人員管理📖 6分で読了

倉庫の適材適所配置|スキルと作業を紐づける方法属人的な配置判断から脱却し、データに基づいた人員配置を実現する手順を解説

倉庫の適材適所配置|スキルと作業を紐づける方法

倉庫現場で適材適所の配置を実現するには?スキルの棚卸しから作業との紐づけまで、3ステップで解説。属人的な判断を脱し、データに基づく配置を可能にする方法をご紹介します。

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倉庫の適材適所配置|スキルと作業を紐づける方法

「この人は、どの作業に向いている?」

物流センター長として15年のキャリアを持つ田中さん(45歳)は、毎朝この問いに頭を悩ませています。50名を超えるスタッフの顔と名前は覚えていても、誰がどのスキルを持ち、どの作業に適しているかを正確に把握するのは容易ではありません。派遣スタッフの入れ替わりも激しく、Excelで作ったスキル表は更新が追いつかないまま形骸化しています。

適材適所の配置を実現するには、スキルと作業の紐づけを仕組み化することが不可欠です。属人的な記憶や経験則に頼った配置では、ベテランの退職や急な欠員に対応できず、現場の生産性と安全性を損なうリスクがあります。

結論から言えば、適材適所の配置は「スキルの見える化」と「データに基づく照合」で実現できます。 現場で必要なスキルを棚卸しし、スタッフ一人ひとりの保有スキルを登録し、作業ごとに必要なスキルを定義して照合する。この3ステップを仕組み化すれば、誰が配置を決めても一定の品質を担保できるようになります。

  • まずやること:現場で必要なスキルを棚卸しし、一覧化する

  • 次にやること:スタッフ一人ひとりのスキルを登録し、習熟度まで記録する

  • 仕上げ:各作業に必要なスキルを定義し、スタッフのスキルと照合して配置を決める

この記事では、属人的な配置判断から脱却し、データに基づいた人員配置を実現するための具体的な手順を解説します。


適材適所が難しい理由

多くの物流倉庫では、適材適所の配置がうまくいっていません。その背景には、いくつかの構造的な問題があります。

スキルが見えない

誰がどのスキルを持っているか、正確に把握できていないケースは少なくありません。フォークリフトの免許保持者は把握していても、ハンディターミナルの操作レベルや、検品作業の正確性といった細かなスキルは、現場責任者の記憶に頼っていることがほとんどです。

ある物流センターでは、スキル情報が個々の責任者の頭の中にしかなく、その責任者が休んだ日に「誰がフォークリフトに乗れるのか分からない」という事態が発生していました。スキル情報が属人化していると、配置判断そのものが不安定になります。

判断が属人的

「あの人はいつもここ」「この作業は○○さんに任せておけば安心」という経験則に頼った配置は、一見うまく回っているように見えます。しかし、この方法には大きなリスクがあります。

経験則による配置は、特定のベテランスタッフへの依存を生みます。そのスタッフが異動や退職をした場合、代わりを務められる人材がいないという事態に陥りかねません。また、新人スタッフは「いつもの人」がいるために経験を積む機会を得られず、スキルの底上げが進まないという悪循環も生まれます。

変化に対応できない

物流現場は常に変化しています。繁忙期にはスタッフが増え、閑散期には減ります。新人が入社すれば教育が必要になり、ベテランが辞めればスキルの穴埋めが必要になります。

こうした変化に対して、属人的な配置判断では対応が追いつきません。特に複数の物流センターを管理している場合、各拠点のスキル状況を横断的に把握することは困難です。急な欠員が出た際に、他拠点から応援を呼びたくても「誰が何をできるのか」が分からず、対応が後手に回ってしまいます。


Excel管理の限界と属人配置のリスク

多くの現場では、スキル管理をExcelで行っています。しかし、Excel管理には構造的な限界があり、それが配置ミスや現場の混乱を招く原因となっています。

Excel管理で起きる5つの問題

1つ目は、更新が滞ることです。日々の業務に追われる中で、スタッフのスキル変化をExcelに反映する作業は後回しになりがちです。気づけば半年以上更新されていない、というケースも珍しくありません。

2つ目は、ファイルの乱立です。「スキル表_最新版」「スキル表_2024年度」「スキル表_田中修正」など、どれが正しいファイルか分からなくなり、結局誰も参照しなくなります。

3つ目は、複数拠点での共有が難しいことです。各拠点で別々のExcelを管理していると、横断的なスキル把握ができません。応援要請の際に「どの拠点に、どのスキルを持った人がいるか」を調べるだけで時間がかかります。

4つ目は、リアルタイム性がないことです。今日の出勤者の中で、特定のスキルを持つ人が何人いるかを即座に把握することができません。

5つ目は、分析ができないことです。スキルの偏りや、育成が必要な領域を可視化することが困難です。

配置ミスがもたらす損失

属人的な配置やExcel管理の不備は、具体的な損失につながります。

作業効率の面では、スキル不足のスタッフを配置すると、通常の1.5〜2倍の時間がかかることがあります。ある物流センターでは、配置ミスによる作業遅延が月間で約40時間発生していました。

安全面では、資格が必要な作業に無資格者を配置してしまうリスクがあります。フォークリフト作業での事故は、最悪の場合、人命に関わります。

人材面では、スキルに見合わない作業への配置が続くと、スタッフのモチベーション低下や離職につながります。「自分の能力が活かされていない」「成長の機会がない」という不満は、優秀な人材の流出を招きます。

属人配置とスキル管理の比較

項目

属人配置(従来型)

スキル管理(データ活用型)

配置判断の根拠

責任者の記憶・経験

登録されたスキルデータ

担当者不在時

配置が混乱する

誰でも同じ判断ができる

新人の育成

場当たり的になりやすい

計画的にスキルを付与できる

複数拠点の把握

困難

横断的に可視化できる

ベテラン退職時

スキルの空白が発生

事前に育成計画を立てられる


適材適所を実現する3つのステップ

適材適所の配置を仕組み化するには、以下の3つのステップを順に進めていきます。

STEP1:スキルの棚卸し

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最初に取り組むべきは、現場で必要なスキルを洗い出して一覧化することです。スキルは大きく3つのカテゴリに分けると整理しやすくなります。

1つ目は資格です。フォークリフト運転技能講習修了証、危険物取扱者、玉掛け技能講習修了証など、法的に必要な資格を洗い出します。これらは保有の有無が明確なので、管理も比較的容易です。

2つ目は作業スキルです。ピッキング、検品、梱包、仕分け、入荷処理、出荷処理など、現場で発生する作業ごとに必要なスキルを定義します。作業スキルは資格と異なり、習熟度に幅があるため、初級・中級・上級といったレベル分けを設けると、より精度の高い配置が可能になります。

3つ目は機器操作スキルです。ハンディターミナル、WMS(倉庫管理システム)、マテハン機器、ラベルプリンターなど、現場で使用する機器の操作スキルを洗い出します。

STEP2:スタッフのスキル登録

スキルの棚卸しが終わったら、各スタッフが持っているスキルを登録していきます。単に「できる・できない」の二択ではなく、習熟度まで記録しておくと、配置判断の精度が上がります。

習熟度の設定例としては、以下のような3段階が実用的です。初級は「指導者がいれば作業可能」、中級は「一人で標準的な作業が可能」、上級は「イレギュラー対応や後輩指導も可能」といった定義です。

スキル登録を進める際に注意したいのは、自己申告だけに頼らないことです。可能であれば、現場責任者による確認や、実技テストを組み合わせることで、登録情報の精度を高めることができます。

STEP3:作業とスキルの紐づけ

スタッフのスキル登録が終わったら、各作業に必要なスキルを定義し、スタッフのスキルと照合して配置を決める仕組みを作ります。

たとえば、フォークリフト作業には「フォークリフト運転技能講習修了証」が必須です。ピッキング作業には「ハンディターミナル操作」と「ピッキング作業」のスキルが必要で、習熟度は中級以上が望ましい、といった具合に定義します。

ある物流センターでは、この仕組みを導入した結果、配置ミス(スキル不足のスタッフを配置してしまうケース)が月12件から2件に減少しました。配置を決める時間も短縮され、現場責任者の負担軽減にもつながっています。


なぜクラウドでのスキル管理が有効なのか

スキル管理をExcelからクラウドシステムに移行することで、適材適所の配置は大きく前進します。

クラウド管理の4つのメリット

1つ目は、常に最新の情報を共有できることです。スキル情報の更新がリアルタイムで反映され、複数の責任者が同じ情報を参照できます。「どのファイルが最新か」で迷うことがなくなります。

2つ目は、複数拠点を横断的に把握できることです。全拠点のスキル情報を一元管理することで、応援要請や人員の最適配置が容易になります。「A拠点でフォークリフト作業者が不足しているが、B拠点には余裕がある」といった状況を即座に把握できます。

3つ目は、配置判断を自動化・効率化できることです。作業に必要なスキルと、出勤予定スタッフのスキルを照合し、配置候補を自動で提示する機能があれば、責任者の判断負荷は大幅に軽減されます。

4つ目は、育成計画に活用できることです。スキルの偏りや不足を可視化することで、どのスタッフにどのスキルを習得させるべきかを計画的に検討できます。ベテラン退職前にスキル移転を進めるといった対応も可能になります。


セルフチェックリスト

自社の適材適所配置の現状を確認するためのチェックリストです。当てはまらない項目があれば、改善の余地があります。

  • 現場で必要なスキルが一覧化されている

  • 各スタッフのスキル情報が記録されている

  • スキル情報には習熟度(レベル)も含まれている

  • スキル情報は定期的に更新されている

  • 各作業に必要なスキルが定義されている

  • 配置判断の際にスキルデータが参照されている

  • スキルの偏りや属人化が把握できている

  • 新人の育成計画にスキルデータが活用されている

  • 複数拠点のスキル情報を横断的に把握できている

  • スキルデータの管理ツールが運用しやすい状態になっている


まとめ

適材適所の配置は、単なる現場オペレーションの改善にとどまりません。人件費の最適化、作業品質の安定、労災リスクの低減、そして人材の定着率向上につながる経営課題です。

スキルの見える化から始め、スタッフ一人ひとりのスキルを登録し、作業との紐づけを行う。この3つのステップを仕組み化すれば、属人的な判断に頼らない、データに基づいた配置が可能になります。

Excelでの管理に限界を感じているなら、クラウドシステムへの移行を検討する価値があります。初期の導入負荷はありますが、一度仕組みが整えば、配置ミスの削減、責任者の負担軽減、そして計画的な人材育成まで、多くのメリットを得ることができます。

まずは自社の現場で必要なスキルを洗い出すところから、取り組みを始めてみてください。


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