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多能工化の進め方|物流倉庫で属人化を解消する4ステップスキルマップを活用し、柔軟な人員配置と急な欠員対応を実現する方法

多能工化の進め方|物流倉庫で属人化を解消する4ステップ

特定の人に依存する属人化を解消し、柔軟な人員配置を実現する多能工化。スキルマップの作成から教育計画、習得管理まで4ステップで解説。物流倉庫での成功事例と失敗パターンも紹介。

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「この作業は田中さんしかできない」「山田さんが休むと出荷が回らない」。物流倉庫の現場では、特定の作業者に業務が集中する属人化が深刻な課題となっています。多能工化を進めることで、こうした課題を根本から解決できます。

結論から言えば、多能工化は「スキルマップ」を軸に計画的に進めることで成功します。

  • まずやるべきこと:現状の「誰が何をできるか」を可視化するスキルマップを作成する

  • 次に取り組むこと:優先度の高いスキルから計画的に教育を実施し、習得状況を継続管理する

  • 注意すべきこと:一度に多くを求めず、本人の意向を尊重しながら段階的に進める

この記事でわかること

  • 多能工化がもたらす4つのメリットと、物流現場での具体的な効果

  • スキルマップを活用した多能工化の進め方4ステップ

  • 取り組みが失敗する5つのパターンと、その回避策

現クラを導入したある物流センターでは、多能工化の取り組みにより、作業者1人あたりの習得スキル数が平均1.2種類から3.8種類に増加しました(現クラ支援実績より)。その結果、緊急欠員時の対応率は85%に向上し、繁忙期のシフト調整も大幅に効率化されています。


多能工化とは

多能工化とは、1人の作業者が複数の作業や工程を担当できるようにする取り組みのことです。物流倉庫においては、入荷検品、ピッキング、梱包、出荷検品、フォークリフト作業など、さまざまな工程があります。従来は担当が固定されがちでしたが、多能工化を進めることで、状況に応じて柔軟に人員を配置できるようになります。

人手不足が深刻化する物流業界において、多能工化の重要性は年々高まっています。EC需要の拡大により物量の波が大きくなり、固定的な人員配置では対応しきれないケースが増えているためです。


多能工化がもたらす4つのメリット

特定の人に依存しない体制づくり

属人化の最大の問題は、その人がいなくなると業務が止まることです。ベテラン作業者の退職や派遣スタッフの契約終了で作業が滞るケースは少なくありません。多能工化が進んでいれば、誰かが抜けても他のメンバーがカバーでき、業務の安定性が高まります。

柔軟な人員配置の実現

午前中は入荷が多く、午後は出荷がピークになるなど、1日の中でも作業量の波があります。多能工化により、入荷が一段落した後に検品担当者をピッキングに回すといった対応が可能になり、全体の生産性が向上します。

急な欠員への対応力

体調不良や家庭の事情による急な欠勤は避けられません。多能工化が進んでいれば「今日は山田さんが休みだから、佐藤さんにフォークリフトをお願いしよう」といった対応がスムーズにできます。

作業者のモチベーション向上

複数の作業を経験することで、新しいスキルを身につける達成感が生まれます。倉庫全体の業務フローを理解し、自分の仕事の意味を実感できるようになることで、キャリアアップへの意欲にもつながります。


多能工化の進め方4ステップ

STEP1:スキルマップの作成

まずは現状把握から始めます。縦軸に作業者の名前、横軸に作業項目を並べたスキルマップを作成し、「誰がどの作業をどのレベルでできるか」を可視化します。

以下は、スキルマップの記載例です。

スキルマップのサンプル

氏名

入荷検品

ピッキング

梱包

出荷検品

フォークリフト

田中

×

山田

×

佐藤

×

※◎=人に教えられる ○=1人でできる △=補助があればできる ×=できない

このスキルマップを作成すると、「フォークリフトを操作できるのが2人しかいない」「出荷検品は田中さんしかできない」といった属人化のリスクが明確になります。

STEP2:教育計画の策定

スキルマップで課題が見えたら、「誰に、どのスキルを、いつまでに習得させるか」という計画を立てます。優先度を決める際のポイントは、業務への影響度(欠員時のリスクが高いスキル)、習得の難易度(短期間で成果が出るもの)、本人の適性と意向の3つです。

計画には具体的な目標期限と指導担当者も明記しましょう。「3か月後までに、ピッキングを3人体制から5人体制にする。指導担当は鈴木リーダー」といった形です。なお、教育期間中は指導者・習得者ともに通常業務の生産性が一時的に下がります。1人あたり1〜2週間の習得期間を見込み、繁忙期を避けて計画することがポイントです。

STEP3:教育の実施

物流倉庫での多能工教育は、OJT(実務を通じた教育)が中心となります。指導者がやって見せ、本人にやらせてみて、フィードバックするサイクルを繰り返します。いきなり1人でやらせず、最初は指導者と一緒に作業し、徐々に対応範囲を広げていくことが大切です。

定期的なローテーションも有効ですが、繁忙期に無理に行うと効率が落ちることもあります。閑散期を活用するなど、タイミングを見計らって実施しましょう。

STEP4:習得状況の管理

教育を実施したら、定期的にスキルマップを更新し、習得状況を管理します。「1時間あたり〇〇件のピッキングができる」「検品ミス率が〇%以下」など、定量的な評価基準を設けると習得度を客観的に判断できます。

習得したスキルは評価や処遇に反映させましょう。多能工として活躍できる人材には時給アップや正社員登用の機会を設けることで、モチベーション維持につながります。なお、人数が多い現場ではExcelでのスキル管理に限界が生じがちです。クラウド型の人員管理システムを活用すれば、スキル情報の更新・検索が容易になり、シフト作成との連携もスムーズになります。


多能工化のよくある失敗パターン5選

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失敗パターン1:一度に多くのスキルを求める

「来月までに全員が全工程をできるようにする」といった無理な目標は、どのスキルも中途半端な習得状態を招きます。優先度の高いスキルから段階的に進めることが大切です。

失敗パターン2:本人の意向を無視する

一方的な指示はモチベーション低下と習得効率の悪化を招きます。事前に面談を行い、本人の希望やキャリアビジョンを確認しましょう。

失敗パターン3:教える側の負担を考慮しない

指導者の本来業務がおろそかになると、通常の作業効率が落ちます。指導者の業務量を調整し、教育に充てる時間を確保することが必要です。

失敗パターン4:スキルマップを作って終わり

更新されず形骸化したスキルマップは実態と乖離します。月1回など、定期的な更新ルールを決めて運用しましょう。

失敗パターン5:習得しても評価に反映しない

新しいスキルを習得しても給与や評価が変わらなければ、取り組みを継続する動機づけが失われます。適切な処遇改善を行いましょう。


まとめ

多能工化は、物流倉庫における属人化の解消と柔軟な人員配置を同時に実現できる有効な取り組みです。成功の鍵は、スキルマップを軸にした計画的なアプローチにあります。

まずは現状のスキル分布を可視化し、優先度の高い領域から段階的に教育を進めましょう。一度に多くを求めず、本人の意向を尊重しながら進めること、習得したスキルを評価に反映させることが継続のポイントです。


よくある質問

Q. 多能工化はどのくらいの期間で効果が出ますか?

1つのスキル習得には1〜2週間程度が目安です。3か月ほど継続すれば、急な欠員への対応力向上など、目に見える効果を実感できるケースが多いです。

Q. 小規模な倉庫でも多能工化は必要ですか?

むしろ小規模な現場ほど効果的です。少人数体制では1人の欠勤が業務全体に与える影響が大きいため、複数人が同じ作業をカバーできる状態を作ることが重要です。

Q. スキルマップはExcelで管理できますか?

10人程度までであればExcelでも運用可能です。ただし、人数が増えると更新漏れや検索性の問題が生じやすく、クラウド型のシステム活用を検討する現場が増えています。


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