kintoneアプリが増えすぎて困っていませんか

「気づいたらアプリが100個を超えていた」「似たようなアプリが複数あって、どれを使えばいいかわからない」。kintoneを導入して数年が経過した企業から、こうした声が多く聞かれます。本記事では、kintoneアプリが乱立する原因を明らかにし、棚卸しの具体的な手順とガバナンスルールの策定方法を解説します。適切な整理と運用ルールを設けることで、kintoneの本来の価値である「業務効率化」を取り戻すことができます。
サイボウズ社が公開している導入事例によると、kintoneを3年以上運用している企業の多くがアプリ数の増加に課題を感じています。アプリ数が50を超えると管理が困難になり、100を超えると業務効率がかえって低下するケースも報告されています。この問題は放置すればするほど深刻化するため、早めの対策が重要です。
なぜkintoneアプリは増えすぎてしまうのか
kintoneの最大の強みは、プログラミング知識がなくても現場担当者がアプリを作成できる点にあります。しかし、この手軽さが裏目に出て、アプリの乱立を招くことがあります。
まず、部門ごとの個別最適化が挙げられます。営業部門が顧客管理アプリを作り、マーケティング部門も別の顧客管理アプリを作る。経理部門は請求管理用に独自のアプリを構築する。このように、全社的な視点がないまま各部門が必要に応じてアプリを作成すると、似たような機能を持つアプリが複数存在する状態になります。
次に、プロジェクト単位でのアプリ作成があります。新規プロジェクトが立ち上がるたびに専用アプリを作成し、プロジェクト終了後も削除されずに残り続けるケースです。特に期間限定のキャンペーン管理や一時的なタスク管理用のアプリは、役目を終えても放置されがちです。
さらに、試行錯誤の痕跡も見逃せません。アプリの改修時に「壊れたら困るから」とコピーを作成し、テスト用アプリが本番環境に残り続けることがあります。「テスト」「旧」「バックアップ」といった名前のアプリが大量に存在する企業は珍しくありません。
総務省が公開している「情報システム管理の手引き」においても、システムやアプリケーションの棚卸しは定期的に実施すべき重要な管理業務として位置づけられています。kintoneも例外ではなく、計画的な整理が必要です。
アプリ乱立が引き起こす具体的な問題
アプリが増えすぎると、どのような問題が発生するのでしょうか。実際に企業が直面している課題を整理します。
第一に、情報の分散と重複です。顧客情報が複数のアプリに分散して登録されていると、最新の情報がどこにあるのかわからなくなります。ある製造業の企業では、同じ顧客の連絡先が5つの異なるアプリに登録されており、それぞれの情報が微妙に異なっていました。営業担当者が古い連絡先に電話をかけてしまい、商談機会を逃したケースもあったそうです。
第二に、メンテナンスコストの増大です。アプリ数が増えれば、それだけ更新や修正にかかる工数も増加します。組織変更で部署名が変わった場合、関連するすべてのアプリを修正する必要がありますが、アプリが100個もあれば、その作業だけで数日を要することもあります。
第三に、セキュリティリスクの増加です。アプリごとにアクセス権限を設定している場合、管理が行き届かなくなり、本来アクセスすべきでない従業員が機密情報を閲覧できる状態になっていることがあります。退職者のアカウントが残ったまま放置されているケースも散見されます。
第四に、新人教育の負担増加です。「どのアプリを使えばいいのか」「このアプリとあのアプリの違いは何か」といった質問に答えるだけで、先輩社員の時間が奪われます。マニュアルを作成しようにも、アプリが多すぎて追いつかないという悪循環に陥ります。
アプリ棚卸しの具体的な進め方

では、実際にアプリを整理するにはどうすればよいのでしょうか。段階を追って解説します。
最初のステップは、現状の可視化です。まずは全アプリの一覧を作成します。kintoneの管理画面からアプリ一覧をエクスポートし、アプリ名、作成者、作成日、最終更新日、レコード数などの情報を整理します。この段階で、明らかに使われていないアプリ(レコード数が0、または最終更新日が1年以上前など)をピックアップしておきます。
次のステップは、利用状況の調査です。各アプリについて、現在も業務で使用されているかどうかを確認します。この作業は現場の担当者へのヒアリングが必要になりますが、すべてのアプリについて詳細に聞く必要はありません。まずは部門責任者に「このアプリは使っていますか」と確認し、「使っている」「使っていない」「わからない」の3つに分類します。
三番目のステップは、アプリの分類です。利用状況の調査結果をもとに、アプリを4つのカテゴリに分類します。「継続利用」は現在も業務で必須のアプリ、「統合候補」は似たような機能を持つアプリで統合を検討すべきもの、「廃止候補」は使用されておらず削除しても問題ないもの、「要検討」は判断が難しく追加調査が必要なものです。
四番目のステップは、廃止・統合の実行です。廃止候補のアプリについては、念のためデータをバックアップした上で、一定期間(例えば3か月)の猶予期間を設けてから削除します。統合候補のアプリについては、どのアプリをマスターとするか決定し、データの移行計画を立てます。
ある卸売業の企業では、この棚卸しプロセスを実施した結果、120個あったアプリを45個まで削減できました。整理にかかった期間は約2か月でしたが、その後の運用負担が大幅に軽減され、新人教育にかかる時間も半分以下になったとのことです。
ガバナンスルールの策定方法
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一度整理しても、ルールがなければ再びアプリは増え続けます。そこで重要になるのが、ガバナンスルールの策定です。
まず、アプリ作成の承認プロセスを設けます。誰でも自由にアプリを作成できる状態をやめ、作成前に申請と承認を必要とする仕組みを導入します。承認者は情報システム部門や各部門の管理職が担当することが多いですが、過度に厳格にすると現場の機動性が失われるため、簡易的な申請フォーム(kintoneで作成可能)を用意し、1〜2営業日で承認が下りる運用を目指します。
次に、命名規則を統一します。「部門名_業務内容_種別」のような形式を定め、すべてのアプリに適用します。例えば「営業_顧客管理_マスタ」「経理_請求書_申請」といった具合です。これにより、アプリ名を見ただけで用途と所管部門がわかるようになります。
さらに、定期的な棚卸しをスケジュール化します。四半期に一度、または半年に一度、全アプリの利用状況を確認する機会を設けます。棚卸し担当者を決め、業務カレンダーに組み込むことで、継続的な運用を可能にします。
加えて、アプリ管理台帳を整備します。各アプリについて、目的、管理者、利用部門、関連アプリ、作成日などを記録した台帳を作成し、常に最新の状態に保ちます。この台帳自体もkintoneアプリとして作成すれば、管理の手間を最小限に抑えられます。
御社が今すぐ取り組むべき5つのアクション
ここまでの内容を踏まえ、具体的に何から始めればよいか整理します。
1つ目は、アプリ総数の把握です。まずは自社のkintone環境にいくつのアプリがあるか確認してください。50個を超えていれば整理の検討を、100個を超えていれば早急な対応を推奨します。
2つ目は、明らかな不要アプリの特定です。レコード数が0のアプリ、「テスト」「旧」「コピー」が名前に含まれるアプリをリストアップします。これらは廃止候補として優先的に検討します。
3つ目は、棚卸し担当者の任命です。情報システム部門または業務改善推進の担当者を任命し、棚卸しプロジェクトの責任者とします。兼任でも構いませんが、明確な責任者がいないと取り組みが頓挫しがちです。
4つ目は、経営層への報告と承認取得です。アプリ乱立の問題点と整理の必要性を経営層に説明し、予算と工数の確保について承認を得ます。現場任せにせず、会社としての取り組みと位置づけることが成功の鍵です。
5つ目は、段階的な実行計画の策定です。一度にすべてを整理しようとせず、まずは1つの部門から始めるなど、スモールスタートで進めます。成功事例を作り、それを横展開していくアプローチが現実的です。
GXOのkintone運用改善支援
kintoneのアプリ整理やガバナンス構築に取り組みたいものの、「自社だけでは進め方がわからない」「現場の協力を得るのが難しい」といった課題を抱える企業も少なくありません。
GXOでは、kintoneの導入支援だけでなく、既存環境の運用改善支援も提供しています。180社以上の支援実績をもとに、御社の状況に合わせた棚卸し計画の策定からガバナンスルールの構築、現場への定着支援まで、一気通貫でサポートします。
脱Excelによる業務効率化に加え、kintone導入後の「育ちすぎた環境」の整理も、GXOの得意領域です。伴走型の支援スタイルで、単なるコンサルティングではなく、実際に手を動かしながら御社のkintone環境を最適化します。
まとめ
kintoneアプリの乱立は、多くの企業が直面する運用課題です。放置すれば情報の分散、メンテナンスコストの増大、セキュリティリスクなど、さまざまな問題を引き起こします。
解決のポイントは、計画的な棚卸しと継続的なガバナンスルールの運用です。まずは現状を可視化し、不要なアプリを整理した上で、アプリ作成の承認プロセスや命名規則を定めましょう。定期的な見直しをスケジュール化することで、再び乱立状態に陥ることを防げます。
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