「0件ヒット」90%削減を実現した検索改革

【要約】 ホットペッパーグルメがAI検索技術「Hybrid Search」で0件ヒットを90%削減し、検索経由の予約数を10%向上させました。検索改善が売上に直結することを証明したこの事例は、EC・物流を含む全業界の経営層が注目すべき先行事例です。
飲食店予約サービス『ホットペッパーグルメ』が、Amazon OpenSearch Serviceを活用したHybrid Search(ハイブリッド検索)を導入し、検索における「0件ヒット」を90%削減、検索経由の予約数を10%向上させることに成功しました。Amazon Web Services ブログによると、約6ヶ月の取り組みでこの成果を達成しています。
この事例は、EC・物流業界をはじめとする検索機能を持つすべてのBtoC・BtoBサービスにとって、検索基盤の刷新がもたらすビジネスインパクトを示す重要な先行事例といえます。
Hybrid Searchとは何か
従来の検索システムでは、キーワードの完全一致や部分一致に依存する「Lexical Search(字句検索)」が主流でした。しかしこの方式では、ユーザーが「おしゃれな居酒屋」と検索しても、店舗情報に「おしゃれ」という単語がなければヒットしません。これが「0件ヒット」問題の主な原因でした。
Hybrid Searchは、従来の字句検索に加えて「Vector Search(ベクトル検索)」を組み合わせた検索手法です。ベクトル検索では、テキストの「意味」を数値ベクトルに変換し、意味的に近い結果を返すことができます。たとえば「暖かい服」で検索すると「セーター」や「ダウンジャケット」がヒットするといった具合です。
ホットペッパーグルメでは、当初OpenSearchの標準機能であるBuilt-in Hybrid Searchを導入し、その後Custom Hybrid Searchへと段階的に進化させました。この取り組みにより、検索結果の上位1件(Top-1)の精度を最大2倍改善することに成功しています。
新機能「席押さえ」にも技術を応用
同社は2026年1月22日、この検索基盤を活用した新機能「席押さえ」をリリースしました。これは現在地周辺のお店をマップから探し、「今すぐ席を押さえる」ボタンをタップするだけで、予約なしで席を確保できるアプリ限定機能です。
リアルタイムな「空席情報」と「位置情報」を地図UI上でマッチングするこの検索体験も、OpenSearch Serviceで実現されています。検索基盤の刷新が、単なる検索改善にとどまらず、新たなユーザー体験の創出につながった好例といえるでしょう。
OpenSearch Serviceが選ばれた理由
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ホットペッパーグルメがOpenSearch Serviceを選定した主な理由は、字句検索とベクトル検索を単一のサービスで実現できる統合性にあります。加えて、フルマネージド型サービスとしてインフラ管理の負荷を軽減できる点、Blue/Greenデプロイによる無停止でのスケーリングが可能な点も重要な選定ポイントでした。
また、OpenSearch Ingestionによるマネージド型のデータ取り込み機能や、日本語テキスト解析プラグイン(KuromojiやSudachi)など、周辺機能の充実も採用を後押ししました。
自社への示唆:検索基盤刷新の5つのポイント

この事例から、自社の検索基盤を見直す際に検討すべきポイントが見えてきます。
第一に、「0件ヒット率」の計測です。ユーザーが検索しても結果が返らない割合は、顧客体験の重要な指標です。自社サイトのアクセスログを分析し、検索クエリごとの0件ヒット率を可視化することから始めましょう。
第二に、現在の検索方式の点検です。キーワード一致だけに依存していると、ユーザーの多様な表現に対応できません。たとえば物流倉庫の在庫検索で「赤いTシャツ」と「レッドのカットソー」が別物として扱われていないか、ECサイトで「軽量ノートPC」と「持ち運びやすいラップトップ」が同じ商品にヒットするか確認してください。
第三に、ベクトル検索の導入検討です。OpenSearchのようなマネージドサービスを活用すれば、運用負荷を抑えながら高度な検索機能を実装できます。導入コストの目安として、中堅企業であれば初期費用500万円程度から、運用費用は月額数十万円程度から検討可能です。まずは小規模なデータセットで概念実証(PoC)を行い、効果を検証することをお勧めします。
第四に、段階的な導入アプローチです。ホットペッパーグルメのように、まず標準機能で検証し、効果を確認してからカスタマイズを進める方法が現実的です。具体的には、「現状計測(1ヶ月)→PoC実施(2ヶ月)→本番展開(3ヶ月)」という流れで進めると、リスクを抑えながら成果を出せます。
第五に、効果測定の仕組み構築です。検索改善の効果をビジネス指標(予約数、購入率、問い合わせ数など)で測定できるようにしておくことで、投資対効果を明確に示すことができます。
まとめ
ホットペッパーグルメの事例は、AI技術を活用した検索基盤の刷新が、ユーザー体験の向上とビジネス成果の両方を実現できることを示しています。検索における「0件ヒット」問題は多くの企業が抱える課題であり、Hybrid Searchはその有力な解決策となり得ます。
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