品質管理📖 1分で読了

オフショア開発のテスト工程管理|QA体制の作り方ベトナムオフショア開発でテスト品質を確保するためのQA体制構築とテスト計画の実践ガイド

オフショア開発のテスト工程管理|QA体制の作り方

オフショア開発でテスト品質を担保するQA体制の作り方を解説。テスト計画の立て方、日越チームの役割分担、テスト工程チェックリスト、よくある品質トラブルと対策まで実践的に紹介します。

💡 今すぐ相談したい方へ|30分の無料相談で現状整理をお手伝いします

相談してみる

オフショア開発の品質課題は「テスト工程の設計」で8割解決できる

オフショア開発でよく聞かれる不満の1つが「テストが甘い」「本番環境でバグが頻発する」という品質の問題です。しかし、これはベトナムをはじめとする海外エンジニアの技術力が低いからではありません。多くの場合、テスト工程の設計と管理体制が不十分なまま開発を進めてしまったことが原因です。本記事では、オフショア開発でテスト品質を確保するためのQA(品質保証)体制の作り方、テスト計画の立て方、日本側とベトナム側の役割分担、そしてすぐに使えるテスト工程チェックリストを解説します。「テストは開発者に任せている」という状態から脱却し、品質を仕組みで担保する方法をお伝えします。

なぜオフショア開発ではテスト品質が課題になるのか

オフショア開発でテスト品質が低下しやすい背景には、国内開発とは異なる3つの構造的な要因があります。

1つ目は「テストの前提条件が共有されていない」ことです。日本のIT担当者が「正常に動作すること」と指示した場合、その「正常」の定義は人によって異なります。国内開発であれば、日本の商習慣や業務フローの知識が暗黙的に共有されているため、大きなずれは生じにくいです。しかし、海外チームにはその暗黙知がありません。たとえば「金額入力欄」のテストでは、日本企業では「税込表示」「3桁カンマ区切り」「マイナス入力不可」といった仕様が暗黙的に期待されますが、これらを明示しなければテスト対象から漏れてしまいます。

2つ目は「開発者がテストも兼任している」ことです。コスト削減を重視するあまり、専任のQA担当者を配置せず、開発者自身にテストを任せるケースが少なくありません。自分で書いたコードを自分でテストする場合、無意識に「正しく動くはず」という前提で確認してしまい、エッジケース(境界値や例外的な入力パターン)の検証が甘くなります。GXOの支援現場でも、QA担当者を別途配置したプロジェクトと、開発者がテストを兼任したプロジェクトでは、リリース後のバグ発生件数に大きな差が出ています。

3つ目は「テスト計画が存在しない、または形骸化している」ことです。テスト計画書を作成せずに「一通り動作確認してください」という指示だけでテスト工程に入るケースがあります。この場合、何をテストしたのか、何をテストしていないのかが不明確なまま納品されるため、日本側の受入テストで大量のバグが発覚し、手戻りが発生します。オフショア開発白書(2024年版)でも、品質に関する課題はコスト・納期と並んでオフショア開発の3大課題として挙げられています。

QA体制の基本設計——4つの役割と日越の分担

オフショア開発でテスト品質を担保するためには、以下の4つの役割を明確に定義し、日本側とベトナム側で分担する体制を構築する必要があります。

1つ目の役割は「テスト計画者」です。テスト全体の方針、テスト範囲、スケジュール、合格基準を策定する役割です。この役割は日本側のプロジェクトマネージャーまたはIT担当者が担うことを推奨します。テスト計画には業務知識が不可欠であり、日本の商習慣や業界特有の要件を理解している日本側が主導することで、「何をテストすべきか」の抜け漏れを防止できます。

2つ目の役割は「テストケース作成者」です。テスト計画に基づいて、具体的なテストケース(入力値、操作手順、期待結果の組み合わせ)を作成する役割です。この役割はベトナム側のブリッジSEまたはシニアエンジニアが適任です。テストケースの作成には技術的な知識が必要であり、システムの内部構造を理解しているベトナム側が効率的に作成できます。ただし、作成されたテストケースは必ず日本側がレビューし、業務観点での抜け漏れがないかを確認してください。

3つ目の役割は「テスト実行者(QA担当者)」です。テストケースに沿って実際にテストを実行し、結果を記録する役割です。この役割は開発者とは別のQA専任担当者をベトナム側に配置することを強く推奨します。開発者とQA担当者を分離することで、「自分のコードは正しい」というバイアスを排除し、客観的なテストが可能になります。GXOのベトナム開発拠点では、開発チームとは独立したQAチームを設置し、すべてのプロジェクトで開発者以外の目によるテストを実施しています。

4つ目の役割は「受入テスト実施者」です。ベトナム側のテストが完了した成果物に対して、最終的な品質確認を行う役割です。この役割は日本側のIT担当者または業務部門の担当者が担います。受入テストでは、技術的な動作確認だけでなく、「実際の業務フローに沿って操作した場合に問題がないか」を業務視点で検証します。

テスト計画の立て方——5つのステップ

ここまで読んで
「うちも同じだ」と思った方へ

課題は企業ごとに異なります。30分の無料相談で、
御社のボトルネックを一緒に整理しませんか?

無料で相談してみる

営業電話なし オンライン対応可 相談だけでもOK

テスト計画は、以下の5つのステップで策定します。

ステップ1は「テスト範囲の定義」です。今回のテスト対象となる機能を一覧化し、テスト対象に含める機能と含めない機能を明確に区分します。新規開発の機能だけでなく、既存機能への影響範囲(回帰テストの対象)も明記してください。テスト範囲が曖昧なまま進めると、「この機能はテスト対象外だと思っていた」という認識齟齬が発生します。

ステップ2は「テスト種別の決定」です。単体テスト(個々の機能の動作確認)、結合テスト(複数の機能の連携確認)、システムテスト(全体としての動作確認)、受入テスト(業務視点での最終確認)のどこまでをベトナム側に依頼し、どこから日本側が実施するかを決めます。一般的には、単体テストと結合テストをベトナム側、システムテストと受入テストを日本側が実施する分担が多いですが、プロジェクトの規模や複雑さに応じて調整してください。

ステップ3は「合格基準の設定」です。テストの合否を判定する基準を数値で定義します。たとえば、「重大バグ(システムが停止する、データが破損する)がゼロであること」「中程度のバグ(表示崩れ、操作性の問題)が5件以内であること」「軽微なバグ(誤字脱字、色味の微調整)は次回リリースで対応可」のように、バグの深刻度に応じた合格ラインを設定します。

ステップ4は「スケジュールの策定」です。テスト工程に十分な期間を確保してください。開発期間の20〜30%をテスト工程に充てるのが目安です。たとえば、開発期間が3か月であれば、テスト工程に3〜4週間を確保します。テスト期間が短すぎると、バグの修正と再テストのサイクルが回らず、品質が確保できないままリリースすることになります。

ステップ5は「テスト環境の準備」です。本番環境とは別にテスト環境を用意し、テストデータを準備します。テスト環境が本番環境と異なる構成になっている場合、「テスト環境では動いたが本番では動かない」という事態が発生します。可能な限り本番環境と同じ構成のテスト環境を構築してください。

テスト工程チェックリスト——15項目

オフショア開発のテスト工程で確認すべき15項目を整理します。プロジェクト開始時にこのチェックリストをベンダーと共有し、各項目の対応状況を確認してください。

テスト計画フェーズでは、5つの項目を確認します。項目1は「テスト対象機能の一覧が作成されているか」です。項目2は「テスト種別(単体・結合・システム・受入)ごとの実施者が決まっているか」です。項目3は「合格基準がバグ深刻度別に定義されているか」です。項目4は「テストスケジュールが開発期間の20〜30%確保されているか」です。項目5は「テスト環境が本番と同等の構成で準備されているか」です。

テストケース作成フェーズでは、4つの項目を確認します。項目6は「正常系のテストケースが網羅されているか」です。項目7は「異常系(エラー入力、権限なしアクセス等)のテストケースが含まれているか」です。項目8は「境界値テスト(最大値、最小値、空欄)が含まれているか」です。項目9は「日本側がテストケースをレビューし、業務観点の抜け漏れを確認したか」です。

テスト実行フェーズでは、3つの項目を確認します。項目10は「テスト実行者が開発者とは別の担当者であるか」です。項目11は「テスト結果(合格、不合格、未実施)が記録されているか」です。項目12は「発見されたバグに深刻度と再現手順が記載されているか」です。

テスト完了・受入フェーズでは、3つの項目を確認します。項目13は「合格基準を満たしていることが確認できるか」です。項目14は「日本側の受入テストが業務フローに沿って実施されたか」です。項目15は「未修正のバグ一覧と対応方針(次回リリースで対応等)が合意されているか」です。

まとめ

オフショア開発のテスト品質は、QA体制の設計とテスト計画の策定で大きく改善できます。開発者とQA担当者を分離すること、テスト計画を日本側が主導して策定すること、テストケースの作成をベトナム側に任せつつ日本側がレビューすること、そして15項目のチェックリストでテスト工程の抜け漏れを防ぐことが重要です。テスト工程には開発期間の20〜30%を確保し、「テストにかける時間はコスト」ではなく「手戻りを防ぐ投資」として位置づけてください。

「オフショア開発のQA体制を構築したい」「テスト品質を改善したい」という方は、180社以上の支援実績を持つGXOにお気軽にご相談ください。GXOのベトナム開発拠点では、開発チームとは独立したQAチームを配置し、品質を仕組みで担保する体制を提供しています。

👉 無料相談はこちら

「やりたいこと」はあるのに、
進め方がわからない?

DX・AI導入でつまずくポイントは企業ごとに異なります。
30分の無料相談で、御社の現状を整理し、最適な進め方を一緒に考えます。

無料で相談してみる

営業電話なし オンライン対応可 相談だけでもOK