物流倉庫で欠員・トラブルが発生した際は、①対応フローの明確化 ②連絡体制の整備 ③代替手段の準備 ④定期訓練の4つが重要です。本記事では、現場が止まらない仕組みの作り方を、具体的な手順とテンプレート付きで解説します。
物流倉庫で起きやすい4つのトラブル
物流倉庫の現場では、日々さまざまなトラブルが発生します。特に以下の4つは、多くの現場で共通して起きやすいトラブルです。
1. 急な欠員(突発欠勤・退職)
当日朝の体調不良連絡、無断欠勤、突然の退職など、人員が予定より不足する事態です。繁忙期や人員がギリギリの現場では、1人の欠員でも出荷遅延につながるリスクがあります。
2. 機器・設備の故障
フォークリフトの故障、ハンディターミナルの不具合、コンベアの停止、ラベルプリンターの紙詰まりなど、物流現場は多くの機器に依存しています。故障が発生すると、作業効率が大幅に低下します。
3. システムダウン
WMS(倉庫管理システム)の停止、ネットワーク障害、サーバートラブルなどにより、在庫情報の確認やピッキング指示が出せなくなる事態です。デジタル化が進んだ現場ほど、システムダウンの影響は大きくなります。
4. イレギュラーな依頼
「今日中に追加で500件出荷してほしい」「急ぎで特定商品だけ先に出荷してほしい」など、通常のオペレーションでは対応が難しい緊急依頼です。荷主との関係上、断りにくいケースも多くあります。
トラブル対応の4つのポイント

トラブルは「起きないようにする」ことも大切ですが、完全にゼロにすることは困難です。重要なのは、トラブルが起きた時に慌てず対応できる仕組みを事前に作っておくことです。
ポイント①:対応フローの明確化
トラブル発生時に「誰が」「何を」「どの順番で」行うかを、事前に決めておきます。
対応フロー作成の3ステップ
トラブルの類型を洗い出す:過去1年間に発生したトラブルをリストアップ
各トラブルの対応手順を言語化:ベテラン社員の頭の中にある「暗黙知」を文書化
フローチャートに落とし込む:判断ポイントと次のアクションを図示
急な欠員発生時の対応フロー例
時間軸 | 担当 | アクション |
|---|---|---|
発生直後 | 連絡を受けた者 | 現場責任者へ報告 |
5分以内 | 現場責任者 | 当日の作業量と人員バランスを確認 |
15分以内 | 現場責任者 | 社内での人員補填可否を判断 |
30分以内 | 管理担当 | 派遣会社へ緊急依頼(必要な場合) |
1時間以内 | 現場責任者 | 作業優先順位の見直し・再配置完了 |
ポイント②:連絡体制の整備
緊急時に「誰に連絡すればいいか分からない」状態は、対応の遅れに直結します。
整備すべき連絡体制
社内緊急連絡網:現場責任者 → 管理職 → 経営層のエスカレーションルート
派遣会社連絡先リスト:担当者名、電話番号、対応可能時間帯、緊急時の連絡方法
設備業者連絡先:フォークリフト、コンベア、空調設備など業者別の連絡先
システム保守連絡先:WMSベンダー、ネットワーク業者のサポート窓口
連絡先リストのポイント
定期的に更新する(四半期に1回推奨)
紙でも掲示し、システムダウン時にも確認できるようにする
担当者の携帯電話番号も把握しておく
ポイント③:代替手段の準備
特にシステムダウン時は、デジタルに頼らない「アナログでの代替手段」が必要です。
システムダウン時のマニュアル運用例
通常時 | 代替手段 |
|---|---|
WMSでピッキング指示 | 紙のピッキングリストを出力(直近分を常時印刷) |
ハンディターミナルで検品 | 紙の検品リスト+目視チェック |
システムで在庫確認 | 前日時点の在庫表(紙)で確認 |
バーコードスキャン | 手書き記録 → 復旧後に一括入力 |
代替手段準備のポイント
「直近の出荷予定リスト」は常に紙でも出力しておく
手書き記録用のフォーマットを事前に用意
復旧後のデータ入力手順も決めておく
ポイント④:定期的な訓練
対応フローを作っても、いざという時に動けなければ意味がありません。定期的な訓練で「体で覚える」ことが重要です。
訓練の実施方法
訓練タイプ | 頻度 | 内容 |
|---|---|---|
机上訓練 | 四半期に1回 | 「もしこのトラブルが起きたら?」をチームで話し合う |
実地訓練 | 年1回 | 実際にシステムを止めて(または止まった想定で)マニュアル運用を実施 |
振り返り | トラブル発生後 | 実際のトラブル対応を振り返り、改善点を洗い出す |
トラブル別の具体的対応策
急な欠員への対応策
事前準備
作業の標準化:誰でも同じ作業ができるようマニュアル整備
多能工化の推進:複数の作業をこなせる人材を育成
派遣会社との関係構築:緊急時に対応してもらえる関係づくり
発生時の対応
欠員の影響範囲を把握(どの作業に何人必要か)
社内での人員再配置を検討
作業の優先順位を見直し(後回しにできる作業はないか)
必要に応じて派遣会社へ緊急依頼
残業対応の可否を確認
機器故障への対応策
事前準備
予備機の確保(ハンディターミナル、プリンターなど)
日常点検の実施(始業前チェックリスト)
保守契約の内容確認(対応時間、費用など)
発生時の対応
故障状況の確認(完全停止か一部機能のみか)
予備機への切り替え
保守業者への連絡
代替手段での作業継続
システムダウンへの対応策
事前準備
マニュアル運用の手順書作成
紙のバックアップ資料の準備
定期的なデータバックアップ
発生時の対応
影響範囲の確認(WMSのみかネットワーク全体か)
システム保守へ連絡
マニュアル運用への切り替え判断
復旧後のデータ整合性チェック
すぐ使えるテンプレート

緊急連絡先リスト(テンプレート)
【社内連絡先】
・現場責任者:〇〇(内線:XXX / 携帯:XXX-XXXX-XXXX)
・管理部門:〇〇(内線:XXX / 携帯:XXX-XXXX-XXXX)
・経営層:〇〇(携帯:XXX-XXXX-XXXX)
【派遣会社】
・A社:〇〇様(TEL:XXX-XXXX-XXXX / 緊急時:XXX-XXXX-XXXX)
・B社:〇〇様(TEL:XXX-XXXX-XXXX / 緊急時:XXX-XXXX-XXXX)
【設備保守】
・フォークリフト:〇〇社(TEL:XXX-XXXX-XXXX)
・コンベア:〇〇社(TEL:XXX-XXXX-XXXX)
【システム保守】
・WMS:〇〇社サポート(TEL:XXX-XXXX-XXXX / 24時間対応)
最終更新日:20XX年XX月XX日
トラブル発生時チェックリスト
□ 発生状況を正確に把握した
□ 現場責任者へ報告した
□ 影響範囲を確認した
□ 対応フローに沿って行動した
□ 必要な連絡先に連絡した
□ 代替手段で作業を継続した
□ 復旧後の確認を行った
□ 振り返りを実施し、改善点を記録した
まとめ
トラブルは必ず起きます。大切なのは、起きた時に慌てず対応できる仕組みを作っておくことです。
4つのポイントのおさらい
対応フローの明確化:誰が何をするかを事前に決める
連絡体制の整備:緊急連絡先を常に最新に保つ
代替手段の準備:システムに頼らない方法も用意する
定期的な訓練:いざという時に動けるよう体で覚える
まずは自社で過去に起きたトラブルを洗い出し、対応フローの整備から始めてみてください。
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