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ひとり情シスのバックアップ戦略|3方式の選びオンプレ・クラウド・ハイブリッドを比較し最適解を解説

ひとり情シスのバックアップ戦略|3方式の選び

ひとり情シスでも実践できるバックアップ戦略を解説。オンプレミス・クラウド・ハイブリッドの3方式を比較し、コストと復旧時間のバランスから自社に最適な選び方を提示します。

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バックアップは「取っている」だけでは不十分

「バックアップは外付けHDDに取っています」「クラウドに同期しているから大丈夫」——こうした声をよく耳にします。しかし、いざ障害が発生したとき、そのバックアップから本当に復旧できるでしょうか。本記事では、ひとり情シスや少人数のIT担当者でも実践できるバックアップ戦略を解説します。オンプレミス・クラウド・ハイブリッドの3方式を比較し、コストと復旧時間のバランスから自社に最適な選び方を提示します。

中小企業にとってデータ損失は致命的なリスクです。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2024」では、ランサムウェアによる被害が組織向け脅威の1位となっています。ランサムウェアに感染すれば、業務データが暗号化され、身代金を要求されるだけでなく、事業継続そのものが危ぶまれます。バックアップは単なる「保険」ではなく、事業継続のための必須インフラなのです。

バックアップの基本——RTO・RPOを理解する

バックアップ戦略を立てる前に、2つの重要な指標を理解しておく必要があります。それがRTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)とRPO(Recovery Point Objective:目標復旧地点)です。

RTOとは「障害発生から何時間以内に業務を再開できるか」を示す指標です。たとえば「RTO=4時間」と設定した場合、障害発生から4時間以内にシステムを復旧させる必要があります。一方、RPOは「どの時点のデータまで戻せるか」を示します。「RPO=1日」であれば、最悪の場合、障害発生の前日時点までしかデータを復元できないことを意味します。

この2つの指標は、バックアップ方式の選定に直結します。RTOを短くしたければ復旧手順の簡素化や高速なストレージが必要になり、RPOを短くしたければバックアップの頻度を上げる必要があります。いずれもコストとのトレードオフになるため、自社の業務特性に合わせて現実的な目標値を設定することが重要です。

経営層への説明という観点でも、RTO・RPOの数値化は欠かせません。「バックアップは取っています」という曖昧な報告ではなく、「障害発生時は4時間以内に復旧し、最大でも前日の業務終了時点までのデータは保全されます」と具体的に説明できれば、経営層の安心感も格段に高まります。

オンプレミス方式——自社管理の安心感とコスト

オンプレミス方式とは、自社内にバックアップ用のサーバーやストレージを設置し、データを保管する方法です。NAS(ネットワーク接続ストレージ)やテープドライブ、外付けHDDなどが代表的な機器として挙げられます。

この方式の最大のメリットは、データが自社の管理下にあるという安心感です。インターネット回線に依存しないため、大容量データの復旧も比較的高速に行えます。また、月額課金型のクラウドサービスと異なり、初期投資後のランニングコストを抑えられる点も中小企業には魅力的です。

一方で、デメリットも存在します。まず、機器の購入・設置・保守にかかる初期コストと運用負荷があります。ひとり情シスの場合、機器の故障対応やファームウェア更新などを自分で行う必要があり、本来の業務を圧迫しかねません。さらに、火災や地震といった災害時には、本番環境とバックアップ環境が同時に被災するリスクがあります。このリスクを回避するには、遠隔地へのテープ搬送やデータセンター契約が必要となり、結果的にコストが増加します。

オンプレミス方式が向いているのは、インターネット回線が不安定な環境、大容量データを頻繁にバックアップする必要がある業種、または社内にインフラ管理の知見がある企業です。

クラウド方式——手軽さと拡張性の両立

クラウド方式は、AWS、Azure、Google Cloudなどのパブリッククラウドや、バックアップ専用のSaaS(Veeam、Acronis、Arcserveなど)を利用してデータを保管する方法です。近年は中小企業向けの低価格なサービスも増え、導入のハードルは大きく下がっています。

クラウド方式の最大のメリットは、初期投資がほぼ不要で、月額課金型のため予算管理がしやすい点です。機器の購入や保守が不要なため、ひとり情シスでも運用負荷を最小限に抑えられます。また、データセンターが地理的に分散しているため、災害時のリスク分散にも有効です。

Veeamの「2024 Data Protection Trends Report」によると、企業の85%がクラウドを活用したデータ保護戦略を採用または検討しているとされています。クラウドバックアップは、もはや大企業だけの選択肢ではありません。

ただし、注意点もあります。まず、データ量が増えれば月額費用も増加するため、長期的にはオンプレミスより割高になるケースがあります。また、復旧時にはインターネット経由でデータをダウンロードするため、大容量データの復旧には時間がかかります。回線速度によっては、RTOの目標達成が難しくなることもあるでしょう。

さらに、クラウドサービスの選定時には、データの保管場所(リージョン)やセキュリティ認証の有無、サービス提供事業者のSLA(サービスレベル契約)を確認することが重要です。国内にデータセンターがあるか、障害時の補償内容はどうなっているかなど、契約前にしっかり確認しておきましょう。

ハイブリッド方式——現実解としての組み合わせ

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ハイブリッド方式は、オンプレミスとクラウドを組み合わせてバックアップを構成する方法です。たとえば、日次のバックアップはオンプレミスのNASに取得し、週次または月次でクラウドに同期するといった運用が一般的です。

この方式の最大のメリットは、オンプレミスの「高速復旧」とクラウドの「災害対策」を両立できる点です。日常的な障害(ファイルの誤削除、ランサムウェア感染など)にはオンプレミスから高速に復旧し、大規模災害時にはクラウドからデータを取り戻すという使い分けが可能になります。

JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)の調査でも、中堅・中小企業においてハイブリッド型のバックアップ構成を採用する企業が増加傾向にあることが示されています。クラウド単体のリスク(回線依存、コスト増)とオンプレミス単体のリスク(災害被災)を相互に補完できるためです。

ただし、ハイブリッド方式は構成が複雑になりやすく、運用ルールの整備が欠かせません。どのデータをどの頻度でどこにバックアップするのか、復旧時の優先順位はどうするのかなど、事前に設計しておく必要があります。ひとり情シスの場合、外部パートナーの支援を受けながら設計するのが現実的でしょう。

自社に最適な方式を選ぶための判断基準

3つの方式を比較してきましたが、結局のところ「どれが正解か」は企業ごとに異なります。以下の判断基準をもとに、自社に合った方式を選定してください。

まず、予算です。初期投資を抑えたい場合はクラウド方式が有利ですが、データ量が多い場合は長期的なランニングコストを試算してください。5年間のTCO(総所有コスト)で比較すると、オンプレミスのほうが安くなるケースもあります。

次に、RTOとRPOの要件です。復旧時間を最短にしたい場合はオンプレミス方式が有利です。一方、RPOを短くするためにリアルタイム同期が必要であれば、クラウドの自動バックアップ機能が便利です。

さらに、運用体制も重要な判断基準です。ひとり情シスで機器の保守まで手が回らない場合、マネージドサービスとしてのクラウドバックアップは大きな助けになります。

最後に、災害リスクへの対応です。本社が地震や水害のリスクが高い地域にある場合、オンプレミス単体では不十分です。クラウドまたはハイブリッド方式で地理的な冗長性を確保することを検討してください。

今すぐできる5つのアクション

バックアップ戦略の見直しは、今日から始められます。以下の5つのアクションを参考に、自社の現状をチェックしてみてください。

1つ目は、現状の棚卸しです。現在のバックアップ対象、取得頻度、保管場所、復旧手順を一覧表にまとめてください。把握できていない部分があれば、それ自体がリスクです。

2つ目は、復旧テストの実施です。バックアップは「取っている」だけでは意味がありません。実際に復旧できるかどうか、定期的にテストを行ってください。年に1回でも実施するだけで、いざという時の対応力が大きく変わります。

3つ目は、RTO・RPOの設定です。経営層と協議し、業務ごとに目標値を設定してください。数値化することで、バックアップ投資の妥当性を説明しやすくなります。

4つ目は、ランサムウェア対策の強化です。バックアップデータ自体が暗号化されるケースが増えています。オフラインバックアップやイミュータブル(書き換え不可)ストレージの導入を検討してください。

5つ目は、外部パートナーへの相談です。自社だけで判断が難しい場合、インフラ設計の専門家に相談することで、最適な構成を短期間で設計できます。

GXOのインフラ設計支援

バックアップ戦略の見直しや、オンプレミス・クラウドの最適な組み合わせ設計にお悩みであれば、GXOにご相談ください。GXOは180社以上の支援実績を持ち、中小・中堅企業のインフラ設計からクラウド移行、運用保守まで一気通貫で対応しています。

ひとり情シスでも無理なく運用できる構成を、予算と業務要件に合わせてご提案します。まずは現状の課題を整理するところから、伴走型でサポートいたします。

お問い合わせはこちらから。

まとめ

バックアップ戦略は、オンプレミス・クラウド・ハイブリッドの3方式から、自社の予算・RTO/RPO要件・運用体制・災害リスクに応じて選定することが重要です。「取っている」だけでなく「復旧できる」状態を目指し、定期的なテストと運用ルールの整備を進めてください。ひとり情シスでも、適切な設計と外部パートナーの活用により、堅牢なデータ保護体制を構築できます。

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