生産性改善📖 5分で読了

人時生産性の計算方法|物流現場で正しく計測する手順物流倉庫の生産性向上に欠かせない人時生産性の計測方法を、具体例とともに解説

人時生産性の計算方法|物流現場で正しく計測する手順

人時生産性の計算方法を物流現場向けに解説。作業量の定義から総労働時間の計り方、工程別計測のコツまで、正しく計測して改善につなげる手順を紹介します。

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「うちの現場、生産性が良いのか悪いのか分からない」「計測しているつもりだけど、数字が改善に活かせていない」——物流倉庫の現場責任者なら、一度はこうした悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。人時生産性は、現場の効率を「見える化」する最も基本的な指標です。しかし、計測方法を間違えると、改善どころか現場を混乱させる原因にもなりかねません。

この記事では、人時生産性の計算方法を物流現場の視点で解説します。計算式の基本から、作業量・労働時間の正しい計り方、そして計測を改善につなげるコツまで、実務で使える知識をお伝えします。


📌 この記事で分かること

  • 人時生産性の計算式と、物流現場での具体的な計算例

  • 作業量・労働時間の正しい計り方と、工程別に適した計測単位

  • 計測でよくある失敗パターンと、改善につなげる運用のコツ


結論から言えば、人時生産性は「作業量÷総労働時間」で計算しますが、正しく計測するには3つのポイントがあります。

  • 作業量は工程ごとに適切な単位を選ぶ:出荷件数、ピッキング行数、検品個数など、工程の実態を反映する単位を設定する

  • 総労働時間は休憩・間接作業の扱いを統一する:入退場記録をベースに、除外すべき時間のルールを明確にする

  • 同じ基準で継続的に計測する:基準がブレると比較ができず、改善の効果が見えなくなる


人時生産性の計算式

人時生産性の計算式は非常にシンプルです。

人時生産性 = 作業量 ÷ 総労働時間

この数値が高いほど、少ない労働時間で多くの作業をこなせていることを意味します。


📊 計算例:出荷工程の人時生産性

項目

数値

1日の出荷件数

500件

投入労働時間

50時間(5人×10時間)

人時生産性

10件/時

計算:500件 ÷ 50時間 = 10件/時

この例では、1人が1時間あたり平均10件の出荷作業をこなしていることになります。この数値を継続的に計測し、推移を追うことで、改善施策の効果が見えるようになります。


ただし、計算式自体は単純でも、「作業量」と「総労働時間」の定義を間違えると、まったく意味のない数字になってしまいます。次のセクションから、それぞれの正しい計り方を見ていきましょう。


作業量の計り方

作業量を計測する際は、工程ごとに適切な単位を選ぶことが重要です。物流倉庫で一般的に使われる単位には、出荷件数、ピッキング行数、検品個数、入荷ケース数などがあります。


📋 工程別:推奨計測単位の比較表

工程

推奨単位

選定理由

入荷

入荷ケース数/パレット数

荷受け作業の負荷を反映

格納

格納ロケーション数

移動・配置作業の実態を反映

ピッキング

ピッキング行数

1件あたりの作業量ばらつきを吸収

検品

検品個数

個品単位の確認作業を反映

梱包

梱包件数

出荷準備の作業量を反映

出荷

出荷件数

最終アウトプットとして分かりやすい


出荷工程であれば「出荷件数」が分かりやすい指標ですが、1件あたりの作業量にばらつきがある場合は「ピッキング行数」を使う方が実態を反映できます。たとえば、1件で10行ピッキングする注文と、1件で1行だけの注文を同じ「1件」としてカウントすると、生産性の実態が見えにくくなります。

検品工程では「検品個数」、入荷工程では「入荷ケース数」や「入荷パレット数」を使うことが多いでしょう。大切なのは、その工程で実際に行っている作業の負荷を反映できる単位を選ぶことです。

ある物流センターでは、出荷件数ベースの人時生産性が横ばいなのに、現場は「忙しくなった」と感じていました。調べてみると、1件あたりのピッキング行数が増えていたのです。ピッキング行数ベースに切り替えたところ、生産性の変化が正しく把握できるようになり、人員配置の見直しにつながりました。


総労働時間の計り方

総労働時間の計測では、入退場記録をベースにすることが基本です。ただし、単純に「退場時刻-入場時刻」を合計するだけでは、正確な数字は出ません。休憩時間や間接作業の扱いを明確にする必要があります。

まず、休憩時間は必ず除外します。昼休憩だけでなく、午前・午後の小休憩も対象です。休憩時間を含めたまま計算すると、人時生産性が実際より低く出てしまいます。

次に、間接作業の扱いを決めます。朝礼、終礼、清掃、棚卸し、トレーニングなど、直接的な出荷作業ではない時間をどう扱うかは、現場ごとにルールを統一しておく必要があります。一般的には、日常的に発生する朝礼・終礼・清掃は労働時間に含め、棚卸しや特別なトレーニングは除外することが多いです。

重要なのは、どのルールが正解かではなく、「同じルールで継続的に計測すること」です。途中でルールを変えると、過去のデータとの比較ができなくなり、改善の効果が見えなくなってしまいます。


計測の注意点

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人時生産性を正しく計測し、改善に活かすためには、いくつかの注意点があります。

まず、同じ基準で継続的に計測することが大前提です。作業量の単位、労働時間の計算ルール、データの取得方法など、一度決めたルールは簡単に変えないようにしましょう。基準が変わると、「先月より良くなった」「去年と比べて悪化した」といった比較ができなくなります。

次に、異常値の扱いに注意が必要です。セール期間、大口出荷、システム障害、天候不良による遅延など、通常とは異なる状況で計測したデータは、別枠で管理するか除外することを検討しましょう。異常値を含めたまま平均を取ると、実態と乖離した数字になってしまいます。

また、全体の数字だけでなく、工程別に計測することで改善ポイントが見えてきます。入荷、格納、ピッキング、検品、梱包、出荷——それぞれの工程で人時生産性を計測すると、「どこがボトルネックになっているか」が明確になります。全体の生産性が低下している場合も、工程別に見れば原因が特定しやすくなります。


人時生産性計測のNGパターン

計測を始める前に、よくある失敗パターンを知っておくと、同じ轍を踏まずに済みます。

NG1:作業量の単位がコロコロ変わる 「今月は出荷件数、来月はピッキング行数」と単位を変えると、データの連続性が失われます。比較検討ができなくなるため、単位は固定しましょう。

NG2:休憩時間を含めたまま計算している 休憩を含めると労働時間が膨らみ、生産性が低く見えます。入退場データをそのまま使わず、休憩時間を差し引く処理を忘れないようにしましょう。

NG3:派遣スタッフと社員を分けずに計測している 経験値やスキルが異なるスタッフを一括りにすると、改善施策の効果検証が難しくなります。可能であれば、雇用形態や習熟度別に分けて計測すると、より精度の高い分析ができます。

NG4:異常値をそのまま平均に含めている セール日や大口出荷日のデータをそのまま含めると、平常時の生産性が見えにくくなります。異常値は別枠で管理しましょう。

NG5:計測しただけで終わっている 数字を出すことがゴールではありません。「なぜこの数字になったか」「どうすれば改善できるか」を考え、アクションにつなげることが重要です。


計測から改善につなげるには

人時生産性は、計測して終わりではなく、改善につなげてこそ価値があります。ある物流センターでは、人時生産性を工程別に計測した結果、ピッキング工程の生産性が他工程に比べて低いことが判明しました。原因を分析したところ、ロケーション配置に問題があることが分かり、動線を見直した結果、人時生産性が12件/時から18件/時に50%向上しました。

このように、計測→分析→改善→再計測のサイクルを回すことで、継続的な生産性向上が実現できます。


よくある質問

Q. 人時生産性の計算で、派遣スタッフの労働時間も含めますか?

A. 基本的には含めます。現場で実際に作業しているすべての人員の労働時間を合計するのが一般的です。ただし、分析の目的によっては、社員と派遣スタッフを分けて計測することで、より詳細な改善ポイントが見えてきます。

Q. 人時生産性の目標値はどのくらいが適切ですか?

A. 業種や取扱品目によって大きく異なります。まずは自社の過去データを蓄積し、推移を追うことが重要です。そのうえで、繁忙期・閑散期の変動を考慮しながら、現実的な改善目標を設定しましょう。

Q. Excelで管理していますが、計測が大変です。効率化する方法はありますか?

A. 入退場データや作業実績を手作業で転記していると、どうしても負荷がかかります。勤怠管理システムや人員管理ツールを導入することで、データ収集の自動化と計算の効率化が可能です。


まとめ

人時生産性は「作業量÷総労働時間」というシンプルな計算式ですが、正しく計測するには、作業量の単位選定、労働時間の計算ルール統一、継続的な計測という3つのポイントを押さえる必要があります。

計測は改善の第一歩です。まずは現状を正しく把握し、工程別の分析を通じてボトルネックを特定しましょう。そして、改善施策を実行した後は再び計測し、効果を検証する——このサイクルを回すことで、物流現場の生産性は着実に向上していきます。


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