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Cloudflare障害から学ぶAPI設計の落とし穴空値パラメータが6時間のグローバル障害を引き起こした理由

Cloudflare障害から学ぶAPI設計の落とし穴

2026年2月のCloudflare障害は、API設計の基本的な欠陥が原因でした。空値パラメータによる全件削除リスクと、CDN依存時のフェイルオーバー対策について解説します。

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空値パラメータが引き起こした6時間のグローバル障害

2026年2月20日、Cloudflareで約6時間にわたるグローバル障害が発生しました。原因は、API設計における「空値パラメータ」の処理方法という、古典的でありながら見落とされがちな問題でした。この障害は、CDNやDNSサービスに依存する企業にとって、インフラ設計とAPI安全性の両面から重要な教訓を示しています。

Cloudflare公式ブログの発表によると、障害は日本時間2月21日午前2時48分に発生し、Bring Your Own IP(BYOIP)サービスを利用する顧客のルートがBGPで撤回されました。6,500件のプレフィックスのうち1,100件が影響を受け、これらの顧客のサービスとアプリケーションがインターネットから完全に到達不能となりました。DNSリゾルバの1.1.1.1も403エラーを返す状態となり、多くの企業サービスに影響が及びました。

なぜ「空値」が全件削除を引き起こしたのか

今回の障害の直接的な原因は、BYOIPプレフィックス管理を行うAddressing APIに導入された自動クリーンアップタスクのバグでした。このタスクは本来、削除予定のプレフィックスのみを処理する設計でしたが、pending_deleteフラグに空値が渡された際の挙動に問題がありました。

通常であれば、空値が渡された場合は「何もしない」または「エラーを返す」動作が安全です。しかし、このAPIでは空値が渡されると、フィルタリング条件が事実上無効化され、すべてのBYOIPプレフィックスが削除キューに投入されてしまう設計になっていました。結果として、4,306件のBYOIPプレフィックスのうち約25%にあたる1,100件が撤回される事態となりました。

この「空値=全件」というAPI設計パターンは、データベースのDELETE文でWHERE句が空になると全レコードが削除されるのと同様の危険性を持っています。開発現場では意外と見落とされがちですが、一度発生すると取り返しのつかない事態を招く典型的な設計上の落とし穴です。

CDN・DNS依存企業が認識すべきリスク

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Cloudflareは世界のインターネットトラフィックの相当部分を処理する重要インフラです。今回の障害で改めて明らかになったのは、単一のCDN・DNSプロバイダーへの依存リスクです。

Cloudflareは2025年にもR2ストレージで2回の障害を起こしています。1回目はパスワードローテーション時の設定誤り、2回目はフィッシングURL対応時の誤操作が原因でした。今回を含め、いずれも「設定変更」に起因する障害であり、サイバー攻撃ではないことが確認されています。これは、外部からの攻撃だけでなく、内部のオペレーションプロセスにも同等以上の注意が必要であることを示しています。

Cloudflareは今回の障害を受けて、「Code Orange: Fail Small」イニシアチブの一環として段階的ロールアウトの強化を約束しています。しかし、利用企業側としては、プロバイダーの改善を待つだけでなく、自社のリスク対策を見直す必要があります。

今すぐ取り組むべきこと

この障害から学び、自社システムの安全性を高めるために、以下の対策を検討してください。

まず、API設計の安全性確認です。自社システムのAPIで、パラメータに空値や不正値が渡された場合の動作を確認しましょう。特にDELETE系の処理や、バッチ処理で大量データを扱う箇所は重点的にレビューが必要です。

次に、フェイルオーバー計画の見直しです。CDNやDNSが完全に停止した場合のバックアッププランを策定していますか。マルチCDN構成やDNSフェイルオーバーの仕組みを検討する良い機会です。

さらに、BYOIP利用企業は追加対応が必要です。Cloudflareでプレフィックスが正しく再広告されているか確認し、再発時の自社側での対応手順を整備しておきましょう。

加えて、設定変更プロセスの強化も重要です。インフラの設定変更は、コードデプロイと同等以上の慎重さで行う必要があります。段階的ロールアウトやロールバック手順の整備を進めてください。

最後に、監視体制の確認です。外部サービスの障害を早期に検知できる監視体制が整っているか、アラート設定を見直しましょう。

まとめ

今回のCloudflare障害は、API設計の基本的な安全性とインフラ依存リスクの両面で重要な教訓を示しました。空値パラメータという単純な問題が6時間のグローバル障害につながったことは、自社システムの設計を見直す契機となるでしょう。

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