エンジニア不足という経営課題に対する現実的な解決策

「採用しても人が集まらない」「開発案件があっても着手できない」——こうした声は、いま多くの中小企業から聞こえてきます。本記事では、エンジニア不足を解消する手段として注目されるオフショア開発について、初めて検討する企業向けに基礎知識からリスク対策、具体的な始め方までを解説します。特にベトナムを活用したオフショア開発のメリットと、失敗しないための段階的なアプローチをお伝えします。
経済産業省が公表した「DXレポート」によると、2025年には日本国内で約43万人のIT人材が不足すると予測されています。この数字は、単なる採用難ではなく、企業の成長を阻害する構造的な問題であることを示しています。国内採用だけに頼る戦略では、この課題を乗り越えることは困難です。オフショア開発は、こうした状況を打開するための現実的かつ効果的な選択肢として、多くの企業が導入を進めています。
オフショア開発とは何か——基本的な仕組みを理解する
オフショア開発とは、システム開発やソフトウェア開発の一部または全部を海外の開発会社やエンジニアに委託する手法です。「オフショア」という言葉は「海外」を意味し、コスト削減や開発リソースの確保を目的として、日本企業が海外パートナーと協力して開発を進める形態を指します。
従来、オフショア開発といえば中国やインドが主流でしたが、近年ではベトナムが急速に存在感を高めています。IPA(情報処理推進機構)の調査によると、日本企業のオフショア開発委託先としてベトナムは中国に次ぐ第2位となっており、その割合は年々増加傾向にあります。ベトナムが選ばれる理由としては、日本との時差がわずか2時間であること、親日的な国民性、そして優秀なIT人材が豊富であることが挙げられます。
オフショア開発の形態は大きく2つに分けられます。1つは「受託開発型」で、プロジェクト単位で開発を依頼する方式です。もう1つは「ラボ型」と呼ばれる形態で、一定期間、専属のエンジニアチームを確保して継続的に開発を進める方式です。初めてオフショア開発に取り組む企業の場合、まずは小規模なプロジェクトを受託開発型で試してみることで、パートナー企業との相性やコミュニケーション方法を確認できます。
オフショア開発で得られるメリット——コスト以外の価値
オフショア開発のメリットとして真っ先に挙げられるのはコスト削減ですが、それだけではありません。実際に導入した企業からは、コスト面以外にも多くの価値が報告されています。
まず、開発コストについては、国内と比較して30%から50%程度の削減が期待できます。これは単純な人件費の差だけでなく、開発規模に応じた柔軟なリソース調整が可能になることも大きな要因です。国内で正社員エンジニアを雇用する場合、プロジェクトの繁閑に関わらず固定費が発生しますが、オフショア開発では必要なときに必要な人数を確保できるため、コスト効率が高まります。
次に、開発スピードの向上があります。国内でエンジニアを採用しようとすると、求人から面接、入社、研修まで数ヶ月を要することも珍しくありません。一方、オフショア開発では、パートナー企業が保有するエンジニアプールからすぐにチームを編成できるため、プロジェクト開始までのリードタイムを大幅に短縮できます。
さらに、技術力の多様性という観点も見逃せません。ベトナムのエンジニアは、最新技術への適応力が高いことで知られています。AIや機械学習、クラウド技術など、国内では経験者の採用が難しい分野においても、ベトナムでは比較的容易にスキルを持つエンジニアを確保できるケースがあります。
初めてのオフショア開発で注意すべきリスクと対策
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オフショア開発には多くのメリットがある一方で、初めて取り組む企業が躓きやすいポイントも存在します。ここでは代表的なリスクと、その対策について解説します。
コミュニケーションの課題は、オフショア開発において最も頻繁に挙げられる懸念事項です。言語の壁だけでなく、文化や仕事に対する価値観の違いから、意図が正確に伝わらないケースがあります。この対策としては、日本語が堪能なブリッジSE(Bridge System Engineer)を介することが効果的です。ブリッジSEは、日本側の要件を正確に理解し、現地エンジニアに伝える役割を担います。また、仕様書やドキュメントを詳細に作成し、認識のずれを最小限に抑えることも重要です。
品質管理の問題も見過ごせません。距離が離れているため、開発の進捗や成果物の品質を把握しにくいという不安を抱える企業は少なくありません。この課題に対しては、定期的なオンラインミーティングの実施、進捗管理ツールの活用、そしてマイルストーンごとの成果物レビューを徹底することで対応できます。特に初めてのプロジェクトでは、週次または隔週でのビデオ会議を設定し、顔を合わせてコミュニケーションを取ることをお勧めします。
知的財産やセキュリティに関する懸念も重要なポイントです。開発過程で機密情報を共有する必要がある場合、情報漏洩のリスクを適切に管理しなければなりません。対策としては、NDA(秘密保持契約)の締結はもちろんのこと、アクセス権限の適切な設定、セキュリティ教育の実施、そして信頼できるパートナー企業の選定が欠かせません。
失敗しないオフショア開発の始め方——段階的アプローチ
オフショア開発を成功させるためには、いきなり大規模なプロジェクトを委託するのではなく、段階的に進めることが重要です。ここでは、初めての企業向けに推奨される進め方を紹介します。
最初のステップは、小規模なパイロットプロジェクトの実施です。期間は1〜3ヶ月程度、予算は100万円から300万円程度の範囲で、自社の基幹業務に直接影響しない周辺システムや、既存システムの改修などを委託してみることをお勧めします。このパイロットプロジェクトを通じて、パートナー企業の実力、コミュニケーションのスムーズさ、成果物の品質を評価できます。
パイロットプロジェクトが成功したら、次のステップとして中規模プロジェクトへの拡大を検討します。この段階では、ラボ型契約への移行も視野に入れながら、より長期的かつ継続的な開発体制の構築を目指します。エンジニアの固定化により、自社の業務やシステムへの理解が深まり、開発効率がさらに向上することが期待できます。
パートナー企業の選定においては、実績と信頼性を重視してください。特に、同業種や類似規模の企業への支援実績があるかどうかは重要な判断材料になります。また、日本国内に拠点を持ち、対面でのコミュニケーションが可能なパートナーを選ぶことで、特に初期段階での不安を軽減できます。
御社がいま取り組むべき具体的なアクション
ここまでの内容を踏まえ、オフショア開発の検討を進めるために、御社がいま取り組むべきことを整理します。
まず、自社の開発ニーズを棚卸ししてください。現在抱えている開発案件、今後予定しているプロジェクト、そして慢性的に人手が足りない領域を明確にすることで、オフショア開発で何を解決したいのかが見えてきます。
次に、予算と期間の目安を設定します。パイロットプロジェクトとして投資できる予算、成果を評価するまでの期間、そして成功した場合の拡大計画を事前に検討しておくことで、パートナー企業との交渉もスムーズに進みます。
そして、複数のオフショア開発会社に相談し、比較検討することをお勧めします。各社の強み、得意分野、サポート体制、そして料金体系は異なります。複数社の提案を比較することで、自社に最適なパートナーを見つけることができます。
社内の体制整備も忘れてはなりません。オフショア開発を成功させるためには、社内にプロジェクトの窓口となる担当者を置き、パートナー企業と密に連携する体制を構築する必要があります。すべてを丸投げするのではなく、主体的に関与する姿勢が成功の鍵となります。
最後に、経営層への説明資料を準備してください。オフショア開発のメリットとリスク、投資対効果の見込み、そして段階的な導入計画を整理した資料があれば、社内での意思決定がスムーズに進みます。
まとめ
エンジニア不足は、多くの中小企業にとって成長を阻害する深刻な課題です。オフショア開発は、この課題を解決するための現実的かつ効果的な選択肢として、ますます注目を集めています。
成功のポイントは、いきなり大規模に始めるのではなく、小さく始めて徐々に拡大すること、そして信頼できるパートナーと長期的な関係を構築することです。初めてオフショア開発に取り組む企業にとって、不安はつきものですが、適切なリスク対策と段階的なアプローチによって、その不安は解消できます。
GXOは、ベトナムオフショア開発において180社以上の支援実績を持ち、福岡本社とベトナム開発拠点の連携による一気通貫のサポート体制を整えています。初めてのオフショア開発でも、上流の要件定義から開発、運用保守まで伴走型でご支援いたします。エンジニア不足にお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
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