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シャドーIT対策|ひとり情シスが今日からできる発見と管理法従業員の無断クラウド利用リスクを減らす実践ガイド

シャドーIT対策|ひとり情シスが今日からできる発見と管理法

従業員が無断で利用するSaaSやクラウドサービス「シャドーIT」のリスクと発見方法を解説。ひとり情シスでも実践できる対策と、情報漏えい・コンプライアンス違反を防ぐ管理体制の作り方を紹介します。

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シャドーITとは?放置すれば情報漏えいにつながるリスク

「うちの会社では、従業員が勝手にクラウドサービスを使っているかもしれない」——そんな不安を抱えるIT担当者は少なくありません。シャドーITとは、会社が正式に許可していないIT機器やクラウドサービスを従業員が業務で利用することを指します。本記事では、シャドーITが引き起こすリスクと、ひとり情シスでも実践できる発見・管理の方法を具体的に解説します。現状把握から対策の優先順位付けまで、今日から取り組めるアクションをお伝えします。

シャドーITは、決して悪意から生まれるものではありません。むしろ、業務効率を上げたい、便利なツールを使いたいという従業員の前向きな動機から発生することがほとんどです。しかし、その善意が企業にとって深刻なセキュリティリスクになり得ることを、多くの従業員は認識していません。

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2024」によると、「内部不正による情報漏えい」が組織向け脅威の上位にランクインしています。シャドーITは意図的な内部不正ではないものの、管理されていないサービスを通じて機密情報が外部に流出するリスクは、内部不正と同等以上に深刻です。ある調査では、企業が把握しているSaaS数の平均が約80個であるのに対し、実際に利用されているSaaS数は900個以上にのぼるという結果も報告されています。つまり、IT部門が認識している10倍以上のサービスが、知らないうちに社内で使われている可能性があるのです。

シャドーITが発生する背景と典型的なパターン

シャドーITが広がる背景には、企業のIT環境と従業員のニーズとのギャップがあります。正式なツール導入に時間がかかる、申請手続きが煩雑、既存システムが使いにくい——こうした不満が、従業員を「勝手に便利なツールを使う」方向へ向かわせます。

典型的なシャドーITのパターンとして、まずファイル共有サービスの無断利用が挙げられます。社内のファイルサーバーでは容量が足りない、外部とのやり取りが面倒という理由で、個人アカウントのクラウドストレージに業務ファイルをアップロードするケースです。この場合、退職後もファイルにアクセスできてしまう、アカウントが乗っ取られた場合に機密情報が漏えいするといったリスクが生じます。

次に多いのが、コミュニケーションツールの私的利用です。取引先とのやり取りに個人のLINEやMessengerを使う、プロジェクトチームで非公式のSlackワークスペースを作るといったケースがこれに該当します。業務に関する会話が会社の管理下から離れることで、情報漏えいだけでなく、退職者とのトラブル時に証拠が残らないといった問題も発生します。

さらに、業務効率化ツールの独自導入も増えています。タスク管理、スケジュール共有、翻訳、文字起こしなど、便利なSaaSは数えきれないほど存在します。総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、中小企業のクラウドサービス利用率は年々上昇しており、それに伴ってシャドーITのリスクも高まっています。特に最近は、生成AIサービスへの機密情報入力が新たなリスクとして注目されています。ChatGPTなどに顧客情報や社内資料を入力することで、意図せず情報が外部サーバーに保存されてしまう可能性があるのです。

シャドーITがもたらす具体的なリスク

シャドーITのリスクは、大きく3つの観点から整理できます。情報セキュリティリスク、コンプライアンスリスク、そして業務継続リスクです。

情報セキュリティリスクとして最も深刻なのは、データ漏えいです。管理されていないクラウドサービスでは、アクセス権限の設定ミスやセキュリティ設定の甘さから、第三者がデータにアクセスできる状態になっているケースがあります。また、サービス提供者のセキュリティ対策が不十分な場合、サイバー攻撃によってデータが流出するリスクもあります。2023年に発生した大手企業の情報漏えい事案では、従業員が利用していた無許可のクラウドサービスが攻撃対象となり、数万件の顧客情報が流出しました。

コンプライアンスリスクも見逃せません。個人情報保護法や各種業界規制では、データの取り扱いについて厳格なルールが定められています。海外のクラウドサービスを利用した場合、データが国外に保存されることで、法令違反となる可能性があります。また、金融機関や医療機関など、特定の規制を受ける業種では、監督官庁からの指導や罰則の対象となることもあります。

業務継続リスクも軽視できません。シャドーITで利用しているサービスが突然終了したり、利用していた従業員が退職したりした場合、業務に必要なデータやプロセスが失われる可能性があります。ガートナーの調査によると、シャドーIT経由で発生したセキュリティインシデントの復旧コストは、正規システムでのインシデントと比較して平均3倍以上になるという結果が出ています。発見が遅れ、影響範囲の特定が困難になるためです。

ひとり情シスでもできるシャドーIT発見の方法

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限られたリソースの中でシャドーITを発見するには、効率的なアプローチが必要です。ここでは、ひとり情シスでも実践できる発見方法を、難易度別にご紹介します。

まず取り組みやすいのが、経費精算データの確認です。従業員がSaaSの有料プランを利用している場合、経費として申請されていることがあります。経理部門と連携し、「ソフトウェア」「クラウドサービス」「サブスクリプション」といった科目の支払い先をリストアップするだけでも、把握していないサービスが見つかる可能性があります。

次に有効なのが、ネットワークトラフィックの分析です。ファイアウォールやプロキシサーバーのログを確認し、社内からアクセスしているWebサービスを洗い出します。アクセス頻度が高いにもかかわらず、IT部門が把握していないサービスがあれば、シャドーITの可能性があります。UTM(統合脅威管理)機器を導入している場合は、アプリケーション識別機能を使うとより詳細に把握できます。

従業員へのヒアリングも重要です。ただし、「勝手に使っているサービスを報告せよ」という姿勢では、正直な回答は得られません。「業務を効率化するために使っているツールがあれば教えてください」「便利だけど公式に導入されていないサービスはありますか」といった、協力を求める形でアプローチすることが大切です。部門ごとに業務内容に詳しい担当者を通じてヒアリングを行うと、より実態に近い情報が集まります。

より本格的に取り組む場合は、CASB(Cloud Access Security Broker)の導入を検討することも一つの選択肢です。CASBは、クラウドサービスへのアクセスを可視化・制御するためのツールで、シャドーITの発見から利用制御まで一元的に管理できます。導入コストはかかりますが、継続的な監視と対策が可能になります。

発見後の対応と管理体制の構築

シャドーITを発見したら、次は適切に対応する段階です。ここで重要なのは、頭ごなしに禁止するのではなく、利用実態を把握したうえで合理的な判断を行うことです。

発見したサービスについては、まずリスク評価を行います。具体的には、どのようなデータがそのサービスに保存されているか、サービス提供者のセキュリティ対策は十分か、利用規約に問題はないか、代替となる公式サービスはあるかといった観点で確認します。リスクが低く業務に必要なサービスであれば、正式に利用を許可することも選択肢です。一方、リスクが高いサービスについては、代替手段を提示したうえで利用停止を求めます。

管理体制の構築では、ルールの整備と周知が基本となります。「クラウドサービス利用ガイドライン」のような形で、利用申請のプロセス、許可基準、禁止事項を明文化します。ただし、ルールを厳しくしすぎると、従業員は抜け道を探すようになり、かえってシャドーITが増える結果になりかねません。業務効率を損なわない範囲で、現実的なルール設計を心がけることが大切です。

定期的な棚卸しも欠かせません。四半期に1回程度、利用中のクラウドサービスを洗い出し、新たなシャドーITが発生していないか確認します。従業員向けにセキュリティ教育を実施し、シャドーITのリスクと正しい申請手順を周知することも、長期的な対策として有効です。

今すぐ御社で実践できる5つのアクション

シャドーIT対策は、一朝一夕に完了するものではありません。しかし、今日からでも始められるアクションがあります。以下の5つのステップを、できるところから実践してみてください。

第一に、経費精算データを過去3か月分確認し、IT部門が把握していないサービスへの支払いがないか調べてください。意外なところでシャドーITが見つかることがあります。

第二に、各部門の業務責任者に「普段の業務で使っているクラウドサービス」をリストアップしてもらいましょう。禁止ではなく把握が目的であることを明確に伝え、協力を得やすい雰囲気を作ることがポイントです。

第三に、発見したサービスのリスク評価を行い、優先順位をつけてください。すべてを一度に対処しようとせず、リスクの高いものから順に対応していくことが現実的です。

第四に、シンプルなクラウドサービス利用申請フローを整備しましょう。申請のハードルが高すぎると、従業員は面倒を避けてシャドーITに走ります。承認まで1週間以内を目安に、迅速に対応できる体制を目指してください。

第五に、全従業員向けにシャドーITのリスクを周知する機会を設けましょう。全社メールや社内ポータルでの告知、部門会議での説明など、方法は問いません。「なぜ管理が必要なのか」を理解してもらうことが、根本的な対策につながります。

まとめ

シャドーITは、現代のビジネス環境において避けて通れない課題です。クラウドサービスの利便性が高まるほど、従業員が独自に導入するリスクも高まります。しかし、適切な発見・管理の仕組みを構築すれば、リスクを最小限に抑えながら、クラウドの恩恵を享受することは十分に可能です。

本記事でご紹介した方法は、ひとり情シスや少人数のIT担当者でも実践できるものばかりです。まずは現状把握から始め、できるところから対策を進めていきましょう。

GXOでは、180社以上の中小・中堅企業のセキュリティ対策を支援してきた実績があります。シャドーITの発見・管理体制の構築から、SaaS利用状況の可視化、セキュリティポリシーの策定まで、お客様の状況に合わせた支援が可能です。「何から手をつければいいかわからない」「専門知識がなくて不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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