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システム保守契約の適正価格と見直しチェックポイントシステム保守契約の費用構造と、契約見直し時に確認すべきポイントを解説

システム保守契約の適正価格と見直しチェックポイント

システム保守契約の適正価格はいくらか。費用相場の目安(開発費の10〜20%)、費用構造の内訳、契約見直し時の10項目チェックリスト、適正稼働率による費用対効果の検証方法まで、IT担当者が実務で使える情報を解説します。

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「開発費の15%」は本当に適正か

システム保守費用の相場は「初期開発費の15%程度」と言われることが多くあります。たとえば、1,000万円で構築したシステムであれば、年間の保守費用は約150万円、月額にすると約12.5万円という計算です。しかし、この「15%」という数字はあくまで業界の目安であり、システムの規模、複雑さ、保守の対象範囲、対応時間帯などによって大きく変動します。実際には開発費の10%で済む場合もあれば、20%を超える場合もあります。

本記事では、システム保守契約の費用構造を分解して理解し、契約更新時や見直し時に確認すべきチェックポイントを解説します。「今の保守費用が高いのか安いのかわからない」「契約内容を精査する方法を知りたい」というIT担当者や経営者に、判断材料を提供します。

システム保守費用の構造を理解する

保守費用の適正性を判断するには、まず費用の構造を理解する必要があります。システム保守費用は、大きく分けて4つの要素で構成されています。

1つ目の要素は「人件費」です。保守業務を担当するエンジニアの人件費であり、保守費用の中で最も大きな割合を占めます。担当エンジニアのスキルレベル(初級・中級・上級)、対応する時間帯(営業時間内のみか、24時間対応か)、専任か共有かによって金額が変わります。中小規模のシステムであれば、保守要員1人月あたり10〜30万円程度が一般的な水準です。

2つ目の要素は「インフラ維持費」です。サーバー、ネットワーク機器、セキュリティ製品などのハードウェア保守費用や、クラウドサービスの利用料がこれに該当します。オンプレミス環境ではハードウェアの保証延長費用やリプレイス積立が含まれ、クラウド環境ではインスタンスの稼働費用やストレージ費用が該当します。

3つ目の要素は「ライセンス費用」です。OS、ミドルウェア、データベース、セキュリティソフトなどのソフトウェアライセンスの年間保守費用です。ベンダーが設定するライセンス保守料は、ライセンス購入価格の15〜25%程度が一般的です。

4つ目の要素は「管理・運用費」です。保守報告書の作成、定期点検の実施、バックアップの確認、ログの監視と分析など、日常的な管理業務にかかる費用です。これらの業務の頻度と工数によって費用が変動します。

保守契約の見積もりを受け取った際、この4つの要素がそれぞれいくらかが明示されているかをまず確認してください。「保守費用一式○○万円」のように内訳が示されていない見積もりは、各要素の妥当性を判断できないため、内訳の開示を求めることが重要です。

保守契約の3つの料金体系

保守契約の料金体系は大きく3つに分類されます。自社のシステムの特性に合った料金体系を選ぶことが、コスト最適化の第一歩です。

第一の料金体系は「定額制(月額固定)」です。毎月一定の金額を支払い、契約で定められた範囲の保守業務を提供してもらう方式です。予算が立てやすく、安定した保守体制を維持できるメリットがある一方、実際の保守対応が少ない月でも同額を支払う必要があるため、システムが安定稼働している場合にはコストが割高になる可能性があります。

第二の料金体系は「従量制(時間単価×稼働時間)」です。実際に保守対応に要した時間に応じて費用を支払う方式です。保守対応が少ない月はコストを抑えられるメリットがありますが、障害が頻発した月には想定外の費用が発生するリスクがあります。月額の上限を設定する「キャップ付き従量制」を提案してくれるベンダーもあります。

第三の料金体系は「チケット制(回数制)」です。あらかじめ一定数の対応チケット(例:月10チケット)を購入し、保守対応1件につき1チケットを消費する方式です。対応件数が予測しやすい場合に適しており、未消費チケットの繰り越し可否や追加チケットの単価を事前に確認しておくことが重要です。

保守契約見直し10項目チェックリスト

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契約更新時期が近づいたら、以下の10項目のチェックリストに沿って現在の保守契約を見直してください。

チェック1は「保守対象の範囲は明確か」です。ハードウェアの保守、ソフトウェアの保守、ネットワークの保守——それぞれの対象範囲が契約書に明記されているかを確認してください。「当然含まれていると思っていた作業が対象外だった」というトラブルは、範囲の曖昧さが原因です。

チェック2は「対応時間帯と対応方法は適切か」です。営業時間内対応(9:00〜18:00)か、24時間365日対応か。リモート対応のみか、オンサイト(現地訪問)対応も含むか。自社のシステムの重要度に対して過剰な対応体制になっていないか、逆に不十分ではないかを確認してください。基幹系システムでなければ、営業時間内のリモート対応で十分なケースが多くあります。

チェック3は「障害対応のSLA(サービスレベル合意)は定義されているか」です。障害の重要度(クリティカル・メジャー・マイナー)ごとに、初期応答時間と復旧目標時間が定義されているかを確認してください。SLAが未定義の場合、障害発生時に「いつまでに対応してもらえるか」の保証がないことになります。

チェック4は「保守費用の内訳は透明か」です。前述の4つの費用要素(人件費、インフラ維持費、ライセンス費用、管理・運用費)がそれぞれ明示されているかを確認してください。内訳が不透明な一括見積もりは、個々の項目の妥当性を検証できません。

チェック5は「前年の保守対応実績と費用のバランスは取れているか」です。保守費用の費用対効果を検証するには、「適正稼働率」の考え方が有効です。具体的には、「保守時間達成率(実績時間÷見積時間)」を算出し、見積もり時間に対して実際の稼働がどの程度だったかを確認します。たとえば、月20時間の保守工数で契約しているが、実績が月10時間であれば、保守時間達成率は50%であり、契約内容の見直し余地があります。

チェック6は「不要な保守項目が含まれていないか」です。導入当初は必要だった保守項目が、システムの安定化やクラウド移行によって不要になっているケースがあります。たとえば、ハードウェアの保守が含まれているが、既にクラウドに移行済みであれば、その項目は削除できます。

チェック7は「ライセンス保守料の計算根拠は最新か」です。利用していないモジュールや、ユーザー数が減ったにもかかわらず当初の契約のままになっているライセンスがないかを確認してください。ライセンスの棚卸しは、保守費用の削減に直結します。

チェック8は「契約の自動更新条項と解約条件はどうなっているか」です。多くの保守契約には自動更新条項が含まれています。更新拒否の通知期限(契約満了の1〜3か月前が一般的)を見落とすと、見直しの機会を失います。契約更新カレンダーを作成し、通知期限を管理してください。

チェック9は「追加費用の発生条件は明確か」です。保守契約の対象外となる作業(仕様変更、機能追加、データ移行など)が明確に定義されているか、追加費用が発生する場合の単価や見積もりプロセスが合意されているかを確認してください。

チェック10は「他社との相見積もりを取っているか」です。保守契約の見直し時に最も効果的なのは、複数のベンダーから見積もりを取ることです。2〜3社から同一条件で見積もりを取得することで、現在の契約の価格水準が適正かどうかを客観的に判断できます。開発ベンダーと保守ベンダーは必ずしも同一である必要はなく、保守専門のベンダーに切り替えることでコストが削減できるケースもあります。

費用対効果の検証方法

保守費用が適正かどうかを継続的に検証するには、4つの指標を定期的に計測することが有効です。「保守時間達成率(実績時間÷見積時間)」は、保守契約の工数設定が適切かどうかを示します。「即答率(即答件数÷相談件数)」は、相談に対して迅速な回答が得られているかを示します。「引受率(引受件数÷相談件数)」は、依頼した作業がどの程度引き受けてもらえているかを示します。「納期達成率(納期達成件数÷引受件数)」は、合意した期限内に作業が完了しているかを示します。これらの指標を四半期ごとに集計し、保守ベンダーとの定例会議で共有・レビューすることで、保守サービスの品質と費用のバランスを客観的に管理できます。

まとめ

システム保守契約の適正価格は「開発費の15%」という一律の数字ではなく、保守の対象範囲、対応体制、SLA、ライセンス構成など複数の要素によって決まります。本記事で紹介した10項目のチェックリストと4つの費用対効果指標を活用し、次回の契約更新時にはデータに基づいた見直しを行ってください。

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