24時間対応できない機会損失は年間いくら?データで見る顧客対応の課題
GXO株式会社の上田です。
「営業時間外の問い合わせには翌営業日に対応すればいい」——そう考えていませんか?実はその間に、御社は見えない形で売上を失い続けている可能性があります。
本記事では、経営企画・DX推進担当の方が「顧客対応のデジタル化に投資すべきか」を判断するための材料として、24時間対応ができていないことによる機会損失を具体的な数値で可視化し、AIチャットボットによる解決策と期待できるROIを解説します。現場の情シス担当者から経営層まで、意思決定の材料としてご活用ください。
結論:24時間対応できないことで、御社は年間数百万〜数千万円を失っている可能性がある
結論から言えば、24時間対応ができていない企業は「見えない売上」を毎日逃し続けています。
機会損失の正体:営業時間外に来た問い合わせの多くは、翌営業日には競合に流れている
数値で見るリスク:レスポンスが遅い企業からは52%の顧客が離反、78%は「最初に返答した企業」から購入
経営判断のポイント:「何もしないコスト」を可視化し、投資対効果で判断する
では、具体的にどれくらいの損失が発生しているのでしょうか。以下の計算式で自社の機会損失額を算出できます。
【機会損失額の計算式】
年間機会損失額 = 時間外問い合わせ数/月 × 見込み客率 × 契約率 × 平均単価 × 12
例えば、月間100件の営業時間外問い合わせがあり、そのうち30%が見込み客、契約率が10%、平均単価が100万円の場合を計算してみましょう。
100件 × 30% × 10% × 100万円 × 12ヶ月 = 年間3,600万円の機会損失
この数字は業種や規模によって大きく変わりますが、「何もしていないことのコスト」を可視化することが、対策の第一歩です。経営企画部門であれば「投資判断の根拠」として、DX推進担当であれば「プロジェクト起案の材料」として、この計算式をぜひ活用してください。
よくある事故・失敗パターン:現場で起きている「見えない損失」
多くの企業で、以下のような問題が日常的に発生しています。
パターン1:金曜夕方の問い合わせが月曜まで放置される
金曜17時以降に入った問い合わせは、最短でも月曜9時まで約64時間放置されます。顧客が「すぐに解決したい」という温度感で問い合わせてきた場合、この間に競合他社に流れてしまうケースは少なくありません。特にBtoBの商談では、週末に情報収集を行い、週明けに社内稟議を通そうとする担当者も多いため、この64時間のブランクは致命的です。
パターン2:「電話がつながらない」で機会を逃す
NTTコムオンラインの調査によると、74.3%の顧客が「コールセンターに電話をかけたがつながらず困った経験がある」と回答しています。営業時間外に電話した顧客の約半数は、オペレーター以外の対応(チャットボットやWebへの誘導)を期待しているというデータもあります。つまり、顧客は「人が出なくても何らかの対応」を求めており、何も用意していない企業は期待を裏切っていることになります。
参考:NTTコム オンライン「コールセンターに電話をかけた時に、もし営業時間外だった場合、どのような誘導を期待するのか?」
https://www.nttcoms.com/service/mobileweb/column/20220105/
パターン3:対応の遅れで「検討中」が「他社決定」に変わる
見込み客は問い合わせ後、最初の数時間が最も温度感が高い状態です。85%の顧客は6時間以内の返答を期待し、90%が「即時対応」を重要視しているというデータがあります。対応が遅れるほど、成約率は急速に低下します。ある調査では、問い合わせから1時間以内に返答した場合の成約率が、24時間後に返答した場合の7倍だったという結果も報告されています。
パターン4:既存顧客の解約・離反
新規獲得だけでなく、既存顧客の維持にも影響します。製品トラブルや緊急の質問に対応できないことで、顧客満足度が低下し、解約につながるケースも発生しています。特にサブスクリプション型のサービスでは、1回のトラブル対応の遅れが解約の直接原因になることも珍しくありません。
原因は「構造」:なぜ24時間対応ができていないのか

問題の本質は、個人の努力不足ではなく「構造的な課題」にあります。
体制の課題:人員配置の限界
有人で24時間対応を実現しようとすると、3交代制のシフト体制が必要になります。深夜・早朝の人件費は日中より高く、採用難の現代では人材確保自体が困難です。結果として、多くの企業が「営業時間内のみ対応」という選択を余儀なくされています。仮に24時間体制を人員だけで構築した場合、人件費は単純計算で3倍以上になります。
設計の課題:問い合わせチャネルの分断
電話、メール、Webフォーム、SNSなど、問い合わせチャネルが分断されていると、どこにどれだけの問い合わせが来ているか把握できません。結果として、対応漏れや重複対応が発生し、顧客体験を損なっています。DX推進の観点では、この「チャネル統合」こそが最初に取り組むべきシステム課題です。
運用の課題:属人化した対応
特定の担当者しか回答できない問い合わせが多いと、その担当者が不在の間は対応が止まります。ナレッジが共有されていない、FAQが整備されていないといった問題が根底にあります。この属人化は、担当者の負荷増大と品質のバラつきという二重の問題を引き起こします。
データの課題:機会損失の可視化ができていない
「営業時間外にどれだけ問い合わせがあるか」「対応できなかった問い合わせがどれだけ売上に影響したか」を計測していない企業がほとんどです。見えないものは改善できません。経営層に対して投資の必要性を訴えるためにも、まずはデータを取ることが不可欠です。
【自己診断Q&A】御社の顧客対応体制チェックリスト
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以下の質問で、御社の現状を確認してください。3つ以上「はい」に該当する場合は、早急な対策が必要です。
□ 営業時間外の問い合わせ件数を計測していない
□ 金曜夕方〜月曜朝の問い合わせ対応に48時間以上かかることがある
□ 「電話がつながらない」というクレームを受けたことがある
□ FAQページはあるが、更新が1年以上止まっている
□ 問い合わせ対応が特定の担当者に集中している
□ チャットボットを導入していない、または導入したが活用できていない
□ 問い合わせチャネル(電話・メール・フォーム)が連携していない
□ 顧客対応の品質が担当者によってバラつきがある
優先順位:今週・今月・四半期でやるべきこと
すべてを一度に改善することは困難です。以下の優先順位で段階的に取り組むことを推奨します。
【今週やること】現状把握
まず着手すべきは、現状の可視化です。過去3ヶ月の営業時間外問い合わせ件数を集計し、問い合わせ内容を「FAQ化できるもの」「個別対応が必要なもの」に分類します。そのうえで、冒頭で紹介した計算式を使って機会損失額の概算を算出してください。この数字が、今後の投資判断の基準になります。
【今月やること】応急処置
次に取り組むべきは、低コストで実施できる応急処置です。営業時間外の自動応答メッセージを電話・メール・フォームに設定し、「いつまでに返答するか」を明示しましょう。また、よくある質問TOP10をFAQページに掲載し、簡易的なチャットボット(シナリオ型)の導入検討を開始してください。
【四半期でやること】本格対策
本格的な改善は四半期スパンで取り組みます。AIチャットボットの導入または既存チャットボットの高度化、問い合わせチャネルの統合・一元管理、効果測定の仕組み構築(KPI設定・ダッシュボード作成)を進めてください。
対策パターン3つ:最小改善から本格刷新まで

予算や社内リソースに応じて、以下の3パターンから選択できます。
パターンA:最小改善(すぐにできる対策)
既存の仕組みを活用した低コスト対策です。営業時間外の自動応答メール設定、IVR(自動音声応答)によるWebサイト誘導、FAQページの整備・拡充などが該当します。期待効果としては、問い合わせの10〜20%を自己解決に誘導できます。想定コストは数万円〜数十万円程度で、まずは現状把握と応急処置から始めたい企業に適しています。
パターンB:段階改善(シナリオ型チャットボット導入)
定型的な問い合わせをチャットボットで自動化するアプローチです。シナリオ型チャットボットの導入、よくある質問(FAQ)の自動応答、有人対応への引き継ぎ機能などを実装します。期待効果は、問い合わせの40〜60%を自動対応し、対応時間を50%短縮できます。想定コストは月額数万円〜数十万円で、定型的な問い合わせが多く、コスト効率を重視する企業に適しています。
パターンC:本格刷新(AIチャットボット+顧客対応基盤の再構築)
AI技術を活用した高度な自動応答と、顧客対応プロセス全体の最適化を行うアプローチです。生成AI搭載チャットボットの導入(自然言語での対話、高度な質問への回答)、問い合わせ窓口の統合(オムニチャネル化)、CRM・SFAとの連携による顧客情報の一元管理、ナレッジベースの構築と継続的な学習・改善を実施します。
期待効果として、問い合わせの60〜80%を自動対応(IBMの調査より)、顧客対応コスト30〜70%削減、顧客満足度20〜40%向上が見込めます。ある中堅サービス業では、AIチャットボット導入後6ヶ月で問い合わせ対応コストを年間1,200万円削減。初期投資400万円に対しROI300%を達成しました。
想定コストは初期数百万円〜、月額数十万円〜で、本格的なDX推進や競争優位性の確立を目指す企業に適しています。
なお、AIチャットボット導入は2025年度のIT導入補助金やものづくり補助金の対象となるケースがあり、初期投資の1/2〜2/3を補助金でカバーできる可能性があります。補助金活用を前提とした導入計画を立てることで、投資リスクを大幅に抑えられます。
矢野経済研究所の調査によると、国内AIチャットボット市場は2027年に約454億5,000万円規模に成長すると予測されています。先進的な企業は既に導入を進めており、早期の取り組みが競争優位性につながります。
よくある失敗:ツール導入だけで終わるケース
「チャットボットを導入したが効果が出ない」という声をよく聞きます。その多くは、以下のような「ツール導入だけで終わる」パターンに陥っています。
失敗パターン1:現状分析なしで導入
どんな問い合わせが多いのか、どこがボトルネックなのかを把握せずにツールを選定してしまい、導入後に「思っていたのと違う」となるケースです。
失敗パターン2:FAQやナレッジの整備不足
AIチャットボットは「教えた知識」をもとに回答します。FAQやナレッジベースが整備されていないと、的外れな回答が続き、顧客満足度がかえって低下します。
失敗パターン3:運用体制の不在
導入後の改善サイクル(回答精度の向上、新しい質問パターンの追加など)を回す体制がないと、時間とともに陳腐化し、使われなくなります。
本質的な解決には、ツール単体ではなく、業務プロセス全体の見直しが必要です。
まとめ:「部分最適」から「全体最適」へ
【経営層向け3行サマリー】
24時間対応の欠如は、年間数百万〜数千万円の機会損失を生む構造的課題
AIチャットボット導入で対応コスト30〜70%削減、ROI200〜300%超の実現が可能
2025年度の補助金活用で初期投資リスクを1/2〜2/3軽減できる
24時間対応の問題は、単に「チャットボットを入れれば解決する」というものではありません。本質的な解決には、以下の3つの視点が必要です。
現場視点では、担当者の負荷軽減と属人化の解消が課題です。情シス視点では、システム連携とデータ活用基盤の整備が求められます。経営視点では、機会損失の最小化、顧客体験の向上、競争優位性の確立を目指す必要があります。
GXOは、180社以上のDX支援実績をもとに、サイバーセキュリティ・AI・DXの3領域をトータルで支援できるパートナーとして、「ツール導入」だけでなく「業務設計」「運用定着」まで一貫してサポートしています。
【無料相談受付中】
「うちの場合、どこから手をつければいいのか?」「機会損失額を具体的に算出したい」といったご相談を承っています。
まずは現状診断から始めてみませんか?GXOのAIカスタマーサポート自動化サービスでは、約30分のオンライン面談で御社の状況をヒアリングし、以下の内容をまとめた診断レポートをご提供します。
①概算の機会損失額の試算:御社の問い合わせ状況から、具体的な損失額を算出
②3〜6ヶ月の導入ロードマップ:優先度と実現ステップを明確化
③活用可能な補助金の有無:2025年度IT導入補助金等の適用可否を確認
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