人時生産性📖 7分で読了

物流倉庫の人時生産性を上げる5つの改善方法歩行距離削減から人員配置最適化まで、現場ですぐ実践できる効率改善策を解説

物流倉庫の人時生産性を上げる5つの改善方法

人時生産性が低いとお悩みの倉庫管理者へ。ムダな動きの削減、適材適所の配置、作業手順の見直しなど、投資不要で始められる5つの改善方法を具体例とともに解説します。

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:::info この記事の要点3行まとめ

  1. 投資不要で始められる5つの改善方法:ムダな動きの削減・適材適所の配置・作業手順の改善・設備活用・人員配置最適化

  2. 歩行距離40%削減で作業時間20%短縮など、小さな改善の積み重ねが大きな成果を生む

  3. PDCA継続が鍵:現状計測→ボトルネック特定→改善実行→効果検証のサイクルを回す :::

人時生産性を計測してみた。思ったより低い数字だった。

「どうすれば上がるんだろう…」

そんな悩みを抱える倉庫管理者の方は少なくありません。人時生産性の改善は、一見すると難しそうに思えますが、実は現場ですぐに始められる方法がいくつもあります。大規模な投資や複雑なシステム導入がなくても、日々の業務の中で改善できるポイントは確実に存在します。

結論から言えば、人時生産性を上げる方法は5つの観点から取り組むことができます。

  • ムダな動きを減らす:歩行距離や待ち時間を削減し、純粋な作業時間を増やす

  • 適材適所の配置を徹底する:スキルに合った作業を任せ、効率を最大化する

  • 作業手順を改善する:標準化と見直しで、誰がやっても効率的な仕組みを作る

  • 設備・ツールを活用する:ハンディターミナルや台車の工夫で作業をスムーズにする

  • 人員配置を最適化する:物量の波に合わせ、過不足のない人員体制を整える

それぞれ詳しく解説していきます。


方法①:ムダな動きを減らす

歩行距離を減らす

倉庫作業で最もムダなのは、「歩く時間」です。ピッキングで端から端まで歩く。資材を取りに行って戻ってくる。確認のために事務所まで行く。歩いている間は、何も生産していません。

ある物流センターでは、ロケーションの見直しを行った結果、ピッキング時の平均歩行距離を1日あたり約8キロから5キロへと約40%削減することに成功しました。これにより、ピッキング作業時間が20%短縮され、同じ人員でより多くの出荷に対応できるようになりました。

歩行距離を減らすための改善策として、よく出る商品を出荷エリアの手前に配置する、ピッキングルートを最適化して往復を減らす、頻繁に使う資材は各作業エリアに分散配置するといった方法があります。現場の動線を観察すると、意外なムダが見つかることがあります。作業者がどのような経路で動いているかを一度可視化してみることをお勧めします。

待ち時間を減らす

次の作業を待っている時間もムダです。フォークリフトを待っている。検品待ちで並んでいる。指示を待っている。こうした待ち時間は、一つひとつは数分でも、積み重なると大きなロスになります。

実際のケースでは、検品待ちのボトルネックを解消するために検品レーンを1台増設し、作業の平準化を図った結果、平均待ち時間が15分から5分に短縮されました。これにより作業全体のリードタイムが改善され、残業時間も月平均で約12時間削減されました。

待ち時間を減らすためには、作業の平準化でピーク時の集中を避ける、ボトルネックとなっている工程を特定して対策する、作業指示を事前に共有して待機時間をなくすといった取り組みが効果的です。

:::tip ムダな動きを減らすチェックリスト

  • 出荷頻度の高い商品を手前に配置しているか

  • ピッキングルートを最適化しているか

  • 待ち時間が発生するボトルネック工程を把握しているか

  • 作業指示を事前に共有できているか :::


方法②:適材適所の配置を徹底する

スキルに合った配置

得意な作業を任せれば、スピードも質も上がります。逆に、苦手な作業を任せれば、スピードも質も下がります。これは当たり前のことですが、日々の忙しさの中で見落とされがちなポイントです。

たとえば、ピッキングが得意なスタッフを検品に回すと、本来の力を発揮できません。逆に、細かい確認作業が得意なスタッフは検品で力を発揮します。適材適所の配置を実現するためには、スキルマップを作成して各スタッフの得意分野を可視化し、作業ごとに必要なスキルを定義し、スキルに基づいて日々の配置を決定することが重要です。

あるセンターでは、スキルマップを活用した配置最適化により、全体の作業効率が約15%向上し、ミス率も低下しました。スタッフ自身も自分の得意分野で働けることで、モチベーションが向上したという声が聞かれています。

ベテランと新人のバランス

新人ばかりのラインは、効率が下がります。ベテランを適切に配置し、バランスを取りましょう。たとえば、ピッキングラインに新人3名を配置する場合、ベテラン1名を加えることで、困ったときにすぐ相談でき、作業がスムーズに進みます。

理想的な配置比率は作業内容によって異なりますが、経験者と新人の比率を3:1程度に保つことで、生産性と教育のバランスが取れるケースが多いようです。

:::tip 適材適所の配置チェックリスト

  • スキルマップを作成しているか

  • 作業ごとに必要なスキルを定義しているか

  • ベテランと新人のバランスを考慮しているか

  • 定期的に配置を見直しているか :::


方法③:作業手順を改善する

標準作業を定める

人によって、やり方がバラバラになっていませんか。Aさんはこうやる。Bさんはああやる。バラバラでは、効率が安定しません。

標準作業を定めるためには、まず最も効率的なやり方を特定することから始めます。ベテランの作業を観察し、無駄のない動きを分析します。次に、その方法を標準作業として文書化し、全員が同じ手順で作業できるようにします。そして、全員に対して標準作業の教育を行い、定着させます。

ある倉庫では、ピッキング作業の標準化により、作業時間のバラつきが大幅に減少しました。以前は同じ作業でも人によって15分〜30分の幅がありましたが、標準化後は18分〜22分程度に収束し、全体の平均作業時間も25%短縮されました。

手順を見直す

「ずっとこのやり方だから」と、疑問を持たずに続けていませんか。改めて見直すと、省略できる手順や、順番を変えた方が良い部分が見つかることがあります。

たとえば、検品作業で伝票確認を最後に行っていたものを最初に変更するだけで、ミスの早期発見につながり、手戻りが減少したケースもあります。また、梱包資材の補充タイミングを作業前から作業の合間に変更することで、作業の中断が減り、効率が向上した事例もあります。

:::tip 作業手順改善チェックリスト

  • 標準作業手順書を作成しているか

  • ベテランの効率的な動きを分析しているか

  • 定期的に手順の見直しを行っているか

  • 全員に標準作業の教育を実施しているか :::


方法④:設備・ツールを活用する

ハンディターミナルの活用

紙のリストを見ながらピッキングするより、ハンディターミナルを使った方が効率的です。確認の手間が減り、ミスも減ります。ハンディターミナルを導入することで、リアルタイムで在庫が更新され、ピッキングミスによる手戻りが削減されます。

実際の導入事例では、ハンディターミナルの活用により、ピッキング精度が95%から99.5%に向上し、検品での手戻りが大幅に減少しました。結果として、1人あたりの作業効率が約18%向上しました。

台車・カートの工夫

作業に合った台車やカートを使うことで、効率が上がります。一度に運べる量を増やすことで、往復回数を減らせます。また、取りやすい高さに棚を設けた台車を使うことで、腰への負担も軽減されます。

たとえば、ピッキング用の台車に仕分けボックスを追加することで、複数オーダーを同時処理できるようになり、作業時間が30%短縮されたケースもあります。

レイアウトの見直し

倉庫のレイアウトを見直すことで、効率が大きく変わることがあります。出荷頻度の高い商品を出荷エリアに近い場所に配置する、作業エリアと通路を明確に区分して動線の混雑を防ぐ、資材置き場を各作業エリアに分散配置して移動距離を削減するといった工夫が効果的です。

:::tip 設備・ツール活用チェックリスト

  • ハンディターミナルを導入・活用しているか

  • 作業に適した台車・カートを使用しているか

  • 出荷頻度に応じたロケーション配置をしているか

  • 動線の混雑を防ぐレイアウトになっているか :::


方法⑤:人員配置を最適化する

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過不足をなくす

人が余っていれば、人時生産性は下がります。人が足りなければ、残業が増えて、疲労でさらに効率が下がります。必要人数を正確に予測し、過不足のない配置を目指しましょう。

必要人数の算出には、過去の出荷実績データを分析し、物量と必要人員の関係を把握することが重要です。また、作業別の標準時間を設定し、当日の物量から必要人員を逆算します。さらに、予測と実績の差を記録し、精度を継続的に改善していきます。

繁閑に合わせる

物量の波に合わせて、人員を調整しましょう。忙しい時は多めに。暇な時は少なめに。固定人数ではなく、柔軟な調整が効率を上げます。

月曜日と金曜日で出荷量が2倍違う場合、同じ人数では非効率です。派遣スタッフやパートタイマーを活用し、繁閑に応じた人員体制を構築することで、生産性を安定させることができます。

:::tip 人員配置最適化チェックリスト

  • 過去の出荷実績データを分析しているか

  • 作業別の標準時間を設定しているか

  • 繁閑に応じた柔軟な人員体制を構築しているか

  • 予測と実績の差を記録・改善しているか :::


改善前後の比較:どれだけ効果があるのか

改善施策

改善前

改善後

効果

歩行距離の削減

1日8キロ

1日5キロ

40%削減

待ち時間の短縮

平均15分

平均5分

67%削減

スキルマップ活用

配置は経験則

データに基づく配置

作業効率15%向上

作業手順の標準化

15〜30分のバラつき

18〜22分に収束

平均25%短縮

ハンディターミナル導入

ピッキング精度95%

精度99.5%

手戻り大幅削減


よくある失敗例と対策

人時生産性の改善に取り組む際、以下のような失敗パターンに陥るケースがあります。

失敗例:「一気に全部やろうとする」

5つの改善方法を見て、「全部やらなければ」と意気込んでしまう。結果、どれも中途半端になり、効果が出ない。現場も混乱し、改善活動そのものが頓挫してしまう。

対策:優先順位をつけて1つずつ

まずは現状を計測し、最もボトルネックになっている部分から着手しましょう。1つの改善が定着してから、次の改善に進む。この「小さく始めて、確実に定着させる」アプローチが、持続的な改善につながります。


改善の進め方

ステップ①:現状を計測する

まず、現状の生産性を計測しましょう。計測がなければ、改善の効果も分かりません。「総生産量÷総労働時間」で算出します。たとえば、1日の出荷件数が500件、投入した労働時間が100時間であれば、5件/時間となります。

この数値を日別、週別、月別で記録し、トレンドを把握することが改善の第一歩です。

ステップ②:ボトルネックを特定する

どこに問題があるか、特定しましょう。歩行距離が長いのか。待ち時間が多いのか。特定の作業が遅いのか。問題の特定が、改善の第一歩です。

現場を観察し、作業者にヒアリングすることで、数値だけでは見えない課題が浮かび上がることがあります。作業者自身が「ここが非効率だ」と感じているポイントは、高確率で改善の余地があります。

ステップ③:改善策を実行する

特定した問題に対して、改善策を実行しましょう。一度に全部やろうとせず、優先順位をつけて進めます。効果が大きく、すぐに実行できるものから着手することで、早期に成果を実感でき、改善活動の継続につながります。

ステップ④:効果を検証する

改善後、生産性を再度計測しましょう。効果があったか、なかったか。効果があれば継続、なければ別の方法を試す。このPDCAを回し続けることが大切です。

検証のポイントは、改善前後で同じ条件で比較することです。物量が大きく変動する時期は避け、できるだけ安定した期間で比較することで、改善の真の効果を測定できます。


まとめ:小さな改善の積み重ね

人時生産性を上げるには、大きな投資が必要とは限りません。ムダな動きを減らす。適材適所で配置する。作業手順を見直す。こうした小さな改善の積み重ねが、大きな効果を生みます。

重要なのは、現状を正確に把握し、課題を特定し、優先順位をつけて改善に取り組むことです。そして、改善の効果を検証し、PDCAを回し続けることです。完璧を目指すのではなく、できることから始めて、少しずつ改善を積み重ねていく姿勢が、持続的な生産性向上につながります。

まずは、今できることから始めてみませんか。


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