表示速度の遅さは「見えない損失」を生んでいる
Webサイトの表示速度が遅いと、訪問者はコンテンツを見る前に離脱してしまいます。ある調査では、ページの読み込みが1秒遅れるだけでコンバージョン率が最大7%低下するという結果が出ています。さらにGoogleは、表示速度やユーザー体験を数値化した「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」を検索順位の評価指標に組み込んでおり、この指標が悪いサイトは検索結果で不利になります。本記事では、Core Web Vitalsの3つの指標の意味と具体的な改善方法を解説し、SEO強化と売上向上を同時に実現するための道筋をお伝えします。Core Web Vitalsの改善は、検索順位の向上とコンバージョン率の改善を同時に実現できる、費用対効果の高い施策です。
Core Web Vitalsとは?——3つの指標を理解する

Core Web Vitalsとは、Googleがユーザー体験を定量的に評価するために設けた3つの指標です。2021年から検索ランキングの評価要素に正式に組み込まれ、2024年3月には指標の一つが刷新されるなど、年々その重要性は増しています。業界データによると、検索結果1位に表示されるページは9位のページと比べてCore Web Vitalsの合格率が約10%高いという相関も報告されています。コンテンツの品質が同等であれば、ユーザー体験に優れたサイトが上位に表示される——これがGoogleの方向性です。
3つの指標の概要を以下に整理します。
指標 | 計測対象 | 良好の基準 | 一言で言うと |
|---|---|---|---|
LCP | メインコンテンツの表示時間 | 2.5秒以内 | 読み込みの速さ |
INP | 操作から画面反応までの時間 | 200ミリ秒以内 | 操作の快適さ |
CLS | レイアウトのずれ量 | 0.1以下 | 画面の安定性 |
1つ目の指標は「LCP(Largest Contentful Paint)」で、ページのメインコンテンツが表示されるまでの時間を計測します。具体的には、画面に表示される最も大きな要素(ヒーロー画像や見出しテキストなど)が描画されるまでの秒数です。Googleの基準では2.5秒以内が「良好」とされています。LCPが遅いと、訪問者は「このサイトは重い」と感じて離脱する可能性が高くなります。
2つ目の指標は「INP(Interaction to Next Paint)」で、ユーザーがボタンをクリックしたりリンクをタップしたりした際に、画面が反応するまでの時間を測定します。2024年3月に従来の「FID(First Input Delay)」に代わって導入された新しい指標で、最初の操作だけでなくページ滞在中のすべての操作を対象にしている点が大きな変更点です。Googleの基準では200ミリ秒以内が「良好」とされています。
3つ目の指標は「CLS(Cumulative Layout Shift)」で、ページ読み込み中に要素が予期せず移動する量を数値化したものです。たとえば、記事を読んでいる途中で広告や画像が遅れて読み込まれ、テキストの位置がずれてしまう現象がこれにあたります。Googleの基準では0.1以下が「良好」です。モバイル端末では画面が小さいため、わずかなレイアウトのずれでも誤タップを引き起こし、ユーザーの不満に直結します。
LCPを改善する——メインコンテンツの表示を速くする
LCPの改善は、表示速度対策のなかで最もインパクトが大きい領域です。表示速度が遅いサイトの典型例としては、トップページに未圧縮の大きな画像が複数枚配置されている、サーバーの応答に1秒以上かかっている、使われていないCSSやJavaScriptが大量に残っているといったケースが挙げられます。自社のサイトに心当たりがあれば、LCPの改善を優先すべきサインです。LCPが遅くなる主な原因は、画像ファイルの大きさ、サーバーの応答速度、そしてレンダリングをブロックするリソースの3つに集約されます。
まず取り組むべきは画像の最適化です。画像をWebPやAVIFといった次世代フォーマットに変換するだけで、ファイルサイズをJPEGと比べて30〜50%削減できます。さらに、画面の表示サイズに合わせた適切な画像サイズを配信する「レスポンシブ画像」の設定や、最初に目に入る画像の読み込み優先度を上げる「プリロード」の設定も効果的です。
次に、サーバーの応答時間(TTFB:Time to First Byte)の改善です。CDN(コンテンツ配信ネットワーク)を導入して、ユーザーに物理的に近いサーバーからコンテンツを配信する仕組みにすることで、応答速度を大幅に短縮できます。ある海外の事例では、CDN導入でレイテンシー(通信遅延)が40〜70%削減されたという報告もあります。
さらに、CSSやJavaScriptの読み込みがページ表示をブロックしているケースも多く見られます。使用していないCSSの削除、JavaScriptの非同期読み込み設定、そしてファイルの圧縮(ミニファイ)は、比較的短期間で効果が出やすい施策です。
INPを改善する——操作への応答を速くする
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INPの改善は、特にJavaScriptの実行負荷を軽減することがポイントです。従来のFIDが「最初のクリック」だけを測定していたのに対し、INPはページ全体を通じた操作の応答性を評価します。そのため、ページ滞在中にバックグラウンドで動いている処理がINPの悪化原因となることがあります。
最も効果的な対策は、JavaScriptの「コード分割」です。ページで必要なスクリプトだけを読み込み、残りは必要になったタイミングで遅延ロードする仕組みにすることで、メインスレッド(ブラウザの処理を担う中心的な部分)の負荷を大幅に軽減できます。ある実務者の報告では、INP指標の刷新後に約30%のサイトが「改善が必要」または「不良」の評価に転落しており、多くのサイトでJavaScript処理の見直しが急務となっています。
また、不要なサードパーティスクリプト(アクセス解析や広告タグなど)の整理も重要です。複数の解析ツールが重複して動作していたり、使われなくなったタグが残っていたりするケースは珍しくありません。定期的にスクリプトの棚卸しを行い、本当に必要なものだけに絞ることで、応答性の改善につながります。
CLSを改善する——画面のガタつきをなくす
CLSの悪化原因として最も多いのは、画像や動画に表示サイズ(width・height属性)が指定されていないケースです。ブラウザは読み込み前にコンテンツの表示領域を確保できないため、画像が読み込まれた瞬間にレイアウトがずれてしまいます。すべての画像・動画要素にサイズを明示するだけで、CLSは大幅に改善されます。
もう一つの代表的な原因は、ページ上部に動的に挿入される広告バナーやプロモーション領域です。JavaScriptで後から読み込まれる要素がコンテンツを押し下げると、CLSスコアが悪化します。この対策としては、動的に挿入される要素のための表示領域をCSS側であらかじめ確保しておく方法が有効です。
Webフォントの読み込みもCLSに影響します。カスタムフォントの読み込みが完了するまでテキストが見えなかったり、フォントが切り替わる際に文字サイズが変わったりする現象を防ぐには、フォントの「swap」設定やサブセット化(使用する文字だけを含めたフォントファイルの生成)が効果的です。
改善の進め方——優先順位と測定の習慣化

Core Web Vitalsの改善は、一度やって終わりではなく、継続的に取り組むべきテーマです。まずはGoogleが無料で提供している「PageSpeed Insights」や「Google Search Console」のCore Web Vitalsレポートを使って、自社サイトの現状を把握するところから始めましょう。Search Consoleでは、実際のユーザーのブラウザから収集されたフィールドデータに基づいて、URLごとに「良好」「改善が必要」「不良」のステータスが表示されます。
改善の優先順位としては、まずLCPに取り組むことをおすすめします。表示速度の改善は体感しやすく、効果が数値にも反映されやすいためです。次にCLSの改善に進み、最後にINPの最適化に取り組むのが効率的な順序です。そして、改善施策を実施したあとは必ず効果を測定し、数値の変化を記録する習慣をつけてください。改善前後の比較データは、社内での報告や経営判断の材料としても活用できます。
まとめ
Core Web Vitalsは、Webサイトのユーザー体験を「読み込み速度(LCP)」「応答性(INP)」「視覚的安定性(CLS)」の3軸で評価するGoogleの重要指標です。検索順位への影響は年々強まっており、2025年のコアアップデートでもUX指標が良好なサイトの順位上昇傾向が確認されています。1秒の遅延がコンバージョンを7%低下させるというデータが示すとおり、表示速度の改善はSEO対策であると同時に売上に直結するビジネス課題です。
GXOは180社以上のDX・システム開発支援実績を持ち、Webサイトのパフォーマンス改善からフロントエンド最適化、インフラ設計まで一気通貫でサポートしています。「Core Web Vitalsの改善方法がわからない」「表示速度の遅さが気になるが何から手をつけるべきかわからない」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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