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コンポーザブルERPとは?SaaS組み合わせ型の基幹システム中小企業に最適なAPI連携による柔軟なERP構築の考え方と実践方法

コンポーザブルERPとは?SaaS組み合わせ型の基幹システム

コンポーザブルERPの概念と導入メリットを解説。SaaSをAPI連携で組み合わせる新しい基幹システムの構築方法、従来型ERPとの違い、中小企業が取り組むべきステップを紹介します。

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「巨大ERP」は中小企業に本当に必要なのか

基幹システムの刷新を検討する中で、「大手ERPパッケージは自社には大きすぎる」「導入コストが数千万円単位で現実的ではない」と感じている経営者やIT責任者は少なくありません。本記事では、そうした課題を解決する新しいアプローチとして注目される「コンポーザブルERP」について解説します。コンポーザブルERPとは、複数のSaaSをAPI連携で組み合わせて基幹システムを構築する考え方です。必要な機能だけを選んで導入できるため、中小企業にとってコスト効率と柔軟性の両面で大きなメリットがあります。

Gartnerの調査によると、2027年までに新規ERP導入の60%以上がコンポーザブル型になると予測されています。従来の「オールインワン型ERP」から、必要な機能を組み合わせる「コンポーザブル型」への移行は、もはや一部の先進企業だけの話ではありません。

コンポーザブルERPの基本概念を理解する

コンポーザブルERPとは、英語の「Composable(構成可能な)」が示すとおり、複数の独立したSaaSやアプリケーションをAPI(Application Programming Interface)で連携させ、一つの統合された基幹システムとして機能させるアーキテクチャです。

従来型のERPは、会計、販売管理、在庫管理、人事労務といった機能が一つのパッケージに統合されており、ベンダーが提供する機能をそのまま使用することが前提でした。SAP、Oracle、Microsoft Dynamicsといった大手ERPは、大企業向けに設計されており、導入には数千万円から数億円の初期投資と、1年以上の導入期間が必要になることも珍しくありません。

一方、コンポーザブルERPでは、会計にはfreeeやマネーフォワード、顧客管理にはSalesforceやHubSpot、在庫管理にはロジクラやZAICO、人事労務にはSmartHRやジョブカンといったように、各領域で最適なSaaSを選択し、それらをAPIで連携させます。これにより、自社の業務フローに合わせた最適なシステム構成を、段階的に構築できるようになります。

総務省の「令和5年版情報通信白書」によると、日本企業のSaaS利用率は年々上昇しており、特に従業員300名以下の企業では、クラウドサービスの導入率が70%を超えています。多くの企業がすでに何らかのSaaSを導入しているという現状は、コンポーザブルERP構築の土台がすでに整っていることを意味します。

従来型ERPとコンポーザブルERPの違い

従来型ERPとコンポーザブルERPの違いを具体的に見ていきましょう。

まず導入コストについてです。従来型ERPでは、ライセンス費用、カスタマイズ費用、導入コンサルティング費用を合わせると、中規模企業でも3,000万円から1億円程度の初期投資が必要になります。加えて、年間保守費用がライセンス費用の15〜20%程度かかるのが一般的です。コンポーザブルERPの場合、各SaaSの月額利用料を積み上げる形になるため、初期投資を大幅に抑えられます。例えば、会計・販売管理・顧客管理・人事労務の4領域をSaaSで構成した場合、月額費用は20万〜50万円程度、年間でも240万〜600万円程度に収まるケースが多いです。

次に導入期間の違いです。従来型ERPは、要件定義からカスタマイズ、データ移行、テスト、本番稼働まで、最短でも6ヶ月、通常は1〜2年の期間を要します。コンポーザブルERPでは、各SaaSは基本的にすぐに利用開始できるため、API連携の設計・開発を含めても3〜6ヶ月程度での稼働が現実的です。

柔軟性という観点も重要です。従来型ERPでは、一度導入すると、特定の機能だけを他のシステムに置き換えることは困難です。ベンダーロックインが発生し、将来的なシステム変更の選択肢が限られてしまいます。コンポーザブルERPでは、各SaaSは独立しているため、より良いサービスが登場した場合や、ビジネス要件が変化した場合に、該当部分だけを入れ替えることが可能です。

IDC Japanの調査では、中堅・中小企業の約65%が「既存システムの柔軟性不足」を課題として挙げています。この課題に対して、コンポーザブルERPは有効な解決策となり得ます。

コンポーザブルERP構築で押さえるべきポイント

コンポーザブルERPを構築する際には、いくつかの重要なポイントがあります。

第一に、データの一元管理の設計です。複数のSaaSにデータが分散すると、同じ顧客情報が各システムで異なる状態になる「データの不整合」が発生するリスクがあります。これを防ぐためには、マスターデータをどのシステムで管理し、どのように他システムへ反映させるかというデータガバナンスの設計が不可欠です。具体的には、顧客マスターはCRM、商品マスターは販売管理システム、従業員マスターは人事システムというように、各データの「正」となるシステムを明確に定義します。

第二に、API連携の信頼性確保です。SaaS間のデータ連携がリアルタイムで行われない場合、業務に支障をきたす可能性があります。例えば、受注データが在庫管理システムに即時反映されないと、在庫切れ商品を販売してしまうリスクがあります。API連携の頻度(リアルタイム、1時間ごと、1日1回など)を業務要件に合わせて設計し、連携エラー時のアラート通知や自動リトライの仕組みを整備することが重要です。

第三に、セキュリティの担保です。複数のSaaSを利用することで、認証情報の管理が複雑になります。シングルサインオン(SSO)の導入や、各SaaSのアクセス権限の統一的な管理体制を構築することで、セキュリティリスクを低減できます。

第四に、将来の拡張性を見据えた設計です。ビジネスの成長に伴い、必要な機能は変化します。最初から完璧なシステムを目指すのではなく、コア機能から始めて段階的に拡張していく「スモールスタート」の考え方が、コンポーザブルERPでは特に有効です。

よくある失敗パターンと回避策

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コンポーザブルERP構築で陥りがちな失敗パターンについても触れておきましょう。

一つ目は、SaaSの乱立による管理の複雑化です。「便利そうだから」という理由で次々とSaaSを導入した結果、似たような機能を持つツールが複数存在し、どのシステムに何のデータがあるのか分からなくなるケースがあります。これを防ぐには、導入前に業務プロセス全体を可視化し、各SaaSの役割と守備範囲を明確に定義することが重要です。

二つ目は、API連携の技術的な過小評価です。「APIがあるから簡単に連携できる」と考えて着手したものの、実際にはデータ形式の変換や例外処理の実装に想定以上の工数がかかるケースは少なくありません。API連携の設計・開発には専門知識が必要であり、社内にリソースがない場合は、外部パートナーの支援を検討すべきです。

三つ目は、運用体制の未整備です。複数のSaaSを運用するには、それぞれのアップデート情報のキャッチアップ、障害発生時の切り分け、ベンダーとの窓口対応など、従来型ERPとは異なる運用スキルが求められます。導入前から運用体制を計画し、必要に応じて担当者のスキルアップや外部サポートの活用を検討しましょう。

自社でコンポーザブルERPに取り組む5つのステップ

ここまでの内容を踏まえ、御社がコンポーザブルERPへの移行を検討する際に、今すぐ始められる具体的なステップを紹介します。

第一ステップは、現状のシステム棚卸しです。現在利用している業務システム、SaaS、Excelでの管理業務をすべて洗い出します。各システムにどのようなデータがあり、どの業務で使用しているかを可視化することで、コンポーザブルERP構築の出発点が明確になります。

第二ステップは、業務プロセスの優先順位付けです。すべての業務を一度にシステム化するのは現実的ではありません。「業務負荷が高い」「ミスが発生しやすい」「データ連携の手作業が多い」といった観点から、優先的にシステム化すべき領域を特定します。

第三ステップは、適切なSaaSの選定です。優先領域に対して、自社の業務フローに合うSaaSを比較検討します。選定のポイントは、APIの充実度、他サービスとの連携実績、サポート体制、将来的な拡張性です。無料トライアルを活用して、実際の業務で使い勝手を確認することをお勧めします。

第四ステップは、API連携の設計と実装です。選定したSaaS間のデータ連携方法を設計します。連携するデータ項目、連携の頻度、エラー時の処理方法を定義し、実装を進めます。この工程は技術的な専門性が高いため、外部パートナーの活用が効果的です。

第五ステップは、段階的な展開と改善です。まずは一部の部門や業務でパイロット運用を行い、課題を洗い出して改善します。その後、全社展開へと進めることで、リスクを抑えながら確実にシステムを定着させることができます。

GXOが提供するAPI連携開発支援

コンポーザブルERP構築において、API連携の設計・開発は成功の鍵を握る工程です。GXOでは、180社以上の企業のDX支援実績を活かし、お客様の業務要件に最適なSaaS選定からAPI連携の設計・開発、運用支援まで一気通貫でサポートしています。

福岡本社とベトナム開発拠点を持つ体制により、高品質な開発をコスト効率よく提供できることがGXOの強みです。「大手ERPは予算的に難しいが、業務システムの刷新は急務」という中小・中堅企業のお客様に、コンポーザブルERPという現実的な選択肢をご提案しています。

まとめ

コンポーザブルERPは、複数のSaaSをAPI連携で組み合わせることで、従来型ERPの「高コスト」「長期間」「柔軟性不足」という課題を解決する新しいアプローチです。Gartnerの予測どおり、今後この流れは加速していくと考えられます。中小企業にとっては、初期投資を抑えながら、自社に最適な基幹システムを段階的に構築できる有力な選択肢となります。まずは現状のシステムを棚卸しし、優先すべき業務領域を特定することから始めてみてはいかがでしょうか。

API連携を含むシステム構築についてお悩みの方は、ぜひGXOにご相談ください。

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