VoIP電話に致命的な脆弱性──通話が盗聴される深刻なリスク

セキュリティ企業のRapid7が、Grandstream製VoIP電話に致命的な脆弱性(CVE-2026-2329、CVSS 9.3)を発見しました。この脆弱性を悪用されると、認証なしで通話の盗聴や認証情報の窃取が可能になります。中小企業やホテル、コールセンターで広く使われている機器だけに、早急な対応が求められます。
脆弱性の詳細と影響範囲
Rapid7の発表によると、今回の脆弱性はGrandstream GXP1600シリーズのWeb管理API(/cgi-bin/api.values.get)に存在するスタックバッファオーバーフローです。攻撃者はこの欠陥を突くことで、認証を経ずにroot権限でリモートコードを実行できます。
対象となるモデルはGXP1610、GXP1615、GXP1620、GXP1625、GXP1628、GXP1630の全機種です。これらの機器は150カ国以上で中小企業やホテル、コールセンターなどに導入されており、影響範囲は非常に広いと考えられます。
この脆弱性が悪用された場合、まずデバイス上に保存されているローカルユーザーやSIPアカウントのパスワードが平文で窃取されます。次に、VoIP電話を悪意あるSIPプロキシに再構成することで、通話内容の傍受や盗聴が可能になります。さらに、侵害したデバイスを足場として社内ネットワーク全体への横展開も狙えるため、被害は電話機だけにとどまりません。
なぜこの脆弱性は特に危険なのか
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今回の脆弱性が深刻な理由は複数あります。まず、攻撃の難易度が低い点です。すでにMetasploitモジュール(攻撃ツール)が公開されており、技術力の高くない攻撃者でも悪用できる状態にあります。
また、VoIP機器は多くの企業でセキュリティチームの監視対象外に置かれがちです。パソコンやサーバーと異なり、電話機のファームウェア更新は見落とされやすく、脆弱性を抱えたまま長期間稼働しているケースも珍しくありません。
さらに注目すべきは、アプライアンス機器を狙った攻撃がトレンド化している点です。最近ではBeyondTrustのリモートアクセス製品やDell RecoverPointのバックアップ製品でも重大な脆弱性が発見されています。VoIP電話もこうしたアプライアンス攻撃の流れに含まれており、今後も同様の事例が続く可能性があります。
自社で今すぐ確認・対応すべきこと
この脆弱性への対策として、企業が取るべきアクションは明確です。
最優先で実施すべきは、社内にGrandstream製VoIP機器が存在するかの確認です。IT資産台帳だけでなく、実際にネットワークをスキャンして把握漏れがないかチェックしてください。該当機器が見つかった場合は、ファームウェアバージョンを確認し、v1.0.7.81以降への更新を即座に行います。このバージョンで脆弱性は修正済みです。
並行して、VoIPデバイスのネットワークセグメンテーションを検討してください。電話機を業務システムやサーバーと同じセグメントに配置している場合、横展開のリスクが高まります。VLANを分離し、必要最小限の通信のみを許可する構成への変更が推奨されます。
管理インターフェースへのアクセス制限も重要です。Web管理画面が社外からアクセス可能な状態になっていないか、ファイアウォール設定を見直しましょう。加えて、SIPインフラ全体のセキュリティ監査を実施し、他に脆弱なポイントがないか棚卸しすることをお勧めします。
まとめ
Grandstream VoIP電話の脆弱性(CVE-2026-2329)は、CVSS 9.3という高いスコアが示すとおり、放置すれば通話盗聴や認証情報漏洩につながる深刻な問題です。Metasploitモジュールの公開により攻撃のハードルは下がっており、対応は急務といえます。まずは自社環境の確認から始め、ファームウェア更新とネットワーク分離を速やかに実施してください。
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