この記事の要点:デジタル主権とは、自社データの所在地・アクセス権限・運用方法を自律的に管理できる状態のこと。IBMの新製品発表を機に注目が高まっており、クラウド利用企業は今すぐデータ棚卸しと契約見直しに着手すべきです。
IBMがデジタル主権対応の新ソフトウェア「IBM Sovereign Core」を発表しました。これは単なるIT課題ではなく、経営リスクです。クラウドを利用するすべての企業に関係します。規制強化が進む中、「自社データを誰が、どこで管理しているか」を説明できない企業は、今後大きな問題を抱えることになります。
デジタル主権とは何か
デジタル主権とは、企業や国家が自らのデータに対して、その所在地、アクセス権限、運用方法を自律的にコントロールできる状態を指します。欧州のGDPR施行以降、世界各国でデータの越境移転に関する規制が強化されており、日本企業も対応を迫られています。
IBMの公式発表によると、「IBM Sovereign Core」は規制対応や監査要件を満たしながら、AIを含む主権ワークロードを効率的に管理できる基盤です。クラウドの利便性を維持しつつ、データの主権を確保するという両立が可能になります。
業種別に見る影響と課題

デジタル主権への対応は、業種によって緊急度が異なります。
金融機関は最も影響が大きい業種です。金融庁のガイドラインでは、顧客データの国内管理や監査証跡の確保が求められており、海外クラウドの利用には慎重な判断が必要です。
製造業では、取引先からデータガバナンスの証明を求められるケースが増えています。サプライチェーン全体でのデータ管理体制が、取引継続の条件になりつつあります。
医療機関は、診療情報の取り扱いに厳格な規制があります。クラウド移行を進める際には、データの所在地と運用権限を明確にする必要があります。
共通する課題は、多くの企業がAWSやAzure、GCPなどの海外クラウドを利用しているものの、データセンターの所在地や運用権限を十分に把握できていない点です。有事の際に自社データへアクセスできなくなるリスクを認識している経営者は、まだ少数派といえます。
今すぐ取り組むべき5つのアクション
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デジタル主権への対応は、以下の5つのアクションから着手できます。
第一に、データの棚卸しです。自社が保有・利用しているデータの所在地、アクセス権限、処理経路を一覧化してください。これが全ての出発点となります。
第二に、クラウド契約の再確認です。データの所在地、準拠法、解約時のデータ返却条件を改めて確認しましょう。契約書に明記されていない場合は、書面での回答を求めることが重要です。
第三に、監査証跡の整備です。誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかを追跡できる仕組みがなければ、規制対応や有事の説明責任を果たせません。
第四に、ハイブリッド構成の検討です。機密性の高いデータは自社管理環境に残すなど、リスクに応じた配置を検討しましょう。
第五に、経営層への報告体制の構築です。デジタル主権は技術の話ではなく経営リスクの話です。取締役会への定期報告事項として位置づけることを推奨します。
まとめ
デジタル主権への対応は「やらなければならないこと」です。IBMの新製品発表は、この領域への投資がグローバル規模で加速していることを示しています。自社のデータ管理体制を見直す好機と捉えてください。
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