「年 1 回机上演習やったよ、で終わりにしとる中堅は危ない」――保険会社・監査法人が継続演習を要求する流れが強まっている。 四半期に 1 回・1.5-2 時間でも継続的に回せば、CSIRT の練度が目に見えて上がる。本記事は中堅企業(200-1000 名)が四半期で回せる机上演習テンプレートを 4 シナリオ + 評価ルーブリックで提示する。


目次

  1. 机上演習の年間設計
  2. 4 シナリオの全体像
  3. Q1 シナリオ: ランサムウェア
  4. Q2 シナリオ: サプライチェーン侵害
  5. Q3 シナリオ: 内部不正
  6. Q4 シナリオ: OT 異常
  7. 評価ルーブリック(5 段階)
  8. 参加者と役割分担
  9. 演習後の改善 PDCA
  10. よくある質問(FAQ)

机上演習の年間設計

四半期テーマ所要時間参加者
Q1ランサムウェア2.0 hCSIRT + 経営 + 法務 + 広報
Q2サプライチェーン侵害1.5 hCSIRT + 調達 + 法務
Q3内部不正1.5 hCSIRT + 人事 + 法務
Q4OT / 業務基幹システム異常2.0 hCSIRT + 事業部 + 経営
合計年 7 時間で全主要シナリオを網羅。中堅でも続けられる現実的な負荷。

4 シナリオの全体像

シナリオ想定脅威主要判断ポイント
ランサム暗号化 + データ窃取業務停止判断・身代金交渉・通知
サプライチェーンOSS / ベンダー経由侵害影響範囲特定・取引先通知
内部不正退職者・現職者によるデータ持出法務対応・証拠保全・人事処分
OT 異常制御系停止・誤動作安全停止・復旧優先順位

Q1 シナリオ: ランサムウェア


Q2 シナリオ: サプライチェーン侵害


Q3 シナリオ: 内部不正


Q4 シナリオ: OT 異常


評価ルーブリック(5 段階)

評価軸1(要再演習)3(標準)5(優秀)
初動判断速度30 分超10-15 分5 分以内
役割分担明確性混乱おおむね明確即座に動く
経営報告品質情報整理不足必要事項網羅判断材料完備
法的対応漏れあり主要対応実施弁護士連携明確
顧客 / 取引先対応対応遅延適切な通知先回り対応
記録 / エビデンス散逸主要記録あり完全な時系列記録
各シナリオで上記 6 軸 × 5 段階で評価、合計 30 点満点。20 点未満のシナリオは半年以内に再演習。

参加者と役割分担

役割担当部署演習中の主タスク
インシデント司令官情報セキュリティ責任者全体指揮・判断
技術リードシステム / SOC 担当技術判断・封じ込め
法務法務 / 顧問弁護士通報義務・契約対応
広報広報 / 経営企画対外発表・取材対応
人事人事内部調査・処分判断
事業関連事業部業務影響判断
観察者外部コンサル / 内部監査評価・記録
中堅は法務 / 広報 / 人事を兼務するケースが多い。誰が何を判断するかの事前合意が演習の主目的。

演習後の改善 PDCA


よくある質問(FAQ)

Q. 四半期は重い、半期で良いか? A. 中堅でも四半期推奨。半期だと前回演習を忘れがちで継続改善が機能しない。1 回あたり 1.5-2 時間に収めれば負荷は許容範囲。

Q. 外部ファシリテーターは必須か? A. 初回 1-2 年は外部推奨。社内で型ができたら年 1-2 回外部、他は社内で運用が現実的。

Q. 演習結果を保険会社に開示すべきか? A. 結果サマリ(評価点 + 改善計画)を共有すると引受評価で有利になる傾向。詳細記録は社内保管。


参考資料

  • IPA「サイバー演習実施の手引き」
  • 内閣サイバーセキュリティセンター「分野横断的演習」
  • NIST SP 800-84「Guide to Test, Training, and Exercise Programs」

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GXO実務追記: システム開発・DX投資で発注前に確認すべきこと

この記事のテーマは、単なるトレンド紹介ではなく、要件定義、費用、開発体制、ベンダー選定、保守運用を決めるための検討材料です。検索で情報収集している段階でも、発注前に次の観点を整理しておくと、見積もりのブレ、手戻り、ベンダー依存を減らせます。

まず決めるべき3つの論点

論点確認する内容未整理のまま進めた場合のリスク
目的売上拡大、工数削減、リスク低減、顧客体験改善のどれを優先するか成果指標が曖昧になり、PoCや開発が終わっても投資判断できない
範囲対象部署、対象業務、対象データ、対象システムをどこまで含めるか見積もりが膨らむ、または重要な連携が後から漏れる
体制自社責任者、現場担当、ベンダー、保守運用者をどう置くか要件確認が遅れ、納期遅延や品質低下につながる

費用・期間・体制の目安

フェーズ期間目安主な成果物GXOが見るポイント
事前診断1〜2週間課題整理、現行確認、投資判断メモ目的と範囲が商談前に整理されているか
要件定義 / 設計3〜6週間要件一覧、RFP、概算見積、ロードマップ見積比較できる粒度になっているか
PoC / MVP1〜3ヶ月検証環境、効果測定、リスク評価本番化判断に必要な数値が取れるか
本番導入3〜6ヶ月本番環境、運用設計、教育、改善計画導入後の運用責任と改善サイクルがあるか

発注前チェックリスト

  • [ ] 発注前に目的、対象業務、利用者、現行課題を1枚に整理したか
  • [ ] 必須要件、将来要件、今回はやらない要件を分けたか
  • [ ] 見積比較で、開発費だけでなく保守費、運用費、追加改修費を見たか
  • [ ] ベンダー選定で、体制、実績、品質管理、セキュリティ、引継ぎ条件を確認したか
  • [ ] 検収条件を機能、性能、セキュリティ、ドキュメントで定義したか
  • [ ] リリース後3ヶ月の改善運用と責任分界を決めたか

参考にすべき一次情報・公的情報

上記の一次情報は、社内稟議やベンダー比較の根拠として使えます。一方で、公開情報だけでは自社の現行システム、業務フロー、データ状態、予算制約までは判断できません。記事で一般論を把握した後は、自社条件に落とした診断が必要です。

GXOに相談するタイミング

次のいずれかに当てはまる場合は、記事を読み進めるだけでなく、早めに相談した方が安全です。

  • 見積もり依頼前に、要件やRFPの粒度を整えたい
  • 既存ベンダーの提案が妥当か第三者視点で確認したい
  • 補助金、AI、セキュリティ、レガシー刷新が絡み、判断軸が複雑になっている
  • 社内稟議で費用対効果、リスク、ロードマップを説明する必要がある
  • PoCや診断で終わらせず、本番導入と運用改善まで進めたい

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※ 初回相談では営業資料の説明よりも、現状・課題・判断材料の整理を優先します。