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A2AとMCPの違い|AIエージェント連携の2大標準を比較Google提唱A2AとAnthropic提唱MCPの役割・仕組み・使い分けをわかりやすく解説

A2AとMCPの違い|AIエージェント連携の2大標準を比較

AIエージェント連携の2大プロトコル「A2A」と「MCP」の違いを比較表で整理。A2Aはエージェント間通信、MCPはツール接続を担う補完関係です。中小企業のDX戦略における使い分けと、今から準備できることを解説します。

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A2AとMCPは「競合」ではなく「補完」——2つのプロトコルの正しい理解

AIエージェント連携の標準規格として注目される「A2A」と「MCP」は、競合する技術ではなく補完関係にあります。MCPはAIとツール・データをつなぐ規格、A2AはAIエージェント同士をつなぐ規格です。本記事では、両者の違いを比較表で整理し、中小企業のDX戦略においてどう使い分けるべきかを解説します。

2025年から2026年にかけて、AIエージェントに関する技術トレンドが急速に動いています。日経クロステックが選出する「ITインフラテクノロジーAWARD 2026」ではMCPがグランプリに選ばれ、審査員の有識者からは「マルチAIエージェントの時代を見据えると、接続の規約そのものが共通基盤になり得る」との見方が示されました。一方、Google社が2025年4月に発表したA2Aも100社を超える企業が支持を表明し、同年6月にはLinux Foundationへ寄贈されています。この2つのプロトコルが、AIエージェント活用の両輪として注目を集めているのです。

MCPとは——AIとツール・データベースをつなぐ「USB-C」

まずMCP(Model Context Protocol)について簡単に振り返ります。MCPは、AI企業のAnthropic社が2024年11月に発表したオープン規格で、AIアプリケーションと外部のツールやデータベースを標準化された方法で接続するためのプロトコルです。

公式ドキュメントでは「AIアプリケーション用のUSB-C」と表現されています。これまでAIと業務システムを連携させるには、システムごとに個別の接続プログラムを開発する必要がありました。MCPはこの「M×N問題」を解消し、共通の接続口でどのAIからでもどのツールにでもアクセスできる仕組みを提供します。2025年12月にはLinux Foundation傘下の「Agentic AI Foundation(AAIF)」に移管され、業界標準としての位置づけが確立されました。

たとえるなら、MCPは「AIが使う道具箱への共通の鍵」です。会計ソフト、CRM、データベースなど、さまざまなツールにAIがアクセスするための統一された入口を提供します。

A2Aとは——AIエージェント同士をつなぐ「共通語」

A2A(Agent2Agent)は、Google社が2025年4月に発表したオープンプロトコルで、異なるベンダーやフレームワークで構築されたAIエージェント同士が通信し、協力してタスクを実行するための規格です。AWS、Microsoft、Salesforce、SAP、ServiceNowなど、100社を超える企業が支持を表明しています。2025年6月にはLinux Foundationに寄贈され、ベンダー中立の標準プロジェクトとして運営されています。

A2Aが解決しようとしている課題は、AIエージェント同士の「分断」です。たとえば、社内の在庫管理エージェント、経理処理エージェント、顧客対応エージェントがそれぞれ独立して動いている場合、現状ではこれらを連携させるには複雑なカスタム開発が必要です。A2Aは、エージェント同士が互いの能力を発見し、安全に情報を交換し、タスクを協調して実行するための「共通語」を提供します。

A2Aの特徴的な仕組みとして「Agent Card」があります。これは各エージェントの名前、機能、対応するデータ形式、認証方法などを記述したメタデータで、他のエージェントがこのカードを読み取ることで「このエージェントは何ができるのか」を自動的に把握できます。いわばエージェントの「名刺」のような役割を果たします。

比較表で見るA2AとMCPの違い

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両者の違いを整理すると、以下のようになります。

MCPの提唱元はAnthropic社で、発表は2024年11月です。対するA2Aの提唱元はGoogle社で、発表は2025年4月です。MCPの目的はAIとツール・データの接続標準化であり、A2Aの目的はAIエージェント間の通信標準化です。MCPの接続対象はデータベース、API、ファイルシステム、クラウドサービスなどの外部ツールですが、A2Aの接続対象は他のAIエージェントです。

通信方式についてはどちらもJSON-RPC 2.0を採用しており、技術的な親和性が高い設計になっています。ガバナンスもどちらもLinux Foundationに寄贈されており、ベンダー中立の業界標準として管理されています。

つまりMCPが「AIが道具を使うためのルール」だとすれば、A2Aは「AI同士が会話するためのルール」です。両者は競合するものではなく、それぞれ異なるレイヤーの課題を解決する補完関係にあります。

具体的なユースケースで理解する「補完関係」

MCPとA2Aがどのように補完し合うのか、具体的なビジネスシーンで考えてみましょう。

ある小売企業の在庫管理を例に取ります。在庫管理エージェントは、MCPを使って自社の商品データベースや在庫管理システムにアクセスし、リアルタイムの在庫状況を把握しています。このエージェントが「商品Aの在庫が基準値を下回った」と検知した場合、A2Aを使って社内の発注エージェントに通知します。発注エージェントはさらにA2Aを通じて、外部サプライヤーのエージェントと通信し、自動的に発注処理を行います。

このように、MCPは「データやツールへのアクセス」を担い、A2Aは「エージェント間の連携・指示」を担うという役割分担が成立します。どちらか一方だけでは、AIエージェントを業務に本格活用することはできません。

別の例として、経理業務を考えてみましょう。請求書処理エージェントがMCPを通じて会計システムから請求データを取得し、入金確認エージェントがMCPで銀行システムの入金情報を確認します。この2つのエージェントがA2Aで連携すれば、「未入金の請求先リストを自動生成し、催促メールの下書きを作成する」といった複合的な業務を自動化できます。

中小企業は今何をすべきか——両プロトコルへの備え方

A2AもMCPも、2026年に本格的な普及が見込まれるフェーズにあります。中小企業として今から備えておくべきポイントを3つ整理します。

1つ目は、まずMCPへの理解を優先することです。MCPはAIとツールの接続という、より基本的なレイヤーの技術です。自社の業務システムをAIと連携させるための第一歩として、MCPの仕組みと自社システムとの接続可能性を把握しておくことが重要です。MCPなしにA2Aだけを導入しても、エージェントが業務データにアクセスできなければ意味がありません。

2つ目は、自社業務を「エージェント化」する候補の洗い出しです。どの業務を独立したAIエージェントとして切り出せるかを考えておくことが、将来のA2A活用につながります。たとえば「見積書作成」「在庫確認」「問い合わせ対応」「月次レポート作成」など、定型的かつ独立性の高い業務はエージェント化の候補になります。

3つ目は、オープン標準に対応したパートナーの選定です。MCPもA2Aも、特定のベンダーに依存しないオープン標準です。だからこそ、特定の製品だけに詳しいパートナーではなく、複数の技術スタックを横断的に扱えるパートナーが必要になります。既存の業務システムへの理解と、最新のAI技術動向の両方に明るいパートナーを選ぶことが、失敗しないマルチエージェント活用の鍵です。

まとめ

A2AとMCPは、AIエージェント時代を支える2つの標準規格です。MCPがAIとツール・データをつなぐ「USB-C」であるのに対し、A2AはAIエージェント同士をつなぐ「共通語」として機能します。両者は競合ではなく補完関係にあり、本格的なAIエージェント活用には双方の理解が欠かせません。まずはMCPによるツール接続の基盤づくりから着手し、その上でA2Aによるエージェント間連携を視野に入れるのが現実的なステップです。

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