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ChatGPT・Claude・Gemini API料金比較【2026年7月最新】公式価格で試算する業務別モデル選定

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結論を30秒で。 2026年7月13日時点の公式価格で、Anthropicの現行世代はClaude Opus 4.8が入力$5・出力$25、Claude Sonnet 5が導入価格で入力$2・出力$10(2026年8月31日まで。9月1日から$3/$15)、Claude Haiku 4.5が入力$1・出力$5(いずれも100万トークンあたり)である。OpenAIの現行はGPT-5.6系で、標準グレードのgpt-5.6-terraが$2.50/$15、軽量のgpt-5.6-lunaが$1/$6。GoogleはGemini 3.1 Pro(プレビュー)が20万トークン以下で$2/$12の段階課金だ。月1,000リクエスト程度の社内利用なら、どの組み合わせでも月額数百円〜1万円台に収まる。価格そのものより、「どの業務にどのグレードを割り当てるか」と「キャッシュ・バッチをいつ効かせるか」の設計が総コストを左右する。この2点の判断軸を本文で示す。

この記事は誰のためのものか

  • 生成AIの社内導入を検討しているが、稟議に書く月額コストの根拠が作れない経営者・事業責任者
  • ベンダーから提示されたAPI利用料の見積が妥当か、自分で検算したい実務責任者
  • 「ChatGPTとClaudeとGemini、結局どれが安いのか」を、公式一次情報で確認したい担当者

逆に、すでにAPIコストをダッシュボードで日次監視できている企業には本記事の情報は既知のはずだ。その段階の企業はAI開発の費用構造と見積の見方へ進んでほしい。

目次

  1. 2026年7月版 主要API料金一覧(公式価格・確認日明記)
  2. 旧世代モデルとの関係整理
  3. トークンと日本語コストの基礎
  4. 業務別の月額試算(計算式つき)
  5. コスト最適化の判断軸:キャッシュ・バッチ・モデル使い分け
  6. API直叩き vs 既製SaaS vs 自社開発の判断軸
  7. 導入前に確認すべき4つのポイント
  8. GXOに相談すべきタイミング
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめと次の一歩
  11. 関連記事

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2026年7月版 主要API料金一覧

以下は2026年7月13日に各社公式価格ページで確認した料金である。円換算は1ドル=155円の前提で、為替変動により変わる。すべて100万トークンあたりの単価だ。

Anthropic(Claude)

出典: Anthropic公式 Pricing(2026年7月13日確認)

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モデル入力($)出力($)入力(円換算)出力(円換算)位置づけ
Claude Opus 4.8$5.00$25.00約775円約3,875円最上位の実務モデル。長時間の自律的な作業に強い
Claude Sonnet 5(〜2026/8/31)$2.00$10.00約310円約1,550円導入価格。9/1以降は$3/$15に改定
Claude Sonnet 5(2026/9/1〜)$3.00$15.00約465円約2,325円標準価格
Claude Haiku 4.5$1.00$5.00約155円約775円軽量・低単価。FAQや定型処理向け

このほかに最上位のClaude Fable 5($10/$50)が存在するが、単価水準から中堅企業の定常業務向けというより研究開発・最難度タスク向けであり、本記事の試算からは外す。

経営判断に直結するのはSonnet 5の導入価格の期限である。 $2/$10と$3/$15では単純に1.5倍の差だ。2026年7〜8月にPoCを回して「Sonnet 5前提で月額◯円」と稟議を書くと、9月の本番運用開始時点で試算が1.5倍にずれる。稟議書には必ず標準価格($3/$15)ベースの数字を併記すべきだ。Sonnet 5の発表内容と価格改定の詳細はClaude Sonnet 5発表と運用コスト再計算の解説記事にまとめている。

OpenAI(ChatGPT API)

出典: OpenAI公式 API Pricing(2026年7月13日確認)

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モデル入力($)出力($)入力(円換算)出力(円換算)位置づけ
gpt-5.6-sol$5.00$30.00約775円約4,650円最上位グレード
gpt-5.6-terra$2.50$15.00約388円約2,325円標準グレード。多くの業務の第一候補
gpt-5.6-luna$1.00$6.00約155円約930円軽量グレード
gpt-5.4-mini(旧世代)$0.75$4.50約116円約698円さらに低単価だが旧世代

OpenAIは2026年に入ってgpt-5.6系(sol / terra / luna の3グレード)へ移行した。旧世代のgpt-5.4・gpt-5.5も公式価格ページに併売されているが、新規設計であえて旧世代を選ぶ理由は薄い。

Google(Gemini API)

出典: Google AI for Developers - Gemini API Pricing(2026年7月13日確認)

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モデル入力($)出力($)入力(円換算)出力(円換算)位置づけ
Gemini 3.1 Pro Preview(≤200Kトークン)$2.00$12.00約310円約1,860円現行上位。プレビュー段階
Gemini 3.1 Pro Preview(>200Kトークン)$4.00$18.00約620円約2,790円長文入力時は単価が上がる
Gemini 3.5 Flash$1.50$9.00約233円約1,395円現行の高速モデル
Gemini 2.5 Flash(旧世代)$0.30(テキスト等)$2.50約47円約388円単価最安クラスだが旧世代

Geminiは引き続き「入力長で単価が変わる段階課金」を採用している。RAGや長文要約のように1リクエストの入力が大きくなり得る用途では、20万トークンの閾値を超えるかどうかを設計段階で見積もる必要がある

単価表だけでは見えない罠:トークナイザの世代差

Anthropicの公式ページには重要な注記がある。Claude Opus 4.7以降とSonnet 5は新しいトークナイザを採用しており、同じテキストで従来比およそ30%多くトークンを消費する(Sonnet 4.6以前は旧トークナイザ)。つまり「Sonnet 4.6もSonnet 5も$3/$15だから同コスト」ではなく、同じ文章を処理させたときの請求額はSonnet 5のほうが増え得る。単価の横並び比較だけで意思決定すると、この差を見落とす。ベンダー見積を検算する際は「単価×想定トークン数」のトークン数側の前提まで確認すべきだ。

セクションまとめ:現行世代はClaude第5世代(Opus 4.8 / Sonnet 5 / Haiku 4.5)、GPT-5.6系、Gemini 3.1 Pro。Sonnet 5導入価格の8/31期限と、トークナイザ世代差による実効コストの違いが、単価表の外側にある2大チェックポイントである。


旧世代モデルとの関係整理

本記事の旧版で扱っていたモデルは、2026年7月時点では次のように位置づけが変わった。既存システムがこれらを使っている場合の判断材料として整理する。

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旧版で扱ったモデル現在の位置づけ移行判断
Claude Sonnet 4.6併売中($3/$15)。旧トークナイザ新規はSonnet 5へ。既存はトークン増を実測してから移行
Claude Haiku 4.5現行のまま($1/$5)移行不要
GPT-5.4 / GPT-5.5併売中だが旧世代新規はgpt-5.6系で設計
Gemini 2.5 Pro併売中($1.25/$10〜)新規はGemini 3.1 Pro / 3.5 Flashを検討

既存の本番システムを「最新モデルが出たから」という理由だけで即座に載せ替えるのは推奨しない。モデルを替えると出力の傾向が変わり、プロンプトの再調整と回帰テストが必要になる。載せ替えコスト(検証工数)と単価差・性能差を天秤にかけるのが正しい順序であり、これは後述する「自社開発かSaaSか」の判断とも直結する。

セクションまとめ:Haiku 4.5以外は世代交代が進んだ。ただし既存システムの移行は単価差だけでなく検証工数込みで判断する。


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トークンと日本語コストの基礎

API料金は「トークン」単位の従量課金だ。トークンはAIがテキストを処理する最小単位で、日本語はおおむね1文字=1〜3トークン、1,000文字で約1,500〜2,000トークンに相当する。英語より日本語のほうがトークン効率が悪く、同じ内容でも英語の1.5〜2倍程度のトークンを消費する。海外の料金比較記事の試算をそのまま日本語業務に当てはめると過小見積になるのはこのためだ。

もう1つ、試算で必ず押さえるべき構造がある。どのベンダーも出力単価は入力単価の5〜6倍に設定されている(例:Sonnet 5は$2対$10、gpt-5.6-terraは$2.50対$15)。したがって「長い文書を読ませて短い要約を出す」業務は見た目より安く、「短い指示で長文を生成させる」業務は見た目より高くつく。コストドライバーは入力ではなく出力である。

1リクエストあたりのトークン数目安(日本語業務)

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用途入力トークン出力トークン
短い質問応答(社内FAQ)500300
メール・文書の下書き作成8001,000
議事録要約(A4 3枚分)8,0002,000
問い合わせ対応(RAGで社内文書を参照)5,0001,500

セクションまとめ:日本語は英語よりトークンを食う。そして出力単価は入力の5〜6倍。「出力をどれだけ短く設計できるか」が日本語業務のコスト設計の核心だ。


業務別の月額試算

ここからは計算式ベースの試算である。実際のコストは業務内容・プロンプト設計・出力長で大きく変わるため、導入判断の際は必ず自社データでのPoC実測を挟んでほしい。GXOの実績値ではなく、上記の公式単価と標準的なトークン数前提から機械的に算出した数字だ。

共通の前提:月1,000リクエスト(1営業日あたり約50回)、1ドル=155円、キャッシュ・バッチ割引は未適用(つまり最も保守的な素の単価)。

計算式月額 =(入力トークン × 入力単価 + 出力トークン × 出力単価)÷ 1,000,000 × 月間リクエスト数 × 155円

ケース1:社内チャットボット(入力500・出力300トークン)

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モデル月額目安
Claude Haiku 4.5約310円
gpt-5.6-luna約357円
Claude Sonnet 5(導入価格)約620円(9月以降 約930円)
Gemini 3.1 Pro(≤200K)約713円
gpt-5.6-terra約891円
Claude Opus 4.8約1,550円

短文FAQに上位モデルを使う経済合理性はほぼない。軽量グレード(Haiku 4.5 / luna)で品質が足りるかをまず検証すべきだ。

ケース2:メール・文書作成支援(入力800・出力1,000トークン)

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モデル月額目安
Claude Haiku 4.5約899円
gpt-5.6-luna約1,054円
Claude Sonnet 5(導入価格)約1,798円(9月以降 約2,697円)
Gemini 3.1 Pro(≤200K)約2,108円
gpt-5.6-terra約2,635円
Claude Opus 4.8約4,495円

出力が長い業務なので、出力単価の差がそのまま月額の差になる。日本語ビジネス文書の品質要件が高いなら標準グレード(Sonnet 5 / terra)を、定型メール中心なら軽量グレードを起点にする。

ケース3:議事録要約・レポート生成(入力8,000・出力2,000トークン)

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モデル月額目安
Claude Haiku 4.5約2,790円
gpt-5.6-luna約3,100円
Claude Sonnet 5(導入価格)約5,580円(9月以降 約8,370円)
Gemini 3.1 Pro(≤200K)約6,200円
gpt-5.6-terra約7,750円
Claude Opus 4.8約13,950円

入力が大きい業務は、後述するプロンプトキャッシュの効果が最も出やすい。また要約は「読む量が多く書く量が少ない」ため、実は上位モデルを使っても他業務ほど割高になりにくい。品質差を実測して選ぶ価値がある領域だ。

ケース4:問い合わせ対応システム(RAG連携、入力5,000・出力1,500トークン)

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モデル月額目安
Claude Haiku 4.5約1,938円
gpt-5.6-luna約2,170円
Claude Sonnet 5(導入価格)約3,875円(9月以降 約5,813円)
Gemini 3.1 Pro(≤200K)約4,340円
gpt-5.6-terra約5,425円
Claude Opus 4.8約9,688円

RAGは検索でヒットした社内文書をプロンプトに詰めるため入力が膨らみやすい。ここで効くのは単価よりも「検索精度を上げて詰め込む文書量を減らす」設計であり、モデル選定の前にRAGパイプライン側の作り込みがコストを決める。社内文書検索基盤の設計論は社内ナレッジRAGプラットフォームのページで扱っている。

試算から言える3つのこと

  1. 月1,000リクエスト規模なら、モデル選定を間違えても月額差は高々1万円程度。この規模でコスト最適化に工数をかけるのは本末転倒で、まず品質が足りる最安グレードから始めればよい。
  2. 月10万リクエスト規模になると同じ差が月100万円規模になる。スケールの見込みがある業務は、最初からルーティング(後述)を設計に入れる。
  3. Sonnet 5で試算する場合は9月以降の標準価格を併記する。導入価格ベースの稟議は9月に破綻する。

セクションまとめ:小規模なら「品質が足りる最安グレード」、スケール前提なら「最初からルーティング設計」。試算は必ず標準価格ベースで固める。


コスト最適化の判断軸

API費用の圧縮手段は各社ほぼ共通化した。どれを使うかは技術の問題ではなく、業務の性質(同じ文脈を何度使うか、即時性が要るか)で決まる。導入判断の順に並べる。

1. プロンプトキャッシュ — 「毎回同じものを読ませている」なら最優先

システムプロンプトや社内規程、参照文書など、リクエストのたびに同じ内容を送っている部分はキャッシュできる。Anthropicの公式レートではキャッシュ読み取りは基本入力単価の0.1倍(書き込みは5分キャッシュで1.25倍)。つまり同じ1万トークンの社内規程を毎回読ませるチャットボットなら、2回目以降の入力コストが9割引になる。OpenAIも同様にキャッシュ済み入力の割引単価(例:gpt-5.6-terraで$0.25、通常の10分の1)を公式に掲げている。RAGや長いシステムプロンプトを使う設計では、キャッシュ前提かどうかで月額が数分の1変わる。

2. バッチAPI — 「即時応答が不要」なら一律50%引き

夜間の一括文書処理、定期レポート生成、過去ログの分析など、リアルタイム性が不要な処理はバッチAPIでOpenAI・Anthropicとも通常価格の50%引きになる(両社公式価格ページに明記)。判断基準は単純で、「結果が数時間後でも業務が回るか」。回るならバッチに逃がす。逆にチャットUIの裏側では使えない。

3. モデルルーティング — 全リクエストを1つのモデルに送らない

「簡単な質問は軽量モデル、複雑な分析だけ上位モデル」という振り分けを入れると、平均単価はリクエスト構成比に応じて下がる。例えば8割をHaiku 4.5($1/$5)、2割をSonnet 5($3/$15)に振り分けた場合の加重平均単価は入力$1.40・出力$7.00で、全件Sonnet 5に送る場合の半分以下になる。ただしルーティングには「どのリクエストが簡単か」を判定する仕組みが必要で、実装と運用の工数がかかる。月額が数千円のうちは不要、数十万円が見えたら投資する、が現実的な線だ。

4. 出力長の制御 — max_tokensと出力フォーマット指定

出力単価は入力の5〜6倍なので、出力を1トークン削ることは入力を5トークン削ることに等しい。max_tokensの上限設定に加え、「箇条書き5点以内」「結論のみ」といった出力フォーマットの指示は、品質を落とさずコストを下げる最も安い手段である。

5. 為替と価格改定の織り込み

見落とされがちだが、API費用はドル建てだ。円が10%動けば月額も10%動く。さらにSonnet 5の導入価格終了(2026/8/31)のように、ベンダー都合の価格改定はカレンダーに入っている。年間予算を組むなら「為替±10%、価格改定リスク」をバッファとして持たせるべきで、これは通常のSaaS予算と同じ扱いでよい。

セクションまとめ:優先順位は「キャッシュ(同じ文脈の再利用)→ バッチ(即時性不要の切り出し)→ ルーティング(規模が出てから)→ 出力制御(常時)」。いずれも公式機能であり、特殊な開発は不要だ。


API直叩き vs 既製SaaS vs 自社開発の判断軸

ここまでの試算は「API利用料」だけの話である。実際の意思決定では、API単価の差よりも「どの層で作るか」の判断のほうが金額インパクトが1〜2桁大きい。よくある失敗は、API料金比較で数千円を節約する検討に時間をかけながら、数百万円規模の開発形態の判断を営業トークのまま決めてしまうことだ。

3つの選択肢の構造

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選択肢初期費用月額の構造向いているケース典型的な失敗
①既製SaaS(ChatGPT Enterprise等のシート課金や既製AIツール)ほぼゼロ人数×シート単価全社員への汎用チャット提供利用率が低いのに全員分課金し続ける
②API直叩き+軽量実装小(数十万〜)従量(本記事の試算)特定業務の自動化、社内ツール組み込み上限設定なしで従量課金が暴走。保守担当が不在化
③自社開発(RAG・AIエージェント)中〜大(数百万〜)従量+運用保守社内データ活用、基幹業務への組み込みPoCで満足して本番化しない。検索精度の作り込み不足

判断の順序

  1. 業務が「汎用」か「自社固有」か。誰の会社でも同じ使い方になる業務(文章の下書き、翻訳、壁打ち)はSaaSのシート課金が最速で、開発する理由がない。逆に自社の文書・データ・業務フローに依存する業務は、SaaSでは精度が出ずAPI+開発の領域になる。
  2. 利用者数と利用頻度の掛け算。シート課金は「使わない人の分」も払う。利用者が絞られ、呼び出し回数が読める業務ほど従量課金(API)が有利になる。目安として、1人あたり月数十回程度しか使わない全社展開はシート課金の無駄が大きい。
  3. 社内データを読ませる必要があるか。あるならRAGかエージェントの設計になり、API単価よりも「検索精度・権限管理・ログ監査」の設計品質が成否を分ける。ここが自社開発の本丸であり、開発会社の力量差が最も出る部分だ。
  4. 要件が固まっていないなら、先に発注準備をする。「AIで何かやりたい」の段階で開発会社に見積を取ると、ベンダーの得意分野に寄った提案しか出てこない。何を判断してから発注すべきかはAI開発の費用は何で決まるか(見積の見方ガイド)に整理した。

経営者が見積で確認すべきAPI関連の3項目

自社開発やAPI組み込みを外注する場合、見積書のAPI費用欄で次を確認してほしい。

  • モデル名と単価の根拠:「AI利用料一式」ではなく、モデル名・想定トークン数・単価の内訳があるか。Sonnet 5導入価格のような期限付き単価で試算されていないか。
  • 従量課金の上限設計:月額上限(ハードリミット)とアラートの設定が実装スコープに入っているか。入っていない見積は運用開始後の請求事故リスクを顧客側に残している。
  • モデル差し替え可能性:特定モデルにロックインする実装か、モデルを切り替えられる抽象化がされているか。この世代交代ペース(本記事の旧版が3ヶ月で陳腐化した事実が証拠だ)では、差し替え前提の設計が保険になる。

こうした要件整理と概算の当たりを付けたい場合は、見積シミュレーションで規模感を先に掴んでおくと、開発会社との会話が具体的になる。GXOのAI開発支援の全体像はAI・自動化支援サービスにまとめている。

セクションまとめ:API単価の比較は「②③を選んだ後」の話。先に決めるべきは、汎用ならSaaS・固有ならAPI/開発という層の選択と、社内データを読ませるか否かである。


導入前に確認すべき4つのポイント

1. 従量課金の上限設定を初日に入れる

OpenAI・Anthropic・Googleいずれも利用上限(Usage Limit)を設定できる。テスト段階では月1万円程度の上限から始め、実測を見て引き上げる。ループするエージェント処理やリトライの実装ミスは、上限がなければ一晩で数十万円を溶かし得る。

2. データの取り扱いポリシーを契約時点の原文で確認する

2026年7月時点で、OpenAI・Anthropic・GoogleのいずれもAPI経由の入力をモデル学習に既定で使用しない方針を示しているが、ポリシーは改定され得るし、無料枠・コンシューマ向けプランでは条件が異なる場合がある。稟議に添付するのは解説記事ではなく各社の利用規約原文とすべきだ。個人情報や機密を送る業務では、送信前マスキングの実装も検討する。

3. レイテンシは価格表に載っていない

顧客向けチャットのように応答速度が体感品質に直結する用途では、同じプロンプト・同じ時間帯・同じ同時実行数で候補モデルを実測比較する。モデルのグレードが上がるほど応答は遅くなる傾向があり、「品質は上位モデル、速度は軽量モデル」のトレードオフはカタログでは判断できない。

4. プレビュー版・導入価格を本番前提にしない

Gemini 3.1 Proは2026年7月時点でPreview表記であり、Claude Sonnet 5は導入価格の期限がある。検証に使うのは構わないが、本番システムの価格前提とSLA前提は、GA(一般提供)版・標準価格で組む。ここを混ぜた稟議は数ヶ月で数字が合わなくなる。

セクションまとめ:上限設定・規約原文・レイテンシ実測・標準価格前提。4つとも「導入後に気づくと高くつく」ものばかりで、導入前なら数時間で潰せる。


GXOに相談すべきタイミング

本記事の試算はあくまで一般前提の計算式であり、実際の判断では「自社の業務でトークンがどれだけ流れるか」「どの層(SaaS/API/開発)で作るべきか」の2点を自社の実態に当てはめる作業が残る。次のいずれかに当てはまるなら、開発会社に発注する前の段階で第三者の目を入れる価値がある。

  • ベンダーから受け取ったAI開発見積のAPI費用欄が「一式」表記で、検算できない
  • PoCは動いたが、本番化した場合の月額ランニングとROIを役員に説明できない
  • 全社SaaS導入とAPI個別開発のどちらが得か、判断材料が社内にない
  • 社内文書を使ったRAG・エージェントを検討しているが、要件定義の切り方がわからない

GXOでは、こうした「発注前の整理」を目的にAI導入適性診断を提供している。自社の業務がAI導入に向くか、向くならどの層で作るべきかを短時間で仕分けするものだ。個別の状況を踏まえた試算やセカンドオピニオンが必要なら、無料相談で本記事の計算式を貴社の前提に置き換えるところから始められる。売り込みの電話はしないので、稟議前の検算目的の相談でも構わない。


よくある質問(FAQ)

Q1. 結局、2026年7月時点で最初に試すべきモデルはどれか?

A1. 用途で分かれる。短文の定型処理はClaude Haiku 4.5かgpt-5.6-luna、日本語の文書品質を重視する業務はClaude Sonnet 5かgpt-5.6-terra、長文の一括処理はGeminiの段階課金とバッチAPIの組み合わせを検証する。いずれも「品質が足りる最安グレードから始めて、不足なら1段上げる」が基本だ。

Q2. Claude Sonnet 5の導入価格($2/$10)のうちに契約すれば、その単価が続くのか?

A2. 続かない。Anthropic公式ページに、導入価格は2026年8月31日まで、9月1日から$3/$15の標準価格に移行すると明記されている。従量課金なので「安いうちに買いだめ」もできない。予算計画は標準価格で立てるべきだ。

Q3. APIの利用にプログラミング知識は必要か?

A3. API単体の利用には必要だ。ただしノーコードのワークフローツールを介せば非エンジニアでも構築でき、また社内に開発者がいなくても外部の開発会社に組み込みを依頼する選択肢がある。判断基準は前述の「汎用ならSaaS、自社固有ならAPI/開発」だ。

Q4. 日本語の処理は英語より高くなるのか?

A4. なる。日本語は同じ内容で英語の1.5〜2倍程度のトークンを消費するため、海外記事の試算をそのまま使うと過小見積になる。本記事の試算はすべて日本語前提のトークン数で計算している。

Q5. 途中でモデルやベンダーを切り替えられるか?

A5. APIはリクエスト単位でモデルを指定するため技術的には即時切り替え可能だ。ただしプロンプトの挙動はモデルごとに異なるため、実務上は回帰テストが必要になる。だからこそ実装段階で特定モデルに依存しない抽象化をしておくことが、価格改定・世代交代への保険になる。

Q6. セキュリティ面で最初に確認すべきことは?

A6. APIキーの管理(コードに直書きせず環境変数・シークレット管理を使う)、送信データのマスキング方針、各社のデータ利用ポリシー原文の3点だ。社内データを扱うRAG構成では、これに加えて検索対象文書の権限管理とログ監査の設計が必須になる。


参考資料(すべて2026年7月13日確認)


まとめと次の一歩

  • 現行世代はClaude Opus 4.8 / Sonnet 5 / Haiku 4.5、GPT-5.6系(sol/terra/luna)、Gemini 3.1 Pro / 3.5 Flash。旧版で扱ったモデルの多くは世代交代した
  • Claude Sonnet 5の導入価格$2/$10は2026年8月31日まで。稟議は標準価格$3/$15で組む
  • 出力単価は入力の5〜6倍。日本語はトークン消費が英語の1.5〜2倍。コスト設計の核心は出力長の制御にある
  • 圧縮手段の優先順位はキャッシュ(読み取り0.1倍)→バッチ(50%引き)→ルーティング→出力制御
  • API単価の比較より先に、SaaS/API直叩き/自社開発のどの層で作るかを決める。ここの判断ミスのほうが金額が1〜2桁大きい

月額上限1万円のテスト環境で自社業務のトークン消費を実測するのが、最初の一歩として最も安く確実だ。実測値が出れば、本記事の計算式に代入するだけで稟議に書ける数字になる。

その先の「どの層で作るか」「見積は妥当か」の判断に第三者の視点が必要になったら、AI導入適性診断無料相談を使ってほしい。貴社の業務前提でこの試算を作り直し、SaaS・API・自社開発の分岐点を数字で示すところまでが初回相談の範囲だ。

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