Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了した。 ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)で 2026年10月13日まで セキュリティパッチは受け取れるが、それも残り約6か月。ESU期間終了後はセキュリティ更新が完全に停止し、ゼロデイ脆弱性が放置される状態になる。本記事では、まだ移行が完了していない中小企業が、残された期間で何を・どの順番でやるべきかを解説する。
Windows 10を使い続けるリスク
セキュリティリスク
サポート終了後のOSは、新たに発見される脆弱性に対してパッチが提供されない。攻撃者はサポート終了済みOSを優先的に狙う傾向がある。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| ゼロデイ攻撃 | 脆弱性が発見されても修正パッチが提供されない |
| ランサムウェア | 未パッチの脆弱性を突いた暗号化攻撃 |
| マルウェア感染 | セキュリティ機能が最新の脅威に対応できない |
| 情報漏えい | 脆弱性を通じた不正アクセスによるデータ流出 |
コンプライアンスリスク
- 個人情報保護法:セキュリティ対策の不備が「安全管理措置義務」違反に該当する可能性
- 取引先要件:大手企業がサプライヤーに対してOSの最新化を要求するケースが増加
- サイバー保険:サポート終了OSの使用が免責事由になる保険契約が存在
業務継続リスク
- ソフトウェアの動作保証外:主要ソフトウェアベンダーがWindows 10のサポートを順次終了
- クラウドサービスの互換性:Microsoft 365などのクラウドサービスがWindows 10対応を打ち切る可能性
- 周辺機器のドライバー:新しいプリンター、スキャナー等のドライバーが提供されなくなる
移行の選択肢とコスト比較
選択肢1:Windows 11へのアップグレード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | Windows 11のシステム要件を満たすPC |
| コスト | 0円(ライセンスは無料アップグレード) |
| 所要時間 | 1台あたり1〜2時間 |
| 注意点 | TPM 2.0、Secure Boot対応が必須。2018年以前のPCは非対応の可能性大 |
- CPU:1GHz以上、2コア以上、64ビット
- メモリ:4GB以上
- ストレージ:64GB以上
- TPM 2.0
- Secure Boot対応
- DirectX 12対応
選択肢2:PC買い替え
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | システム要件を満たさない古いPC |
| コスト(1台) | ビジネス向け:8万〜15万円、高性能モデル:15万〜25万円 |
| 所要時間 | データ移行含め1台あたり2〜4時間 |
| メリット | 最新ハードウェアによる性能向上、AI PC対応 |
選択肢3:ESU(拡張セキュリティ更新)で時間を稼ぐ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 2026年10月13日まで |
| コスト | 1台あたり 年額61ドル(約9,000円) |
| 内容 | 重要なセキュリティ更新のみ(機能更新なし) |
| 位置づけ | 一時的な延命措置。恒久対策ではない |
コスト試算例(PC50台の中小企業)
| 方法 | 概算コスト | 備考 |
|---|---|---|
| 全台アップグレード(対応PC) | 10万〜30万円 | IT担当者の作業工数のみ |
| 全台買い替え | 400万〜750万円 | ハードウェア代 + 設定・移行工数 |
| 混合(20台アップグレード + 30台買い替え) | 240万〜470万円 | 現実的なパターン |
| ESUで1年延命(50台分) | 約45万円 | あくまで延命。2027年には移行が必要 |
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移行コストを補助金でカバーする
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)
2026年度の「デジタル化・AI導入補助金」では、インボイス枠 でPCの購入費用が補助対象になる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象経費 | PC、タブレット等のハードウェア購入費 |
| 補助率 | 1/2 |
| 補助上限 | 10万円/台 |
| 条件 | インボイス対応ソフトウェアと同時導入が必要 |
| 1次締切 | 2026年5月12日(火)17:00 |
小規模事業者持続化補助金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 小規模事業者(製造業20人以下、商業・サービス5人以下) |
| 補助率 | 2/3 |
| 補助上限 | 50万〜200万円 |
| 用途 | 販路開拓のための設備投資(PC含む) |
自治体独自の補助金
都道府県・市区町村独自のDX支援補助金が利用できるケースもある。東京都の「中小企業DX推進支援事業」など、自治体によっては手厚い支援が受けられる。
移行の進め方(5ステップ)
ステップ1:現状を把握する(1週間)
- 社内の全PCの OS、スペック、使用状況 を一覧化
- Windows 11のシステム要件との適合チェック
- 業務で使用しているソフトウェアのWindows 11対応状況を確認
ステップ2:移行計画を策定する(1〜2週間)
- アップグレード対象 / 買い替え対象の振り分け
- 部署ごとの移行スケジュール作成
- 補助金申請のスケジュールを組み込む
ステップ3:補助金を申請する(2〜3週間)
- gBizIDプライムの取得(未取得の場合)
- 交付申請書の作成・提出
- 交付決定前の発注・契約は補助対象外 なので注意
ステップ4:移行を実施する(2〜4週間)
- データバックアップ → アップグレード or 新PC設定 → データ移行 → 動作確認
- 部署単位で段階的に実施(全社一斉はリスクが高い)
- ユーザーへの簡易研修(Windows 11の操作変更点)
ステップ5:事後対応(1週間)
- 旧PCのデータ消去と処分
- 不具合の報告と対応
- 補助金の実績報告
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| ESU期限 | 2026年10月13日(残り約6か月) |
| コスト目安(50台) | 240万〜470万円(混合パターン) |
| 補助金 | デジタル化・AI導入補助金で最大10万円/台 |
| 補助金1次締切 | 2026年5月12日 |
| 今すぐやること | PC一覧作成 → 適合チェック → 補助金申請準備 |
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GXO実務追記: レガシー刷新で発注前に確認すべきこと
この記事のテーマは、単なるトレンド紹介ではなく、現行調査、刷新範囲、段階移行、ROI、ベンダー切替リスクを決めるための検討材料です。検索で情報収集している段階でも、発注前に次の観点を整理しておくと、見積もりのブレ、手戻り、ベンダー依存を減らせます。
まず決めるべき3つの論点
| 論点 | 確認する内容 | 未整理のまま進めた場合のリスク |
|---|---|---|
| 目的 | 売上拡大、工数削減、リスク低減、顧客体験改善のどれを優先するか | 成果指標が曖昧になり、PoCや開発が終わっても投資判断できない |
| 範囲 | 対象部署、対象業務、対象データ、対象システムをどこまで含めるか | 見積もりが膨らむ、または重要な連携が後から漏れる |
| 体制 | 自社責任者、現場担当、ベンダー、保守運用者をどう置くか | 要件確認が遅れ、納期遅延や品質低下につながる |
費用・期間・体制の目安
| フェーズ | 期間目安 | 主な成果物 | GXOが見るポイント |
|---|---|---|---|
| 事前診断 | 1〜2週間 | 課題整理、現行確認、投資判断メモ | 目的と範囲が商談前に整理されているか |
| 要件定義 / 設計 | 3〜6週間 | 要件一覧、RFP、概算見積、ロードマップ | 見積比較できる粒度になっているか |
| PoC / MVP | 1〜3ヶ月 | 検証環境、効果測定、リスク評価 | 本番化判断に必要な数値が取れるか |
| 本番導入 | 3〜6ヶ月 | 本番環境、運用設計、教育、改善計画 | 導入後の運用責任と改善サイクルがあるか |
発注前チェックリスト
- [ ] 現行システムの機能、利用部署、データ、外部連携を一覧化したか
- [ ] 保守切れ、属人化、障害頻度、セキュリティリスクを金額換算したか
- [ ] 全面刷新、段階移行、SaaS置換、リホストの比較表を作ったか
- [ ] 移行中に止められない業務と、止めてもよい業務を分けたか
- [ ] 既存ベンダー依存から抜けるためのドキュメント/コード引継ぎ条件を決めたか
- [ ] 稟議で説明する投資回収、リスク低減、保守費削減の根拠を整理したか
参考にすべき一次情報・公的情報
上記の一次情報は、社内稟議やベンダー比較の根拠として使えます。一方で、公開情報だけでは自社の現行システム、業務フロー、データ状態、予算制約までは判断できません。記事で一般論を把握した後は、自社条件に落とした診断が必要です。
GXOに相談するタイミング
次のいずれかに当てはまる場合は、記事を読み進めるだけでなく、早めに相談した方が安全です。
- 見積もり依頼前に、要件やRFPの粒度を整えたい
- 既存ベンダーの提案が妥当か第三者視点で確認したい
- 補助金、AI、セキュリティ、レガシー刷新が絡み、判断軸が複雑になっている
- 社内稟議で費用対効果、リスク、ロードマップを説明する必要がある
- PoCや診断で終わらせず、本番導入と運用改善まで進めたい
Windows 10サポート終了から半年|まだ移行していない企業が今すぐやるべきこと【2026年版】を自社条件で診断したい方へ
GXOが、現状整理、RFP/要件定義、費用対効果、ベンダー比較、導入ロードマップまで実務目線で確認します。記事の一般論を、自社の投資判断に使える形へ落とし込みます。
※ 初回相談では営業資料の説明よりも、現状・課題・判断材料の整理を優先します。