AIセキュリティ研究を「守る」新しいルールが登場

SaaSや生成AI搭載プロダクトを提供する企業に朗報です。AIシステムの脆弱性を発見する研究者を法的リスクから守る枠組みが発表されました。自社AIの安全性を第三者に検証してもらえるかどうかは、導入判断や取引先からの信頼に直結する経営課題です。
セキュリティプラットフォーム大手のHackerOneが2026年1月20日に開始した「Good Faith AI Research Safe Harbor」は、善意のAIセキュリティ研究を正式に認可し、法的保護を提供する業界フレームワークです。
SiliconANGLEの報道によると、この枠組みは、AIシステムが製品やサービス全体に急速に拡大する中で、テストに関する法的曖昧さが責任ある研究を遅らせている課題を解決するために設計されました。組織と研究者に共通の基準を提供することで、AIリスクの発見と修正をより迅速に進められるようになります。
従来のセキュリティ研究と何が違うのか
AIシステムのテストには、従来のソフトウェア脆弱性診断とは異なる特有の課題があります。モデルの挙動を検証したり、意図しない出力を発見したり、安全性バイパスの可能性を調査したりする作業は、既存の脆弱性開示フレームワークにうまく当てはまらない場合が多いのです。
HackerOneの法務責任者は「AIテストは期待が不明確な場合に機能しなくなります。組織はAIシステムのテストを望んでいますが、研究者は正しいことをしてリスクにさらされないという確信が必要です」と述べています。
この新しい枠組みは、2022年に導入された従来のソフトウェア向け「Gold Standard Safe Harbor」を拡張したものです。両フレームワークを組み合わせることで、従来のシステムとAIシステムの両方にわたる研究を組織がどのように認可・支援・保護すべきかを明確に定義しています。
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Good Faith AI Research Safe Harborを採用した組織は、善意のAI研究を認可された活動として認識することを約束します。具体的には、研究者に対する法的措置を控えること、制限的な利用規約からの限定的な免除を提供すること、そして第三者が認可された研究に関連する請求を追求した場合に研究者を支援することが含まれます。
HackerOneのCEOは「AIセキュリティは究極的には信頼の問題です。AIシステムが実世界の条件でテストされなければ、信頼はすぐに損なわれます」と強調しています。この枠組みにより、組織は問題を早期に発見し、研究者と生産的に協力し、自信を持ってAIを展開できるようになります。
自社AIプロダクトへの影響と今すぐできること

この動きは、AIを導入している企業や導入を検討している企業にとって重要な示唆を持ちます。特にSaaS事業者や生成AI機能を搭載したプロダクトを提供する企業は注目すべき動きです。経営層・法務・IT部門が連携して、自社のAIセキュリティ方針を見直す良い機会といえます。
①まず取り組むべきこと:脆弱性開示プログラム(VDP)の導入検討
AIを活用した製品やサービスを提供している場合は、外部研究者からの報告を受け付ける窓口を設けましょう。内部では発見できない脆弱性を早期特定できます。
②次に確認すべきこと:利用規約の見直し
AIシステムの利用規約が研究者のテストを過度に制限していないか確認してください。制限的すぎる規約は善意の研究者を遠ざけ、セキュリティリスクを高めます。
③継続的に実施すべきこと:AI特有のリスク対策
生成AIやエージェント型AIを導入している場合は、プロンプトインジェクションや意図しない情報漏洩への対策が十分かを定期的に点検してください。
まとめ
HackerOneの「Good Faith AI Research Safe Harbor」は、AIセキュリティ研究の法的保護を明確化する画期的な枠組みです。AIの活用が進む中、自社のセキュリティ体制を見直し、外部専門家と協力できる環境を整えることが信頼性の高いAI活用への第一歩となります。経営層がリスク認識を持ち、法務がルール整備を担い、IT部門が実装を進める三位一体の体制が求められます。
セキュリティ体制が整わないまま放置すれば、インシデント発生時に数千万円規模の損害賠償請求や主要取引先からの契約打ち切りに直面するケースも珍しくありません。対応の遅れが競合との差につながる今、早期の体制整備が不可欠です。体制構築から脆弱性診断の運用まで一気通貫で対応できるパートナーをお探しなら、180社以上の支援実績を持つGXOにご相談ください。
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