「自社のノウハウをSaaSにしたい」「業界特化のSaaSで新規事業を立ち上げたい」——そう考えたとき、最初にぶつかる壁が「結局いくらかかるのか」が読めないことです。検索すればMVP300万円という数字も、本番3,000万円という数字も出てきますが、なぜそんなに幅があるのか、自社のケースはどこに当たるのか、そして提示された見積もりが妥当なのかは、相場表だけを見ても判断できません。
この記事は、相場の数字を並べて終わりにしません。**費用がなぜその金額になるのか(内訳)、なぜ当初見積もりから膨らむのか(追加費用の構造)、提示された見積もりのどこを疑うべきか(読み方)、そしてベンダーに何を聞けば失敗を避けられるか(発注前チェック)**まで、GXOが実際の発注支援で使っている判断軸で解説します。相場を知りたいだけの人よりも、「これから数百万〜数千万円を投じる判断を、失敗せずに下したい」経営者・事業責任者に向けた内容です。
この記事の結論(先に要点)
- SaaS開発費用はフェーズで大きく変わる。 MVP(検証用の最小プロダクト)はおおむね300万〜800万円、課金や管理画面を備えたβ版で500万〜1,500万円、本番リリースまでで1,000万〜3,000万円が一般的な目安です(各社公開情報の集計。後述の通り出典により幅があります)。
- 一度に全部作るのは最も高くつく失敗パターン。 MVPで需要を検証し、PMF(顧客が本当に使う状態)が見えてから本格投資に進む段階開発が、金額とリスクの両面で最も合理的です。
- 相場より「内訳」と「膨張源」を見るべき。 追加費用が膨らむのは、要件定義の省略、MVP後の継続開発費が試算に入っていない、インフラ運用費の見落とし、マルチテナント(複数企業への提供基盤)の後付けの4つがほぼ全て。ここを最初に潰せば、費用の8割は制御できます。
- 相場を知っても、見積もりの読み方を知らなければ意味がない。 「一式」表記、フェーズ配分の歪み、人月単価と役割の不一致は、金額の妥当性を疑う最初のシグナルです。
- 内製か外注かはフェーズで切り替える。 MVP〜β版は外注でスピードを買い、PMF後に内製チームを育てるハイブリッドが、多くのSaaSで採られている現実解です。
まず結論を押さえたうえで、以下で各論点を深掘りします。数値の相場だけ確認したい方は次章の表を、判断の勘所を知りたい方は「見積もりの読み方」以降を重点的にお読みください。
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この記事を読むべき人
- 自社の業務ノウハウや既存システムをSaaS化して、新しい収益の柱にしたい経営者・事業責任者
- SaaSアイデアはあるが、社内にIT・開発の判断ができる人材が乏しく、ベンダーの言い値が妥当か判断できない方
- 開発会社から見積もりを受け取ったが、金額の根拠や「一式」表記に不安を感じている方
- PoC(概念実証)やMVPで止まってしまった経験があり、次こそ本番まで届かせたい方
- 補助金や資金調達と開発予算のバランスを、これから設計する立場の方
いずれか一つでも当てはまるなら、相場表だけでなく「発注前に何を確認するか」まで通して読むことをおすすめします。
1. SaaS開発のフェーズ別費用相場(2026年)
SaaS開発は、一度に完成品を作るのではなく、段階的に投資してリスクを刻む「フェーズ開発」が基本です。まずフェーズごとの費用と期間の目安を押さえましょう。以下は各開発会社が公開している相場情報を横断して整理したもので、出典によって幅があるため「目安」として扱ってください。
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| フェーズ | 費用目安 | 期間目安 | 主な成果物・狙い |
|---|---|---|---|
| 企画・要件定義 | 50〜150万円 | 2〜6週間 | ペルソナ、ユーザーストーリー、機能一覧、画面設計。ここを省くと後で最も高くつく |
| MVP開発 | 300〜800万円 | 1〜3ヶ月 | コア機能に絞った動くプロダクト。少数の顧客に当てて需要を検証 |
| β版開発 | 500〜1,500万円 | 2〜6ヶ月 | 課金・管理画面・セキュリティを追加。有償で使ってもらえる状態に |
| 本番リリース | 1,000〜3,000万円 | 3〜9ヶ月 | スケールに耐えるインフラ、運用体制、SLA(品質保証)対応 |
| 運用・改善 | 月額50〜200万円 | 継続 | バグ修正、機能追加、カスタマーサクセス対応 |
数字の幅が大きいのは、SaaSといっても「単機能の業務ツール」から「エンタープライズ向けの複合プラットフォーム」まで内容が桁違いに異なるためです。相場を自社に当てはめるときは、機能の複雑度で読み替えるのが実務的です。おおまかには、最低限の機能なら50万〜300万円、標準的な業務機能を備えて300万〜700万円、複雑な連携・権限・レポートを含むと700万円以上、と機能の重さに比例して増えると考えてください。
なお、フルスクラッチ(ゼロから開発)とノーコード活用でも相場は変わります。ノーコードツールでMVP相当を作るなら250万〜600万円程度に収まるケースもありますが、本番運用のスケーラビリティやセキュリティ、細かな仕様の作り込みには限界が出やすい点は理解しておくべきです。どの手法が自社に向くかは、ノーコードプラットフォームの選び方(Bubble・kintone・Power Apps・Dify比較)で判断軸を整理しています。
この章のまとめ:SaaSは「MVP→β版→本番」と段階投資するほどリスクが下がる。相場は機能の複雑度で読み替え、自社のプロダクトがどの重さに当たるかを先に見立てること。
2. 費用の内訳を分解する — 「何にいくら」を理解する
相場の総額だけを見て発注すると、後で「この金額の内訳は?」と聞けなくなります。SaaS開発費は、ざっくり以下の項目で構成されます。1,500万円規模を例に構成比を示します。
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| 費用項目 | 構成比の目安 | 1,500万円の場合 | ここが増えると危険なサイン |
|---|---|---|---|
| 要件定義・UI/UXデザイン | 10〜15% | 150〜225万円 | 極端に少ない=仕様が固まっていない |
| フロントエンド開発 | 20〜25% | 300〜375万円 | 画面数・状態管理の複雑さで変動 |
| バックエンド・API開発 | 25〜35% | 375〜525万円 | SaaSの中核。ここが薄いと後で作り直し |
| インフラ構築 | 10〜15% | 150〜225万円 | スケール設計込みか要確認 |
| テスト・QA | 10〜15% | 150〜225万円 | 削られやすいが削ると本番で事故る |
| PM・ディレクション | 5〜10% | 75〜150万円 | 15%超は体制過剰、5%未満は放置リスク |
SaaS開発費の大半(一般に7〜8割)は人件費です。国内のシステム開発全体でも人件費が費用の中心を占めることは、複数の公開ガイドで共通して指摘されています(費用構造の詳細は中小企業のシステム開発費用ガイドで内訳を分解しています)。つまり「安くする」とは、原則として「工数を減らす」か「単価の低いチームを使う」かのどちらかであり、機能を維持したまま魔法のように半額になることは基本的にありません。ここを理解しておくと、相場を大きく下回る見積もりに対して「どこを削ったのか」と正しく疑えるようになります。
SaaS特有の「基盤機能」を切り分けて見る
SaaSには、プロダクト固有の価値とは別に、どんなSaaSにも必要な共通の「基盤機能」があります。これを固有機能と分けて見積もると、総額の構造が一気に見えやすくなります。
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| 基盤機能 | 費用目安 | MVP時点の要否 |
|---|---|---|
| 認証・認可(ログイン、権限管理) | 30〜80万円 | 必須(SSO/SAMLはβ以降でよい) |
| 課金・サブスクリプション管理 | 50〜150万円 | 有料検証をするなら必須。Stripe連携が定番 |
| マルチテナント基盤 | 50〜200万円 | 設計思想は最初に決める(後述) |
| 管理者画面(テナント・ユーザー管理) | 50〜150万円 | 運用開始前に必須 |
| ダッシュボード・利用状況可視化 | 30〜100万円 | β以降で可 |
| 外部連携API | 50〜150万円 | 連携ニーズが出てから |
| 通知・監査ログ | 20〜60万円 | 監査ログはエンタープライズ要件で必須化 |
基盤機能だけで合計200万〜500万円規模になります。見積もりを見るときは、この基盤部分と、自社プロダクト固有の価値を生む機能部分を分けて確認してください。両者が混ざった「一式」見積もりは、後で「その機能はこの金額に含まれていたのか」という追加費用トラブルの温床になります。
この章のまとめ:費用の大半は人件費=工数。SaaSは「共通基盤機能」と「固有機能」を分けて見積もると総額の妥当性が見える。「一式」でまとめられた見積もりは要注意。
3. なぜ費用は当初見積もりから膨らむのか — 追加費用の4大源泉
SaaS開発で「予算をオーバーした」という声のほとんどは、割高なベンダーに当たったからではなく、最初の見積もりに入っていなかったものが後から出てきたことが原因です。GXOが発注支援の現場で繰り返し見てきた膨張源は、次の4つにほぼ集約されます。ここを発注前に潰せるかどうかが、費用管理の成否を分けます。
源泉1:要件定義を省いた/軽くした 「早く安く作りたい」という気持ちから要件定義を圧縮すると、開発途中で「思っていたものと違う」が頻発し、仕様変更=追加費用として跳ね返ります。国内システム開発で当初見積もりを超過するプロジェクトが相当数にのぼることは公開データでも示されており(IPAのソフトウェア開発分析データを引く公開ガイドでは、超過が約4割にのぼるとの整理もあります/二次的な集計値のため目安)、その多くが仕様の後戻りに起因します。要件定義は削るべきコストではなく、追加費用を防ぐ保険です。
源泉2:MVP後の継続開発費が試算に入っていない SaaSはMVPを出して終わりではなく、そこから改善して育てる事業です。ところが見積もりが「MVPを作る費用」で止まっていると、その後の機能追加・改善のコストが試算から抜け落ちます。事業計画を立てる段階で、リリース後の月額運用・改善費(月50万〜200万円が一般的な目安)を必ず織り込んでください。
源泉3:インフラ・運用費の見落とし クラウドの利用料は、ユーザー数の増加とともに増えていきます。MVP段階では月1万〜3万円で済んでも、本番で1万ユーザー規模になれば月10万〜30万円、さらにスケールすれば月数十万円以上になり得ます。初期開発費だけを見て「作ればあとは安い」と考えると、運用フェーズで想定が狂います。
源泉4:マルチテナントの後付け 複数企業にサービス提供する基盤(マルチテナンシー)を、シングルテナント前提で作ったプロダクトに後から入れようとすると、アーキテクチャの作り直しに近い大規模改修が発生します。これは最も高くつく後戻りです。SaaSとして提供する以上、この設計思想は最初に決めるべきものです(詳細は次章)。
この4つは、いずれも「発注前の設計」で防げるものです。逆に言えば、これらを見積もり段階で明示的に確認しないベンダーは、後で追加費用が膨らむリスクが高いと考えてください。
この章のまとめ:追加費用の正体は「最初の見積もりに入っていなかったもの」。要件定義の省略・MVP後の継続費・インフラ費・マルチテナント後付けの4つを発注前に潰せば、費用の暴れはほぼ抑えられる。
4. マルチテナンシー設計 — 最初の一択が3年後のコストを決める
マルチテナンシーとは、1つのシステムで複数の顧客企業(テナント)にサービスを提供する仕組みのことです。SaaSの根幹であり、後から変更するのが最も難しい設計判断なので、初期段階で意思決定しておく必要があります。
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| 方式 | 概要 | 初期コスト目安 | セキュリティ分離 | 向くケース |
|---|---|---|---|---|
| 共有DB・共有スキーマ | 全テナントが同じテーブルを共有 | 低(50〜100万円) | 中 | テナント数が多い・コスト重視 |
| 共有DB・個別スキーマ | DBは共有、スキーマはテナント別 | 中(100〜150万円) | 高 | BtoB SaaSの標準解 |
| 個別DB | テナントごとにDBを分離 | 高(150〜200万円) | 最高 | 金融・医療など規制産業 |
選定の勘所は「3年後のテナント数とデータ量、そして扱うデータの機微さ」です。テナントが1,000社を超えるような多数展開なら共有寄りに、テナントあたりのデータが重いなら個別スキーマに、規制産業でデータ分離が要件なら個別DBに、という順で考えます。判断に迷う多くのBtoB SaaSでは「共有DB・個別スキーマ」がコストと分離のバランスの取れた落としどころになります。
重要なのは、方式そのものより「最初に決めておく」ことです。前章で触れた通り、これを後回しにすると最も高い後戻りコストを払うことになります。ベンダー選定の際は、この設計をどの方式で・なぜそう選ぶのかを説明できる相手かどうかが、実力を測る試金石になります。
この章のまとめ:マルチテナント設計は初期の一択が後の総コストを決める。3年後のテナント数・データ量・機微さで選び、迷えば「共有DB・個別スキーマ」。後付けは厳禁。
5. 内製 vs 外注 — フェーズで切り替えるのが現実解
「自社で開発チームを持つべきか、外注すべきか」は費用を大きく左右します。結論から言えば、どちらか一方に決める問題ではなく、フェーズで切り替えるのが多くのSaaSで採られている合理的な戦略です。
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| 観点 | 内製(自社チーム) | 外注(開発会社) |
|---|---|---|
| 立ち上げスピード | 採用に時間がかかり遅い | 即座にチーム体制を組める |
| 初期コスト | 高(採用+固定人件費) | 中(開発費のみ・変動費化できる) |
| 事業理解の反映 | 速く深い | 要件定義の精度に依存 |
| ノウハウの蓄積 | 社内に残る | 外注先に依存しやすい |
| 向くフェーズ | PMF達成後の継続開発 | MVP〜β版の立ち上げ |
需要が証明されていないMVP段階で、正社員のエンジニアチームを採用・維持するのは、固定費リスクが大きすぎます。まだ売れるか分からないものに、辞めさせにくい固定費を投じることになるからです。だからこそ、立ち上げは外注でスピードと変動費化のメリットを取り、PMFが見えて「このプロダクトに継続投資する」と決まってから内製チームを育てる——このハイブリッドが、キャッシュフローの観点でも理にかなっています。
外注する場合でも、丸投げは禁物です。要件定義と意思決定は自社が握り、実装をベンダーに任せる形が、追加費用と品質の両面で最も安定します。この「どこまで自社でやり、どこから任せるか」の線引きに不安があるなら、DX・システム開発の進め方を第三者と整理してから発注に進むと、判断ミスを大きく減らせます。
この章のまとめ:内製か外注かは二択ではない。MVP〜β版は外注で変動費化、PMF後に内製化するハイブリッドが定石。ただし要件定義と意思決定は自社が握ること。
6. 見積もりの読み方 — 相場より「妥当性」を見抜く
相場を知っていても、目の前の見積もりが妥当かは別問題です。むしろ相場は「疑うための基準線」として使うべきものです。ここではGXOが発注前レビューで実際に確認しているポイントを共有します。より網羅的なチェックはシステム開発見積もりの内訳と悪い見積もりの見抜き方にまとめています。
1. 「一式」表記が多すぎないか 「開発一式 1,200万円」のように工数の内訳がない見積もりは、後から「それは含まれていない」という追加費用が発生しやすい最大の危険信号です。フェーズ・機能ごとに工数(人月)と単価が分解されているかを確認してください。
2. フェーズ配分が歪んでいないか 健全な見積もりは、実装に40〜50%、要件定義・設計・テストに相応の比率が割り振られています。要件定義やテストが極端に薄い見積もりは、その分の後戻りコストが後から乗ってくる可能性が高いと考えるべきです。
3. 人月単価と役割が噛み合っているか PM・SE・PGでは単価が異なります。全員を高単価で計上していないか、逆に安すぎる単価で品質が担保できるのかを、役割ごとに確認します。
4. MVP後の継続費・インフラ費が明示されているか 初期開発費だけが書かれ、運用・改善・クラウド費に触れていない見積もりは、事業全体のコストを見誤らせます。総保有コスト(作って・運用して・改善し続ける費用)で比較しましょう。
5. 追加・変更の扱いが契約に書かれているか 仕様変更が発生したとき、どう見積もり直し、どう合意するかのルールが事前に決まっているか。ここが曖昧だと、開発中の「ちょっとした追加」が積み重なって費用が膨らみます。
複数社から見積もりを取る場合は、各社に同じ前提(機能一覧・想定ユーザー数・非機能要件)を渡して比較してください。前提がバラバラのまま金額だけを並べても、安いか高いかは判断できません。
この章のまとめ:相場は「疑うための基準線」。一式表記・フェーズ配分の歪み・単価と役割の不一致・継続費の欠落・変更ルールの曖昧さが、妥当性を疑う5つのシグナル。
7. 発注前チェックリスト — ベンダーに必ず聞くこと
見積もりを受け取ったら、金額に反応する前に、以下をベンダーに質問してください。答えの中身以上に「明快に答えられるか」が、信頼できる相手かを見分ける材料になります。
- このSaaSのマルチテナント方式は何を選ぶ想定か。なぜそう選ぶのか説明できるか
- マルチテナント基盤や課金基盤を、実際にリリースまで作った実績があるか
- MVPリリース後も、同じチームが継続して改善対応できる体制か
- 要件定義はどこまで含まれるか。仕様変更が出たときの見積もり直しのルールは
- クラウドの運用費は、ユーザーが増えたときどう変動する見込みか
- テスト・QAはどの範囲で行うか。セキュリティ面はどこまで担保するか
- この見積もりに「含まれていないもの」は具体的に何か
- MVP→β版→本番と、段階的な見積もりを提示できるか
最後の一項目は特に重要です。SaaS開発で一括の大型見積もりを最初から出してくるベンダーより、フェーズごとに投資判断できる段階見積もりを出せるベンダーの方が、SaaS事業の進め方を理解していると考えられます。
補助金を活用したい場合は、この発注設計と並行して制度を確認しておくと、要件定義の内容が補助対象に合致しているかを早期に判断できます(IT導入補助金や事業再構築補助金の対象になり得ます。詳細は中小企業の補助金完全ガイドを参照)。
8. GXOに相談すべきタイミング
以下のいずれかに当てはまるなら、開発会社にいきなり発注する前に、第三者の視点で整理する価値があります。
- SaaSのアイデアはあるが、技術的に実現できるか・いくらかかるかの見立てが立たない
- 開発会社から見積もりをもらったが、金額や「一式」表記が妥当か自分では判断できない
- 過去にPoCやMVPで止まった経験があり、今度こそ本番まで届かせたい
- マルチテナントや課金基盤の設計判断を、社内だけで下す自信がない
- 補助金や資金調達と開発予算のバランスを、走り出す前に固めたい
GXOは、SaaSのMVP開発から本番構築・運用改善までを一貫して支援するだけでなく、「そもそもこの見積もりは妥当か」「どのフェーズにいくら投じるべきか」という発注前の整理から伴走します。作る前の判断こそが、費用の暴走と失敗を最も大きく左右するからです。AIを組み込む構想がある場合は、投資前に有効性を検証するAI開発の見積もり・第三者診断(AI導入アセスメント)から入ると、無駄な作り込みを避けられます。
9. よくある質問(FAQ)
Q1. SaaS開発にはどのくらいの期間がかかりますか?
MVPで1〜3ヶ月、β版まで3〜6ヶ月、本番リリースまで6〜12ヶ月が一般的な目安です。ただし機能の複雑さやチーム体制で大きく変動します。速さを優先するなら、まずMVPを短期でリリースして検証し、そこから育てる進め方が結果的に近道になります。
Q2. ノーコードツールでSaaSは作れますか?
BubbleなどのノーコードツールでプロトタイプやMVPレベルは構築できます。ただし本番運用のスケーラビリティ・セキュリティ・細かな仕様には限界が出やすいため、検証にはノーコード、本格提供にはフルスクラッチ、という使い分けが現実的です。判断軸はノーコードプラットフォーム比較を参照してください。
Q3. 1人でSaaS開発は可能ですか?
技術力があれば可能ですが、MVPまで6〜12ヶ月かかるのが通常で、その間の機会損失も費用と考えるべきです。速度を重視するなら、開発会社とMVPを2〜3ヶ月で出し、PMF検証後に内製化する方が効率的です。
Q4. SaaS開発に補助金は使えますか?
IT導入補助金や事業再構築補助金の対象になり得ます。補助率や上限は制度・枠によって異なり、AI活用への加点が強化される傾向もあります。制度は年度で変わるため、最新の要件を必ず一次情報で確認してください(補助金完全ガイド)。
Q5. 既存の業務システムをSaaS化するにはいくらかかりますか?
規模によりますが、中規模の業務システムをマルチテナント対応・課金追加・セキュリティ強化まで含めてSaaS化する場合、500万〜2,000万円が一つの目安です。既存資産を段階的にクラウド化する進め方もあります。費用の内訳はWebシステム開発の費用相場と見積もりの読み方で詳しく分解しています。
Q6. SaaSにAIを組み込む場合、追加でいくらかかりますか?
LLMのAPI連携(チャットや要約など)で50万〜200万円、独自モデルの構築を含む場合は300万〜1,000万円が追加の目安です。ただしAIは「入れれば効く」とは限らないため、投資前に有効性を検証するのが賢明です。費用と選び方はAIエージェント開発会社の選び方・費用相場を参照してください。
Q7. SaaSにするか、パッケージやスクラッチにするか迷っています。
自社の業務が標準化しやすいか、独自性が競争力になるかで判断が分かれます。既製SaaSで足りるなら自作は不要です。判断フレームはSaaS vs スクラッチ開発の選定フレームワークで整理しています。
相場データの出典について
本記事の相場の数値は、複数の開発会社が公開するガイドや民間調査を横断して整理した「目安」であり、公的な確定値ではありません。国内のSaaS/PaaS市場については、富士キメラ総研の調査を報じた日経クロステック(2025年9月3日)が、法人向け国内ソフトウェア市場が2025年度に3兆円を超え、2029年度に4兆1,650億円規模に達する見通しと伝えています(民間調査の二次的な報道です)。総務省の通信利用動向調査でも、企業のクラウドサービス利用は年々拡大しています。市場が拡大している事実は、SaaS開発への投資判断を後押しする材料になりますが、個別プロジェクトの費用は前提条件で大きく変わるため、必ず自社要件に基づく見積もりで確認してください。
SaaS開発の費用と見積もりでお悩みの方へ
GXO株式会社は、SaaSのMVP開発から本番リリース、運用改善までを一貫して支援します。相場の提示だけでなく、「その見積もりは妥当か」「どのフェーズに、いくら投じるべきか」という発注前の整理から伴走し、費用の暴走と失敗を未然に防ぎます。マルチテナント設計・課金基盤・スケーラブルなインフラまで、SaaS事業の成功に必要な判断と実装をワンストップでご相談いただけます。







