物流倉庫の現場で「人が足りない」と気づいた時には、すでに出荷遅延が発生している──そんな経験はありませんか?
人員の過不足をリアルタイムで把握できれば、応援要請や作業の優先順位変更など、早めの対応が可能になります。本記事では、入退場データの活用、シフトとの実績比較、作業量との連動など、具体的な5つの方法を段階的に解説します。
なぜ人員の過不足が分からないのか?5つの原因
多くの物流倉庫では、以下のような理由で人員の過不足をリアルタイムに把握できていません。
原因①:データがリアルタイムで更新されない
紙の名簿やExcelでの管理では、「今この瞬間、何人いるか」が分かりません。
具体例:
朝礼時の人数確認のみで、途中の早退や遅刻に対応できない
Excelへの入力は業務終了後のため、当日中は前日のデータを見ている
派遣会社からの欠勤連絡がExcelに反映されるまで数時間かかる
原因②:予定(シフト)と実績(入退場)が別管理
シフト表と実際の入退場記録が別々のシステムやファイルで管理されていると、差異の検出に時間がかかります。
よくあるケース:
シフトはExcel、入退場は紙の名簿で管理
予定20名のはずが、実際は欠勤2名で18名だったことに午後まで気づかない
原因③:作業量との比較ができない
「今日の出荷量に対して、人員は足りているのか?」という判断ができない状態です。
問題点:
出荷予定300件に対して必要な人員数が計算できていない
繁忙期と閑散期で必要人員が変わるのに、一律の配置をしている
作業工程ごと(ピッキング、梱包、出荷検品など)の必要人数が不明確
原因④:現場責任者の経験と勘に依存
ベテラン責任者の「なんとなく足りない気がする」という感覚で判断しています。
リスク:
担当者不在時に判断できる人がいない
新人の責任者には判断基準が分からない
感覚が外れた時のリカバリーが遅れる
原因⑤:複数拠点・派遣会社の情報が集約されていない
複数の派遣会社を利用している場合、各社からの出勤情報が個別に届くため、全体像の把握に時間がかかります。
具体例:
A社から欠勤連絡、B社からは遅刻連絡が別々のメールで届く
自社スタッフと派遣スタッフの管理方法が異なる
複数拠点の合計人員数を把握するのに1時間以上かかる
人員の過不足をリアルタイムで把握する5つのステップ

ここからは、具体的な実践方法を5つのステップで解説します。
ステップ1:入退場データを自動で記録する仕組みを作る
まずは「今、誰がいるか」をリアルタイムで把握できる状態にします。
実践方法:
QRコード・ICカード・タブレット打刻などで入退場を記録
紙の名簿への手書きをやめ、デジタル化する
スマートフォンやタブレットでの打刻なら初期費用を抑えられる
データを自動集計できる仕組みにする
Excelへの手入力ではなく、システムで自動集計
リアルタイムで「現在の出勤人数」が見える状態にする
派遣会社からの連絡も同じシステムで管理
メールや電話での欠勤連絡を、システム上で一元管理
派遣会社ごとにバラバラだった情報を集約
導入効果:
現場責任者が「今、何人いるか」を5秒で確認できる
欠勤・遅刻の情報がリアルタイムで反映される
ステップ2:シフト(予定)と入退場(実績)を自動比較する
予定していた人数と実際の人数の差異を、システムで自動検出します。
実践方法:
シフト表と入退場データを同じシステムで管理
シフトはExcel、実績は紙、という別管理をやめる
1つのシステムで予定と実績を管理
差異があれば自動でアラートを出す
「シフト予定20名、実績18名、-2名」を自動表示
責任者のスマートフォンに通知を送る
差異の原因を記録する
欠勤、遅刻、早退など、理由を記録
次回のシフト作成時に参考にする
導入効果:
午前中に欠勤2名が判明し、午後の応援要請が間に合う
「気づいたら人が足りなかった」という事態を防げる
ステップ3:作業量(出荷予定数など)と人員数を連動させる
「今日の作業量に対して、人は足りているか?」を判断できるようにします。
実践方法:
作業工程ごとの必要人員数を算出する
ピッキング:100件/時あたり5名
梱包:100件/時あたり3名
出荷検品:100件/時あたり2名 ※実績データから算出
当日の出荷予定数から必要人員を計算
出荷予定300件 → ピッキング15名、梱包9名、検品6名が必要
システムで自動計算し、現在の人員と比較
過不足をリアルタイムで表示
「ピッキング:必要15名、現在13名、-2名不足」
工程ごとの過不足が一目で分かる
導入効果:
作業開始前に不足が分かり、配置転換や応援要請ができる
逆に余剰が分かれば、他工程への配置や教育時間に充てられる
ステップ4:過不足発生時の対応ルールを決めておく
リアルタイムで過不足が分かっても、対応方法が決まっていなければ意味がありません。
実践方法:
状況 | 不足人数 | 対応アクション | 判断者 | 対応タイミング |
|---|---|---|---|---|
軽度の不足 | 1〜2名 | ①他工程から配置転換 ②作業優先順位の見直し | 現場リーダー | 即時 |
中度の不足 | 3〜5名 | ①派遣会社に応援依頼 ②残業対応の検討 | センター長 | 30分以内 |
重度の不足 | 6名以上 | ①複数の派遣会社に緊急依頼 ②出荷スケジュールの調整 | センター長+経営層 | 即時 |
軽度の余剰 | 1〜2名 | ①他工程への応援 ②清掃・整理整頓 | 現場リーダー | 即時 |
中度の余剰 | 3〜5名 | ①スキル教育 ②翌日以降のシフト調整 | センター長 | 1時間以内 |
ポイント:
判断基準を明確にし、誰でも同じ対応ができるようにする
対応のタイミングを決めておく(即時/30分以内/1時間以内)
ステップ5:過去データから予測精度を高める
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過去の実績データを分析し、「いつ、どれくらい過不足が発生するか」を予測します。
実践方法:
曜日別・時間帯別の傾向を分析
月曜日は欠勤が多い(平均1.5名)
14時〜16時は作業効率が落ちる(必要人員+2名)
季節・イベントによる変動を把握
年末年始、セール時期の出荷量増加パターン
繁忙期に必要な人員数の予測
予測に基づいて事前対応
月曜日は予備人員を1名多くシフトに入れる
繁忙期の2週間前から派遣会社に追加依頼
導入効果:
「いつも足りなくなる」状況を事前に防げる
シフト作成の精度が上がり、過不足の発生頻度が減る
管理方法別のメリット・デメリット比較
管理方法 | 初期費用 | リアルタイム性 | 複数拠点対応 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
Excel + 紙 | 無料 | × | × | 導入コストなし | 手入力の手間、リアルタイム性なし、集計ミス |
勤怠管理システム | 中〜高 | ○ | △ | 打刻の自動化 | 人員過不足の判断機能は別途必要 |
専用クラウドサービス | 低〜中 | ◎ | ◎ | リアルタイム把握、派遣管理、作業量連動 | 月額費用が発生 |
選び方のポイント:
小規模倉庫(50名以下):勤怠管理システムでも対応可能
中〜大規模倉庫、複数拠点:人員管理特化のクラウドサービスが効率的
派遣会社を多数利用:派遣管理機能があるサービスを選ぶ
成功事例:リアルタイム把握で残業時間30%削減

導入前の課題(大手物流センター・従業員150名):
欠勤・遅刻の把握が遅れ、午後になってから人員不足が判明
毎回、急な残業対応で人件費が増加
現場責任者の負担が大きく、判断ミスも発生
導入後の変化:
入退場データの自動記録
QRコード打刻で、欠勤・遅刻がリアルタイムで把握できるように
シフトとの差異を自動検出
午前9時の時点で「-3名」のアラートが出て、即座に派遣会社に応援依頼
作業量との連動
出荷予定500件 → 必要人員35名と自動計算
現在32名 → -3名不足を事前に把握
成果:
急な残業対応が減り、残業時間30%削減
現場責任者の負担軽減(人員確認の時間が1日2時間→10分に)
出荷遅延がゼロに(過去6ヶ月間)
よくある質問(FAQ)
Q1:小規模な倉庫でもリアルタイム把握は必要ですか?
A:従業員20名程度の小規模倉庫でも、繁忙期や欠勤時の対応を早めるために有効です。まずは無料のツール(Googleスプレッドシートでの自動集計など)から始めるのもおすすめです。
Q2:Excelでもリアルタイム把握はできますか?
A:Excelでも工夫次第で可能ですが、以下の限界があります。
複数人が同時に編集できない
スマートフォンからの入力が不便
自動アラート機能がない 小規模ならExcel、中規模以上なら専用システムが現実的です。
Q3:派遣会社とのやり取りはどう変わりますか?
A:システムを導入すると、以下のように変わります。
派遣会社からの欠勤連絡をシステム上で一元管理
応援依頼もシステム経由で送信(メール・電話が不要)
派遣会社ごとの出勤率などのデータも自動集計
Q4:導入にどれくらいの期間がかかりますか?
A:システムの種類によりますが、一般的には以下の目安です。
クラウドサービス:1〜2週間(設定・データ移行・研修含む)
勤怠管理システム:1〜2ヶ月(カスタマイズが必要な場合)
Q5:現場スタッフがITに不慣れでも使えますか?
A:最近のシステムは、スマートフォンのQRコード読み取りやタブレットでのタップ操作など、直感的に使える設計になっています。導入時の研修(30分程度)で、ほとんどのスタッフが使いこなせるようになります。
まとめ:早く気づけば、早く対応できる
人員の過不足は、気づくのが遅れるほど対応が困難になります。
リアルタイム把握の5つのステップ:
入退場データを自動で記録する
シフトと実績を自動比較する
作業量と人員数を連動させる
過不足発生時の対応ルールを決める
過去データから予測精度を高める
まずはステップ1の入退場データのデジタル化から始めてみましょう。紙の名簿やExcelへの手入力をやめるだけでも、現場の負担は大きく軽減されます。
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