結論:順位は「手段」であり「成果」ではない
要点:B2B SEOの目的は「順位を取ること」ではなく「商談・受注を増やすこと」。順位を成果と混同すると失敗する。
「PVは増えた」「検索順位は上がった」「でも商談・受注は増えない」──こうした悩みを持つB2B企業は多いです。
原因は、順位を「成果」だと思い込んでいることにあります。
B2B SEOの本当の目的は、商談・受注を増やすことです。順位はそのための「手段」にすぎません。
よくある勘違い
勘違い | 現実 |
|---|---|
「順位が上がれば成果が出る」 | 順位が上がっても、導線がなければCVしない |
「PVが増えれば商談が増える」 | 検索意図がズレていれば、質の悪いリードが増えるだけ |
「記事を増やせば効果が出る」 | 量産しても、独自性がなければ埋もれる |
本記事では、B2B SEOでよくある7つの失敗パターンと、その回避策を解説します。
B2B SEOでよくある7つの失敗パターン

要点:B2B SEOの失敗は「意図」「導線」「証拠」「計測」「連携」のいずれかに原因がある。
失敗パターン①:検索意図がズレている
症状: PVは増えたが、CVがほとんどない。直帰率が高い。
原因: 狙っているキーワードの検索意図が「情報収集」止まりで、「比較検討」「購入検討」につながっていない。
具体例:
「○○とは」で順位は取れたが、読者は「知りたいだけ」で終わる
「○○ メリット」で流入しても、「自社に合うか」を判断できる情報がない
回避策:
「とは」記事の下部に「選び方」「比較」への導線を設計
検索意図を「情報→比較→検討→導入」の段階で整理し、各段階の記事を用意
CTA(資料DL、診断、問い合わせ)を検索意図に合わせて配置
検索意図別CTA例:
情報意図(○○とは):選定ガイドDL/比較表DL
比較意図(○○ 比較):要件チェックリスト/価格の目安
検討意図(○○ 導入):事例集DL/診断依頼
失敗パターン②:記事が"単発"で回遊しない
症状: 記事ごとのPVはあるが、サイト内回遊率が低い。1記事だけ読んで離脱される。
原因: 記事間の内部リンクが弱く、読者が「次に読むべき記事」に進めない。
具体例:
記事末尾に関連記事がない
「○○とは」から「○○の選び方」「○○の事例」への導線がない
サイト構造がピラー・クラスター設計になっていない
回避策:
ピラー記事(親)とクラスター記事(子)の構造を設計
各記事に「次に読む」セクションを設置
記事中盤にも関連記事への内部リンクを挿入
失敗パターン③:CVが「問い合わせ一択」で重い
症状: PVはあるが、問い合わせがほとんど来ない。
原因: CVの選択肢が「問い合わせ」しかなく、読者にとってハードルが高い。
具体例:
記事末尾に「お問い合わせはこちら」しかない
資料ダウンロードがない
診断ツール、比較表、チェックリストなどの中間CVがない
回避策:
「いきなり問い合わせ」以外の選択肢を用意(資料DL、診断、比較表)
記事の検索意図に合わせたCTAを配置
中間CVで接点を作り、ナーチャリングにつなげる
失敗パターン④:E-E-A-Tの示し方が弱い
症状: 順位が安定しない。競合に抜かれやすい。読者の信頼感が低い。
原因: E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を示す要素が不足している。
具体例:
著者情報がない
実績・事例が弱い
出典・根拠が不明
運営会社の情報が薄い
回避策:
記事に著者プロフィールを掲載(経歴・専門性を明示)
事例・実績を充実させる
統計データには出典を明記
会社概要・サービスページを充実させる
失敗パターン⑤:計測がCV止まり(商談化・受注を追っていない)
症状: CVは取れているが、商談・受注が増えているか分からない。ROIが不明。
原因: 計測がPV・CVで止まっており、商談化率・受注率を追っていない。
具体例:
Google Analyticsで「CV数」は見ているが、「商談数」「受注数」は追っていない
リード獲得元(どの記事から来たか)が分からない
失注理由が記録されていない
回避策:
KPIを「PV→資料DL→商談→受注」の4段階で設計
MA/CRMと連携し、リード獲得元を追跡
失注理由を記録・分析し、コンテンツ改善に反映
失敗パターン⑥:営業と断絶(失注理由が戻らない)
症状: マーケがリードを渡しても、営業から「質が悪い」と言われる。改善が進まない。
原因: マーケと営業が分断しており、失注理由がコンテンツ改善にフィードバックされない。
具体例:
営業から「リードの質が悪い」と言われるが、具体的な理由が分からない
失注理由が「価格」「タイミング」「他社に決まった」で終わり、深掘りされていない
コンテンツ(記事・LP・資料)と失注理由が紐づいていない
回避策:
営業・マーケで月次レビューを実施
失注理由を5カテゴリで分類(価格/実績/体制/リスク/稟議資料不足)
失注理由をコンテンツ改善に反映する仕組みを作る
失敗パターン⑦:AI生成の量産で独自性が薄い
症状: 記事は増えたが、順位が上がらない。競合と似たような内容になっている。
原因: AIで記事を量産しているが、独自性・深さがなく、Googleの「Helpful Content」基準を満たしていない。
具体例:
AIで生成した記事をそのまま公開
競合記事と同じような内容・構成
自社の経験・実績・視点が入っていない
「誰が書いても同じ」記事になっている
回避策:
AIはドラフト生成に使い、編集・独自情報の追加は人間が行う
自社の経験・実績・事例を盛り込む
「この会社だから言える」視点を入れる
Google公式ガイドライン(Helpful Content)に沿っているか確認
独自性を作るテンプレ(3つの型):
現場の失敗例→回避策:自社が経験した失敗と、そこから得た知見(一次情報)
比較表(選定軸×判断基準):独自の選定軸で整理した比較表
稟議で使える1枚:担当者が社内に持ち帰れる証拠資料(テンプレ化)
失敗パターンの診断方法
要点:失敗パターンは「意図」「導線」「証拠」「計測」「連携」の5カテゴリで診断する。
診断の5カテゴリ
カテゴリ | 診断ポイント | 対応する失敗パターン |
|---|---|---|
意図 | 検索意図と記事内容が合っているか | ①検索意図のズレ |
導線 | CV・回遊の導線が設計されているか | ②単発記事、③問い合わせ一択 |
証拠 | E-E-A-Tを示す要素があるか | ④E-E-A-T不足 |
計測 | 商談・受注まで追えているか | ⑤計測がCV止まり |
連携 | 営業とのフィードバックがあるか | ⑥営業と断絶 |
診断の手順
PV・順位は取れているか? → Noなら「意図」か「証拠」を確認
CVは取れているか? → Noなら「導線」を確認
商談・受注は増えているか? → Noなら「計測」「連携」を確認
補足:失敗パターンを整理しても改善が進まない場合
失敗パターンを把握しても、「何から手をつければいいか分からない」という場合があります。
B2B SEOの失敗は、単一の原因ではなく**「CV導線」「証拠」「提案力」の3つの壁**が複合的に絡んでいることが多いです。
「順位は取れているのに受注できない」という課題の全体像は、以下の記事で解説しています。
→ 検索順位1位でも失注するB2B企業の構造的問題──CV導線・提案力・証拠の欠落が"最後の壁"になる
改善の優先順位(KPIの設計図)

要点:改善は「導線→証拠→提案→計測」の順番で進めるとROIが高い。
KPIの設計図
【KPIの4段階】
PV(閲覧数)
↓
資料DL / 診断 / 問い合わせ(CV)
↓
商談化(商談数)
↓
受注(受注数・受注率)改善の優先順位
優先度 | 改善項目 | 理由 |
|---|---|---|
1 | CV導線の設計 | 導線がないと、PVがあってもCVしない |
2 | 証拠を作る(事例・数字・比較表) | 証拠がないと、稟議・決裁で負ける |
3 | 提案力を文章化(選定軸・ステップ) | 提案がないと、「自社に合うか」判断できない |
4 | 計測を整える(商談化・受注まで追う) | 計測がないと、改善効果が分からない |
「順位を上げる」は最後
「順位を上げる」施策(キーワード最適化、被リンク獲得など)は、上記4つが整ってから検討します。
導線・証拠・提案・計測が整っていない状態で順位を上げても、PVが増えるだけでCVは増えません。
Google公式ガイドラインとの整合性
要点:Googleは「人の役に立つコンテンツ」を評価する。SEOの小手先テクニックより、本質的な価値が重要。
Google Search Central「Creating helpful, reliable, people-first content」
Googleの公式ガイドラインでは、以下の考え方が示されています。
コンテンツは「検索エンジンのため」ではなく「人のため」に作る
読者が「満足した」と感じるかどうかが重要
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を示す
失敗パターン④(E-E-A-Tの不足)や失敗パターン⑦(AI量産で独自性が薄い)は、このガイドラインに沿っていないことが原因です。
AI生成コンテンツに関するガイダンス
Googleは「AIで生成したかどうか」ではなく「有用で信頼できるか」を評価基準としています。
AIで生成した記事でも、有用であれば評価される
逆に、人間が書いても無用な記事は評価されない
重要なのは「独自性」「信頼性」「有用性」
AIを使うこと自体は問題ではなく、「誰が書いても同じ」記事になることが問題です。
チェックリスト:あなたのSEOは「成果」につながっているか
以下の10項目に「Yes」または「No」で答えてください。
# | チェック項目 | Yes/No |
|---|---|---|
1 | 意図:検索意図と記事内容が合っているか | □ |
2 | 意図:「情報→比較→検討」の段階ごとに記事があるか | □ |
3 | 導線:記事間の内部リンクが設計されているか | □ |
4 | 導線:「問い合わせ」以外のCV選択肢があるか | □ |
5 | 証拠:著者情報・会社情報が明記されているか | □ |
6 | 証拠:事例・実績・数字が掲載されているか | □ |
7 | 計測:PV・CV以外に、商談化率・受注率を追っているか | □ |
8 | 計測:リード獲得元(どの記事から来たか)を追えているか | □ |
9 | 連携:営業から失注理由がフィードバックされているか | □ |
10 | 連携:失注理由がコンテンツ改善に反映されているか | □ |
診断結果
「No」が3つ以上ある場合:
SEOが「成果」につながっていない可能性があります。まず「導線」と「証拠」を見直すことを推奨します。
「No」が5つ以上ある場合:
SEOの構造に問題があります。順位を上げる施策の前に、「導線」「証拠」「計測」「連携」を整備することを推奨します。
FAQ:よくある質問
Q1:PVは増えたのにCVが増えないのはなぜ?
A:検索意図がズレているか、CV導線がないことが多いです。
「とは」記事でPVは取れても、「比較」「検討」への導線がないと、読者は情報だけ得て離脱します。
Q2:リードの質が悪いと言われるのはなぜ?
A:検索意図が「情報収集」止まりで、「購入検討」につながっていないことが多いです。
「○○とは」で流入したリードは、まだ「知りたいだけ」の段階です。「比較」「選び方」「事例」で流入するリードの方が質が高くなります。
Q3:順位が上がらないのはなぜ?
A:E-E-A-Tの不足、独自性の欠如、競合の強さなど、複数の原因があります。
まず、E-E-A-T(著者情報・実績・出典)を確認し、競合と差別化できる独自情報を追加します。
Q4:AIで記事を作っても大丈夫?
A:AIはドラフト生成に使い、編集・独自情報の追加は人間が行えば問題ありません。
Googleは「AIで生成したかどうか」ではなく「有用で信頼できるか」を評価しています。
Q5:どこから改善すべき?
A:「導線→証拠→提案→計測」の順番で改善するとROIが高いです。
順位を上げる施策は、導線・証拠・提案・計測が整ってから検討します。
Q6:営業と連携するにはどうすればいい?
A:月次レビューを実施し、失注理由を5カテゴリで分類してコンテンツ改善に反映します。
「価格」「実績」「体制」「リスク」「稟議資料不足」の5カテゴリで整理すると、改善点が明確になります。
Q7:計測はどこまでやるべき?
A:理想は「PV→資料DL→商談→受注」の4段階を追うことです。
MA/CRMを活用し、リード獲得元(どの記事から来たか)と商談・受注を紐づけて計測します。
まとめ
1. 順位は「手段」であり「成果」ではない
B2B SEOの目的は「商談・受注を増やすこと」です。順位を成果と混同すると失敗します。
2. 失敗パターンは7つに整理できる
①検索意図のズレ、②単発記事、③問い合わせ一択、④E-E-A-T不足、⑤計測がCV止まり、⑥営業と断絶、⑦AI量産で独自性なし。
3. 改善は「導線→証拠→提案→計測」の順番で
順位を上げる施策は、導線・証拠・提案・計測が整ってから検討します。
次に読む関連記事
B2Bサイトの価格表示設計ガイド 価格を出すべきか迷っている場合の判断軸と、見積もりハードルを下げる5つの型を解説
稟議を通す事例ページの作り方 事例があるのに受注できない原因と、社内説明に使える事例の型を解説
「順位は取れたのに、商談・受注が増えない」 「PVは伸びたのに、リードの質が悪いと言われる」 「どこを直せばいいか分からない」
──こうした課題を抱えている企業向けに、GXO株式会社では「SEO失敗診断」を最短2週間で実施しています。
診断のアウトプット例
アウトプット | 内容 |
|---|---|
失敗パターン診断表 | 7つの失敗パターンのどれに該当するかを診断 |
改善優先順位表 | 何から手をつけるべきかを優先度付きで整理 |
KPI設計案 | PV→資料DL→商談→受注の計測設計 |
導線マップ | 記事→CV→商談の導線を可視化 |
GXOの特徴
いきなり制作・運用を売らない(まず診断から)
診断完了後は、内製・外注どちらでも進められる形で納品
大手コンサルティングファーム案件を含む支援実績あり(守秘義務の範囲で説明可能)
「順位は取れたのに成果が出ない」段階でも相談可能です。
この記事についてもっと詳しく知りたい方へ
GXOでは、SEO・コンテンツマーケに関する詳しい資料を無料で提供しています。導入事例や成功事例、具体的な導入手順を詳しく解説しています。




