AIアプリ開発フレームワーク「Chainlit」で深刻な脆弱性が発覚
放置すれば事業停止に直結します。クラウド認証情報やAPIキーが盗まれ、社内データが丸ごと流出するリスクがあるためです。AIチャットボットやエージェント開発で広く使われる人気フレームワーク「Chainlit」に、クラウド環境の完全侵害につながる重大な脆弱性が発見されました。Zafran Labsの研究チームが発見し、「ChainLeak」と名付けられたこの脆弱性は、ユーザーの操作なしに悪用が可能であり、すでにインターネット上で稼働している大企業や教育機関のシステムにも影響が及ぶとされています。
Chainlitは月間約70万回ダウンロードされ、年間500万回以上利用されている人気フレームワークです。LangChainやOpenAI、AWS Bedrockなど主要なAIサービスと連携し、認証機能やクラウドデプロイ機能を標準搭載していることから、プロトタイプから本番環境まで幅広く採用されてきました。
2つの脆弱性がもたらすリスクとは
今回報告された脆弱性は2種類あります。1つ目はCVE-2026-22218として追跡される「任意ファイル読み取り」の脆弱性です。攻撃者は「/project/element」エンドポイントを悪用し、サーバー上の任意のファイルを読み取ることが可能になります。これにより、APIキー、クラウドアカウント認証情報、ソースコード、設定ファイル、SQLiteデータベース、認証シークレットなど機密性の高い情報が流出するリスクがあります。
2つ目はCVE-2026-22219として追跡されるSSRF(サーバーサイドリクエストフォージェリ)脆弱性です。SQLAlchemyデータレイヤーを使用している環境が対象で、攻撃者がサーバーに任意のURLへリクエストを送信させることができます。これら2つの脆弱性を組み合わせることで、システムの完全な侵害やクラウド環境内での横展開(ラテラルムーブメント)が可能になると研究者は警告しています。
特に深刻なのは、認証が有効な環境でも攻撃者が認証トークンの署名に使われるシークレット(CHAINLIT_AUTH_SECRET)を窃取できる点です。これとユーザーIDを組み合わせることで、認証トークンを偽造し、ユーザーアカウントを完全に乗っ取ることが可能になります。製造業の生産管理AI、物流業の在庫予測システム、教育機関の学習支援チャットボットなど、業種を問わず被害が広がる可能性があります。
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この脆弱性は「社内データ流出」に直結する深刻な問題です。AIアプリケーションを開発・運用している企業は、以下の対策を早急に実施することをお勧めします。
まず、自社のAIシステムでChainlitを使用しているか確認してください。開発チームに問い合わせるか、プロジェクトの依存関係(requirements.txtやpyproject.toml)をチェックすることで把握できます。該当する場合は、公式リポジトリで修正版がリリースされ次第、即座にアップデートを適用してください。Zafran Labsは2024年11月23日に開発者へ報告しており、すでに対応が進んでいます。
次に、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)の導入・設定強化を検討してください。外部からの不正なリクエストをブロックする第一防衛線となります。さらに、環境変数や認証シークレットの管理を見直し、最小権限の原則に基づいたアクセス制御を徹底することが重要です。
最後に、AIアプリケーションがアクセスできる内部リソースの範囲を再確認してください。今回の事例が示すように、AIシステムは社内データへのアクセス権を持つことが多く、そこが狙われると被害が拡大しやすい構造になっています。
まとめ

AIアプリ開発の「土台」となるフレームワークが狙われる時代が到来しています。Chainlitの脆弱性は、LLM自体の安全性だけでなく、それを動かすインフラストラクチャ全体のセキュリティ対策が不可欠であることを改めて示しました。
自社のAI環境が安全かどうか、今すぐ確認できていますか。まずは無料相談で現状を把握することをお勧めします。こうした脆弱性は外部からの指摘で初めて発覚するケースがほとんどです。AIシステムのセキュリティ対策や脆弱性診断について、GXOでは180社以上の支援実績をもとにした伴走型サポートを提供しています。自社のAI環境に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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