジェクトの進め方――4つのステップ

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パイロットプロジェクトは、以下の4つのステップで進めます。

ステップ1は「準備(2〜4週間)」です。まず、パイロットの目的と成功基準を定義します。「パートナーの技術力を確認する」「コミュニケーションの課題を洗い出す」など、何を検証したいかを明確にしてください。次に、パイロット案件を選定し、仕様書を準備します。仕様書は国内発注よりも詳細に記載することを心がけてください。オフショア開発では「書いていないことは実装されない」が原則です。画面のデザインイメージ、操作手順、エラー時の挙動まで具体的に記載しましょう。最後に、コミュニケーションルールを取り決めます。定例会議の頻度(週1〜2回を推奨)、使用するツール(チャット、ビデオ会議、課題管理)、報告フォーマットを事前に合意しておきます。

ステップ2は「キックオフと開発(1〜3か月)」です。キックオフでは、仕様の合同レビューを必ず実施します。仕様書を一方的に渡すのではなく、画面遷移やユーザーの操作シナリオを一つひとつ確認しながら、解釈の齟齬がないかをチェックしてください。開発開始後は、定例会議で進捗を確認しつつ、早い段階で中間デモ(動作確認)を実施します。初めてのパートナーとの協業では、最初の1〜2週間の密なコミュニケーションがプロジェクト全体の方向性を決めます。「最初は少し細かすぎるくらいがちょうどいい」と考えてください。

ステップ3は「納品と品質検証(1〜2週間)」です。成果物が納品されたら、事前に定めた品質基準に基づいてレビューを行います。機能の動作確認だけでなく、コードの品質(可読性、保守性、セキュリティ)も確認してください。バグの件数と重要度、仕様との乖離の有無、非機能要件(表示速度、セキュリティ対策など)の充足状況を記録します。

ステップ4は「評価と判断(1〜2週間)」です。パイロットの結果を評価し、本格導入に進むか、パートナーを変更するか、条件を見直して再パイロットを行うかを判断します。この判断を客観的に行うために、次のセクションで紹介する「パイロット評価シート」を活用してください。

パイロット評価シートの活用法

パイロットプロジェクトの結果を客観的に評価するために、以下の5カテゴリ・15項目の評価シートを活用します。各項目を5段階(1=不可、2=要改善、3=標準、4=良好、5=優秀)で採点し、総合点とカテゴリ別の傾向からパートナーの適性を判断します。

「技術力」のカテゴリでは、成果物の品質(バグの件数・重要度)、コードの品質(可読性・保守性・規約準拠)、仕様の理解度(仕様通りの実装ができているか)の3項目を評価します。

「コミュニケーション」のカテゴリでは、日本語対応力(ブリッジSEの意思疎通の精度)、レスポンスの速さ(質問への回答スピード)、報告の質(進捗報告の正確性・わかりやすさ)の3項目を確認します。

「プロジェクト管理」のカテゴリでは、納期遵守(スケジュール通りに進行できたか)、課題管理(問題発生時の対応速度と適切さ)、リスク共有(遅延や問題の予兆を事前に共有できたか)の3項目を評価します。

「姿勢・カルチャー」のカテゴリでは、主体性(指示待ちではなく提案や質問があったか)、改善意識(フィードバックを前向きに受け止め、改善に取り組んだか)、柔軟性(仕様変更や追加要望への対応姿勢)の3項目を確認します。

「コスト」のカテゴリでは、見積もりの妥当性(提示された金額が作業量に見合っていたか)、追加費用の透明性(想定外のコストが発生しなかったか)、費用対効果(得られた成果が投資に見合っていたか)の3項目を評価します。

総合点が60点以上(75点満点中)であれば本格導入を前向きに検討でき、45〜59点であれば課題を特定したうえで条件付きの継続を検討、44点以下であればパートナーの変更を検討するという目安を持つとよいでしょう。ただし、総合点だけでなく、特に「技術力」と「コミュニケーション」のカテゴリが低い場合は、他のカテゴリが高くても慎重に判断することをおすすめします。

パイロットから本格導入への移行ポイント

パイロットが成功し、本格導入に進む際には、いくつかの注意点があります。

まず、パイロットの成功をそのまま大規模案件の成功と同一視しないことです。パイロットで成功したからといって、10倍の規模の案件でも同じ品質が保証されるわけではありません。チームの人数が増えればマネジメントの複雑さは指数関数的に増加します。本格導入では、段階的に規模を拡大し、各段階で品質とコミュニケーションの状態を確認する「段階的スケールアップ」のアプローチを取ってください。

次に、パイロットで見つかった課題は、本格導入前に必ず対策を講じることです。「小さな案件だから問題にならなかった」ことが、大きな案件では致命的な問題になることがあります。たとえば、パイロットで「レスポンスが少し遅い」程度の課題であっても、大規模案件ではコミュニケーションのボトルネックとなり、スケジュール全体に影響を及ぼす可能性があります。

最後に、パイロットの成果と評価結果を社内で共有することです。経営層、情報システム部門、事業部門など、オフショア開発に関わるステークホルダーに結果を報告し、本格導入に対する合意を得てください。評価シートの定量データに加えて、実際のコミュニケーションの様子や成果物のサンプルを見せることで、説得力が大きく高まります。

まとめ

オフショア開発を成功させるためには、「いきなり大きく始めない」ことが最も重要な原則です。パイロットプロジェクトを通じてパートナーの実力を見極め、自社のオフショア対応力を把握し、社内の合意形成を図る。この3つのステップを踏むことで、本格導入時のリスクを大幅に低減できます。本記事で紹介した「案件選定の5条件」「進め方の4ステップ」「評価シートの15項目」を参考に、最初の一歩を踏み出してみてください。

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