国土交通省「賃貸住宅管理業の実態調査」(2025年公表)によると、管理戸数500戸以上の賃貸管理会社でも、入居者情報・賃料台帳・修繕履歴をExcelや紙台帳で個別管理している事業者が約45%を占める。一方、賃貸住宅管理業法(2021年6月施行)により管理業務の適正化と情報開示の義務が強化され、「属人的な管理」では法令対応が追いつかなくなっている。

「入居者から修繕依頼が来ても、過去の対応履歴が担当者のメールに埋もれていて見つからない」「契約更新の通知漏れで、法定期限を過ぎてしまった」「賃料改定の計算をExcelで手作業しており、物件が増えるたびにミスが増える」――管理戸数が200戸を超えた段階で、こうした問題は構造的に発生する。

本記事では、テナント管理・賃貸管理システムの開発・導入にかかる費用を、機能別・導入形態別に整理する。SaaS導入とカスタム開発のどちらが自社に合うかの判断材料にしていただきたい。


目次

  1. テナント管理・賃貸管理にシステムが必要な5つの理由
  2. 必要な機能と優先順位
  3. 費用相場 -- SaaS導入 vs カスタム開発
  4. 機能別の開発費用内訳
  5. 費用対効果の考え方 -- ROI試算フレームワーク
  6. 開発会社の選び方
  7. 導入ステップと補助金活用
  8. まとめ
  9. FAQ
  10. 参考資料
  11. 付録

1. テナント管理・賃貸管理にシステムが必要な5つの理由

理由1:契約更新の通知漏れが法的リスクになる

借地借家法では、期間の定めがある建物賃貸借において、貸主は期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知をしなければ、従前と同一条件で更新されたとみなされる(法定更新)。管理戸数が増えると、Excelでの更新期日管理は限界を迎える。更新通知の1件の漏れが、オーナーとの信頼関係を損ない、管理委託契約の解約につながるケースもある。契約更新の自動アラートは、管理会社にとって必須機能だ。

理由2:修繕対応の遅延がクレームと退去に直結する

入居者からの修繕依頼に対して「受付→業者手配→完了報告→オーナー請求」の一連のフローが属人化していると、対応漏れや二重対応が発生する。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の調査(2024年)では、入居者の退去理由の上位に「修繕対応の遅さ・不透明さ」が挙がっている。修繕依頼の受付から完了までをシステムで追跡できれば、対応漏れをゼロにし、入居者満足度を維持できる。

理由3:賃料計算の手作業ミスが損失を生む

管理物件ごとに異なる賃料体系(固定賃料、共益費、駐車場代、ゴミ処理費、町内会費等)、更新料、敷金・保証金の管理、滞納管理、消費税計算をExcelで行っている場合、物件数の増加に比例してミスの発生確率が上がる。家賃1件あたり月額500円の計算ミスでも、100戸で年間60万円の損失になる。賃料の自動計算とオーナーへの送金明細の自動生成は、管理業務の信頼性を左右する。

理由4:賃貸住宅管理業法への対応

2021年施行の賃貸住宅管理業法により、管理戸数200戸以上の事業者は国土交通省への登録が義務化された。登録業者には管理受託契約の重要事項説明、定期報告、財産の分別管理などが求められる。これらの法定書類を手作業で作成・管理する負担は大きく、システムによる自動化が業務効率と法令遵守の両方を支える。

理由5:オーナーへの報告業務の負担

月次の送金明細、年次の収支報告、修繕履歴の開示など、オーナーへの報告業務は管理戸数に比例して増大する。「Excelで送金明細を作成し、PDFに変換してメール送付」という手順を毎月繰り返していると、管理戸数300戸で月20時間以上がオーナー報告だけに消える。オーナーポータル(専用Web画面)を用意すれば、オーナーが自分で収支を確認でき、問い合わせ対応の工数も削減できる。


2. 必要な機能と優先順位

テナント管理・賃貸管理システムの機能を「必須」「推奨」「将来拡張」の3段階に分類する。

必須機能(Phase 1)

機能概要解決する課題
入居者データベース入居者情報(氏名、連絡先、契約内容、緊急連絡先、保証人情報)の一元管理情報の属人化、検索性の欠如
賃料自動計算・請求物件別の賃料体系に基づく月額賃料の自動計算、請求書の自動生成手計算ミス、請求漏れ
契約更新通知更新期日の自動アラート(6か月前・3か月前・1か月前)、更新書類の自動生成通知漏れ、法的リスク
修繕依頼管理入居者からの修繕依頼の受付→業者手配→進捗追跡→完了報告→オーナー請求の一元管理対応漏れ、履歴の散逸

推奨機能(Phase 2)

機能概要解決する課題
オーナーポータルオーナー専用のWeb画面で送金明細・収支報告・修繕履歴を閲覧可能にする報告業務の工数削減
滞納管理・督促入金消込の自動化、滞納発生時の自動督促メール・SMS送信、督促履歴の記録滞納の見落とし、回収遅延
入居者ポータル入居者がWebから修繕依頼、契約確認、各種届出を行える電話対応の工数削減
空室管理・募集連携空室状況の可視化、SUUMOやHOME'Sなどポータルサイトとの掲載連携空室期間の長期化

将来拡張(Phase 3)

機能概要
AI賃料査定周辺相場データに基づく適正賃料のAI査定
IoTセンサー連携水漏れセンサー、温湿度センサーとの連携による予防保全
電子契約契約書の電子署名(クラウドサイン、GMOサイン等との連携)
会計ソフト連携弥生会計、freee、マネーフォワードとの自動仕訳連携
セクションまとめ:まずPhase 1の4機能(入居者DB、賃料自動計算、契約更新通知、修繕依頼管理)で基盤を固める。Phase 2のオーナーポータルと滞納管理は、管理戸数が300戸を超えた段階で投資対効果が明確になる。

3. 費用相場 -- SaaS導入 vs カスタム開発

テナント管理・賃貸管理システムの導入方法は、大きく「SaaS(クラウドサービス)の利用」と「カスタム開発」に分かれる。

SaaS導入の費用相場

項目費用目安
初期費用0〜30万円
月額費用3〜15万円(管理戸数・ユーザー数による)
データ移行費10〜50万円(Excelからの移行)
カスタマイズ費0〜100万円(標準機能の範囲内は無料)
代表的なSaaSとして、「いい生活(賃貸管理クラウド)」「賃貸革命」「i-SP」「ReDocS」などがある。管理戸数500戸以下で業務フローが標準的であれば、SaaSで十分に対応可能だ。

SaaSが向いているケース:

  • 管理戸数が500戸以下
  • 標準的な賃貸管理業務(住居系中心)
  • 早期に導入して効果を確認したい
  • IT専任担当者がいない

カスタム開発の費用相場

構成費用目安開発期間主な機能
ミニマム構成300〜500万円3〜5か月入居者DB+賃料自動計算+契約更新通知+修繕依頼管理
標準構成500〜800万円5〜8か月ミニマム+オーナーポータル+滞納管理+入居者ポータル
フル構成800〜1,200万円8〜12か月標準+空室管理・ポータル連携+電子契約+会計ソフト連携+BI分析
カスタム開発が向いているケース:
  • 管理戸数が500戸超、または急速に増加中
  • 事業用テナント(オフィス・店舗・倉庫)の管理が含まれる
  • 独自の賃料体系(売上歩合賃料、CPI連動賃料等)がある
  • 既存の会計ソフトやオーナー管理ツールとの連携が必要
  • 複数拠点での管理業務を統合したい

SaaS vs カスタム開発 -- 5年間の総費用比較

管理戸数300戸、スタッフ5名の賃貸管理会社を想定して、5年間の総費用を比較する。

項目SaaSカスタム開発(ミニマム)
初期費用20万円400万円
月額/年額費用月8万円×60か月=480万円保守費:年60万円×5年=300万円
データ移行30万円50万円(開発に含む場合あり)
5年間総額約530万円約750万円
特徴初期負担が軽い、解約しやすい自社業務に完全フィット、長期では割安になる場合がある
管理戸数が1,000戸を超えると、SaaSの月額費用が上がり(月15〜25万円)、カスタム開発の方が長期的にコストメリットが出る傾向がある。

セクションまとめ:SaaS月額3〜15万円、カスタム開発300〜1,000万円が相場。管理戸数500戸以下ならSaaS、500戸超または独自要件があればカスタム開発が合理的な選択肢だ。


4. 機能別の開発費用内訳

カスタム開発の費用を機能別に分解する。「見積書のどこにいくらかかっているか」を理解するための参考にしていただきたい。

入居者データベース:80〜150万円

内訳費用目安
入居者情報のCRUD(登録・検索・更新・削除)30〜50万円
契約情報の管理(物件紐付け、契約期間、特約事項)20〜40万円
保証人・緊急連絡先の管理10〜20万円
書類添付(契約書PDF、本人確認書類等)10〜20万円
検索・フィルタ機能10〜20万円
入居者DBは全機能の基盤となる。ここのデータ設計を間違えると、後続のすべての機能に手戻りが発生するため、要件定義に十分な時間をかけるべきだ。

賃料自動計算・請求:100〜200万円

内訳費用目安
物件別賃料体系の設定(賃料+共益費+駐車場+その他)30〜50万円
月額賃料の自動計算エンジン30〜50万円
日割り計算(入居月・退去月)15〜25万円
請求書PDF自動生成・メール送付15〜30万円
入金消込(銀行データ取り込み)20〜40万円
特に「入金消込」は、全銀フォーマットのCSV取り込みと振込人名の名寄せ処理が必要になり、想定以上に工数がかかることが多い。見積もり時に確認すべきポイントだ。

契約更新通知:50〜100万円

内訳費用目安
更新期日の自動算出とアラート15〜25万円
更新案内書類の自動生成15〜30万円
更新条件の変更管理(賃料改定、特約変更)10〜25万円
更新拒絶・解約の管理フロー10〜20万円

修繕依頼管理:80〜150万円

内訳費用目安
修繕依頼の受付フォーム(写真添付対応)20〜35万円
業者手配・見積り管理15〜30万円
進捗ステータス管理(受付→手配→施工→完了)15〜25万円
オーナーへの費用請求・承認フロー15〜30万円
修繕履歴の蓄積・検索10〜20万円
修繕履歴は物件の資産価値に直結するデータだ。「いつ・どこを・いくらで・誰が修繕したか」を物件ごとに蓄積しておくことで、大規模修繕の計画策定やオーナーへの提案にも活用できる。

オーナーポータル:80〜150万円

内訳費用目安
オーナー認証・ログイン機能15〜25万円
月次送金明細の閲覧15〜30万円
年次収支報告の閲覧・ダウンロード15〜25万円
修繕報告の閲覧(写真付き)15〜30万円
お知らせ・通知機能10〜20万円
セクションまとめ:ミニマム構成(入居者DB+賃料計算+契約更新+修繕管理)で310〜600万円。ここにオーナーポータルを加えて390〜750万円。機能別の費用を理解しておくことで、見積もりの妥当性を判断できる。

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5. 費用対効果の考え方 -- ROI試算フレームワーク

「システム導入の効果は分かるが、投資に見合うのか」を判断するための試算方法を示す。管理戸数300戸・スタッフ5名の賃貸管理会社を想定する。

削減できるコスト

業務現状の月間工数システム化後削減時間金額換算(時給2,500円)
賃料計算・請求書作成40時間5時間35時間87,500円/月
契約更新管理・書類作成15時間3時間12時間30,000円/月
修繕依頼対応・履歴管理25時間8時間17時間42,500円/月
オーナー報告・送金明細作成20時間3時間17時間42,500円/月
入居者情報の検索・確認10時間2時間8時間20,000円/月
合計110時間21時間89時間222,500円/月
年間の工数削減効果:89時間 × 12か月 = 1,068時間(約267万円)

間接的な効果

上記の工数削減に加え、以下の間接効果がある。

  • 滞納回収率の改善:早期督促により回収率が5%改善すると仮定。家賃平均8万円×300戸×滞納率3%×回収率改善5% = 年間約36万円の回収増
  • 退去率の低下:修繕対応の迅速化により退去率が1%低下すると仮定。300戸×1%×家賃8万円×空室期間3か月 = 年間約72万円の空室損失回避
  • 契約更新通知漏れの防止:法的トラブル1件あたりの対応コスト(弁護士費用等)50〜100万円のリスク回避

ROI試算

ミニマム構成(初期費用400万円+年間保守60万円)の場合:

  • 年間削減効果:267万円(工数削減)+ 36万円(滞納改善)+ 72万円(空室損失回避)= 375万円/年
  • 初年度:375万円 − 400万円 − 60万円 = △85万円
  • 2年目以降:375万円 − 60万円 = 315万円/年のプラス
  • 投資回収期間:約1年3か月

補助金を活用して初期費用を200万円に抑えた場合、初年度から115万円のプラスになる。

セクションまとめ:管理戸数300戸の賃貸管理会社で、年間375万円の削減効果が見込める。ミニマム構成400万円の投資は約1年3か月で回収可能。補助金を活用すれば初年度から黒字化する。


6. 開発会社の選び方

テナント管理・賃貸管理システムの開発は、不動産管理業務の理解度が開発の成否を分ける。

ポイント1:賃貸管理業務の実務を理解しているか

「入居者」「オーナー」「物件」「契約」「修繕」の関係性を正しく理解している開発会社かどうかが最も重要だ。たとえば「1つの物件に複数のオーナー(区分所有)がいる場合の送金按分」や「事業用テナントの売上歩合賃料の計算ロジック」について、具体的な質問が返ってくるかどうかを確認する。

ポイント2:データ移行の実績があるか

既存のExcelデータや旧システムからのデータ移行は、新システム開発で最もトラブルが起きやすい工程だ。特に賃貸管理では、入居者データ、契約履歴、修繕履歴、賃料改定履歴など、移行すべきデータの種類が多い。移行実績と具体的な移行手順を確認すべきだ。

ポイント3:導入後の運用サポート体制

システムの利用者は、ITリテラシーが高くない現場スタッフであることが多い。操作マニュアルの整備、問い合わせ窓口の対応時間、操作研修の実施体制を確認しておきたい。

GXO株式会社の会社概要では、不動産業を含む業界特化のシステム開発体制を紹介している。開発事例もあわせてご参照いただきたい。

セクションまとめ:開発会社の選定では「賃貸管理業務の理解度」「データ移行の実績」「運用サポート体制」の3点を確認する。業務を理解していない開発会社に発注すると、要件の認識齟齬による手戻りで費用が膨らむ。


7. 導入ステップと補助金活用

推奨導入ステップ

Step 1:業務棚卸しと要件整理(2〜4週間)

現在の管理業務フロー(入居者対応、賃料計算、契約更新、修繕対応、オーナー報告)を可視化し、システム化する範囲と優先順位を決定する。この段階でスタッフ、経営者、可能であればオーナー数名からヒアリングを行う。

Step 2:Phase 1のミニマム構成を開発・導入(3〜5か月)

入居者DB、賃料自動計算、契約更新通知、修繕依頼管理の4機能で開始する。まずは新規契約の物件からシステム運用を始め、並行して既存データを移行する。

Step 3:効果検証と Phase 2の追加(導入後3〜6か月で判断)

Phase 1の運用が安定したら、オーナーポータル、滞納管理、入居者ポータルの追加を検討する。Phase 1での工数削減効果を数値で確認してから投資判断を行うのが堅実だ。

活用できる補助金

補助金名補助率上限額備考
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)1/2〜4/5最大450万円IT導入支援事業者との共同申請が必要
ものづくり補助金1/2〜2/3最大1,250万円デジタル枠の活用
小規模事業者持続化補助金2/3最大200万円従業員20名以下の管理会社向け
400万円のカスタム開発にデジタル化・AI導入補助金(補助率4/5、上限450万円)を活用すれば、自己負担は80万円まで圧縮できる可能性がある。

補助金の詳細は中小企業向け補助金完全ガイドを参照されたい。

セクションまとめ:Step 2(ミニマム構成)で「賃料計算の自動化+契約更新通知の漏れ防止」を先に実現する。補助金を活用すれば自己負担80万円から開始できる可能性もある。


まとめ

テナント管理・賃貸管理システムの費用は、SaaS導入で月額3〜15万円、カスタム開発で300〜1,000万円が相場だ。

方針費用目安向いている事業者
賃貸管理向けSaaS月額3〜15万円管理戸数500戸以下、住居系中心、標準的な業務フロー
カスタム開発(ミニマム構成)300〜500万円管理戸数500戸超、入居者DB+賃料計算+契約更新+修繕管理
カスタム開発(標準構成)500〜800万円ミニマム+オーナーポータル+滞納管理+入居者ポータル
カスタム開発(フル構成)800〜1,200万円標準+空室管理・ポータル連携+電子契約+会計連携+BI分析
テナント管理・賃貸管理のシステム投資で最もROIが高いのは「賃料自動計算」と「契約更新通知の自動化」だ。この2つだけで月47時間の工数削減と法的リスクの排除が見込める。全機能を一括で開発する必要はない。まずはミニマム構成(300〜500万円)で効果を確認し、段階的に機能を追加するのが最もリスクの低いアプローチだ。

不動産管理業務全般のDXについては不動産管理システム開発の費用相場もあわせて参照されたい。


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FAQ

Q1. テナント管理システムの開発期間はどれくらいですか?

SaaS導入は即日〜1か月、カスタム開発はミニマム構成で3〜5か月、標準構成で5〜8か月、フル構成で8〜12か月が目安です。最も短期間で効果を出すには、入居者DBと賃料計算をPhase 1で導入し、オーナーポータルや電子契約は後から追加するアプローチを推奨します。

Q2. 事業用テナント(オフィス・店舗)と住居用では、システム要件はどう異なりますか?

事業用テナントでは、売上歩合賃料(テナント売上の一定割合を賃料とする方式)、CPI連動賃料、原状回復の工事管理、テナントの財務審査機能などが追加で必要になります。住居用の賃貸管理システムをベースに事業用テナント機能を追加する場合、100〜200万円程度の追加開発費が目安です。

Q3. 既存のExcelデータからの移行は可能ですか?

可能です。CSVインポート機能を実装し、既存のExcelデータを一括取り込みするのが一般的です。ただし、入居者名の表記統一、契約履歴の紐付け、重複データの排除などのデータクレンジング工数が発生します。管理戸数300戸規模で移行費用は20〜50万円が目安です。

Q4. 賃貸管理向けSaaSを使っていますが、カスタム開発に切り替えるべきタイミングは?

以下の3つのいずれかに該当する場合は、カスタム開発への切り替えを検討すべきです。(1)管理戸数の増加でSaaSの月額費用がカスタム開発の保守費用を上回った、(2)事業用テナントの管理が増え、SaaSの標準機能では賃料体系に対応できなくなった、(3)自社独自のオーナー報告フォーマットや会計ソフトとの連携が必要になった。

Q5. IT補助金はテナント管理システムにも使えますか?

使えます。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は補助率1/2〜4/5、上限最大450万円。SaaS利用料も最大2年分が補助対象になります。400万円のカスタム開発であれば、自己負担80〜200万円に圧縮できる可能性があります。補助金対応の実績がある開発会社を選ぶことが重要です。


参考資料

  • 国土交通省「賃貸住宅管理業の実態調査」(2025年公表) https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/
  • 国土交通省「賃貸住宅管理業法関連」 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000029.html
  • IPA(情報処理推進機構)「ソフトウェア開発分析データ集2024」(2024年10月公表) https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/metrics/
  • JISA(情報サービス産業協会)「情報サービス産業 基本統計調査 2024年版」 https://www.jisa.or.jp/
  • 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「賃貸住宅市場景況感調査」(2024年公表) https://www.jpm.jp/
  • 中小機構「デジタル化・AI導入補助金2026」公式サイト https://it-shien.smrj.go.jp/
  • 中小企業庁「ものづくり補助金総合サイト」 https://portal.monodukuri-hojo.jp/