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CI/CDパイプラインとは?中小企業のリリース頻度を上げる方法CI/CDの基本概念と中小企業が導入するための現実的なステップを解説

CI/CDパイプラインとは?中小企業のリリース頻度を上げる方法

CI/CDパイプラインの基本概念と中小企業が導入するための現実的なステップを解説。手動リリースの限界、自動化による品質向上とリリース頻度向上の仕組み、段階的な導入方法を発注者視点で紹介します。

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「リリースに2週間かかる」は開発環境の問題である

システムの機能追加やバグ修正が完了しても、本番環境へのリリースに1〜2週間かかっている——こうした状況は、中堅企業の開発現場で珍しくありません。コードの変更後に手動でビルド(ソースコードを実行可能なファイルに変換する作業)を行い、手動でテストを実施し、手動で本番サーバーにファイルをアップロードする。この一連の作業に時間がかかるだけでなく、手作業であるがゆえに人為的ミスが混入するリスクも高くなります。CI/CDパイプラインは、この「コード変更から本番リリースまでの一連のプロセス」を自動化する仕組みです。本記事では、CI/CDの基本概念を非エンジニアにもわかるように説明し、中小企業が現実的に導入するためのステップを解説します。

CI/CDとは何か——「継続的」がキーワード

CI/CDは「Continuous Integration / Continuous Delivery(またはDeployment)」の略で、日本語では「継続的インテグレーション/継続的デリバリー」と訳されます。

CI(継続的インテグレーション)とは、開発者がコードを変更するたびに、自動的にビルドとテストが実行される仕組みです。開発者が共有リポジトリ(コードの保管場所)に変更をプッシュすると、即座にビルドが走り、単体テストが実行され、問題があればアラートが通知されます。これにより、複数の開発者が並行して作業していても、コードの統合時に発生する不整合やバグを早期に検出できます。

CD(継続的デリバリー)とは、CIで品質が確認されたコードを、テスト環境やステージング環境(本番と同じ構成の検証環境)、さらには本番環境に自動的に配置する仕組みです。継続的デリバリーでは本番環境へのデプロイ前に人間の承認ステップを挟みますが、継続的デプロイメントではテストに合格したコードが自動的に本番環境にリリースされます。中小企業が最初に導入する場合は、安全性を重視して「継続的デリバリー(承認ステップあり)」から始めるのが現実的です。いきなり完全自動化を目指すのではなく、まずは「テストまでは自動、本番デプロイは人間が承認」という形で始めることで、リスクを最小限に抑えながら自動化のメリットを享受できます。

パイプラインの全体像——4つのステージ

CI/CDパイプラインは、コードの変更から本番リリースまでを4つのステージに分けて自動化します。

第1ステージは「コード統合」です。開発者がGitなどのバージョン管理システムにコードをプッシュすると、パイプラインが自動的に起動します。この時点で、コードの構文チェックやコーディング規約への準拠確認が自動実行されます。

第2ステージは「ビルド」です。ソースコードをコンパイル(機械が実行できる形に変換)し、依存するライブラリを取得して、実行可能なアプリケーションを生成します。ビルドに失敗した場合は即座に開発者に通知され、問題の早期修正が促されます。

第3ステージは「テスト」です。自動化された単体テスト、統合テスト、場合によってはセキュリティテストが実行されます。テストに合格しなかったコードはデプロイされないため、品質を担保する最後の砦として機能します。

第4ステージは「デプロイ」です。すべてのテストに合格したコードが、ステージング環境や本番環境に自動的に配置されます。継続的デリバリーの場合は本番デプロイ前に承認者のクリックひとつで反映される仕組みとなり、手動でのファイルアップロードやサーバー設定変更が不要になります。

CI/CD導入で得られる3つの効果

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CI/CDパイプラインの導入により、中小企業が得られる効果は主に3つです。

第一に「リリース頻度の向上」です。手動リリースでは月1回が限界だった企業が、CI/CD導入後に週1回、さらには日次でのリリースが可能になるケースがあります。リリース頻度が上がれば、ユーザーからのフィードバックを素早く反映でき、市場の変化にも迅速に対応できます。Google社のDevOps調査チームDORAの研究でも、デプロイ頻度はソフトウェア開発組織のパフォーマンスを測る4つの主要指標(Four Keys)の1つとして位置づけられています。

第二に「品質の安定化」です。手動でのビルドやデプロイでは、作業者によって手順が微妙に異なったり、手順の一部を飛ばしてしまったりするリスクがあります。CI/CDパイプラインでは、あらかじめ定義されたステップが毎回同じ順序で実行されるため、人為的ミスが排除されます。さらに、コード変更のたびに自動テストが走るため、既存機能への悪影響(デグレッション)を早期に検出できます。

第三に「開発者の生産性向上」です。手動でのビルド、テスト、デプロイ作業は、開発者にとって創造的な仕事ではありません。これらの繰り返し作業を自動化することで、開発者は本来の仕事——新機能の設計や実装、ユーザー体験の改善——に集中できるようになります。ある製造業企業では、デプロイ作業の自動化によりリリース関連工数を70%削減した事例も報告されています。

中小企業がCI/CDを導入する5つのステップ

CI/CDは大企業だけのものではありません。中小企業でも、段階的に導入することで確実に効果を得られます。

ステップ1は「バージョン管理の導入」です。CI/CDの前提として、ソースコードがGitなどのバージョン管理システムで管理されている必要があります。まだExcelやファイルサーバーでソースコードを管理している場合は、まずGitHub、GitLab、Bitbucketなどのサービスを導入するところから始めてください。これらのサービスはクラウド上で利用でき、無料プランでも中小企業の開発チームには十分な機能を提供しています。バージョン管理はCI/CD以前の基盤整備であり、コードの変更履歴の管理、変更の差分確認、問題発生時の過去バージョンへの復帰など、チーム開発の効率化にも直結します。

ステップ2は「自動ビルドの構築」です。コードがリポジトリにプッシュされたら自動的にビルドが実行される環境を構築します。GitHub ActionsやGitLab CI/CDなど、リポジトリサービスに統合されたCI/CDツールを使えば、追加のサーバー構築なしにクラウド上で自動ビルドを実行できます。最初は「コードをプッシュしたらビルドが成功するかどうかを自動確認する」という最小限の構成から始めてください。

ステップ3は「自動テストの追加」です。ビルドの次に、単体テスト(個々の機能が正しく動作するかの確認)をパイプラインに組み込みます。テストコードが存在しない場合は、まず重要な機能(ログイン、決済、データ登録など)のテストから作成します。すべてのコードにテストを書く必要はなく、ビジネスインパクトの大きい機能から優先的にカバーしていくのが現実的です。

ステップ4は「ステージング環境への自動デプロイ」です。テストに合格したコードを、本番と同じ構成のステージング環境に自動でデプロイする仕組みを構築します。ステージング環境で動作確認を行い、問題がなければ本番環境にリリースします。この段階では、本番環境へのデプロイは承認ボタンのクリックで実行する「継続的デリバリー」の形が安全です。

ステップ5は「本番デプロイの自動化と監視」です。ステージング環境での運用に慣れたら、本番環境へのデプロイも自動化を検討します。ただし、本番デプロイの完全自動化にはロールバック(問題発生時に前のバージョンに戻す)の仕組みと、デプロイ後のモニタリング(エラー率やレスポンス時間の監視)の整備が前提です。モニタリングツール(Datadog、New Relic、CloudWatchなど)を導入し、リリース後に異常が検知されたら自動でアラートが飛ぶ仕組みを構築してください。ここまで到達すれば、コードの変更からリリースまでが数十分で完了する体制が整います。

なお、CI/CDの導入効果はテストとリリースの頻度が高い開発環境ほど大きくなります。年に数回しかリリースしないシステムでは費用対効果が見合わないこともあるため、導入前にリリース頻度の現状と目標を明確にしておくことが重要です。

GXOの開発環境構築支援

CI/CDパイプラインの構築は、ツール選定だけでなく、既存の開発プロセスとの統合、テスト戦略の設計、チームへの教育まで含めた包括的な取り組みです。GXOは180社以上の支援実績と92%の成功率を持つDX・システム開発のパートナーとして、開発環境の現状分析からCI/CDパイプラインの設計・構築、運用定着までをサポートしています。

「手動リリースに時間がかかりすぎている」「リリース時の人為的ミスをなくしたい」「開発チームの生産性を向上させたい」という方は、お気軽にご相談ください。

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まとめ

CI/CDパイプラインは、コード変更からビルド、テスト、デプロイまでの一連のプロセスを自動化する仕組みです。導入により、リリース頻度の向上、品質の安定化、開発者の生産性向上という3つの効果が得られます。中小企業は、バージョン管理の導入から始め、自動ビルド、自動テスト、ステージング環境への自動デプロイ、本番デプロイの自動化と、5つのステップで段階的に導入を進めることで、確実にリリース速度と品質を両立できます。

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