印刷コスト削減はひとり情シスの「すぐ効く」施策
社内の印刷コストは、複合機の契約見直し・印刷ルール整備・ペーパーレス推進の3つを組み合わせることで、大がかりなシステム投資なしに削減できます。本記事では、ひとり情シスが中小企業で実践できるプリンター管理のコスト最適化手法を解説します。
オフィスの印刷コストは、用紙代やトナー代だけでなく、複合機のリース料、保守契約費、カウンター料金(印刷1枚あたりの課金)、さらには印刷に伴う人件費まで含めると、多くの企業が想定しているよりも大きな金額になっています。中小企業基盤整備機構が2024年に実施した「中小企業のDX推進に関する調査」では、DXの具体的な取り組みとして「文書の電子化・ペーパーレス化」が57.6%と最も高い割合を示しました。多くの企業がペーパーレス化の必要性を認識している一方で、実際の推進は進んでいないという実態があります。
印刷コスト削減がひとり情シスにとって有効な施策である理由は3つあります。まず、効果が目に見える形で数値化しやすいこと。次に、高額なシステム投資を必要としないこと。そして、経営層への説明がしやすく、成功体験を通じて次のIT最適化施策への足がかりになることです。
複合機契約を見直す3つのチェックポイント

印刷コスト削減の第一歩は、現在の複合機契約の内容を正確に把握することから始まります。多くの中小企業では、複合機の導入時に販売代理店から提案されたプランをそのまま継続利用しているケースが少なくありません。契約から5年以上経過している場合、現在の印刷量や業務スタイルに合わなくなっている可能性が高いです。
チェックすべき第一のポイントは、カウンター料金の単価です。カウンター料金とは、モノクロ・カラーそれぞれの印刷1枚あたりに発生する課金のことで、複合機のランニングコストの大部分を占めます。モノクロ1枚あたり1〜3円、カラー1枚あたり8〜25円程度が一般的な相場ですが、契約内容や印刷ボリュームによって大きく異なります。現在の月間印刷枚数とカウンター料金を掛け合わせて月額コストを算出し、他社の見積もりと比較してみましょう。
第二のポイントは、リース契約の残存期間と更新条件です。複合機のリース期間は通常5〜7年で設定されますが、契約満了後に自動更新されて割高な再リース料金を支払い続けているケースもあります。契約書を確認し、残存期間と更新条件を把握した上で、リース満了のタイミングに合わせて複数社から見積もりを取得することが重要です。
第三のポイントは、複合機の台数と設置場所の適正性です。部署ごとに1台ずつ設置されていた複合機を、フロアに1〜2台に集約するだけで、リース料と保守費用を大幅に削減できます。ただし、集約しすぎると社員の移動距離が増えて業務効率が下がるため、フロアの広さや利用頻度を考慮した適正配置が求められます。
印刷ルール整備で「無意識のムダ」を減らす
複合機の契約を見直しても、社員の印刷行動が変わらなければコスト削減効果は限定的です。ここでは、社員に過度な負担をかけずに印刷量を自然に減らすためのルール整備について解説します。
最も即効性が高いのは、プリンターのデフォルト設定を見直すことです。両面印刷とモノクロ印刷を標準設定にするだけで、用紙使用量とカラートナーの消費を大きく抑えられます。カラー印刷は「必要な場合のみ手動で切り替える」運用にすれば、無意識のカラー印刷を防げます。この設定変更はひとり情シスがプリンタードライバーのグループポリシーで一括適用できるため、社員に個別対応を求める必要がありません。
次に効果的なのは、印刷前のプレビュー確認を習慣化させることです。レイアウト崩れや不要ページの印刷ミスは、日常的に発生する「目に見えにくいムダ」です。社内の掲示やメールで定期的に啓発するだけでも、一定の効果が期待できます。
さらに一歩進んだ施策として、部署別・個人別の印刷枚数を可視化する方法があります。多くの業務用複合機には印刷ログの取得機能が搭載されており、月単位で部署ごとの印刷枚数を集計できます。「どの部署がどれだけ印刷しているか」を可視化するだけで、各部署の自主的なコスト意識が高まります。印刷枚数の上限を厳密に設定するよりも、可視化による意識改革の方が長続きする傾向にあります。
ペーパーレス推進を段階的に進める方法
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ペーパーレス化は一度にすべての書類を電子化しようとすると、現場の抵抗が大きくなり失敗しやすくなります。成功のポイントは、効果が出やすい領域から段階的に取り組むことです。
第1段階として取り組みやすいのが、会議資料のペーパーレス化です。会議のたびに人数分の資料を印刷する運用は、多くの企業で印刷コストの大きな割合を占めています。資料をクラウドストレージやファイルサーバーに格納し、各自のPCやタブレットで閲覧する運用に切り替えるだけで、印刷枚数を大幅に減らせます。プロジェクターや大型モニターを活用すれば、手元に紙がなくても議論は十分に成立します。
第2段階は、社内申請・稟議のワークフロー電子化です。稟議書や経費精算書をクラウド型ワークフローシステムに移行すると、紙の回覧・押印にかかる時間と印刷コストを同時に削減できます。改正電子帳簿保存法やインボイス制度への対応も視野に入れると、経理関連書類の電子化は法的な面からも進めておくべき領域です。
第3段階は、契約書・見積書などの外部向け書類の電子化です。電子契約サービスを導入すれば、印刷・郵送・保管にかかるコストを削減しつつ、契約締結のリードタイムも短縮できます。ただし、取引先との合意が必要な領域であるため、自社だけの判断で進められない点に留意しましょう。
御社の印刷コストを削減する5つのアクション
ここまでの内容を踏まえ、明日から着手できるアクションを整理します。
第一に、現在の複合機契約書を取り出し、カウンター料金の単価、月間印刷枚数、リース残存期間を確認することです。これだけで、自社の印刷コストの全体像が見えてきます。
第二に、複合機のデフォルト設定をモノクロ・両面印刷に変更することです。設定変更にかかる時間は数十分程度ですが、年間を通じた削減効果は大きくなります。
第三に、直近3か月間の部署別印刷枚数を集計し、可視化することです。複合機の管理画面やカウンターレポートから取得できるデータを、簡単な表にまとめるだけで十分です。
第四に、会議資料のペーパーレス化を1つの部署から試験的に始めることです。いきなり全社展開するのではなく、協力的な部署から始めて成功事例を作る方が、その後の展開がスムーズに進みます。
第五に、リース契約の更新タイミングが近い場合は、複数社から見積もりを取得し比較検討することです。現在の契約条件が最適とは限らないため、定期的な見直しがコスト削減の基本です。
印刷コストの最適化は、ひとり情シスが経営層に対してIT部門の存在価値を示すための有効な取り組みでもあります。GXOでは、180社以上の支援実績と92%の成功率を活かし、印刷環境の最適化からペーパーレス推進、業務フロー全体のIT最適化まで一気通貫でサポートしています。コスト削減の第一歩として、ぜひご相談ください。
よくある質問

Q. 印刷コスト削減はどの程度の効果が見込めますか?
効果は企業の印刷量と現在の契約条件によって異なりますが、複合機契約の見直しと印刷ルールの整備を組み合わせることで、月間印刷コストの20〜30%程度を削減できるケースが一般的です。ペーパーレス化まで含めると、さらに大きな削減が期待できます。
Q. ペーパーレス化に社員が抵抗する場合はどうすればよいですか?
全社一斉ではなく、段階的に進めるのが鍵です。まずは会議資料など効果が分かりやすい領域から始め、成功体験を社内に共有することで理解を広げていきましょう。ITリテラシーに不安がある社員には、操作方法の簡易マニュアルを用意するだけでもハードルが下がります。
Q. 複合機のリース契約中でもコスト削減はできますか?
リース期間中でも、カウンター料金の交渉やデフォルト設定の見直し、印刷ルールの整備など、契約変更なしで実行できる施策は多数あります。印刷枚数の削減はそのままカウンター料金の支払い総額の削減につながるため、リース契約の途中でも十分に効果を得られます。
まとめ
社内の印刷コスト削減は、複合機契約の見直し、印刷ルールの整備、ペーパーレスの段階的推進という3つのステップで実現できます。いずれも高額なシステム投資を必要とせず、ひとり情シスでも着手しやすい施策です。
まずは複合機の契約内容と月間印刷枚数の把握から始めましょう。印刷環境の最適化やペーパーレス推進の支援が必要な場合は、180社以上の実績を持つGXOにお気軽にご相談ください。
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