法改正・制度📖 6分で読了

派遣先の義務がわかる|派遣法改正と物流倉庫の同一労働同一賃金対応ガイド情報提供・福利厚生・教育訓練の3つの義務と実務対応を解説

派遣先の義務がわかる|派遣法改正と物流倉庫の同一労働同一賃金対応ガイド

派遣法改正で派遣先に求められる義務とは?物流倉庫の現場責任者向けに、同一労働同一賃金への具体的対応をわかりやすく解説します。

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【結論】 派遣先企業には、①比較対象労働者の待遇情報提供、②福利厚生施設の利用機会付与、③業務に必要な教育訓練の実施が義務付けられています。違反した場合は行政指導や企業名公表のリスクがあるため、早期の対応が必要です。

本記事では、物流倉庫の現場責任者・管理者向けに、同一労働同一賃金制度の概要と派遣先として押さえるべき対応ポイントを解説します。


同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは、正社員と派遣スタッフの間の「不合理な待遇差」を禁止する制度です。2020年4月(中小企業は2021年4月)に施行された改正労働者派遣法により、派遣先企業にも具体的な義務が課されるようになりました。

制度の背景

厚生労働省の調査によると、派遣労働者の約4割が「正社員との待遇差に不満がある」と回答しています(厚生労働省「派遣労働者実態調査」2022年)。こうした格差是正を目的に、同一労働同一賃金ガイドラインが策定されました。

対象となる待遇

不合理な待遇差の禁止対象となるのは、以下の項目です。

  • 基本給・賞与:職務内容、能力、経験等に応じた支給

  • 各種手当:通勤手当、食事手当、単身赴任手当など

  • 福利厚生:食堂、休憩室、更衣室の利用

  • 教育訓練:業務遂行に必要な研修・訓練


派遣先の3つの義務

派遣先企業には、以下の3つの義務が課されています。これらを怠ると、厚生労働大臣による勧告・企業名公表の対象となる可能性があります。

【実際の是正指導事例】 ある物流事業者では、派遣会社への待遇情報提供が不十分だったことが労働局の調査で発覚し、是正指導を受けました。具体的には、比較対象労働者の賞与・手当に関する情報が欠落していた点が問題視されました。このように、情報提供の「漏れ」は行政指導の対象となるため、事前のチェック体制が重要です。

義務①:比較対象労働者の待遇情報の提供

派遣契約を締結する前に、派遣会社に対して「比較対象労働者」の待遇情報を書面で提供する必要があります。

提供が必要な情報:

  • 職務内容(業務の内容および責任の程度)

  • 職務内容・配置の変更の範囲

  • 基本給、賞与、各種手当の額と決定方法

  • 福利厚生施設の利用条件

  • 教育訓練の内容

比較対象労働者の選定順位:

  1. 職務内容・配置変更範囲が同じ正社員

  2. 職務内容が同じ正社員

  3. 業務内容または責任の程度が同じ正社員

  4. 同じ事業所で働く正社員

義務②:福利厚生施設の利用機会の提供

派遣スタッフに対して、以下の施設について正社員と同様の利用機会を与えることが義務付けられています。

施設

対応内容

食堂

同一条件での利用を許可

休憩室

同一条件での利用を許可

更衣室

同一条件での利用を許可

これらは「配慮義務」ではなく「義務」です。「スペースがない」「管理が難しい」といった理由での拒否は認められません。

義務③:業務に必要な教育訓練の実施

派遣先が正社員に実施している教育訓練のうち、「派遣スタッフが従事する業務と同一の業務に必要な訓練」については、派遣スタッフにも実施する義務があります。

対象となる教育訓練の例:

  • フォークリフト操作の安全講習

  • WMS(倉庫管理システム)の操作研修

  • ピッキング作業の標準手順研修

  • 安全衛生教育

ただし、派遣会社が同等の訓練を実施済みの場合は、重複して行う必要はありません。


対応のポイント

ポイント①:情報提供の正確性を確保する

派遣会社への情報提供は、派遣契約締結「前」に行う必要があります。また、待遇が変更された場合は、遅滞なく追加の情報提供を行わなければなりません。

チェックリスト:

  • 比較対象労働者を適切に選定しているか

  • 待遇情報を書面で提供しているか

  • 情報に漏れや誤りがないか

  • 待遇変更時に追加提供しているか

ポイント②:福利厚生施設の利用ルールを整備する

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福利厚生施設の利用については、就業規則やマニュアルを整備し、派遣スタッフにも周知することが重要です。

整備すべき項目:

  • 食堂の利用時間・ルール

  • 休憩室の場所・利用方法

  • 更衣室・ロッカーの割り当て方法

  • 利用にあたっての注意事項

ポイント③:教育訓練の計画を策定する

派遣スタッフ向けの教育訓練については、年間計画を策定し、派遣会社と共有しておくことをおすすめします。

計画に含める項目:

  • 訓練の内容と目的

  • 実施時期・頻度

  • 実施方法(OJT、集合研修など)

  • 習得すべきスキル・知識


よくある質問(FAQ)

Q1. 派遣スタッフの待遇を直接決めるのは派遣先ですか?

いいえ。派遣スタッフの賃金を決定するのは派遣会社です。派遣先は、派遣会社が適切な待遇を決定できるよう、比較対象労働者の待遇情報を提供する義務を負います。

Q2. 福利厚生施設がない場合はどうすればよいですか?

福利厚生施設自体がない場合は、利用機会を提供する義務は発生しません。ただし、施設がある場合に「派遣スタッフは利用不可」とすることは認められません。

Q3. 違反した場合のペナルティは?

行政指導、改善命令、企業名の公表などの措置が取られる可能性があります。また、派遣スタッフから待遇差について説明を求められた際、適切に対応できないと、労使トラブルに発展するリスクもあります。

Q4. 教育訓練の費用は誰が負担しますか?

派遣先が実施する教育訓練の費用は、原則として派遣先が負担します。訓練中の賃金については、派遣会社との契約で定めます。


まとめ

同一労働同一賃金制度への対応として、派遣先企業は以下の3点を押さえておきましょう。

  1. 情報提供:比較対象労働者の待遇情報を正確に提供する

  2. 福利厚生:食堂・休憩室・更衣室は派遣スタッフにも同様に利用させる

  3. 教育訓練:業務に必要な訓練は派遣スタッフにも実施する

これらの義務を適切に履行することで、行政処分リスクを回避し、派遣スタッフのモチベーション向上にもつながります。


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