「システムを入れたい。でも、上に説明できない」
人員管理システムの導入を検討しているものの、投資対効果をどう説明すればいいか分からない。そんな悩みを抱えるセンター長は少なくありません。
この記事では、人員管理システムのROI(投資対効果)を自社で試算する方法を、具体的な計算式と数字例を交えて解説します。
ROIとは
ROIとは「Return On Investment」の略で、投資に対してどれだけのリターン(効果)が得られたかを示す指標です。
計算式
ROI = (効果 - 投資額) ÷ 投資額 × 100%
たとえば、100万円の投資で年間150万円の効果が出た場合、ROIは50%となります。ROIがプラスであれば「投資した以上の効果があった」と判断できます。
物流センターでシステム導入を稟議にかける際、このROIを具体的に示せるかどうかで、承認の通りやすさが大きく変わります。
効果の算出方法

人員管理システムの導入効果は、大きく3つの観点から算出できます。
効果①:工数削減
シフト作成や勤怠集計にかかる管理工数の削減効果です。
計算式
削減効果 = 削減時間(時間/月) × 時給 × 12ヶ月
試算例
現状、シフト作成に週5時間、勤怠集計に週3時間かかっているとします。システム導入で作業時間が半分になった場合、月あたり約16時間の削減です。管理者の時給を3,000円とすると、
16時間 × 3,000円 × 12ヶ月 = 約58万円/年
この金額が工数削減による効果となります。
効果②:残業削減
人員配置の最適化による残業時間の削減効果です。
物流センターでは、繁閑の波に合わせた人員配置が難しく、結果として残業が発生しがちです。人員管理システムで作業量予測に基づいた配置ができれば、無駄な残業を減らせます。
計算式
削減効果 = 削減残業時間(時間/月) × 残業時給 × 対象人数 × 12ヶ月
試算例
1人あたり月5時間の残業削減、対象者20名、残業時給1,500円の場合、
5時間 × 1,500円 × 20名 × 12ヶ月 = 180万円/年
残業代だけでなく、スタッフの定着率向上にもつながる効果です。
効果③:ミス・トラブル削減
シフトの組み間違いや勤怠の集計ミスによる損失の削減効果です。
手作業でのシフト管理では、ダブルブッキングや人員不足による現場トラブルが発生します。クレーム対応や緊急の人員手配にかかるコストは、見えにくいですが確実に発生しています。
計算式
削減効果 = トラブル1件あたりの損失額 × 年間発生件数 × 削減率
試算例
トラブル1件あたりの対応コストを5万円、年間12件発生、システム導入で半減すると仮定した場合、
5万円 × 12件 × 50% = 30万円/年
現場の負担軽減という定性的な効果も含めると、実際の価値はこれ以上になります。
試算例:100名規模の物流センターの場合
100名規模の物流センターで人員管理システムを導入した場合の試算例です。
項目 | 算出根拠 | 効果(年間) |
|---|---|---|
工数削減 | 月16時間 × 時給3,000円 | 約58万円 |
残業削減 | 月5時間 × 20名 × 時給1,500円 | 180万円 |
ミス削減 | 年6件 × 5万円 | 30万円 |
合計 | 約268万円 |
システム導入費用が初年度150万円(導入費+年間利用料)の場合、
ROI = (268万円 - 150万円) ÷ 150万円 × 100% = 約79%
初年度で投資を回収し、2年目以降は利用料のみで効果が継続します。
ROI試算のポイント

試算を行う際は、以下の点に注意してください。
現状の工数を正確に把握する
「なんとなく大変」ではなく、実際に何時間かかっているかを計測します。1週間だけでも記録を取ると、説得力のある数字が出せます。
控えめな数字で試算する
効果を大きく見積もりすぎると、導入後に「思ったほど効果がない」と評価されるリスクがあります。削減率は50%程度を上限に、堅めの数字で試算することをおすすめします。
定性効果も併記する
数字にしにくい効果(スタッフの満足度向上、急な欠勤対応の負担軽減など)も、補足として記載しておくと説得力が増します。
まとめ
人員管理システムのROIは、工数削減・残業削減・ミス削減の3つの観点から試算できます。
自社の数字を当てはめて計算することで、「導入すべきかどうか」を客観的に判断できます。稟議を通すためにも、まずは現状の工数を把握するところから始めてみてください。
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